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公開番号
2024174688
公報種別
公開特許公報(A)
公開日
2024-12-17
出願番号
2023092651
出願日
2023-06-05
発明の名称
逆入力遮断クラッチ
出願人
日本精工株式会社
代理人
個人
,
個人
,
個人
,
個人
主分類
F16D
43/02 20060101AFI20241210BHJP(機械要素または単位;機械または装置の効果的機能を生じ維持するための一般的手段)
要約
【課題】従来技術と比較して騒音の発生を抑制できる逆入力遮断クラッチを提供する。
【解決手段】逆入力遮断クラッチは、ハウジングと、入力部材と、出力部材と、入力部材と係合可能な入力側被係合部53及び出力部材と係合可能な出力側被係合部54を有する一対の係合子5と、を備える。係合子5は、係合子本体50とは別部材で形成された駒部7を有する。駒部7は、係合子5のうち入力側被係合部53及び出力側被係合部54の少なくとも一方と対応する位置に設けられる。駒部7は、緩衝部材により形成されている。係合子5には、駒部7を収容する凹部55,56が形成されている。さらに凹部55,56には、駒部7と係合する係合突起57,58が設けられている。
【選択図】図3
特許請求の範囲
【請求項1】
内周面に被押圧面を有するハウジングと、
前記被押圧面よりも径方向の内側に設けられた入力側係合部を有し、前記被押圧面の軸方向と同軸に配置される入力部材と、
前記被押圧面よりも前記径方向の内側かつ前記入力側係合部よりも前記径方向の内側に配置された出力側係合部を有し、前記被押圧面と同軸に配置される出力部材と、
前記被押圧面に対向する押圧面、前記入力側係合部と係合可能な入力側被係合部、及び前記出力側係合部と係合可能な出力側被係合部を有し、前記径方向に沿う第一方向に互いに相対移動可能な一対の係合子と、
を備え、
前記第一方向は前記一対の係合子の近接離間方向と一致する方向であり、
前記入力部材に回転力が入力されると、前記一対の係合子は、前記入力側係合部と前記入力側被係合部との係合に基づいて、前記第一方向の内側に向かって互いに近づくように移動し、かつ前記出力側係合部と前記出力側被係合部との係合に基づいて、前記回転力を前記出力部材に伝達し、
前記出力部材に回転力が逆入力されると、前記一対の係合子は、前記出力側係合部と前記出力側被係合部との係合に基づいて、前記第一方向の外側に向かって互いに離間するように移動し、前記被押圧面と前記押圧面とを摩擦係合させ、
前記係合子のうち前記入力側被係合部及び前記出力側被係合部の少なくとも一方と対応する位置には、前記係合子とは別部材で形成された駒部が設けられる、
逆入力遮断クラッチ。
続きを表示(約 1,000 文字)
【請求項2】
前記駒部は、緩衝部材により形成されている、
請求項1に記載の逆入力遮断クラッチ。
【請求項3】
前記駒部は、前記入力部材及び前記出力部材の少なくとも一方と接触する母材の表面に表面処理が施されている、
請求項1に記載の逆入力遮断クラッチ。
【請求項4】
前記出力部材と前記係合子との間で弾性的に挟持され、前記係合子が前記被押圧面に近づくように前記係合子を前記第一方向の外側に向かって付勢する弾性部材をさらに備える、
請求項1又は請求項2に記載の逆入力遮断クラッチ。
【請求項5】
前記係合子は、前記駒部が収容される凹部を有し、
前記凹部の深さ方向の第一の位置において前記深さ方向と直交する前記凹部の断面積は、前記第一の位置よりも深さが浅い第二の位置において前記深さ方向と直交する前記凹部の断面積よりも大きい、
請求項1又は請求項2に記載の逆入力遮断クラッチ。
【請求項6】
前記係合子は、前記駒部が収容される凹部を有し、
前記凹部には、前記駒部と係合する係合突起が設けられている、
請求項1又は請求項2に記載の逆入力遮断クラッチ。
【請求項7】
前記凹部は、前記係合子から前記第一方向に凹むように設けられており、
前記係合突起は、前記凹部の底部から前記第一方向に突出しており、
前記係合突起の前記軸方向に沿う幅寸法は、前記係合子の前記軸方向に沿う厚み寸法よりも小さい、
請求項6に記載の逆入力遮断クラッチ。
【請求項8】
前記凹部は、前記係合子から前記軸方向に凹むように設けられており、
前記係合突起は、前記凹部の底部から前記軸方向に突出しており、
前記駒部は、前記係合子の前記軸方向を向く面に設けられる、
請求項6に記載の逆入力遮断クラッチ。
【請求項9】
前記駒部は、前記逆入力遮断クラッチに入力された回転トルクが所定の閾値未満である場合に前記入力部材及び前記出力部材の少なくとも一方と前記駒部とが接触し、かつ前記逆入力遮断クラッチに入力された回転トルクが前記所定の閾値以上である場合に前記入力部材及び前記出力部材の少なくとも一方と前記係合子とが接触するように前記第一方向の厚み寸法が設定されている、
請求項1又は請求項2に記載の逆入力遮断クラッチ。
発明の詳細な説明
【技術分野】
【0001】
本発明は、逆入力遮断クラッチに関する。
続きを表示(約 2,400 文字)
【背景技術】
【0002】
従来、駆動源などの入力機構に接続される入力部材と、減速機などの出力機構に接続される出力部材と、を備え、入力部材から出力部材への回転力の伝達を許可するとともに出力部材から入力部材への回転力の逆入力を遮断する逆入力遮断クラッチの構成が知られている。これらの逆入力遮断クラッチでは、逆入力遮断クラッチの性能を向上するための技術が種々提案されている。
【0003】
例えば特許文献1には、被押圧面を有する被押圧部材と、被押圧面の径方向内側において互いに同軸に設けられた入力部材及び出力部材と、正面視で入力部材及び出力部材の間に介在し、径方向に移動可能な一対の係合子と、を有する逆入力遮断クラッチの構成が開示されている。特許文献1に記載の技術によれば、出力部材に回転力が逆入力されると、係合子と出力部材との係合に基づき係合子が被押圧面に近づく方向に移動して被押圧面と摩擦係合することにより、出力部材に逆入力された回転力を遮断できるとされている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
国際公開第2019/026794号
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
ところで、上述の従来技術においては、組み立て作業性及び逆入力遮断クラッチの動作性を確保する観点から、入力部材及び出力部材のいずれにも回転力が入力されていない中立状態で、入力部材と係合子との間、及び、出力部材と係合子との間にそれぞれ隙間が設けられている。このため、隙間に起因したがたつきが生じ、入力部材又は出力部材に回転トルクが入力された際に騒音が発生するおそれがあった。
【0006】
そこで、本発明は、従来技術と比較して騒音の発生を抑制できる逆入力遮断クラッチを提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0007】
上記課題を解決するために、この発明は以下の手段を提案している。
本発明の第一の態様に係る逆入力遮断クラッチは、内周面に被押圧面を有するハウジングと、前記被押圧面よりも径方向の内側に設けられた入力側係合部を有し、前記被押圧面の軸方向と同軸に配置される入力部材と、前記被押圧面よりも前記径方向の内側かつ前記入力側係合部よりも前記径方向の内側に配置された出力側係合部を有し、前記被押圧面と同軸に配置される出力部材と、前記被押圧面に対向する押圧面、前記入力側係合部と係合可能な入力側被係合部、及び前記出力側係合部と係合可能な出力側被係合部を有し、前記径方向に沿う第一方向に互いに相対移動可能な一対の係合子と、を備え、前記第一方向は前記一対の係合子の近接離間方向と一致する方向であり、前記入力部材に回転力が入力されると、前記一対の係合子は、前記入力側係合部と前記入力側被係合部との係合に基づいて、前記第一方向の内側に向かって互いに近づくように移動し、かつ前記出力側係合部と前記出力側被係合部との係合に基づいて、前記回転力を前記出力部材に伝達し、前記出力部材に回転力が逆入力されると、前記一対の係合子は、前記出力側係合部と前記出力側被係合部との係合に基づいて、前記第一方向の外側に向かって互いに離間するように移動し、前記被押圧面と前記押圧面とを摩擦係合させ、前記係合子のうち前記入力側被係合部及び前記出力側被係合部の少なくとも一方と対応する位置には、前記係合子とは別部材で形成された駒部が設けられる。
【発明の効果】
【0008】
本発明の逆入力遮断クラッチによれば、従来技術と比較して騒音の発生を抑制できる逆入力遮断クラッチを提供できる。
【図面の簡単な説明】
【0009】
第1実施形態に係る逆入力遮断クラッチの断面図。
図1のII-II線に沿う断面図。
第1実施形態に係る係合子、弾性部材及び駒部を組み合わせた状態の斜視図。
第1実施形態に係る一方の係合子及び駒部の分解斜視図。
第2実施形態に係る入力部材、係合子及び駒部の接触前における位置関係を示す説明図。
第2実施形態に係る入力部材、係合子及び駒部の低トルク時における位置関係を示す説明図。
第2実施形態に係る入力部材、係合子及び駒部の高トルク時における位置関係を示す説明図。
第2実施形態に係る出力部材、係合子及び駒部の接触前における位置関係を示す説明図。
第2実施形態に係る出力部材、係合子及び駒部の低トルク時における位置関係を示す説明図。
第2実施形態に係る出力部材、係合子及び駒部の高トルク時における位置関係を示す説明図。
第2実施形態において逆入力があった場合における出力部材、係合子及び駒部の接触前における位置関係を示す説明図。
第2実施形態において逆入力があった場合における出力部材、係合子及び駒部の低トルク時における位置関係を示す説明図。
第2実施形態において逆入力があった場合における出力部材、係合子及び駒部の高トルク時における位置関係を示す説明図。
第3実施形態に係る逆入力遮断クラッチの斜視図。
図14のXV-XV線に沿う断面図。
図15のXVI拡大図。
第3実施形態の変形例に係る一方の係合子及び駒部の断面図。
【発明を実施するための形態】
【0010】
以下、本発明の実施形態について図面を参照して説明する。以下の説明において、軸方向、径方向、および周方向とは、特に断らない限り、逆入力遮断クラッチ1の中心軸線Cの軸方向、径方向、および周方向をいう。
(【0011】以降は省略されています)
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