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公開番号2024165537
公報種別公開特許公報(A)
公開日2024-11-28
出願番号2023081814
出願日2023-05-17
発明の名称電力系統安定化システム及び電力系統安定化方法
出願人株式会社日立製作所
代理人弁理士法人磯野国際特許商標事務所
主分類H02J 3/00 20060101AFI20241121BHJP(電力の発電,変換,配電)
要約【課題】電力系統の規模が大きい場合でも電力系統の安定化を図ることが可能な電力系統安定化システム等を提供する。
【解決手段】電力系統のモデルである電力系統モデルと、電力系統の状態を示す電力系統状態と、電力系統で想定されるイベントのリストであるイベントケースと、に基づいて、電力系統で予防制御を行う際の制約条件のリストである制約条件リストを生成する処理部を備え、処理部は、制約条件のスクリーニングを行うか否かの基準となる制約スクリーニングパラメータと、スクリーニング済みの制約条件のリストであるスクリーニング済制約リストと、を含む情報を表示部16に表示させる。
【選択図】図4
特許請求の範囲【請求項1】
電力系統のモデルである電力系統モデルと、前記電力系統の状態を示す電力系統状態と、前記電力系統で想定されるイベントのリストであるイベントリストと、に基づいて、前記電力系統で予防制御を行う際の制約条件のリストである制約条件リストを生成する処理部を備え、
前記処理部は、前記制約条件のスクリーニングを行うか否かの基準となる制約スクリーニングパラメータと、スクリーニング済みの前記制約条件のリストであるスクリーニング済制約リストと、を含む情報を表示装置に表示させる、電力系統安定化システム。
続きを表示(約 1,300 文字)【請求項2】
前記電力系統で所定のイベントが発生したと仮定した場合において、当該電力系統のそれぞれの送電線の送電電力が所定の潮流制約の値以下になることを示す制約条件が、前記制約条件リストに含まれること
を特徴とする請求項1に記載の電力系統安定化システム。
【請求項3】
前記処理部は、複数の前記制約条件のそれぞれが多項式で表される場合において、所定の前記多項式に含まれる係数の全てについて、当該係数の絶対値又は当該係数の二乗の値が前記制約スクリーニングパラメータ以下であるとき、当該多項式で表される制約条件をスクリーニングすること
を特徴とする請求項1に記載の電力系統安定化システム。
【請求項4】
前記処理部は、前記スクリーニング済制約リストを作成する際に前記制約条件リストからスクリーニングした一つ又は複数の制約条件のうち、ユーザによる入力部の操作で指定された所定の制約条件を再有効化すること
を特徴とする請求項1に記載の電力系統安定化システム。
【請求項5】
前記処理部は、前記電力系統モデルと、前記電力系統状態と、前記イベントリストと、前記スクリーニング済制約リストと、所定のコスト関数と、に基づいて、前記予防制御を行う際の制御量を算出し、
前記コスト関数は、前記電力系統に含まれる機器の制御量の絶対値を最小化するように設定されること
を特徴とする請求項1に記載の電力系統安定化システム。
【請求項6】
前記制約条件が遵守されない場合に所定のペナルティを付与する形式で前記制約条件リストが作成されること
を特徴とする請求項1に記載の電力系統安定化システム。
【請求項7】
前記処理部は、前記予防制御を行う際の計算時間、及び、前記制約条件の遵守率である制約遵守率のうちの少なくとも一つを前記表示装置に表示させること
を特徴とする請求項1に記載の電力系統安定化システム。
【請求項8】
前記処理部は、前記制約条件リストに含まれる制約条件の数、及び、前記スクリーニング済制約リストに含まれる制約条件の数を前記表示装置に表示させること
を特徴とする請求項1に記載の電力系統安定化システム。
【請求項9】
前記処理部は、大きさが異なる複数の前記制約スクリーニングパラメータのそれぞれについて、当該制約スクリーニングパラメータを用いた場合に前記予防制御を行う際の計算時間、及び、前記制約条件の遵守率である制約遵守率のうちの少なくとも一つを前記表示装置に表示させること
を特徴とする請求項1に記載の電力系統安定化システム。
【請求項10】
前記処理部は、前記予防制御を行う際の計算時間、及び、前記制約条件の遵守率である制約遵守率に関するユーザの方針を示すスクリーニングパラメータ決定プレファレンスに基づいて、前記制約スクリーニングパラメータの提案値を算出し、当該提案値を前記表示装置に表示させること
を特徴とする請求項1に記載の電力系統安定化システム。
(【請求項11】以降は省略されています)

発明の詳細な説明【技術分野】
【0001】
本開示は、電力系統安定化システム等に関する。
続きを表示(約 1,900 文字)【背景技術】
【0002】
近年、太陽光発電や風力発電といった再生可能エネルギの発電設備が増加しつつある。再生可能エネルギの発電設備では、天候や風況の変化に伴って発電電力が変動するため、電力系統の送電線で過負荷が生じやすくなる。このような送電線の過負荷を解消するための技術として、電力系統安定化システム(SPS:Special Protection Schemes)が提案されている。
【0003】
また、電力系統で不具合が連鎖的に波及することを抑制するための技術として、予防制御(Preventive Control)や制約付き最適潮流計算(SCOPF:Security Constrained Optimal Power Flow)といったものが知られている。例えば、予防制御では、送電線等の監視対象と、想定される故障ケースの数と、の組合せの数が多いほど制約条件の数も多くなるため、計算時間が膨大になる。そこで、予防制御等の計算時間を短縮するための技術として、例えば、特許文献1~3や非特許文献1,2に記載の技術が提案されている。
【0004】
すなわち、特許文献1には、SCOPFを凸最適化問題として定義し、スパース行列を活用した最適化ソルバー(ADMM:Alternating Direction Method of Multipliers)を用いることが記載されている。
また、特許文献2には、スイッチングを含めたOPF(optimal power flow)において凸緩和を行い、さらに偏微分を行うことで計算の高速化を図ることが記載されている。
また、特許文献3には、凸緩和や問題分割によってSCOPFの高速化を図ることが記載されている。
【0005】
非特許文献1には、SCOPFにおけるアンブレラ制約を特定し、それ以外をスクリーニングすることで問題規模を縮小することが記載されている。
また、非特許文献2には、SCOPFを応用した発電計画問題(UCP:Unit Commitment Problem)において、アンブレラ制約を高速に特定する手法について記載されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0006】
米国特許出願公開第2015/0378384号明細書
米国特許第8775136号明細書
国際公開第2011/112365号
【非特許文献】
【0007】
A.J.Ardakani and F.Bouffard,“Identification of Umbrella Constraints in DC-Based Security-Constrained Optimal Power Flow”,IEEE Transactions on Power Systems,Nov.2013,vol.28,no.4,pp.3924-3934
A.J.Ardakani and F.Bouffard,“Acceleration of Umbrella Constraint Discovery in generation Scheduling Problems”,IEEE Transactions on Power Systems,July 2015,vol.30,no.4,pp.2100-2109
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0008】
特許文献1~3の記載の技術では、予防制御の計算方法を工夫することで計算の高速化を図るようにしているが、問題規模が縮小されないため、電力系統の規模が大きいほど計算時間が長くなる。したがって、特許文献1~3に記載の技術では、例えば、電力系統安定化システムの処理結果をオンラインで活用する(リアルタイムで電力系統に反映させる)といったことが困難になる。
【0009】
また、非特許文献1,2に記載の技術では、不要な制約を特定してスクリーニングすることで計算の高速化を図るようにしているが、不要な制約を特定するプロセスが煩雑であり、また、計算時間の短縮についても改善の余地がある。一般に電力系統の規模が大きいほど、予防制御に要する計算時間が長くなるため、さらなる改善が求められている。
【0010】
そこで、本開示は、電力系統の規模が大きい場合でも電力系統の安定化を図ることが可能な電力系統安定化システム等を提供することを課題とする。
【課題を解決するための手段】
(【0011】以降は省略されています)

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