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公開番号2025101761
公報種別公開特許公報(A)
公開日2025-07-08
出願番号2023218718
出願日2023-12-26
発明の名称パティキュレートフィルタおよび内部コート用スラリー
出願人株式会社キャタラー
代理人個人,個人
主分類B01D 46/00 20220101AFI20250701BHJP(物理的または化学的方法または装置一般)
要約【課題】高いPM捕集性能を有するパティキュレートフィルタを提供する。
【解決手段】ここに開示されるパティキュレートフィルタは、ウォールフロー型の基材と、内部コート層とを備えている。このパティキュレートフィルタは、内部コート層が形成された隔壁の水銀圧入法に基づいた隔壁の累積細孔径分布において、累積50%細孔径(D50)が9.0μm~20.0μmの範囲に存在しており、累積50%細孔径(D50)に対する累積10%細孔径(D10)の比率D10/D50が0.1~0.45であり、累積50%細孔径(D50)に対する累積90%細孔径(D90)の比率D90/D50が2.0~4.0である。かかるパティキュレートフィルタは、大細孔18lが十分に小径化され、かつ、小細孔18sの閉塞が抑制されているため、高いPM捕集性能を発現する。
【選択図】図3
特許請求の範囲【請求項1】
内燃機関の排気系に配置されて該内燃機関から排出される排ガス中の粒子状物質を捕集するために用いられるパティキュレートフィルタであって、
排ガス流入側の端部のみが開口した入側セル、排ガス流出側の端部のみが開口した出側セル、並びに前記入側セルと前記出側セルとを仕切る多孔質の隔壁を有するウォールフロー型の基材と、
前記隔壁の内部における細孔の周壁に形成されている内部コート層と、
を少なくとも備え、
前記内部コート層が形成された前記隔壁の水銀圧入法に基づいた前記隔壁の累積細孔径分布において、累積50%細孔径(D
50
)が9.0μm~20.0μmの範囲に存在しており、
前記累積50%細孔径(D
50
)に対する累積10%細孔径(D
10
)の比率D
10
/D
50
が0.1~0.45であり、
前記累積50%細孔径(D
50
)に対する累積90%細孔径(D
90
)の比率D
90
/D
50
が2.0~4.0である、
パティキュレートフィルタ。
続きを表示(約 1,000 文字)【請求項2】
前記累積50%細孔径(D
50
)に対する、前記累積50%細孔径(D
50
)と前記累積10%細孔径(D
10
)との差分の比率(D
50
-D
10
)/D
50
が、0.55~0.65である、請求項1に記載のパティキュレートフィルタ。
【請求項3】
前記累積50%細孔径(D
50
)に対する、前記累積90%細孔径(D
90
)と前記累積50%細孔径(D
50
)との差分の比率(D
90
-D
50
)/D
50
が、1.00~2.00である、請求項1に記載のパティキュレートフィルタ。
【請求項4】
前記累積50%細孔径(D
50
)に対する、前記累積90%細孔径(D
90
)と前記累積10%細孔径(D
10
)との差分の比率(D
90
-D
10
)/D
50
が、1.50~2.50である、請求項1に記載のパティキュレートフィルタ。
【請求項5】
パティキュレートフィルタの内部コート層の形成に用いられる内部コート用スラリーであって、
耐熱材料と、バインダと、昇温増粘剤とを少なくとも含み、
動的粘弾性測定に基づいた20℃における粘度V
20
と60℃における粘度V
60
との比V
60
/V
20
が、10以上100以下である、
内部コート用スラリー。
【請求項6】
前記耐熱材料は、アルミナ、セリア、ジルコニア、シリカ、マグネシア、カルシアからなる群から選択される少なくとも一つを含む、請求項5に記載の内部コート用スラリー。
【請求項7】
前記バインダは、ベーマイトバインダー(アルミナゾル)、ジルコニアバインダーからなる群から選択される少なくとも一つを含む、請求項5に記載の内部コート用スラリー。
【請求項8】
前記昇温増粘剤は、メチルセルロース、ヒドロキシプロピルメチルセルロース、硫酸アンモニウム、澱粉からなる群から選択される少なくとも一つを含む、請求項5に記載の内部コート用スラリー。

発明の詳細な説明【技術分野】
【0001】
本開示は、パティキュレートフィルタと内部コート用スラリーに関する。
続きを表示(約 2,000 文字)【背景技術】
【0002】
自動車用エンジンなどの内燃機関から排出される排ガスには、炭化水素(HC)、一酸化炭素(CO)、窒素酸化物(NO

)などの有害ガス成分の他に、炭素を主成分とする粒子状物質(PM)が含まれている。このPMについても、有害ガス成分と同様に人体への影響が懸念されている。このため、内燃機関の排気系には、排ガス中のPMを捕集するパティキュレートフィルタが配置されている。
【0003】
かかるパティキュレートフィルタは、例えば、ウォールフロー型の基材を備えている。ウォールフロー型の基材は、排ガス流入側の端部のみが開口した入側セルと、排ガス流出側の端部のみが開口した出側セルと、両セルを仕切る多孔質の隔壁とを備えている。かかるウォールフロー型の基材に供給された排ガスは、入側セルに流入して隔壁を通過した後に出側セルから排出される。このとき、隔壁の細孔にPMが捕集される。
【0004】
また、この種のパティキュレートフィルタでは、PM捕集性能の向上を目的として、基材の隔壁内部(隔壁の細孔の周壁)および/または外部(隔壁の入側セルと接する表面)にコート層が形成される。例えば、特許文献1では、隔壁の内部にコート層を付与することによって、出側セルへのPMの吹き抜けを制御し、PMを安定的に捕集できるパティキュレートフィルタを開示している。この内部コート層は、内部コート用スラリーを隔壁内部に浸透させた後に乾燥処理と焼成処理を実施することによって形成される。この内部コート層によって隔壁内の大きな細孔が小径化されるためPM捕集性能が向上する。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
特開2020-81912号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
ところで、近年では、環境への配慮の高まりに応じて、従来よりも優れたPM捕集性能を発揮できるパティキュレートフィルタの開発が求められている。本発明者は、かかる要求に応えるために検討を行う際、隔壁の細孔径のばらつきに着目した。この隔壁の細孔径のばらつきがあると、内部コート層を形成した際に、大細孔が十分に小径化されず、且つ、小細孔が閉塞された状態となる恐れがある。この場合、大細孔を介してPMが出側セルへ流出するPMの吹き抜けが生じ、PM捕集性能が低下する原因となり得る。
【0007】
ここに開示される技術は、かかる点を鑑みてなされたものであり、その目的は、出側セルへのPMの吹き抜けを適切に防止し、優れたPM捕集性能を発揮できるパティキュレートフィルタを提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0008】
上記目的を実現するべく、ここに開示される技術によって以下の構成のパティキュレートフィルタが提供される。
【0009】
ここに開示されるパティキュレートフィルタは、内燃機関の排気系に配置されて該内燃機関から排出される排ガス中の粒子状物質を捕集するために用いられる。このパティキュレートフィルタは、排ガス流入側の端部のみが開口した入側セル、排ガス流出側の端部のみが開口した出側セル、並びに前記入側セルと前記出側セルとを仕切る多孔質の隔壁を有するウォールフロー型の基材と、前記隔壁の内部における細孔の周壁に形成されている内部コート層と、を少なくとも備えている。そして、ここに開示されるパティキュレートフィルタでは、前記内部コート層が形成された前記隔壁の水銀圧入法に基づいた前記隔壁の累積細孔径分布において、累積50%細孔径(D
50
)が9.0μm~20.0μmの範囲に存在しており、前記累積50%細孔径(D
50
)に対する累積10%細孔径(D
10
)の比率D
10
/D
50
が0.1~0.45であり、前記累積50%細孔径(D
50
)に対する累積90%細孔径(D
90
)の比率D
90
/D
50
が2.0~4.0である。
【0010】
上記構成のパティキュレートフィルタは、基材の隔壁に形成された複数の細孔のうち、大細孔に内部コート層が選択的に形成されている。このようなパティキュレートフィルタでは、隔壁の累積細孔径分布が上述の条件を満たすことが実験によって確認されている。そして、かかるパティキュレートフィルタでは、PMすり抜けの原因になる大細孔が十分に小径化されていると共に、PMの捕集に寄与し得る小細孔が維持されているため、高いPMの捕集性能を発揮することができる。
(【0011】以降は省略されています)

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