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公開番号2024173405
公報種別公開特許公報(A)
公開日2024-12-12
出願番号2023091804
出願日2023-06-02
発明の名称電気脱イオン装置の脱塩水の水質測定方法
出願人栗田工業株式会社
代理人個人,個人
主分類C02F 1/469 20230101AFI20241205BHJP(水,廃水,下水または汚泥の処理)
要約【課題】 電気脱イオン装置の脱塩水の比抵抗値又は導電率を的確に計測することの可能な電気脱イオン装置の脱塩水の水質測定方法を提供する。
【解決手段】 電気脱イオン装置8A~8Dには、被処理水W4の給水管21から分岐した電気脱イオン装置8A~8Dの脱塩室に給水W4を供給する分岐菅21A~21Dが接続しているとともに、脱塩室の出口に処理水W5の流出管22A~22Dが連通している。これら流出管22A~22Dは、合流管22において合流し、後段のシステムに処理水W5を供給する。そして、流出管22A~22Dには、比抵抗計23A~23Dがそれぞれ設けられており、採水管24A~24Dの長さは、脱塩水が、脱塩室の出口から比抵抗計23A~23Dの計測部に到達するまで10秒以上、好ましくは30秒以上を要する長さとなっている。
【選択図】 図1
特許請求の範囲【請求項1】
陰極及び陽極と、該陰極と陽極との間に複数のカチオン交換膜とアニオン交換膜とを配列することにより交互に形成された濃縮室及び脱塩室とを有し、該脱塩室にイオン交換樹脂が充填された電気脱イオン装置の脱塩室を通過して得られる脱塩水の比抵抗値又は導電率を計測する方法であって、前記脱塩室を通過した後10秒以上経過した脱塩水の比抵抗値又は導電率を計測する、電気脱イオン装置の脱塩水の水質測定方法。
続きを表示(約 230 文字)【請求項2】
前記電気脱イオン装置の脱塩室出口から前記比抵抗値又は導電率の測定箇所までが、PP、PVC、PVDFから選ばれる硬質樹脂材料または金属材料により構成されている、請求項1に記載の電気脱イオン装置の脱塩水の水質測定方法。
【請求項3】
前記比抵抗値又は導電率を計測する手段が比抵抗計又は導電率計であり、該比抵抗計又は導電率計の採水管がガスバリア性材料製チューブである、請求項1又は2に記載の電気脱イオン装置の脱塩水の水質測定方法。

発明の詳細な説明【技術分野】
【0001】
本発明は、電気脱イオン装置の脱塩水の水質測定方法に関し、特に電気脱イオン装置の脱塩水の比抵抗値又は導電率を的確に計測することの可能な電気脱イオン装置の脱塩水の水質測定方法に関する。
続きを表示(約 2,100 文字)【背景技術】
【0002】
従来、半導体等の電子産業分野で用いられている超純水は、前処理システム、一次純水製造装置及び一次純水を処理するサブシステム(二次純水製造装置)で構成される超純水製造システムで原水を処理することにより製造されている。
【0003】
例えば、図4に示すように超純水製造システム1は、前処理装置2と一次純水製造装置(純水製造装置)3とサブシステム4といった3段の装置で構成されている。このような超純水製造システム1の前処理装置2では、原水Wの濾過、凝集沈殿、精密濾過膜などによる前処理が施され、主に懸濁物質が除去される。
【0004】
一次純水製造装置3は、前処理水W1を処理する逆浸透膜装置5と、紫外線酸化装置6と、電気脱イオン装置8と、この電気脱イオン装置8に給水を供給する給水ポンプ7とを有する。この一次純水製造装置3で前処理水W1中の大半の電解質、微粒子、生菌等の除去を行うとともに有機物を分解して、一次純水(純水)W2を得る。
【0005】
そして、サブシステム4は、サブタンク10と供給ポンプ11と紫外線酸化装置12と非再生型混床式イオン交換装置13と限外ろ過膜(UF膜)14とを有し、限外ろ過膜(UF膜)14からユースポイント15を経由してサブタンク10に還流する構成となっている。このサブシステム4では、一次純水製造装置3で製造された一次純水W2中に含まれる微量の有機物(TOC成分)を酸化分解し、炭酸イオン、有機酸類、アニオン性物質、さらには金属イオンやカチオン性物質を除去し、最後に限外濾過(UF)膜14で微粒子を除去して超純水W3を製造し、これをユースポイント15に供給して、未使用の超純水W3はサブタンク10に還流する。
【0006】
上述したような超純水製造システム1の一次純水製造装置3に用いられる電気脱イオン装置8は、一般に陰極(カソード)及び陽極(アノード)間にカチオン交換膜とアニオン交換膜とを交互に配置し、これらカチオン交換膜及びアニオン交換膜により区画を構成することで脱塩室及び濃縮室を形成し、この脱塩室及び前記濃縮室にイオン交換樹脂を充填したものである。カチオン交換膜やアニオン交換膜などのイオン交換膜としては、粉末状のイオン交換樹脂にポリスチレンなどの結合剤を加えて製膜した不均質膜や、スチレン-ジビニルベンゼン等の重合によって製膜した均質膜などのほか、各種アニオン交換機能あるいはカチオン交換機能を有する単量体をグラフト重合により製膜したものなどが用いられている。
【0007】
また、脱塩室には、イオン交換樹脂、イオン交換繊維もしくはグラフト交換体等からなるイオン交換体(アニオン交換体及びカチオン交換体)が混合もしくは複層状に充填されている。さらに、濃縮室と、陽極室及び陰極室にも、イオン交換体が充填されている。
【0008】
この電気脱イオン装置8には、脱塩室に被処理水(給水)を通水して処理水を取り出す通水手段と、濃縮室に濃縮水を通水する濃縮水通水手段とが設けられていて、通常は脱塩室に被処理水を通水する方向と、濃縮室に濃縮水を通水する方向を同じくすること、もしくは逆方向とすることが行われている。
【0009】
このような電気脱イオン装置8を備えた一次純水製造装置(純水製造装置)3においては、例えば、図5に示すように複数系列(4系列)の電気脱イオン装置8A,8B,8C,8Dが設けられていて、この電気脱イオン装置8A~8Dは、給水(被処理水)W4の給水管21から分岐した電気脱イオン装置8A~8Dの脱塩室に給水W4を供給する分岐菅21A~21Dと、脱塩室に連通した処理水(脱塩水)W5の流出管22A~22Dが接続していて、これら流出管22A~22Dは、合流管22において合流し、後段のシステムに処理水W5を供給する。そして、一次純水W2の水質の管理には、電気脱イオン装置8A~8Dの処理水の水質の把握は重要である。そこで、流出管22A~22Dに、比抵抗計23A~23Dがそれぞれ設け、これら比抵抗計23A~23Dにより電気脱イオン装置8A~8Dの脱塩室から吐出された直後の処理水(脱塩水)W5の比抵抗を測定することで処理水の水質を監視している。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0010】
しかしながら、この電気脱イオン装置8A~8Dの処理水(脱塩水)W5の比抵抗値が、この電気脱イオン装置8の後段側、例えば、合流管22に比抵抗計23を設けて合流した処理水W5の比抵抗を計測してみると、比抵抗が低下していることがわかった。一次純水W2ひいては超純水W3の水質を安定化させるためには電気脱イオン装置8の処理水の水質を正確に管理することが好ましいが、比抵抗値の計測精度が低いと電気脱イオン装置の運転電流などの運転条件の設定が困難になる、という問題点がある。
(【0011】以降は省略されています)

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