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公開番号2024173976
公報種別公開特許公報(A)
公開日2024-12-13
出願番号2024164752,2024011657
出願日2024-09-24,2023-05-10
発明の名称ヒートシール紙
出願人日本製紙株式会社
代理人弁理士法人お茶の水内外特許事務所
主分類D21H 19/10 20060101AFI20241206BHJP(製紙;セルロースの製造)
要約【課題】ヒートシール強度に優れたヒートシール紙を提供すること、特に使用する材料が限定されている場合にヒートシール強度により優れたヒートシール紙を提供すること。
【解決手段】紙基材と、該紙基材の少なくとも一方の面上にヒートシール層を有し、
前記紙基材の水に対する接触角が100°未満であり、
前記ヒートシール層が、少なくとも水分散性樹脂バインダーを含有し、片面当たりの乾燥塗工量が5g/m2以上であり、
前記ヒートシール層を形成するための塗工剤が、塗工時の表面張力が46mN/m未満であるヒートシール紙。
【選択図】図1
特許請求の範囲【請求項1】
紙基材と、該紙基材の少なくとも一方の面上にヒートシール層を有し、
前記紙基材の水に対する接触角が100°未満であり、
前記ヒートシール層が、少なくとも水分散性樹脂バインダーを含有し、片面当たりの乾燥塗工量が5g/m

以上であり、
前記ヒートシール層を形成するための塗工剤が、塗工時の表面張力が46mN/m未満であることを特徴とするヒートシール紙。
続きを表示(約 260 文字)【請求項2】
前記紙基材のMD方向とCD方向の引張こわさの相乗平均が、200kN/m以上であることを特徴とする請求項1に記載のヒートシール紙。
【請求項3】
前記ヒートシール層が、エトキシル化アセチレン系界面活性剤を含有することを特徴とする請求項1または2に記載のヒートシール紙。
【請求項4】
前記水分散性樹脂バインダーが、エチレンメタクリル酸共重合樹脂、エチレンアクリル酸共重合樹脂、PHBHから選ばれる1種以上であることを特徴とする請求項1または2に記載のヒートシール紙。

発明の詳細な説明【技術分野】
【0001】
本発明は、ヒートシール紙、特に包装材、袋、容器、箱、カップ、蓋材など、包装用途に好適に用いられる、ヒートシール適性を有するヒートシール紙に関する。
続きを表示(約 2,400 文字)【背景技術】
【0002】
近年、環境中にごみとして流出したプラスチックが、半永久的に分解されず生態系に悪影響を及ぼすことが懸念されることなどから、プラスチックごみが大きな問題として取り上げられている。対策としては、プラスチックをバイオマス由来材料、生分解性材料である紙に代替することが提案されている。
特に、プラスチックフィルムからなる包装材の代替として、紙基材上に熱可塑性樹脂分散体を含む水又は溶剤分散液を塗工してヒートシール層を形成したヒートシール紙が提供されている(特許文献1~3等)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
国際公開第2020/152753号
特開2022-11705号公報
特開2022-18163号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
ヒートシール紙には、当然に優れたヒートシール強度が求められ、そのためには紙基材やヒートシール層が含む熱可塑性樹脂の種類等を最適化する必要がある。一方、加工性やヒートシール紙の使用目的等により、紙基材や熱可塑性樹脂の種類が限定される場合がある。
本発明は、ヒートシール強度に優れたヒートシール紙を提供することを課題とし、特に、使用する材料が限定されている場合にヒートシール強度により優れたヒートシール紙を提供することを課題する。
【課題を解決するための手段】
【0005】
本発明の課題を解決するための手段は、以下の通りである。
1.紙基材と、該紙基材の少なくとも一方の面上にヒートシール層を有し、
前記紙基材の水に対する接触角が100°未満であり、
前記ヒートシール層が、少なくとも水分散性樹脂バインダーを含有し、片面当たりの乾燥塗工量が5g/m

以上であり、
前記ヒートシール層を形成するための塗工剤が、塗工時の表面張力が46mN/m未満であることを特徴とするヒートシール紙。
2.前記紙基材のMD方向とCD方向の引張こわさの相乗平均が、200kN/m以上であることを特徴とする1.に記載のヒートシール紙。
3.前記ヒートシール層が、エトキシル化アセチレン系界面活性剤を含有することを特徴とする1.または2.に記載のヒートシール紙。
4.前記水分散性樹脂バインダーが、エチレンメタクリル酸共重合樹脂、エチレンアクリル酸共重合樹脂、PHBHから選ばれる1種以上であることを特徴とする1.~3.のいずれかに記載のヒートシール紙。
【発明の効果】
【0006】
本発明により、ヒートシール強度に優れたヒートシール紙を提供することができる。特に、紙基材、熱可塑性樹脂からなる水分散性樹脂バインダーのいずれか、または両方が、特定のものに限定されている場合に、よりヒートシール強度に優れたヒートシール紙を提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【0007】
水分散性樹脂バインダーとしてエチレンアクリル酸共重合樹脂を用い、乾燥塗工量が5g/m

以上である実施例、比較例の結果について、表面張力と接触角、ヒートシール強度の関係を示すグラフ。
水分散性樹脂バインダーとしてエチレンメタクリル酸共重合樹脂を用いた実施例、比較例の結果について、表面張力と接触角、ヒートシール強度の関係を示すグラフ。
【発明を実施するための形態】
【0008】
「ヒートシール紙」
本発明は、紙基材と、この紙基材の少なくとも一方の面上にヒートシール層を有し、
紙基材の水に対する接触角が100°未満であり、
ヒートシール層が、少なくとも水分散性樹脂バインダーを含有し、片面当たりの乾燥塗工量が5g/m

以上であり、
ヒートシール層を形成するための塗工剤が、塗工時の表面張力が46mN/m未満であるヒートシール紙に関する。
【0009】
(紙基材)
紙基材は、パルプ、填料、各種助剤等を含む紙料を抄紙して得られる。
本発明のヒートシール紙を、食品と接触する用途に使用する場合、紙基材の各材料として、食品添加物として認可を受けている、またはFDA認証取得済み等、食品安全性に適合したものを使用することが好ましい。
【0010】
パルプとしては、針葉樹の晒クラフトパルプ(NBKP)、針葉樹の未晒クラフトパルプ(NUKP)、広葉樹の晒クラフトパルプ(LBKP)、広葉樹の未晒クラフトパルプ(LUKP)、サルファイトパルプ(SP)等の木材の化学パルプ、グランドパルプ(GP)、リファイナグランドパルプ(RGP)、ストーングランドパルプ(SGP)、ケミグランドパルプ(CGP)、セミケミカルパルプ(SCP)、サーモメカニカルパルプ(TMP)、ケミサーモメカニカルパルプ(CTMP)等の木材の機械パルプ、ケナフ、バガス、竹、麻、ワラなどから得られた非木材パルプ、古紙を原料とし、脱墨工程にて古紙に含まれるインキを除去した古紙パルプなど、公知のパルプを適宜配合して用いることが可能である。これらの中で、異物混入が発生し難いLBKP、NBKP等の化学パルプが好ましく、また、古紙パルプの配合量が少ないことが好ましい。具体的には、全パルプに対する化学パルプの配合量が80重量%以上が好ましく、90重量%以上がより好ましく、95重量%がさらに好ましく、100重量%が特に好ましい。また、古紙パルプの配合量が10重量%以下であることが好ましく、5%以下であることがより好ましく、1重量%以下であることがさらに好ましく、含まないことが最も好ましい。
(【0011】以降は省略されています)

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