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公開番号2024178756
公報種別公開特許公報(A)
公開日2024-12-25
出願番号2023097140
出願日2023-06-13
発明の名称原料の改質方法及び改質装置
出願人栗田工業株式会社
代理人弁理士法人大谷特許事務所
主分類B01J 19/00 20060101AFI20241218BHJP(物理的または化学的方法または装置一般)
要約【課題】改質剤の原料への添加量を適量に制御することができ、改質剤及び原料の搬送設備への付着を抑制できる、原料の改質方法等を提供する。
【解決手段】搬送設備で搬送される原料に改質剤を添加して原料を改質する方法であって、原料の水分率を連続的に測定する工程(1)と、搬送設備の特定位置に存在する原料の量を連続的に測定する工程(2)と、搬送設備の発停を連続的に測定する工程(3)と、水分率に基づき、原料に改質剤を添加したと想定したときの改質剤添加済み原料中における改質剤の目標濃度(A)を算出する工程(4)と、原料の量と発停とに基づいて、改質剤の添加の要否を判断する工程(5)と、原料の量と目標濃度(A)とに基づいて、改質剤の単位時間当りの目標添加量(B)を算出する工程(6)と、改質剤の添加の要否が要の場合に目標添加量(B)を原料に添加する工程(7)とを有する、改質方法。
【選択図】なし
特許請求の範囲【請求項1】
搬送設備で搬送される原料に改質剤を添加して、前記原料を改質する方法であって、
搬送される前記原料の水分率を連続的に測定する工程(1)と、
前記搬送設備の特定位置に存在する前記原料の量を連続的に測定する工程(2)と、
前記搬送設備の発停を連続的に測定する工程(3)と、
前記水分率に基づき、前記原料に前記改質剤を添加したと想定したときの改質剤添加済み原料中における前記改質剤の目標濃度(A)を算出する工程(4)と、
前記原料の量と前記発停とに基づいて、前記改質剤の添加の要否を判断する工程(5)と、
前記原料の量と前記目標濃度(A)とに基づいて、前記改質剤の単位時間当りの目標添加量(B)を算出する工程(6)と、
前記改質剤の添加の要否が要の場合に、前記目標添加量(B)を前記原料に添加し、前記改質剤の添加の要否が否の場合に、前記目標添加量(B)を前記原料に添加しない工程(7)と、
を有する、前記搬送設備への付着、前記搬送設備内における詰まり、前記搬送設備の蛇行及び偏り、並びに前記原料の嵩密度低下の少なくともいずれかを防止する、原料の改質方法。
続きを表示(約 760 文字)【請求項2】
前記搬送設備が、配管、ベルトコンベア、コンベアチェーン、シュート、ホッパー、サイロ、及びコークス炉の少なくともいずれかである、請求項1に記載の原料の改質方法。
【請求項3】
搬送設備で搬送される原料に改質剤を添加して、前記原料を改質する改質装置であって、
搬送される前記原料の水分率を連続的に測定する水分率測定装置と、
前記搬送設備の特定位置に存在する前記原料の量を連続的に測定する原料量測定装置と、
前記搬送設備の発停を連続的に測定する発停測定装置と、
前記水分率に基づき、前記原料に前記改質剤を添加したと想定したときの改質剤添加済み原料中における前記改質剤の目標濃度(A)を算出する制御装置と、
前記原料の量と前記発停とに基づいて、前記改質剤の添加の要否を判断する制御装置と、
前記原料の量と前記目標濃度とに基づいて、前記改質剤の単位時間当りの目標添加量(B)を算出する制御装置と、
前記改質剤の添加の要否が要の場合に、前記目標添加量(B)を前記原料に添加し、前記改質剤の添加の要否が要の場合に、前記目標添加量(B)を前記原料に添加しない改質剤添加装置と、
を有する、前記搬送設備への付着、前記搬送設備内における詰まり、前記搬送設備の蛇行及び偏り、並びに前記原料の嵩密度低下の少なくともいずれかを防止する、原料の改質装置。
【請求項4】
前記発停測定装置は、前記搬送設備が発進しているか停止しているかを測定し、移動速度は測定しない発停二択装置である、請求項3に記載の原料の改質装置。
【請求項5】
前記発停測定装置は、前記搬送設備の移動速度測定装置である、請求項3に記載の原料の改質装置。

発明の詳細な説明【技術分野】
【0001】
本発明は、原料、特に湿潤な状態にある原料の改質方法及び改質装置に関する。
続きを表示(約 3,400 文字)【背景技術】
【0002】
製鉄所や火力発電所等では、通常、鉱物原料や燃料(以下、原料ということがある)が在庫として原料ヤードに野積みされている。原料ヤードに野積みされている原料は、防塵対策として散水される水や雨水を含む場合があり、水分率が高くなりやすい。またバラ積み船などで運ばれた原料は、荷揚げされ原料ヤードに運ばれるが、輸送時にハッチ下部にある原料は水分が高くなりやすい。
原料の荷揚げや原料ヤードからの搬送では、通常ベルトコンベア(以下、BC)で搬送される。このように水分の高い原料は、搬送工程で付着、詰まり、閉塞等を引き起こし、また、コークス炉用石炭に関してはコークス炉における嵩密度の低下などを引き起こすことから、不具合防止のために改質剤を使用する場合がある。改質剤は通常、BC上の原料に散布され、乗継部で原料と改質剤が混ざり改質効果を発揮する。
【0003】
改質剤の添加方法としては、人が搬送量や荷切れを外観より判断し、薬剤注入量の設定を変更するという方法が知られている。
しかしながら、BCは常に原料を搬送している訳では無く、操業状況によって発停を繰返しており、搬送量も一定ではない。特にバラ積み船からの荷役時は、ハッチの交換、バケット洗浄、BC蛇行の対応などで停止する。また荷揚げに使用するアンローダも一基運転/二基運転と変わる場合があり、且つ各アンローダの能力は異なるため、搬送量は変化する。荷揚げは数日間に及ぶため、人が常時監視して薬注を制御することは困難である。薬注制御が不十分な場合、BC上に原料が無い状態で薬注が継続されることとなり、改質剤の種類によってはBC上に薬剤が付着し、BC上に原料が付着しやすくなるなどの問題が発生することがある。
したがって、上記のように人が薬剤注入量の設定を変更することに代えて、薬剤注入量の制御を自動で行う必要がある。
【0004】
特許文献1には、鉱物原料に改質剤を添加して、該鉱物原料を改質する方法であって、搬送される前記鉱物原料の水分率を連続的に測定する工程と、前記水分率に基づいて、前記改質剤の添加量を算出する工程と、前記添加量の前記改質剤を前記鉱物原料に添加する工程とを含み、前記改質剤の添加により、前記鉱物原料の、搬送設備への付着、該搬送設備内における詰まり、該搬送設備内及び該搬送設備外への噴出、並びに嵩密度低下の少なくともいずれかを防止する、鉱物原料の改質方法が記載されている。
特許文献2には、鉱石や石炭を含む含水バラ物を、橋形クレーンやアンローダのグラブバケットを用いて、貨物船からベルトコンベア上に荷揚げし、該ベルトコンベアで、該含水バラ物をヤードまで搬送する際に、該含水バラ物に薬液を添加する装置であって、薬液を添加する添加手段と、薬液の添加量を制御する添加量制御手段と、薬液添加の開始および停止を判断するための情報を集めるセンサーと、添加する薬液を収納する薬液タンクと、該薬液タンクから上記添加手段まで薬液を搬送する搬送ホースとを備える、含水バラ物への薬液添加装置が記載されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
特開2021-167442号公報
特開2015-196573号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
特許文献1では、BC上における原料の搬送量の多寡にかかわらず、原料中における改質剤の含有量が所定濃度になるように制御している。しかしながら、搬送量が少ない場合に所定濃度になるように改質剤が散布されると、改質剤がBCや他の設備に付着し、原料の付着を助長しBCへの原料付着や、乗継シュート部での詰まり等を引き起こすという不都合が生じることがある。
特許文献2では、BCが稼働しており、かつBC上に荷が有る場合には薬液を添加することが開示されている。しかしながら、特許文献2においても、BC上の荷が少ない場合に所定濃度になるように改質剤が散布されると、改質剤がBCや他の設備に付着し、原料の付着を助長しBCへの原料付着や、乗継シュート部での詰まり等を引き起こすという不都合が生じることがある。
【0007】
本発明は、自動化が可能であり、改質剤の原料への添加量を適量に制御することができ、改質剤及び原料の搬送設備(BC等)への付着を抑制することができる、原料の改質方法及び改質装置を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0008】
本発明は、次の[1]~[5]を提供するものである。
[1]搬送設備で搬送される原料に改質剤を添加して、前記原料を改質する方法であって、
搬送される前記原料の水分率を連続的に測定する工程(1)と、
前記搬送設備の特定位置に存在する前記原料の量を連続的に測定する工程(2)と、
前記搬送設備の発停を連続的に測定する工程(3)と、
前記水分率に基づき、前記原料に前記改質剤を添加したと想定したときの改質剤添加済み原料中における前記改質剤の目標濃度(A)を算出する工程(4)と、
前記原料の量と前記発停とに基づいて、前記改質剤の添加の要否を判断する工程(5)と、
前記原料の量と前記目標濃度(A)とに基づいて、前記改質剤の単位時間当りの目標添加量(B)を算出する工程(6)と、
前記改質剤の添加の要否が要の場合に、前記目標添加量(B)を前記原料に添加し、前記改質剤の添加の要否が否の場合に、前記目標添加量(B)を前記原料に添加しない工程(7)と、
を有する、前記搬送設備への付着、前記搬送設備内における詰まり、前記搬送設備の蛇行及び偏り、並びに前記原料の嵩密度低下の少なくともいずれかを防止する、原料の改質方法。
[2]前記搬送設備が、配管、ベルトコンベア、コンベアチェーン、シュート、ホッパー、サイロ、及びコークス炉の少なくともいずれかである、上記[1]に記載の原料の改質方法。
[3]搬送設備で搬送される原料に改質剤を添加して、前記原料を改質する改質装置であって、
搬送される前記原料の水分率を連続的に測定する水分率測定装置と、
前記搬送設備の特定位置に存在する前記原料の量を連続的に測定する原料量測定装置と、
前記搬送設備の発停を連続的に測定する発停測定装置と、
前記水分率に基づき、前記原料に前記改質剤を添加したと想定したときの改質剤添加済み原料中における前記改質剤の目標濃度(A)を算出する制御装置と、
前記原料の量と前記発停とに基づいて、前記改質剤の添加の要否を判断する制御装置と、
前記原料の量と前記目標濃度とに基づいて、前記改質剤の単位時間当りの目標添加量(B)を算出する制御装置と、
前記改質剤の添加の要否が要の場合に、前記目標添加量(B)を前記原料に添加し、前記改質剤の添加の要否が要の場合に、前記目標添加量(B)を前記原料に添加しない改質剤添加装置と、
を有する、前記搬送設備への付着、前記搬送設備内における詰まり、前記搬送設備の蛇行及び偏り、並びに前記原料の嵩密度低下の少なくともいずれかを防止する、原料の改質装置。
[4]前記発停測定装置は、前記搬送設備が発進しているか停止しているかを測定し、移動速度は測定しない発停二択装置である、上記[3]に記載の原料の改質装置。
[5]前記発停測定装置は、前記搬送設備の移動速度測定装置である、上記[3]に記載の原料の改質装置。
【発明の効果】
【0009】
本発明に係る原料の改質方法及び改質装置によれば、自動化が可能であり、改質剤の原料への添加量を適量に制御することができ、改質剤及び原料の搬送設備(BC等)への付着を抑制することができる。
【図面の簡単な説明】
【0010】
図1は、本発明に係る原料の改質方法及び改質装置を説明するための模式図である。
【発明を実施するための形態】
(【0011】以降は省略されています)

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