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公開番号2024173130
公報種別公開特許公報(A)
公開日2024-12-12
出願番号2023091338
出願日2023-06-02
発明の名称電力変換装置
出願人三菱電機モビリティ株式会社
代理人弁理士法人ぱるも特許事務所
主分類H02M 7/48 20070101AFI20241205BHJP(電力の発電,変換,配電)
要約【課題】外部の直流電源、外部の負荷への接続、および電流センサの設置を必要とせず、電力変換装置単体でのスイッチング素子の断線故障の検出を可能とする。
【解決手段】並列接続された複数の正極側スイッチング素子、正極側の端子間電圧を検出する電圧検出部、並列接続された複数の負極側スイッチング素子、負極側の端子間電圧を検出する電圧検出部、外部接続点、が設けられた電力変換回路、ならびに検査用電流供給部、故障判定部、および制御部、が設けられた制御装置、を備えた電力変換装置において、直列に接続された正極側スイッチング素子と負極側スイッチング素子を同時にオンする指令信号を与え、故障判定部が正極側端子間電圧または負極側端子間電圧に基づいて正極側スイッチング素子または負極側スイッチング素子の断線故障を判定する電力変換装置。
【選択図】図1
特許請求の範囲【請求項1】
正極側直流母線に並列接続された複数の正極側スイッチング素子、前記正極側スイッチング素子の端子間電圧を検出する正極側端子間電圧検出部、負極側直流母線に並列接続された複数の負極側スイッチング素子、前記負極側スイッチング素子の端子間電圧を検出する負極側端子間電圧検出部、および前記正極側スイッチング素子と前記負極側スイッチング素子を直列に接続するとともに出力端子に接続された外部接続点、が設けられた電力変換回路、ならびに
前記正極側直流母線と前記負極側直流母線に電流を供給する検査用電流供給部、前記正極側端子間電圧検出部から得られた正極側端子間電圧と前記負極側端子間電圧検出部から得られた負極側端子間電圧と前記正極側スイッチング素子に与えられた指令信号と前記負極側スイッチング素子に与えられた指令信号とから前記正極側スイッチング素子と前記負極側スイッチング素子の故障判定を行う故障判定部、および前記電力変換回路の前記正極側スイッチング素子と前記負極側スイッチング素子に与えられる指令信号を制御して電力変換を行う制御部、が設けられた制御装置、を備えた電力変換装置において、
前記制御装置の、前記検査用電流供給部が電流を供給し、かつ前記制御部が直列に接続された前記正極側スイッチング素子と前記負極側スイッチング素子を同時にオンする指令信号を与え、前記故障判定部が前記正極側端子間電圧または前記負極側端子間電圧に基づいて前記正極側スイッチング素子または前記負極側スイッチング素子の断線故障を判定する電力変換装置。
続きを表示(約 1,900 文字)【請求項2】
前記故障判定部は、前記正極側端子間電圧または前記負極側端子間電圧が予め定められた断線判定電圧よりも高い場合に前記正極側スイッチング素子または前記負極側スイッチング素子の断線故障を判定する請求項1に記載の電力変換装置。
【請求項3】
前記故障判定部は、前記正極側端子間電圧または前記負極側端子間電圧の大きさに応じて、前記正極側スイッチング素子または前記負極側スイッチング素子の断線故障しているスイッチング素子の個数を判別する請求項2に記載の電力変換装置。
【請求項4】
前記故障判定部は、前記正極側端子間電圧または前記負極側端子間電圧が前記断線判定電圧よりも高い二重断線判定電圧を越えた場合に前記正極側スイッチング素子または前記負極側スイッチング素子の二重断線故障を判定する請求項2に記載の電力変換装置。
【請求項5】
前記電力変換回路は、前記並列接続された複数の正極側スイッチング素子と前記正極側端子間電圧検出部とを有する正極側のアーム、前記並列接続された複数の負極側スイッチング素子と前記負極側端子間電圧検出部とを有する負極側のアーム、および前記外部接続点、が設けられたレグを複数有し、
前記制御装置の、前記検査用電流供給部が電流を供給し、かつ前記制御部がすべての直列に接続された前記正極側スイッチング素子と前記負極側スイッチング素子を同時にオンする指令信号を与え、前記故障判定部が判定対象の前記正極側のアームの前記正極側端子間電圧と他の前記正極側のアームの前記正極側端子間電圧の差分、または判定対象の前記負極側のアームの前記負極側端子間電圧と他の前記負極側のアームの前記負極側端子間電圧の差分、を求め、前記差分が予め定めた断線判定差分閾値よりも大きい場合に前記判定対象の前記アームの前記正極側スイッチング素子または前記判定対象の前記負極側スイッチング素子の断線故障を判定する請求項1に記載の電力変換装置。
【請求項6】
前記故障判定部は、前記差分の大きさに応じて、前記正極側スイッチング素子または前記負極側スイッチング素子の断線故障している個数を判別する請求項5に記載の電力変換装置。
【請求項7】
前記故障判定部は、前記差分が前記断線判定差分閾値よりも大きい二重断線判定差分閾値を越えた場合に前記正極側スイッチング素子または前記負極側スイッチング素子の二重断線故障を判定する請求項5に記載の電力変換装置。
【請求項8】
前記制御装置の、前記検査用電流供給部が電流を供給し、かつ前記制御部がすべての前記正極側スイッチング素子をオフし、すべての前記負極側スイッチング素子をオンする指令信号、またはすべての前記正極側スイッチング素子をオンし、すべての前記負極側スイッチング素子をオフする指令信号を与え、前記故障判定部が前記正極側端子間電圧または前記負極側端子間電圧に基づいて前記正極側スイッチング素子または前記負極側スイッチング素子の故障を判定する請求項1から7のいずれか一項に記載の電力変換装置。
【請求項9】
前記制御装置の、前記制御部がすべての前記正極側スイッチング素子をオフし、すべての前記負極側スイッチング素子をオンする指令信号を与えて、前記故障判定部は前記正極側端子間電圧が予め定められた短絡故障判定閾値よりも小さい場合に前記正極側スイッチング素子の短絡故障を判定し、前記制御部がすべての前記正極側スイッチング素子をオンし、すべての前記負極側スイッチング素子をオフする指令信号を与えて、前記故障判定部は前記負極側端子間電圧が前記短絡故障判定閾値よりも小さい場合に前記負極側スイッチング素子の短絡故障を判定する請求項8に記載の電力変換装置。
【請求項10】
前記制御装置の、前記制御部がすべての前記正極側スイッチング素子をオフし、すべての前記負極側スイッチング素子をオンする指令信号を与えて、前記故障判定部は前記負極側端子間電圧が予め定められた断線故障判定閾値よりも大きい場合に前記負極側スイッチング素子の断線故障を判定し、前記制御部がすべての前記正極側スイッチング素子をオンし、すべての前記負極側スイッチング素子をオフする指令信号を与えて、前記故障判定部は前記正極側端子間電圧が前記断線故障判定閾値よりも大きい場合に前記負極側スイッチング素子の断線故障を判定する請求項8に記載の電力変換装置。
(【請求項11】以降は省略されています)

発明の詳細な説明【技術分野】
【0001】
本願は、電力変換装置に関する。
続きを表示(約 1,800 文字)【背景技術】
【0002】
電動車両などに適用されるモータ制御装置として電力変換装置が用いられることが多い。電力変換装置として、交流電力を直流電力へ変換するAC/DCコンバータ(Alternate Current / Direct Current Converter)、直流電力から交流電力へ変換するインバータ(Inverter)、直流電力の入力電圧と出力電圧のレベルを変化させるDC/DCコンバータ(Direct Current / Direct Current Converter)、などが存在する。これらの電力変換装置は、半導体スイッチング素子を備えた構成であることが多い。
【0003】
電力変換装置の例として、電動車両に搭載されるインバータは直流電源から出力される直流電力を所望の交流電力に変換し、回転機に供給することで回転機を制御するために用いられる。電力変換装置は、スイッチング素子を組み合わせて構成されるスイッチング回路、スイッチング素子を制御する制御回路、回転機などの負荷に流れる電流を検出するための電流センサ、スイッチングノイズを対策するコンデンサなどから構成される。
【0004】
電力変換装置は例えば三相式のモータを制御する場合、三相(U相、V相、W相)の正極側のアーム(上側アーム)および負極側のアーム(下側アーム)各々にスイッチング回路が備えられているものがある。これらのスイッチング回路は、各相の各アームに複数のスイッチング素子が並列で接続されて構成されるものがある。アームごとに複数のスイッチング素子を並列接続することは、各アームの電流容量を増大する上で有利な手法である。
【0005】
電力変換装置においてスイッチング素子の断線故障が発生する可能性がある。特定の相の正極側アーム、負極側アームいずれかのアームで、並列接続されたスイッチング素子の1つに断線故障が発生した場合、故障していない並列接続された残るスイッチング素子に電流が集中する。この電流の集中によりスイッチング素子が破損し、電力変換装置としての機能を喪失する可能性がある。
【0006】
そのため、スイッチング素子を並列に接続してアームを形成した電力変換装置において、スイッチング素子の断線故障を検出する技術が必要となっている。アームごとに端子間電圧を検出する電圧検出器を設け、スイッチング素子のオン中の電圧から断線故障を検出する電力変換装置が提案されている(例えば特許文献1)。
【0007】
特許文献1の技術では、複数のスイッチング素子が並列接続されたアームを有するインバータ回路において、電力変換装置が外部の直流電源と外部の負荷に接続された状態でスイッチング素子の断線検出を行う。第一の相の正極側アームが外部の負荷の一端と接続され、外部の負荷の他端が第二の相の負極側アームに接続されている。
【0008】
電力変換の実施中に、外部の直流電源の正極側から第一の相の正極側アームのオンとなったスイッチング素子を介して外部の負荷に電流が流し込まれる。そして、その電流が外部の負荷の他端から第二の相の負極側のオンとなったスイッチング素子を介して外部の直流電源の負極側へ流れ出す。この時、電流センサの検出値から電流が出力されていることを確認した上で、第一の相の正極側のアームの端子間電圧と、第二の相の負極側のアームの端子間電圧を検出してスイッチング素子の断線故障を検出する。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0009】
特許第6907452号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0010】
特許文献1の技術では、複数のスイッチング素子が並列接続されたアームを有するインバータ回路において、電力変換装置が、外部の直流電源と外部の負荷に接続された状態でスイッチング素子の断線検出を行う。外部の直流電源と、外部の適切な負荷が接続された状態でなければ、スイッチング素子の断線検出が実施できない。また、電流センサによる検出値によって、通電電流を検出することを前提としている。
(【0011】以降は省略されています)

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