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公開番号2025083863
公報種別公開特許公報(A)
公開日2025-06-02
出願番号2023197503
出願日2023-11-21
発明の名称スタイレット
出願人ニプロ株式会社
代理人弁理士法人有古特許事務所
主分類A61M 16/04 20060101AFI20250526BHJP(医学または獣医学;衛生学)
要約【課題】 例えば気道への気管チューブの挿抜時にオペレータによって曲げ形状を容易に操作することができるスタイレットを提供する。
【解決手段】 スタイレット20が備える可変シャフト部23は、隣接する第1セグメント30Aおよび第2セグメント30Bを含む複数のセグメント30を有し、可変シャフト部23には、セグメント30A,30B間の隙間32aと支点32bとを有するヒンジ構造32が設けられ、支点32bは、第1セグメント30Aの第1当接部42と第2セグメント30Bの第2当接部45とで構成され、第2当接部45は第1当接部42に対して転動する。
【選択図】 図3
特許請求の範囲【請求項1】
軸心方向に並ぶ複数のセグメントで構成されて湾曲可能な可変シャフト部と、前記複数のセグメントを前記軸心方向に貫通するようにして設けられて前記可変シャフト部を湾曲させるための前記軸心方向の圧縮力を付与するワイヤと、を備え、
複数の前記セグメントは、第1セグメントと、前記第1セグメントに対して前記軸心方向の先端側に隣接する第2セグメントと、を含み、
前記可変シャフト部には、前記第1セグメントと前記第2セグメントとの間にあって前記可変シャフト部の湾曲時に前記第1セグメントに対する前記第2セグメントの傾倒を許容する隙間と、前記第1セグメントに対して前記第2セグメントが傾倒するときの支点と、を有するヒンジ構造、並びに、前記第1セグメントと前記第2セグメントとを係合させる係合構造、が設けられ、
前記支点は、前記第1セグメントが有する第1当接部と、前記第2セグメントが有して前記第1当接部に当接する第2当接部とで構成され、
前記圧縮力によって前記第1セグメントに対して前記第2セグメントが傾倒するとき、前記第1セグメントおよび前記第2セグメントは、前記ヒンジ構造においては前記第1当接部および前記第2当接部は一方に対して他方が転動し、前記係合構造においては前記軸心方向に遊びを有している、
スタイレット。
続きを表示(約 1,300 文字)【請求項2】
前記隙間は、前記軸心方向に直交する径方向のうち前記第1セグメントに対する前記第2セグメントの傾倒方向である第1径方向の一方に向かって開口し、
前記支点は、前記隙間における前記第1径方向の他方の端部に位置している、
請求項1に記載のスタイレット。
【請求項3】
前記隙間は、前記軸心方向に直交する径方向のうち前記第1セグメントに対する前記第2セグメントの傾倒方向である第1径方向の一方に向かって開口し、
前記支点は、前記軸心に対して前記第1径方向の他方の位置、かつ、前記軸心方向の力によって前記第2セグメントが前記第1セグメントに対して傾倒しない位置、に設けられている、
請求項1に記載のスタイレット。
【請求項4】
前記係合構造は、前記第1セグメントと前記第2セグメントとの前記軸心方向への分離を防止するための分離防止構造を含む、
請求項1に記載のスタイレット。
【請求項5】
前記分離防止構造は、
前記第1セグメントの先端部から先端方向へ延びると共に前記軸心方向に直交する径方向のうち前記第1セグメントに対する前記第2セグメントの傾倒方向である第1径方向の一方に湾曲して延びるアーム部と、
前記第2セグメントに形成されて前記第1セグメントに対する前記第2セグメントの姿勢変化に応じて前記アーム部の先端が進退する孔部と、を有している、
請求項4に記載のスタイレット。
【請求項6】
前記ヒンジ構造において前記第1当接部と前記第2当接部とが前記軸心方向の圧縮力により当接しているときに、前記分離防止構造において前記アーム部および前記孔部は前記軸心方向の遊びを有している、
請求項5に記載のスタイレット。
【請求項7】
前記係合構造は、前記第1セグメントと前記第2セグメントとの前記軸心方向周りの位置ずれを防止するネジレ防止構造を含む、
請求項1に記載のスタイレット。
【請求項8】
前記ネジレ防止構造は、
前記第1セグメントに形成されて前記軸心方向に直交する径方向のうち前記第1セグメントに対する前記第2セグメントの傾倒方向に直交する第2径方向に向く第1面と、
前記第2セグメントに形成されて前記第1面に対して前記第2径方向に対向して設けられた第2面と、を有している、
請求項7に記載のスタイレット。
【請求項9】
前記ネジレ防止構造は、前記第1セグメントに設けられて前記第1面を有する支持壁と、前記第2セグメントに設けられて前記第2面を有する凹部と、を含み、
前記ヒンジ構造において前記第1当接部と前記第2当接部とが前記軸心方向の圧縮力により当接しているときに、前記ネジレ防止構造において前記支持壁および前記凹部は前記軸心方向の遊びを有している、
請求項8に記載のスタイレット。
【請求項10】
前記ワイヤは、前記軸心方向に直交する径方向において、前記支点から離れた位置を通って1本だけ設けられている、
請求項1に記載のスタイレット。
(【請求項11】以降は省略されています)

発明の詳細な説明【技術分野】
【0001】
本開示は、スタイレットに関する。
続きを表示(約 2,300 文字)【背景技術】
【0002】
医療の現場において、可撓性のチューブに挿入して当該チューブの形状を安定させるものとして、スタイレットが用いられる。一例として、気管チューブに用いられる、気管チューブ挿管補助用のスタイレットがある。具体的に説明すると、例えば全身麻酔時、救急蘇生時、あるいは人工呼吸前に、気道を確保するために気管チューブが患者の気管に挿入される。気管チューブは、先端および基端が開口した可撓性チューブを有し、その先端近傍の外側には膨縮可能なカフが設けられている。このような気管チューブは患者の口から気道へ挿入され、カフを声門よりも奥に位置させた状態でこれにエアを供給して膨張させる。これにより、患者の肺は可撓性チューブの内部空間を介して体外と連通する一方、可撓性チューブの外方において気道はカフにより閉塞される(埋められる)。そして、この状態で可撓性チューブの基端の開口に人工呼吸器を接続することで患者の呼吸が管理される。
【0003】
また、人の声門は気管と咽頭をつなぐ喉頭にあり、喉頭は声門を境にして外に近い声門上部と外から遠い(肺に近い)声門下部とに分けられる。そして、声門上部には喉頭蓋がある。そのため、気管チューブを挿入する手技においては、喉頭蓋を経てさらに声門の奥へ、チューブの先端を導く必要がある。このように、気管チューブは口から喉頭へ通され、喉頭では喉頭蓋および声門を順に通される。しかしながら、口から喉頭の声門に至るまでの気道の形状は、人や姿勢によって様々であって一般的に途中で湾曲している。従って、気管チューブを気管に挿入しやすくするために、気管チューブを予め湾曲させておく手段としてスタイレットが用いられている(特許文献1参照)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
特表2006-527027号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
特許文献1に記載のスタイレットは、銅などの金属製でありフレキシブル性を有する棒により構成されている。従って、スタイレットを挿入した気管チューブを、挿管前に患者の気道形状に合わせて湾曲させておくことができる。これにより、円滑な挿管が期待される。
【0006】
しかしながら、患者の気道形状を事前に正確に把握するのは容易ではない。そのため、気管チューブを気管に挿入している最中に、気管チューブの形状が適切ではないとわかる場合がある。その場合には、気管から気管チューブを抜き出し、これを曲げなおし、そして再び挿入することになる。しかしながら、このような挿入の繰り返しは、緊急を要する治療において貴重な時間をロスすることになり、患者にとっても大きな負担となる。
【0007】
一方、長尺であり可撓性のある管部材であって体内に挿入している状態で曲げ可能なものとしてカテーテルがある。従って、スタイレットにカテーテルの技術を転用し、気管チューブを気道に挿入しつつオペレータの操作によって気管チューブを曲げられるようにすることが考えられる。しかし、気管チューブはカテーテルに比べて径が大きく、キンク防止のため剛性が高い。そのため、カテーテルの技術を単に転用するだけでは、気管チューブ用のスタイレットとして実用性に乏しい。また、このような課題は、気管チューブ用のスタイレットに限られず、比較的剛性の高いチューブに挿入して用いられる他のスタイレットにおいても当てはまる。
【0008】
また、患者の気道は単一径で湾曲しているのではなく、部位(深さ位置)によって湾曲具合は異なっている。従って、気道の形状に適するように湾曲可能なスタイレットの実現が課題となっている。
【0009】
そこで本開示は、上述した少なくとも1つの課題を解決するものであって、比較的剛性の高いチューブであっても、オペレータによって曲げ形状を容易に操作することができるスタイレットを提供すること、および、患者の気道形状に合った好適な形状に曲げ可能なスタイレットを提供すること、のうち少なくとも1つを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0010】
本開示の第1の態様に係るスタイレットは、軸心方向に並ぶ複数のセグメントで構成されて湾曲可能な可変シャフト部と、前記複数のセグメントを前記軸心方向に貫通するようにして設けられて前記可変シャフト部を湾曲させるための前記軸心方向の圧縮力を付与するワイヤと、を備え、複数の前記セグメントは、第1セグメントと、前記第1セグメントに対して前記軸心方向の先端側に隣接する第2セグメントと、を含み、前記可変シャフト部には、前記第1セグメントと前記第2セグメントとの間にあって前記可変シャフト部の湾曲時に前記第1セグメントに対する前記第2セグメントの傾倒を許容する隙間と、前記第1セグメントに対して前記第2セグメントが傾倒するときの支点と、を有するヒンジ構造、並びに、前記第1セグメントと前記第2セグメントとを係合させる係合構造、が設けられ、前記支点は、前記第1セグメントが有する第1当接部と、前記第2セグメントが有して前記第1当接部に当接する第2当接部とで構成され、前記圧縮力によって前記第1セグメントに対して前記第2セグメントが傾倒するとき、前記第1セグメントおよび前記第2セグメントは、前記ヒンジ構造においては前記第1当接部および前記第2当接部は一方に対して他方が転動し、前記係合構造においては前記軸心方向に遊びを有している。
(【0011】以降は省略されています)

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