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公開番号
2024165426
公報種別
公開特許公報(A)
公開日
2024-11-28
出願番号
2023081620
出願日
2023-05-17
発明の名称
テルビウム含有常磁性ガーネット型透明セラミックス、その製造方法、そのための混合原料、並びにそれを用いた磁気光学デバイス及びその製造方法
出願人
信越化学工業株式会社
代理人
個人
,
個人
,
個人
,
個人
主分類
C04B
35/50 20060101AFI20241121BHJP(セメント;コンクリート;人造石;セラミックス;耐火物)
要約
【課題】波長1064nmでビーム径1.6mmのレーザー光を入射パワー160Wまで上げても、入射レーザービーム径の最大変化量を10%以下におさめることができるテルビウム含有常磁性ガーネット型透明セラミックスなどを提供する。
【解決手段】テルビウム含有常磁性ガーネット型透明セラミックスは、式(1)で表される複合酸化物の焼結体を含み、波長600nmの全光線透過率は84.8%以上である。
(Tb
1-x-y
Y
x
Sc
y
)
3
(Al
1-z
Sc
z
)
5
O
12
(1)(式中、0.35≦x≦0.45、0<y<0.03、0.5<1-x-y<0.65、0.001<z<0.03、0<y+z<0.06である。)
【選択図】図1
特許請求の範囲
【請求項1】
下記式(1)で表されるテルビウム、イットリウム、スカンジウム及びアルミニウムを含有する複合酸化物の焼結体を含むテルビウム含有常磁性ガーネット型透明セラミックスであって、
(Tb
1-x-y
Y
x
Sc
y
)
3
(Al
1-z
Sc
z
)
5
O
12
(1)
(式中、0.35≦x≦0.45、0<y<0.03、0.5<1-x-y<0.65、0.001<z<0.03、0<y+z<0.06である。)
波長600nmの全光線透過率が84.8%以上であるテルビウム含有常磁性ガーネット型透明セラミックス。
続きを表示(約 2,100 文字)
【請求項2】
焼結助剤としてSiO
2
を0質量%超、0.1質量%以下の範囲で更に含む請求項1に記載のテルビウム含有常磁性ガーネット型透明セラミックス。
【請求項3】
当該テルビウム含有常磁性ガーネット型透明セラミックスの長さが14mm以上となるように光学両端面が精密鏡面研磨加工されており、上記研磨加工された光学両端面の各々の平均粗さが算術平均高さSa≦0.70nm又は二乗平均平方根高さSq≦0.89nmの範囲である請求項1又は2に記載のテルビウム含有常磁性ガーネット型透明セラミックス。
【請求項4】
当該常磁性ガーネット型透明セラミックスの全光線透過率が、波長540nmにおいて84.6%以上で、且つ波長1064nmにおいて85.25%以上ある請求項1又は2に記載のテルビウム含有常磁性ガーネット型透明セラミックス。
【請求項5】
請求項1又は2に記載のテルビウム含有常磁性ガーネット型透明セラミックスを含む磁気光学材料。
【請求項6】
請求項5に記載の磁気光学材料を備える磁気光学デバイス。
【請求項7】
上記テルビウム含有常磁性ガーネット型透明セラミックスをファラデー回転子として備え、上記ファラデー回転子の光学軸上の前後に偏光材料を備えた波長帯0.9μm以上1.1μm以下で利用可能な光アイソレータである請求項6記載の磁気光学デバイス。
【請求項8】
下記式(1)で表されるテルビウム、イットリウム、スカンジウム及びアルミニウムを含有する複合酸化物の焼結体を含むテルビウム含有常磁性ガーネット型透明セラミックスの製造方法であって、
(Tb
1-x-y
Y
x
Sc
y
)
3
(Al
1-z
Sc
z
)
5
O
12
(1)
(式中、0.35≦x≦0.45、0<y<0.03、0.5<1-x-y<0.65、0.001<z<0.03、0<y+z<0.06である。)
酸化テルビウムと酸化イットリウム、又はテルビウムとイットリウムの共沈酸化物と、酸化アルミニウムと、酸化スカンジウムとを混合して混合原料を調製する工程と、
上記混合原料を950℃以下の熱履歴で仮焼処理または加熱乾燥処理してから成形して成形体を得る工程と、
上記成形体を脱脂して脱脂体を得る工程と、
上記脱脂体を減圧下で焼結する際に、先ず1000℃以下のホールド温度を保持して、テルビウムの4価由来の茶色を上記脱脂体が呈する状態を維持しながら上記脱脂体の脱ガスを行った後に、焼結温度まで昇温して上記脱脂体を焼結し、相対焼結密度が93.8%以上、97.2%以下の範囲内の焼結体を得る工程と、
前記焼結体をさらに熱間等方圧加圧(HIP)処理により相対焼結密度が99.9%以上となるまで緻密化させる工程と、
上記緻密化した焼結体を上記HIP処理での温度よりも低い温度で色抜きアニール処理して、上記緻密化した焼結体の呈するテルビウムの4価由来の茶色を脱色する工程と、
上記脱色した焼結体を、上記焼結温度および上記HIP処理での温度のいずれの温度よりも高い温度で、減圧下で追加焼結する工程と、
上記追加焼結した焼結体を、酸素雰囲気または大気下で上記HIP処理での温度よりも低い温度で酸化アニール処理する工程と
を含むテルビウム含有常磁性ガーネット型透明セラミックスの製造方法。
【請求項9】
上記混合原料は、目開き20μmのメッシュを通らない残留分の上記混合原料の全重量に対する重量の割合が0.5%以下である請求項8に記載のテルビウム含有常磁性ガーネット型透明セラミックスの製造方法。
【請求項10】
下記式(1)で表されるテルビウム、イットリウム、スカンジウム及びアルミニウムを含有する複合酸化物の焼結体を含むテルビウム含有常磁性ガーネット型透明セラミックスを製造するための混合原料であって、
(Tb
1-x-y
Y
x
Sc
y
)
3
(Al
1-z
Sc
z
)
5
O
12
(1)
(式中、0.35≦x≦0.45、0<y<0.03、0.5<1-x-y<0.65、0.001<z<0.03、0<y+z<0.06である。)
当該混合原料は、テルビウム、イットリウム、スカンジウム及びアルミニウムの各酸化物が化合していない状態で混合されており、
当該混合原料は、目開き20μmのメッシュを通らない残留分の当該混合原料の全重量に対する重量の割合が0.5%以下である混合原料。
(【請求項11】以降は省略されています)
発明の詳細な説明
【技術分野】
【0001】
本発明は、テルビウム含有常磁性ガーネット型透明セラミックス、その製造方法、そのための混合原料、並びにそれを用いた磁気光学デバイス及びその製造方法に関し、より詳細には、光アイソレータなどの磁気光学デバイスを構成するのに好適なテルビウム含有常磁性ガーネット型透明セラミックス、その製造方法、そのための混合原料、並びにそれを用いた磁気光学デバイス及びその製造方法に関する。
続きを表示(約 2,500 文字)
【背景技術】
【0002】
近年、高出力化が可能となってきたこともあり、ファイバーレーザーを用いたレーザー加工機の普及が目覚しい。ところで、レーザー加工機に組み込まれるレーザー光源は、外部からの光が入射すると共振状態が不安定化し、発振状態が乱れる現象が起こる。特に発振された光が途中の光学系で反射されて光源に戻ってくると、発振状態は大きく撹乱される。これを防止するために、通常光アイソレータが光源の手前等に設けられる。
【0003】
光アイソレータは、ファラデー回転子と、ファラデー回転子の光入射側に配置された偏光子と、ファラデー回転子の光出射側に配置された検光子とからなる。また、ファラデー回転子は、光の進行方向に平行に磁界を加えて利用する。このとき、光の偏波線分はファラデー回転子中を前進しても後進しても一定方向にしか回転しなくなる。更に、ファラデー回転子は光の偏波線分が丁度45度回転される長さに調整される。ここで、偏光子と検光子の偏波面を前進する光の回転方向に45度ずらしておくと、前進する光の偏波は偏光子位置と検光子位置で一致するため透過する。他方、後進する光の偏波は検光子位置から45度ずれている偏光子の偏波面のずれ角方向とは逆回転に45度回転することになる。すると、偏光子位置における戻り光の偏波面は偏光子の偏波面に対して45度-(-45度)=90度のずれとなり、偏光子を透過できない。こうして前進する光は透過、出射させ、後進する戻り光は遮断する光アイソレータとして機能する。
【0004】
上記光アイソレータを構成するファラデー回転子として用いられる材料では、従来からTGG結晶(Tb
3
Ga
5
O
12
)とTSAG結晶((Tb
(3-x)
Sc
x
)Sc
2
Al
3
O
12
)が知られている(特開2011-213552号公報(特許文献1)、特開2002-293693号公報(特許文献2))。TGG結晶は現在標準的なファイバーレーザー装置用として広く搭載されている。他方TSAG結晶のベルデ定数はTGG結晶の1.3倍程度あるとされており、こちらもファイバーレーザー装置に搭載されてもおかしくない材料であるが、Scが極めて高価な原料であるため、製造コストの面から採用が進んでいない。
【0005】
上記以外では、TSAGより更にベルデ定数が大きなファラデー回転子として、昔からTAG結晶(Tb
3
Al
5
O
12
)も知られている。ただしTAG結晶は分解溶融型結晶であるため、固液界面においてまずペロブスカイト相が最初に生成され、その後にTAG相が生成されるという制約があった。つまりTAG結晶のガーネット相とペロブスカイト相は常に混在した状態でしか結晶育成することができず、良質で大サイズのTAG結晶育成は実現していない。
【0006】
ただし最近になり、国際公開第2018/193848号(特許文献3)に、下記式で表される複合酸化物の焼結体であり、光路長15mmでの波長1064nmにおける直線透過率が83%以上であることを特徴とする常磁性ガーネット型透明セラミックス、
(Tb
1-x-y
Sc
x
Ce
y
)
3
(Al
1-z
Sc
z
)
5
O
12
(式中、0<x<0.08、0≦y≦0.01、0.004<z<0.16である。)が開示された。
【0007】
更にまた、組成が(Tb
x
Y
1-x
)
3
Al
5
O
12
(x=0.5~1.0)である緻密なセラミック焼結体が既存のTGG結晶に比べて消光比が高く(既存の35dBが39.5dB以上に改善)、挿入損失も低減できる(既存の0.05dBが0.01~0.05dBに改善)ことが開示された(非特許文献1)。
【0008】
その後、特開2019-199386号公報(特許文献4)に、下記式で表される複合酸化物の焼結体であり、焼結助剤としてSiO
2
を0質量%超0.1質量%以下含有し、光路長25mmでの波長1064nmにおける直線透過率が83.5%以上であることを特徴とする常磁性ガーネット型透明セラミックス、
(Tb
1-x-y
Y
x
Sc
y
)
3
(Al
1-z
Sc
z
)
5
O
12
(式中、0.05≦x<0.45、0<y<0.1、0.5<1-x-y<0.95、0.004<z<0.2である。)が開示された。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0009】
特開2011-213552号公報
特開2002-293693号公報
国際公開第2018/193848号
特開2019-199386号公報
【非特許文献】
【0010】
Yan Lin Aung, Akio Ikesue, “Development of optical grade (TbxY1-x)3Al5O12 ceramics as Faraday rotator material”, J.Am.Ceram.Soc., (2017), 100(9), 4081-4087
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
(【0011】以降は省略されています)
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