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公開番号
2024167048
公報種別
公開特許公報(A)
公開日
2024-11-29
出願番号
2024045291
出願日
2024-03-21
発明の名称
電源装置及びその制御方法
出願人
台達電子企業管理(上海)有限公司
,
Delta Electronics (Shanghai) Co., Ltd.
代理人
SK弁理士法人
,
個人
,
個人
主分類
C25D
11/04 20060101AFI20241122BHJP(電気分解または電気泳動方法;そのための装置)
要約
【課題】陽極アルミニウム箔上の酸化皮膜の形成品質を向上させるための電源装置及びその制御方法を提供する。
【解決手段】パワーユニットは出力端子を備え、出力電圧を出力し、電解槽には電解液があり、陽極は電解液中に設置され、パワーユニットの出力端子に接続され、陰極は電解液中に設置され、パワーユニットの出力端子に接続され、金属箔は陽極に設置されて、出力電圧に応じて化成され、制御ユニットはパワーユニットに接続されて、パワーユニットの出力電圧を定電圧領域、上昇電圧パルス領域、及び降下電圧パルス領域を有するように制御し、降下電圧パルス領域の谷値は以下の関係式を満たし、
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、ここで、
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は定電圧領域の電圧値、
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は降下電圧パルス領域の谷値である。
【選択図】なし
特許請求の範囲
【請求項1】
電源装置に適用される制御方法であって、
前記電源装置は、パワーユニットと制御ユニットを含み、
前記制御方法は、
電解液を有する電解槽を用意し、前記電解液中に陽極と陰極を設置し、前記陽極に金属箔を設置することと、
前記パワーユニットの出力端子を前記陽極及び前記陰極に接続し、前記パワーユニットは、前記金属箔を化成するための出力電圧を出力することと、
前記制御ユニットは、前記出力電圧が定電圧領域、上昇電圧パルス領域、及び降下電圧パルス領域を有するようにパワーユニットを制御し、前記降下電圧パルス領域の谷値は以下の関係式を満たし、
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2024167048000049.jpg
7
34
ここで、
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2024167048000050.jpg
6
7
は前記定電圧領域の電圧値、
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2024167048000051.jpg
5
11
は前記降下電圧パルス領域の谷値であることと、
を含む、制御方法。
続きを表示(約 1,600 文字)
【請求項2】
前記上昇電圧パルス領域の始点から隣接する前記降下電圧パルス領域の終点までの時間は、1~100秒である、または前記降下電圧パルス領域の始点から隣接する前記上昇電圧パルス領域の終点までの時間は、1~100秒である、請求項1に記載の制御方法。
【請求項3】
前記上昇電圧パルス領域の電圧は一定、曲線または階段状であり、及び/または前記降下電圧パルス領域の電圧は一定、曲線または階段状である、請求項1に記載の制御方法。
【請求項4】
前記上昇電圧パルス領域の電圧は高周波リップル成分を含み、及び/または前記降下電圧パルス領域の電圧は高周波リップル成分を含み、前記高周波リップル成分の範囲は50Hz~500kHzである、請求項1に記載の制御方法。
【請求項5】
前記上昇電圧パルス領域は1つまたは複数の上昇電圧パルスを含み、前記降下電圧パルス領域は1つまたは複数の降下電圧パルスを含み、前記上昇電圧パルス領域と前記降下電圧パルス領域は連続している、請求項1に記載の制御方法。
【請求項6】
前記上昇電圧パルス領域のピーク値は以下の関係式を満たし、
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2024167048000052.jpg
7
59
ここで、
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2024167048000053.jpg
5
11
は前記上昇電圧パルス領域のピーク値であり、
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2024167048000054.jpg
6
37
である、請求項1に記載の制御方法。
【請求項7】
前記上昇電圧パルス領域は1つまたは複数の上昇電圧パルスを含み、前記降下電圧パルス領域は1つまたは複数の降下電圧パルスを含み、前記上昇電圧パルス領域と前記降下電圧パルス領域との間に前記定電圧領域が含まれる、請求項1に記載の制御方法。
【請求項8】
電源装置に適用される制御方法であって、
前記電源装置は、パワーユニットと制御ユニットを含み、
前記制御方法は、
電解液を有する電解槽を用意し、前記電解液中に陽極と陰極を設置し、前記陽極に金属箔を設置することと、
前記パワーユニットの出力端子を前記陽極及び前記陰極に接続し、前記パワーユニットは、前記金属箔を化成するための出力電流を出力することと、
前記制御ユニットは、前記出力電流が定電流領域、上昇電流パルス領域、及び降下電流パルス領域を有するように前記パワーユニットを制御し、前記降下電流パルス領域の谷値は、以下の関係式を満たし、
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2024167048000055.jpg
7
31
ここで、
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2024167048000056.jpg
6
7
は前記定電流領域の電流値、
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2024167048000057.jpg
5
9
は前記降下電流パルス領域の谷値であることと、
を含む、制御方法。
【請求項9】
前記上昇電流パルス領域の始点から隣接する前記降下電流パルス領域の終点までの時間は、1~100秒である、または前記降下電流パルス領域の始点から隣接する前記上昇電流パルス領域の終点までの時間は、1~100秒である、請求項8に記載の制御方法。
【請求項10】
前記上昇電流パルス領域の電流は一定、曲線または階段状であり、及び/または前記降下電流パルス領域の電流は一定、曲線または階段状である、請求項8に記載の制御方法。
(【請求項11】以降は省略されています)
発明の詳細な説明
【技術分野】
【0001】
本発明は、電源装置及びその制御方法に関し、特に金属箔を化成するための電源装置及びその制御方法に関するものである。
続きを表示(約 3,600 文字)
【背景技術】
【0002】
アルミニウム電解コンデンサは、少なくとも正極、負極、及び電解液を含む。金属箔は、アルミニウム電解コンデンサの正極と負極を製造するのに使われる材料で、主に電荷を蓄えるために使用される。金属箔は、高純度のアルミニウム箔を主原料とし、腐食や化成などの一連の加工工程を経て形成される。アルミニウム電解コンデンサの製造工程をさらに詳しく説明すると、腐食して誘電体層(すなわち、酸化皮膜)で覆われた陽極アルミニウム箔、腐食した陰極アルミニウム箔、及び電解紙を巻回した後、電解液に浸漬させ、アルミニウムケース内に封入することにより製造するものである。
【0003】
金属箔の品質はアルミニウム電解コンデンサの全体的な性能に決定的な影響を与え、金属箔の腐食プロセスと化成プロセスは、アルミニウム電解コンデンサの容量、リーク電流、損失、寿命、信頼性、体積などの性能を直接決定する。例えば、金属箔の比容積が大きいほど、金属箔の単位帯電量が高くなり、同じ電圧で製造可能なアルミニウム電解コンデンサの体積が小さくなる。従って、金属箔は、アルミニウム電解コンデンサの中で最も技術内容が高く、付加価値が高い部分である。
【0004】
化成プロセスとは、陽極アルミニウム箔を電解液中に設置し、陽極アルミニウム箔に直流高電圧を印加し、電気分解反応及び酸化反応を経て、陽極アルミニウム箔の表面に酸化皮膜を形成することである。化成プロセスは、酸化皮膜の形成品質に直接影響し、すなわち、酸化皮膜中の酸化アルミニウム(γ-Al
2
O
3
)の配置が均一かつ緻密であるかどうか、または酸化皮膜中に余分な不純物イオンが存在するかどうかを制御することで、アルミニウム電解コンデンサの誘電率、リーク電流、及び耐電圧などを決定し、最終的にアルミニウム電解コンデンサの容量と寿命を決定する。従って、化成プロセスを改善することによって、陽極アルミニウム箔上の酸化皮膜の形成品質を向上させることが当業者の研究目標である。
【0005】
そこで、化成の品質を向上させるための電源装置及びその制御方法をいかに開発するかが現在急務となっている。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
本発明の目的は、電源装置及びその制御方法を提供することである。制御ユニットにより、パワーユニットが出力する出力電圧を上昇電圧パルス領域、降下電圧パルス領域、及び定電圧領域を有するように制御する、またはパワーユニットが出力する出力電流を上昇電流パルス領域、降下電流パルス領域、及び定電流領域を有するように制御することで、酸化皮膜の弱い部分を破壊し、溶解と破壊のプロセスを遅らせ、金属箔を再生して溶解部分を埋める効果を達成し、それによって、酸化皮膜の品質を向上させ、さらにアルミニウム電解コンデンサの容量及び寿命を向上させる。また、降下電圧パルス領域(または降下電流パルス領域)の谷値が満たすべき関係式から分かるように、降下電圧パルス領域(または降下電流パルス領域)の谷値は0より大きくする必要があり、これにより、電解槽内の電極極性が反転しないように確保でき、さらに陰極を構成する金属材料の腐食や溶解を回避することができる。また、降下電圧パルス領域の谷値は、上昇電圧パルス領域のピーク値よりもはるかに低く、降下電流パルス領域の谷値は、上昇電流パルス領域のピーク値よりもはるかに低いため、大きな局所的な電圧及び電流ディップ効果を発生させて、酸化皮膜の脱分極及び溶解プロセスを迅速に完了し、動的修復時間を短縮し、電源装置全体のエネルギー消費を削減することができる。
【課題を解決するための手段】
【0007】
上記目的を達成するために、本発明の一実施態様は、電源装置に適用される制御方法を提供する。電源装置は、パワーユニットと制御ユニットとを含み、制御方法は以下の工程を含む。まず、電解液を有する電解槽を用意し、電解液中に陽極と陰極を設置し、陽極に金属箔を設置する。次に、パワーユニットの出力端子を陽極及び陰極に接続し、パワーユニットは、金属箔を化成するための出力電圧を出力する。その後、制御ユニットは、出力電圧が定電圧領域、上昇電圧パルス領域、及び降下電圧パルス領域を有するようにパワーユニットを制御し、降下電圧パルス領域の谷値は以下の関係式を満たし、
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7
34
、ここで、
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6
7
は定電圧領域の電圧値、
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5
11
は降下電圧パルス領域の谷値である。
【0008】
上記目的を達成するために、本発明の別の実施態様は、電源装置に適用される制御方法を提供する。電源装置は、パワーユニットと制御ユニットとを含み、制御方法は以下の工程を含む。まず、電解液を有する電解槽を用意し、電解液中に陽極と陰極を設置し、陽極に金属箔を設置する。次に、パワーユニットの出力端子を陽極及び陰極に接続し、パワーユニットは、金属箔を化成するための出力電流を出力する。次に、制御ユニットは、出力電流が定電流領域、上昇電流パルス領域、及び降下電流パルス領域を有するようにパワーユニットを制御し、降下電流パルス領域の谷値は、以下の関係式を満たし、
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7
32
、ここで、
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6
7
は定電流領域の電流値、
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5
9
は降下電流パルス領域の谷値である。
【0009】
上記目的を達成するために、本発明の別の実施態様は、パワーユニットと、電解槽と、陽極と、陰極と、金属箔と、制御ユニットとを含む化成システムを提供する。パワーユニットは、少なくとも1つの出力端子を備え、出力電圧を出力する。電解槽には電解液がある。陽極は電解液中に設置され、パワーユニットの少なくとも1つの出力端子に接続されている。陰極は電解液中に設置され、パワーユニットの少なくとも1つの出力端子に接続されている。金属箔は陽極に設置されて、出力電圧に応じて化成される。制御ユニットはパワーユニットに接続されて、出力電圧が定電圧領域、上昇電圧パルス領域、及び降下電圧パルス領域を有するようにパワーユニットを制御し、降下電圧パルス領域の谷値は以下の関係式を満たし、
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2024167048000007.jpg
8
34
、ここで、
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2024167048000008.jpg
6
7
は定電圧領域の電圧値、
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2024167048000009.jpg
5
11
は降下電圧パルス領域の谷値である。
【0010】
上記目的を達成するために、本発明の別の実施態様は、パワーユニットと、電解槽と、陽極と、陰極と、金属箔と、制御ユニットとを含む化成システムを提供する。パワーユニットは、少なくとも1つの出力端子を備え、出力電流を出力する。電解槽には電解液がある。陽極は電解液中に設置され、パワーユニットの少なくとも1つの出力端子に接続されている。陰極は電解液中に設置され、パワーユニットの少なくとも1つの出力端子に接続されている。金属箔は陽極に設置されて、出力電流に応じて化成される。制御ユニットはパワーユニットに接続されて、出力電流が定電流領域、上昇電流パルス領域、及び降下電流パルス領域を有するようにパワーユニットを制御し、降下電流パルス領域の谷値は以下の関係式を満たし、
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2024167048000010.jpg
7
31
、ここで、
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2024167048000011.jpg
6
7
は定電流領域の電流値、
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5
9
は降下電流パルス領域の谷値である。
(【0011】以降は省略されています)
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