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公開番号
2024169639
公報種別
公開特許公報(A)
公開日
2024-12-05
出願番号
2024165506,2023556699
出願日
2024-09-24,2022-10-31
発明の名称
医療用中空針の製造方法
出願人
ニプロ株式会社
,
日伸工業株式会社
代理人
弁理士法人笠井中根国際特許事務所
,
個人
,
個人
主分類
A61M
5/158 20060101AFI20241128BHJP(医学または獣医学;衛生学)
要約
【課題】血液等の液体を効率的に流動させることができる医療用中空針の製造方法を提供する。
【解決手段】針軸方向に貫通する内腔12を備える医療用中空針10であって、内腔12の周壁を構成する針管14の内周面16が、深絞り加工によって形成された針先18へ向けて小径となるテーパー面30を有しており、内周面16の針軸方向の算術平均粗さRaがRa≦1.0μmとされている。
【選択図】図4
特許請求の範囲
【請求項1】
針軸方向に貫通する内腔を備える医療用中空針の製造方法であって、
針管の内周面が深絞り加工によって形成された針先へ向けて小径となるテーパー面を有しており、
該内周面の針軸方向の算術平均粗さRaがRa≦1.0μmとされている医療用中空針の製造方法。
続きを表示(約 620 文字)
【請求項2】
前記針管は、前記針先側である先端部分の内径が該針先と反対側である基端部分の内径よりも小さくされており、該先端部分と該基端部分が該針先側へ向けて小径となる段差状部によって連続していると共に、
該針管の前記内周面は、該段差状部における針軸に対する傾斜角度が、該先端部分及び該基端部分における針軸に対する傾斜角度よりも大きくされており、該先端部分及び該基端部分の該内周面によって前記テーパー面が構成されている請求項1に記載の医療用中空針の製造方法。
【請求項3】
前記針管の前記内周面が、針軸方向の全長にわたって、針軸に対する傾斜角度が略一定の前記テーパー面とされている請求項1に記載の医療用中空針の製造方法。
【請求項4】
前記針管の前記内周面には、顕微鏡写真において針軸方向に延びる型成形痕が存在する請求項1~3の何れか一項に記載の医療用中空針の製造方法。
【請求項5】
前記テーパー面の針軸に対する傾斜角度が0度より大きく且つ5度以下とされている請求項1~4の何れか一項に記載の医療用中空針の製造方法。
【請求項6】
金属素板に対する複数段階の深絞り加工によって有底の管を形成するプレス加工工程と、
該管を深絞り加工の底側において切断して前記針先を形成する針先形成工程と
を、有する請求項1~5の何れか一項に記載の医療用中空針の製造方法。
発明の詳細な説明
【技術分野】
【0001】
本発明は、例えば人工透析等に用いられる医療用中空針の製造方法に関するものである。
続きを表示(約 1,500 文字)
【背景技術】
【0002】
従来から、注射や輸液等に用いられる医療用中空針は、医療用金属の板材を筒状に丸めて、複数段階の引抜き加工を行うことによって製造されている。しかし、この場合には、中空針の径が小さくなると、中空針の内周へ内金型を挿入することができず、内金型なしで以降の引抜き加工をすることになる。そうすると、中空針の内周面に皺が生じる等して内周面の表面粗さが粗くなってしまい、液体のスムーズな流動が妨げられるおそれがあった。一方、医療用金属の非常に薄い板材を筒状に丸めて、端部を接合することで中空針を製造する技術も存在する(例えば、特開2003-200218号公報(特許文献1))。この場合、複数段階の引抜き加工を行う必要が無いので、内周面に皺が生じる等の事態を防止することができる。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
特開2003-200218号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
しかしながら、板材を丸めて筒状とすることで医療用中空針を形成すると、医療用中空針の周方向の一部に板材の端による接合部分が形成されて、医療用中空針の内周面の表面粗さが接合部分において粗くなることから、液体の流動に対する抵抗となってしまうおそれがあった。特に内部を血液等の液体が流れる医療用中空針の場合、接合部分は液密性を確保するために溶接されることから、接合部分を滑らかな内周面形状とはし難い場合があった。
【0005】
また、複数段階の引抜き加工によって中空針を得る場合には、前述の通り、内周面に皺が生じる等して内周面の表面粗さが粗くなってしまい、液体のスムーズな流動が妨げられるおそれがあった。
【0006】
本発明の解決課題は、血液等の液体を効率的に流動させることができる、新規な医療用中空針の製造方法を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0007】
以下、本発明を把握するための好ましい態様について記載するが、以下に記載の各態様は、例示的に記載したものであって、適宜に互いに組み合わせて採用され得るだけでなく、各態様に記載の複数の構成要素についても、可能な限り独立して認識及び採用することができ、適宜に別の態様に記載の何れかの構成要素と組み合わせて採用することもできる。それによって、本発明では、以下に記載の態様に限定されることなく、種々の別態様が実現され得る。
【0008】
第1の態様は、針軸方向に貫通する内腔を備える医療用中空針であって、針管の内周面が深絞り加工によって形成された針先へ向けて小径となるテーパー面を有しており、該内周面の針軸方向の算術平均粗さRaがRa≦1.0μmとされているものである。
【0009】
本態様に従う構造とされた医療用中空針によれば、内腔の周壁を構成する針管が深絞り加工によって形成されていることから、針管の内周面において表面粗さを構成する凹凸が低減されて、圧力損失を低減できるため、内腔を流れる流体の流量を大きく確保することができると共に、例えば内腔を血液が流れる場合には血球へのダメージの低減も図られる。
【0010】
また、医療用中空針の針管の内周面には、先細のテーパー面が設定されているが、当該テーパー面が深絞り加工によって形成されており、内径寸法の変化が内腔における液体の流れに影響し難い程度に抑えることもできる。テーパー面が先端へ向けて小径となることから、特に液体が内腔を先端(針先側)へ向けて流れる場合には、流量の安定化が図られる。
(【0011】以降は省略されています)
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