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公開番号2025091415
公報種別公開特許公報(A)
公開日2025-06-18
出願番号2025021090,2020118798
出願日2025-02-12,2020-07-09
発明の名称次亜塩素酸を主成分とする水溶液
出願人ニプロ株式会社
代理人弁理士法人朝日奈特許事務所
主分類A01N 59/08 20060101AFI20250611BHJP(農業;林業;畜産;狩猟;捕獲;漁業)
要約【課題】より保存安定性に優れた次亜塩素酸を主成分とする溶液を提供すること。
【解決手段】水溶液中の塩素の総和の40mol%以上が、次亜塩素酸の塩素である次亜塩素酸を主成分とする水溶液、特に、水溶液中の塩素の総和の40mol%以上が、次亜塩素酸の塩素である次亜塩素酸を主成分とする水溶液であって、かつアルカリ金属イオンおよびアルカリ土類金属イオンの総和が1mEq/L未満である水溶液であり、さらに、次亜塩素酸以外の水溶液中の陰イオンの総和が10mg/L未満であり、金属の腐食を抑える水溶液。
【選択図】なし
特許請求の範囲【請求項1】
水溶液中の塩素の総和の40mol%以上が、次亜塩素酸の塩素である次亜塩素酸を主成分とする水溶液。

発明の詳細な説明【技術分野】
【0001】
本発明は、安定性に優れた次亜塩素酸を主成分とする水溶液に関する。
続きを表示(約 2,600 文字)【背景技術】
【0002】
従来、塩素系ハロゲン薬の一つとして次亜塩素酸ナトリウムが、ごく低濃度において細菌に対して即効的な殺菌力を発揮し、またHIVやHBVなどのウイルスに対する効果の面でも最も信頼のおける消毒薬として、生活上の消毒・除菌などの公衆衛生、食品、医療などの様々な分野において広く使用されている。特に最も身近な例として、ノロウイルスやSLV(サポウイルス)などカリシウイルス科のウイルスやロタウイルスなどのエンベロープをもたないウイルスは、アルコール消毒による除菌が期待できず、次亜塩素酸系による消毒・除菌が第一選択になっている。具体的には、次亜塩素酸ナトリウムを含む水溶液がスプレーなどの形態で、家庭や医療現場における、衣類、食器、ガラス容器、プラスチック容器等の様々な物品や環境の消毒・殺菌/除菌に使用されており、さらには粉末剤が上下水道やプールの殺菌などにも使用されている。また、次亜塩素酸ナトリウムは非常に低濃度において水溶液や水溶液をしみこませたウェットティッシュなどの形態で手指消毒用に使用することも可能であるが、次亜塩素酸ナトリウム塩を水に溶解した次亜塩素酸ナトリウム水溶液は、強アルカリ性であり、その希釈液もまたアルカリ性を示しているため、手指消毒に使用すると、手荒れの原因となる(特許文献1)。
【0003】
一方、塩化ナトリウムなどを用いる電気分解により製造する次亜塩素酸は、次亜塩素酸ナトリウムと比較して80倍以上に強力な殺菌・抗ウイルス効果を有するとされており、このような次亜塩素酸水は、アルカリ性の次亜塩素酸ナトリウム水溶液とは異なり酸性を示し、低いpHによる金属等の腐食が生じやすい。また、酸性条件では、塩素イオン量が増え、塩素ガスや塩化水素ガスが発生しやすく、次亜塩素酸が分解してしまい、短期間のうちに表示濃度を下回るという問題がある。また、塩素や塩の含有量が多いと金属の腐食が促進されてしまう。
【0004】
これに対し、特許文献2には、陽極室、陰極室、陽極室と陰極室との間に設けられ電解液を含む中間室をそれぞれ隔膜により隔てた2隔膜3室型の電解槽を用い、塩を実質的に含んでいない次亜塩素酸水を製造することが記載されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
特開2011-229833号公報
特開2009-72755号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
しかしながら、特許文献2の方法では、次亜塩素酸濃度を高くしようとするとpHが低下し、総塩素イオン量の高い水溶液となり、保存中に次亜塩素酸濃度が低下するという問題がある。
【0007】
したがって、本発明は、より保存安定性に優れた次亜塩素酸を主成分とする水溶液を提供することを課題とする。
【課題を解決するための手段】
【0008】
本発明者らが、上記課題を検討した結果、次亜塩素酸を主成分とする水溶液において、水溶液中の塩素の総和の40mol%以上が次亜塩素酸の塩素であるものとすることにより、より安定な次亜塩素酸を主成分とする水溶液を提供できることを見出し、本発明を完成した。
【0009】
すなわち、本発明は、
[1]水溶液中の塩素の総和の40mol%以上、好ましくは50mol%以上、より好ましくは60mol%以上、さらに好ましくは70mol%以上が、次亜塩素酸の塩素である次亜塩素酸を主成分とする水溶液、
[2]アルカリ金属イオンおよびアルカリ土類金属イオンの総和が1mEq/L未満、好ましくは0.8mEq/L以下、より好ましくは含有しない上記[1]記載の水溶液、
[3]水溶液が電解水である上記[1]または[2]記載の水溶液、
[4]上記[1]~[3]のいずれかに記載の水溶液に、アルカリ性物質を加えてpHを5.0~7.0、好ましくは5.8~6.5とした水溶液、
[5]使用する前に、アルカリ性物質を加えてpHを5.0~7.0、好ましくは5.8~6.5として用いるための上記[1]~[3]のいずれかに記載の水溶液、
[6]使用する前に、NaClを加えて浸透圧を150~400mOsm/L、好ましくは150~350mOsm/L、より好ましくは220~300mOsm/Lとして用いるための上記[1]~[5]のいずれかに記載の水溶液、
[7]上記[1]~[5]のいずれかに記載の水溶液の使用方法であって、
(i)使用する前に、アルカリ性物質を添加してpHを5.0~7.0、好ましくは5.8~6.5とすること、および/または
(ii)使用する前に、NaClを加えて浸透圧を150~400mOsm/L、好ましくは150~350mOsm/L、より好ましく220~300mOsm/Lとすること
を含む使用方法、
[8]水溶液中の次亜塩素酸以外に含まれる陰イオン(例えば、Cl
-
、BrO
3
-
、SO
4
2-
、NO
3
-
など)の総和が、10mg/L未満である上記[1]~[6]のいずれかに記載の水溶液、ならびに
[9]水溶液中に含まれる次亜塩素酸以外の塩素イオンが9mg/L未満であり、かつ塩素イオン以外の水溶液中の陰イオン(例えば、BrO
3
-
、SO
4
2-
、NO
3
-
など)の総和が1mg/L以下である、pH5.0~7.0である上記[1]~[6]のいずれかに記載の水溶液
に関する。
【発明の効果】
【0010】
本発明によれば、次亜塩素酸を主成分とする水溶液において、水溶液中の塩素の総和の40mol%以上が次亜塩素酸の塩素であるものとすることにより、より保存安定性が優れた次亜塩素酸を主成分とする水溶液を提供することができる。
【発明を実施するための形態】
(【0011】以降は省略されています)

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