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公開番号2024169212
公報種別公開特許公報(A)
公開日2024-12-05
出願番号2023086495
出願日2023-05-25
発明の名称バルーンカテーテル
出願人テルモ株式会社
代理人個人,個人
主分類A61M 25/10 20130101AFI20241128BHJP(医学または獣医学;衛生学)
要約【課題】バルーンの収縮時に元のラッピング形状に戻りやすいバルーンカテーテルを提供する。
【解決手段】バルーン12は、アウターシャフト20とバルーン12の内壁とを接続する複数の分割膜によって内部が複数の空間に分割され、アウターシャフト20は、複数の空間の各々と当該アウターシャフト20の内腔とを連通させる孔部30、31、32、33を有し、シャフト部11は、アウターシャフト20の内壁に沿って配置されアウターシャフト20に対して長軸方向に沿って移動可能な流体制御シャフト22を有し、流体制御シャフト22は、アウターシャフト20に対する長軸方向への移動により、シャフト部11の先端側から基端側に向かって孔部30、31、32、33を閉塞状態から開放状態に順次変化させるバルーンカテーテル10である。
【選択図】図2
特許請求の範囲【請求項1】
アウターシャフトの内腔にインナーシャフトが配置されたシャフト部の先端部にバルーンを有するバルーンカテーテルであって、
前記バルーンは、前記アウターシャフトと前記バルーンの内壁とを接続する複数の分割膜によって内部が複数の空間に分割され、
前記アウターシャフトは、前記複数の空間の各々と当該アウターシャフトの内腔とを連通させる孔部を有し、
前記シャフト部は、前記アウターシャフトの内壁に沿って配置され前記アウターシャフトに対して長軸方向に沿って移動可能、または、前記アウターシャフトに対して回転可能な流体制御シャフトを有し、
前記流体制御シャフトは、前記アウターシャフトに対する長軸方向への移動、または、前記アウターシャフトに対する回転により、前記シャフト部の先端側から基端側に向かって前記孔部を閉塞状態から開放状態に順次変化させる、バルーンカテーテル。
続きを表示(約 540 文字)【請求項2】
前記分割膜は、前記アウターシャフトに対する接合部と前記バルーンの内壁に対する接合部との前記シャフト部の長軸方向における位置が異なる、請求項1に記載のバルーンカテーテル。
【請求項3】
前記分割膜は、前記アウターシャフトに対する接合部が前記バルーンの内壁に対する接合部より前記シャフト部の先端側に位置する、請求項2に記載のバルーンカテーテル。
【請求項4】
前記孔部は、前記複数の空間にまたがって設けられている、請求項1~3のいずれか1項に記載のバルーンカテーテル。
【請求項5】
前記孔部は、前記空間毎に設けられている、請求項1~3のいずれか1項に記載のバルーンカテーテル。
【請求項6】
前記流体制御シャフトは、前記アウターシャフトに対して回転可能であり、
前記流体制御シャフトは、前記シャフト部の長軸方向に沿って開口幅の異なる連通孔部を有する、請求項5に記載のバルーンカテーテル。
【請求項7】
前記流体制御シャフトは、前記連通孔部と異なる周方向位置に、前記シャフト部の長軸方向に沿って開口幅が同一の拡張用連通孔部を有する、請求項6に記載のバルーンカテーテル。

発明の詳細な説明【技術分野】
【0001】
本発明は、シャフト部の先端部にバルーンを有するバルーンカテーテルに関する。
続きを表示(約 2,100 文字)【背景技術】
【0002】
生体管腔内に生じた病変部(狭窄部)改善のため、バルーンカテーテルが広く用いられている。バルーンカテーテルは、通常、長尺なシャフト部と、シャフト部の先端側に設けられて径方向に拡張可能なバルーンとを備えており、収縮されているバルーンを、細い生体管腔を経由して体内の目的場所まで到達させた後に拡張させることで、病変部を押し広げることができる。
【0003】
シャフト部は、アウターシャフトの内腔にインナーシャフトが配置された構成を有しており、アウターシャフトとインナーシャフトとの間の空間を通じて、造影剤等の拡張用流体をバルーンに注入することができる。バルーンは、生体管腔内で拡張した後、拡張用流体が減圧されることで収縮し、ガイディングカテーテル内に収納される。バルーンをガイディングカテーテルに円滑に収納するためには、拡張用流体が減圧されることで、バルーンが拡張前に有していたラッピング形状にリラップされることが望ましい。
【0004】
バルーンが収縮する際に、元のラッピング形状に戻りやすくするための構成を有するバルーンカテーテルとして、例えば特許文献1に挙げるものがある。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
特開2009-297143号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
バルーンは、長軸方向の中央部が同径のストレート部であり、長軸方向の両端部が両端に向かって縮径するテーパ部である。バルーンは、収縮する際には全体に負圧がかかるため、肉厚が薄いストレート部が局所的に大きく変形しやすい。また、ストレート部とテーパ部との境界部は、バルーン成形時の影響で周囲より固いため、収縮時には最後まで変形しにくい。このため、バルーンの収縮時には、ストレート部の中央部から撓み始め、一方でストレート部とテーパ部との境界部は変形しにくいことから支柱のように機能し、ストレート部の中央部が大きく撓んだ形状に変形する。特に、長軸方向に沿う長さが大きいバルーンにおいては、この影響が大きくなり、バルーンの収縮時に元のラッピング形状に戻らない可能性がある。特許文献1のように、形状付けによってリラップしやすくした場合でも、長軸方向に沿う長さが大きいバルーンにおいては、元のラッピング形状にリラップするには不十分な可能性がある。
【0007】
本発明は、上述した課題を解決するためになされたものであり、バルーンの収縮時に元のラッピング形状に確実にリラップできるバルーンカテーテルを提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0008】
上記目的を達成する(1)バルーンカテーテルは、アウターシャフトの内腔にインナーシャフトが配置されたシャフト部の先端部にバルーンを有するバルーンカテーテルであって、前記バルーンは、前記アウターシャフトと前記バルーンの内壁とを接続する複数の分割膜によって内部が複数の空間に分割され、前記アウターシャフトは、前記複数の空間の各々と当該アウターシャフトの内腔とを連通させる孔部を有し、前記シャフト部は、前記アウターシャフトの内壁に沿って配置され前記アウターシャフトに対して長軸方向に沿って移動可能、または、前記アウターシャフトに対して回転可能な流体制御シャフトを有し、前記流体制御シャフトは、前記アウターシャフトに対する長軸方向への移動、または、前記アウターシャフトに対する回転により、前記シャフト部の先端側から基端側に向かって前記孔部を閉塞状態から開放状態に順次変化させる。
【発明の効果】
【0009】
上記のように構成したバルーンカテーテルは、流体制御シャフトをアウターシャフトに対して長軸方向に移動または回転させることで、バルーンの分割された空間を先端側から基端側に向かってアウターシャフトの内腔と順次連通させることができるので、バルーンを先端側から基端側に向かって順に収縮させることができる。バルーンカテーテルは、バルーンを先端側から基端側に向かって順に収縮させることで、バルーンの成形時の影響で周囲より固いストレート部とテーパ部との境界部を最初に収縮させるために、バルーンの先端側から確実にリラップが開始され、羽根形状への折り畳みが基端側に伝播して、バルーンを確実に元のラッピング形状に戻るようにリラップすることができる。また、バルーンカテーテルは、バルーンが長軸方向に沿って複数の空間に分割されているので、各空間の減圧時にバルーンが撓むことを抑制でき、バルーンをより確実に元のラッピング形状にリラップできる。
【0010】
(2)上記(1)のバルーンカテーテルにおいて、前記分割膜は、前記アウターシャフトに対する接合部と前記バルーンの内壁に対する接合部との前記シャフト部の長軸方向における位置が異なっていてもよい。これにより、バルーンカテーテルは、分割膜がバルーンのリラップを阻害することを抑制できる。
(【0011】以降は省略されています)

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