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公開番号
2024167796
公報種別
公開特許公報(A)
公開日
2024-12-04
出願番号
2023084131
出願日
2023-05-22
発明の名称
ターゲット組立体およびターゲット組立体の製造方法
出願人
株式会社アルバック
代理人
個人
,
個人
主分類
C23C
14/34 20060101AFI20241127BHJP(金属質材料への被覆;金属質材料による材料への被覆;化学的表面処理;金属質材料の拡散処理;真空蒸着,スパッタリング,イオン注入法,または化学蒸着による被覆一般;金属質材料の防食または鉱皮の抑制一般)
要約
【課題】アルミニウム又はアルミニウム合金板のインサート材と銅合金製バッキングプレートとの間やタングステンターゲットとインサート材との間の金属間化合物層の形成を抑制し、接合強度の低下を防止したターゲット組立体及びターゲット組立体の製造方法を提供する。
【解決手段】 タングステン又はモリブデンからなるターゲットと銅又は銅合金製のバッキングプレートと間にアルミニウム又はアルミニウム合金板のインサート材を挟んで拡散接合に接合したターゲット組立体において、前記ターゲットと前記インサート材との間、および前記バッキングプレートと前記インサート材と間のそれぞれに、Ti、V、Cr、Nb、Pd、Ir、Ptおよびこれらの金属の少なくとも1種を含む合金からなり、0.1μmより大きく、3.0μm以下の厚さを有する金属薄膜層を介して拡散接合された、ターゲット組立体。
【選択図】 なし
特許請求の範囲
【請求項1】
タングステン又はモリブデンからなるターゲットと銅又は銅合金製のバッキングプレートとの間にアルミニウム又はアルミニウム合金板のインサート材を挟んで拡散接合したターゲット組立体において、
前記ターゲットと前記インサート材との間、および前記バッキングプレートと前記インサート材と間のそれぞれに、Ti、V、Cr、Nb、Pd、Ir、Ptおよびこれらの金属の少なくとも1種を含む合金からなり、0.1μmより大きく、3.0μm以下の厚さを有する金属薄膜層を介して拡散接合された、ターゲット組立体。
続きを表示(約 710 文字)
【請求項2】
前記ターゲットと前記インサート材との間の面内に亘った平均せん断強度、および前記インサート材と前記バッキングプレートとの間の面内に亘った平均せん断強度が、それぞれ4[kg/mm
2
]以上である、請求項1記載のターゲット組立体。
【請求項3】
前記面内に亘った平均せん断強度と、当該面内に亘ったせん断強度の標準偏差σとの比である変動係数が0.15以下である、請求項1又は請求項2に記載のターゲット組立体。
【請求項4】
タングステン又はモリブデンからなるターゲットと銅又は銅合金製のバッキングプレートとの間にアルミニウム又はアルミニウム合金板のインサート材を挟んで拡散接合したターゲット組立体を製造するターゲット組立体の製造方法において、
前記ターゲットと前記インサート材との間と、前記バッキングプレートと前記インサート材との間の少なくとも一方に、Ti、V、Cr、Nb、Pd、Ir、Ptおよびこれらの金属の少なくとも1種を含む合金からなり、0.1μmより大きく、3.0μm以下の厚さを有する金属薄膜層を設け、その後、拡散接合してターゲット組立体とする、ターゲット組立体の製造方法。
【請求項5】
前記ターゲットと前記インサート材との間と、前記バッキングプレートと前記インサート材との間の両方に、Ti、V、Cr、Nb、Pd、Ir、Ptおよびこれらの金属の少なくとも1種を含む合金からなり、0.1μmより大きく、3.0μm以下の厚さを有する金属薄膜層を設け、その後、拡散接合する、請求項4記載のターゲット組立体の製造方法。
発明の詳細な説明
【技術分野】
【0001】
本発明は、ターゲット組立体およびターゲット組立体の製造方法に関する。
続きを表示(約 2,900 文字)
【背景技術】
【0002】
ハイパワースパッタに耐えうるスパッタリングターゲットとバッキングプレートの接合方法として拡散接合は有効な方法であることが知られている。そして、近年ウエハーの大口径化に伴いスパッタリングターゲット自体も大型化しており、特にターゲット材とバッキングプレート材の熱膨張率の差が大きい場合は、拡散接合後の変形や剥れが大きな問題となってきた。
【0003】
一方、近年、半導体装置の製造分野においては、配線材料あるいは電極材料として、耐熱性および低抵抗特性を有するタングステンが広く用いられているが、このようなタングステンなどのターゲットを用いる場合、拡散接合後の変形が大きな問題となることがわかった。
【0004】
そこで、タンタル又はタングステンターゲットと銅合金製バッキングプレートが厚さ0.8mm以上のアルミニウム又はアルミニウム合金板のインサート材を介して拡散接合されており、それぞれの材料間で拡散接合界面を備えることを特徴とするタンタル又はタングステンターゲット-銅合金製バッキングプレート組立体が提案されている(特許文献1参照)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
特許3905301号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
しかしながら、特許文献1の技術は、反り対策としては有効であると考えられるが、アルミニウム又はアルミニウム合金板のインサート材と銅合金製バッキングプレートとの間に金属間化合物層の形成が確認され、この金属間化合物層が非常に脆く、金属間化合物層が厚いほど接合強度が低下することが確認された。これにより、低温での接合をしなければならないという課題がある。
一方、タングステンとインサート材との間は接合強度が十分でなく、接合強度のバラツキが大きいという問題があり、逆に高温接合をしなければならないという課題がある。
【0007】
本発明は、このような事情に鑑み、アルミニウム又はアルミニウム合金板のインサート材と銅合金製バッキングプレートとの間の金属間化合物層の形成を抑制して接合強度の低下を防止し、且つターゲットとインサート材との間の接合強度を十分な強度に向上させることができるターゲット組立体及びターゲット組立体の製造方法を提供することを課題とする。
【課題を解決するための手段】
【0008】
上記目的を達成するため、本発明の第1の態様は、タングステン又はモリブデンからなるターゲットと銅又は銅合金製のバッキングプレートとの間にアルミニウム又はアルミニウム合金板のインサート材を挟んで拡散接合したターゲット組立体において、前記ターゲットと前記インサート材との間、および前記バッキングプレートと前記インサート材との間のそれぞれに、Ti、V、Cr、Nb、Pd、Ir、Ptおよびこれらの金属の少なくとも1種を含む合金からなり、0.1μmより大きく、3.0μm以下の厚さを有する金属薄膜層を介して拡散接合された、ターゲット組立体にある。
本発明の第2の態様は、前記ターゲットと前記インサート材との間の面内に亘った平均せん断強度、および前記インサート材と前記バッキングプレートとの間の面内に亘った平均せん断強度が、それぞれ4[kg/mm
2
]以上である、第1の態様のターゲット組立体にある。
本発明の第3の態様は、前記面内に亘った平均せん断強度と、当該面内に亘ったせん断強度の標準偏差σとの比である変動係数が0.15以下である、第1又は第2の態様のターゲット組立体にある。
本発明の第4の態様は、タングステン又はモリブデンからなるターゲットと銅又は銅合金製のバッキングプレートとの間にアルミニウム又はアルミニウム合金板のインサート材を挟んで拡散接合したターゲット組立体を製造するターゲット組立体の製造方法において、前記ターゲットと前記インサート材との間と、前記バッキングプレートと前記インサート材との間の少なくとも一方に、Ti、V、Cr、Nb、Pd、Ir、Ptおよびこれらの金属の少なくとも1種を含む合金からなり、0.1μmより大きく、3.0μm以下の厚さを有する金属薄膜層を設け、その後、拡散接合してターゲット組立体とする、ターゲット組立体の製造方法にある。
本発明の第5の態様は、前記ターゲットと前記インサート材との間と、前記バッキングプレートと前記インサート材との間との両方に、Ti、V、Cr、Nb、Pd、Ir、Ptおよびこれらの金属の少なくとも1種を含む合金からなり、0.1μmより大きく、3.0μm以下の厚さを有する金属薄膜層を設け、その後、拡散接合する、第4の態様のターゲット組立体の製造方法にある。
【発明の効果】
【0009】
かかる本発明では、ターゲットとインサート材との間、およびバッキングプレートとインサート材との間のそれぞれに、Ti、V、Cr、Nb、Pd、Ir、Ptおよびこれらの金属の少なくとも1種を含む合金からなり、0.1μmより大きく、3.0μm以下の厚さを有する金属薄膜層を設けて拡散接合しているので、アルミニウム又はアルミニウム合金板のインサート材と銅合金製バッキングプレートとの間の金属間化合物層の形成を抑制して接合強度の低下を防止し、且つターゲットとインサート材との間の接合強度を十分な強度に向上させたターゲット組立体及びターゲット組立体の製造方法を提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【0010】
Al-Ti、Cu-Ti、Ti-Wの二元状態図である。
Al-V、Cu-V、V-Wの二元状態図である。
Al-Cr、Cr-Cu、Cr-Wの二元状態図である。
Al-Fe、Cu-Fe、Fe-Wの二元状態図である。
Al-Co、Co-Cu、Co-Wの二元状態図である。
Al-Ni、Cu-Ni、Ni-Wの二元状態図である。
Al-Nb、Cu-Nb、Nb-Wの二元状態図である。
Al-Pd、Cu-Pd、Pd-Wの二元状態図である。
Al-Ir、Cu-Ir、Ir-Wの二元状態図である。
Al-Pt、Cu-Pt、Pt-Wの二元状態図である。
実施例1-7,比較例1-8のせん断強度を示すグラフである。
実施例11-17,比較例11-18のせん断強度を示すグラフである。
実施例3のインサート材及びバッキングプレート界面の断面SEM観察像である。
比較例2のインサート材及びバッキングプレート界面の断面SEM観察像である。
比較例5のインサート材及びバッキングプレート界面の断面SEM観察像である。
比較例7のターゲット及びインサート材界面の断面SEM観察像である。
【発明を実施するための形態】
(【0011】以降は省略されています)
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