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公開番号2024170353
公報種別公開特許公報(A)
公開日2024-12-09
出願番号2023081609
出願日2023-05-17
発明の名称脱イオン水製造システムの運転方法及び脱イオン水製造システム
出願人オルガノ株式会社
代理人個人,個人
主分類C02F 1/469 20230101AFI20241202BHJP(水,廃水,下水または汚泥の処理)
要約【課題】処理水の水質の悪化を抑制しつつ、電気式脱イオン水製造装置の消費電力及び排水量を低減できる脱イオン水製造システムの運転方法及び脱イオン水製造システムを提供する。
【解決手段】電気式脱イオン水製造装置に通電しない無通電時に、被処理水を電気式脱イオン水製造装置の脱塩室に通水して処理水を得る採水モードと、電気式脱イオン水製造装置に通電しつつ、被処理水を前記脱塩室に通水して処理水を得るとともに、電気式脱イオン水製造装置の濃縮室及び電極室の少なくとも一方に水を通水する、採水モードと交互に運転される採水兼再生モードとを設け、処理水の水質を測定し、処理水の水質の測定値に予め設定された、処理水の水質を所定の値よりも悪化させないための第1のしきい値を備え、該測定値に基づいて第1のしきい値を基点に採水兼再生モードと採水モードとを切り換える。
【選択図】図1
特許請求の範囲【請求項1】
電気式脱イオン水製造装置を用いて被処理水から脱イオン水を製造する脱イオン水製造システムの運転方法であって、
前記電気式脱イオン水製造装置に通電しない無通電時に、前記被処理水を前記電気式脱イオン水製造装置の脱塩室に通水して処理水を得る採水モードと、
前記電気式脱イオン水製造装置に通電しつつ、前記被処理水を前記脱塩室に通水して前記処理水を得るとともに、前記電気式脱イオン水製造装置の濃縮室及び電極室の少なくとも一方に水を通水する、前記採水モードと交互に運転される採水兼再生モードとを設け、
前記処理水の水質を測定し、
前記処理水の水質の測定値に予め設定された、前記処理水の水質を所定の値よりも悪化させないための第1のしきい値を備え、前記測定値に基づいて前記第1のしきい値を基点に前記採水兼再生モードと前記採水モードとを切り換える脱イオン水製造システムの運転方法。
続きを表示(約 1,200 文字)【請求項2】
前記採水兼再生モードから前記採水モードに切り換えるための第2のしきい値をさらに備える、請求項1に記載の脱イオン水製造システムの運転方法。
【請求項3】
前記測定値は、前記処理水の導電率、比抵抗及び濃度の少なくともいずれか1つである、請求項1に記載の脱イオン水製造システムの運転方法。
【請求項4】
前記測定値が導電率であり、前記第2のしきい値は前記第1のしきい値よりも小さい値であり、
前記導電率が前記第1のしきい値に到達すると、前記電気式脱イオン水製造装置を前記採水兼再生モードで運転し、前記導電率が前記第2のしきい値に到達すると、前記電気式脱イオン水製造装置を前記採水モードで運転する請求項2に記載の脱イオン水製造システムの運転方法。
【請求項5】
前記測定値が比抵抗であり、前記第2のしきい値は前記第1のしきい値よりも大きい値であり、
前記比抵抗が前記第1のしきい値に到達すると、前記電気式脱イオン水製造装置を前記採水兼再生モードで運転し、前記比抵抗が前記第2のしきい値に到達すると、前記電気式脱イオン水製造装置を前記採水モードで運転する請求項2に記載の脱イオン水製造システムの運転方法。
【請求項6】
前記測定値が濃度であり、前記第2のしきい値は前記第1のしきい値よりも小さい値であり、
前記濃度が前記第1のしきい値に到達すると、前記電気式脱イオン水製造装置を前記採水兼再生モードで運転し、前記濃度が前記第2のしきい値に到達すると、前記電気式脱イオン水製造装置を前記採水モードで運転する請求項2に記載の脱イオン水製造システムの運転方法。
【請求項7】
被処理水から脱イオン水を製造する電気式脱イオン水製造装置と、
電気式脱イオン水製造装置に所要の直流電圧を印加する電源装置と、
前記被処理水を前記電気式脱イオン水製造装置の脱塩室に通水して得られる処理水の水質を測定する水質測定器と、
前記電気式脱イオン水製造装置に通電しない無通電時に、前記被処理水を前記電気式脱イオン水製造装置の脱塩室に通水して処理水を得る採水モードと、前記電気式脱イオン水製造装置に通電しつつ、前記被処理水を前記脱塩室に通水して前記処理水を得るとともに、前記電気式脱イオン水製造装置の濃縮室及び電極室の少なくとも一方に水を通水する、前記採水モードと交互に運転される採水兼再生モードとを設け、前記水質測定器で測定される前記処理水の水質の測定値に予め設定された、前記処理水の水質を所定の値よりも悪化させないための第1のしきい値を備え、前記測定値に基づいて前記第1のしきい値を基点に前記採水兼再生モードと前記採水モードとを切り換える制御装置と、
を有する脱イオン水製造システム。
【請求項8】
逆浸透膜を透過した透過水を前記被処理水として前記脱塩室に通水する逆浸透膜装置をさらに有する請求項7に記載の脱イオン水製造システム。

発明の詳細な説明【技術分野】
【0001】
本発明は、電気式脱イオン水製造装置を備える脱イオン水製造システムの運転方法及び脱イオン水製造システムに関する。
続きを表示(約 1,800 文字)【背景技術】
【0002】
イオン交換樹脂などのイオン交換体に被処理水を通水させてイオン交換反応により脱イオンを行う脱イオン水製造システムが知られている。このようなシステムは、一般に、イオン交換体を有する装置を備え、イオン交換体によるイオン交換反応を利用して脱イオン水(例えば、純水)を製造する。しかしながら、イオン交換体を備える装置では、被処理水の通水に伴ってイオン交換体のイオン交換基が飽和して脱イオン性能が低下する。そのため、イオン交換体の脱イオン性能を回復させる(以下、「再生する」と称す)処理を行う必要がある。
【0003】
イオン交換体を再生する処理としては、イオン交換体を定期的に新しいものに交換する方法、酸やアルカリなどの薬剤を用いて定期的にイオン交換体を再生する方法、電気式脱イオン水製造装置(EDI(ElectroDeIonization)装置とも呼ばれる)を用いて連続的にイオン交換体を再生する方法が知られている。
【0004】
イオン交換体を定期的に交換する方法は、交換作業中に脱イオン水を製造できない。そのため、連続して脱イオン水を製造できない課題がある。また、大流量の被処理水を通水させて脱イオン水を製造する場合、脱イオン性能の低下の速度が速くなり、イオン交換体を比較的頻繁に交換しなければならない。そのため、大流量の被処理水から脱イオン水を製造する用途には不向きである。さらに、使用していたイオン交換体を、交換後に廃棄するため、廃棄物が増えてしまう。
【0005】
薬剤を用いてイオン交換体を再生する方法は、酸やアルカリなどの薬剤を調達するための手間がかかってしまう。また、イオン交換体の再生中は脱イオン水を製造できないため、連続して脱イオン水を製造できない課題がある。
【0006】
イオン交換体を定期的に交換する方法または薬剤を用いてイオン交換体を再生するシステムにおいて、当該システムが連続して脱イオン水を製造するには、例えば現用と予備用のイオン交換体を用意し、それらを交互に切り替えて使用する方法が考えられる。しかしながら、そのような方法は、イオン交換体を充填するための設備や再生に必要な薬剤を注入するための設備を準備しなければならない。
【0007】
EDI装置は、電極(陽極及び陰極)の間に複数のアニオン交換膜及びカチオン交換膜を配列して電極室、濃縮室及び脱塩室が形成され、脱塩室等にイオン交換体(アニオン交換体及びカチオン交換体)が充填された構成である。脱塩室には被処理水が供給され、電極室及び濃縮室には水(例えば、被処理水、脱イオン水等)が供給される。EDI装置は、電極間に電圧を印加して電流を流すことで水の解離反応を起こし、水素イオン(H
+
)と水酸化物イオン(OH
-
)とを生成させて脱塩室内のイオン交換体に付着したイオンと交換させることで、脱イオン性能を維持する。そのため、EDI装置を用いると、脱イオン水の製造とイオン交換体の再生とを連続的に行うことができる。EDI装置については、例えば特許文献1に記載されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0008】
国際公開第2018/117035号
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0009】
EDI装置は、イオン交換体の脱イオン性能の低下による脱イオン水(処理水)の水質悪化を抑制するために、通常、運転中は常に通電されている。そのため、EDI装置を備える脱イオン水製造システムでは、消費電力が大きくなる課題がある。また、運転中は、脱塩室に被処理水が供給され、濃縮室及び電極室にも水が供給されることで、脱塩室で脱イオン水が製造されると共に、脱塩室から移動したイオンを含む濃縮水が濃縮室から排出され、電極室から電極水が排出される。そのため、EDI装置では排水量が多くなるという課題もある。
【0010】
本発明は上述したような背景技術が有する課題を解決するためになされたものであり、処理水の水質の悪化を抑制しつつ、電気式脱イオン水製造装置の消費電力及び排水量を低減できる脱イオン水製造システムの運転方法及び脱イオン水製造システムを提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
(【0011】以降は省略されています)

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