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公開番号2024165119
公報種別公開特許公報(A)
公開日2024-11-28
出願番号2023081000
出願日2023-05-16
発明の名称全固体電池
出願人マクセル株式会社
代理人個人,個人
主分類H01M 10/0585 20100101AFI20241121BHJP(基本的電気素子)
要約【課題】 信頼性に優れた全固体電池を提供する。
【解決手段】 本発明の全固体電池は、正極、固体電解質層および負極が積層されて構成された単位セルを複数有し、それぞれの単位セルが厚み方向に順に積層されて容器内に収容されてなり、前記単位セルが有するいずれかの電極が、前記電極から電力を導出可能であり、かつ前記電極に固定されていない金属リードと、前記電極と前記金属リードとの間に介在するカーボンシートを備え、前記カーボンシートを介して前記電極と前記金属リードとが導電接続されていることを特徴とするものである。
【選択図】 図1
特許請求の範囲【請求項1】
正極、固体電解質層および負極が積層されて構成された単位セルを複数有し、それぞれの単位セルが厚み方向に順に積層されて容器内に収容されてなる全固体電池であって、
少なくとも1つの単位セルにおいて、少なくとも一方の電極が、前記電極と導通して前記電極から電力を導出可能であり、かつ前記電極に固定されていない金属リードを備えており、
前記電極と前記金属リードとの間にカーボンシートを備え、前記カーボンシートを介して前記電極と前記金属リードとが導電接続していることを特徴とする全固体電池。
続きを表示(約 340 文字)【請求項2】
正極、固体電解質層および負極が積層されて構成された単位セルを複数有し、それぞれの単位セルが厚み方向に順に積層されて容器内に収容されてなる全固体電池であって、
隣接する単位セル同士において対向する2つの電極のうち、それぞれが同極性となる電極同士のペアを少なくとも1組有し、
前記電極同士のペアのうち少なくとも1組は、対向する前記2つの電極と導通し、前記2つの電極から電力を導出可能であり、かついずれか一方の電極に固定された金属リードを備えており、
前記2つの電極のうちの他方の電極と前記金属リードとの間にカーボンシートを備え、前記カーボンシートを介して前記他方の電極と前記金属リードとが導電接続していることを特徴とする全固体電池。

発明の詳細な説明【技術分野】
【0001】
本発明は、信頼性に優れた全固体電池に関するものである。
続きを表示(約 1,700 文字)【背景技術】
【0002】
近年、携帯電話、ノート型パーソナルコンピュータなどのポータブル電子機器の発達や、電気自動車の実用化などに伴い、小型・軽量で、かつ高容量・高エネルギー密度の電池が必要とされるようになってきている。
【0003】
現在、この要求に応え得るリチウム電池、特にリチウムイオン電池では、正極活物質にコバルト酸リチウム(LiCoO

)、ニッケル酸リチウム(LiNiO

)などのリチウム含有複合酸化物が用いられ、負極活物質に黒鉛などが用いられ、非水電解質として有機溶媒とリチウム塩とを含む有機電解液が用いられている。
【0004】
そして、リチウムイオン電池の適用機器のさらなる発達に伴って、リチウムイオン電池のさらなる長寿命化・高容量化・高エネルギー密度化が求められていると共に、長寿命化・高容量化・高エネルギー密度化したリチウムイオン電池の信頼性も高く求められている。
【0005】
しかし、リチウムイオン電池に用いられている有機電解液は、可燃性物質である有機溶媒を含んでいるため、電池に短絡などの異常事態が発生した際に、有機電解液が異常発熱する可能性がある。また、近年のリチウムイオン電池の高エネルギー密度化および有機電解液中の有機溶媒量の増加傾向に伴い、より一層リチウムイオン電池の信頼性が求められている。
【0006】
以上のような状況において、有機溶媒を用いない全固体型のリチウム電池も検討されている。全固体型のリチウム電池は、従来の有機溶媒系電解質に代えて、有機溶媒を用いない固体電解質の成形体を用いるものであり、固体電解質の異常発熱の虞がなく、高い信頼性を備えている。そのため、特に高容量の二次電池を必要とする製品分野での期待は大きい。
【0007】
また、全固体電池は、高い安全性だけではなく、高い信頼性および高い耐環境性を有し、かつ長寿命であるため、社会の発展に寄与すると同時に安心、安全にも貢献し続けることができるメンテナンスフリーの電池として期待されている。全固体電池の社会への提供により、国際連合が制定する持続可能な開発目標(SDGs)の17の目標のうち、目標3(あらゆる年齢のすべての人々の健康的な生活を確保し、福祉を促進する)、目標7(すべての人々の、安価かつ信頼できる持続可能な近代的エネルギーへのアクセスを確保する)、目標11〔包摂的で安全かつ強靭(レジリエント)で持続可能な都市および人間居住を実現する〕、および目標12(持続可能な生産消費形態を確保する)の達成に貢献することができる。
【0008】
全固体電池においては、例えば高容量化などを目的として、正極、固体電解質層および負極で構成される単位セルを、1つの電池に複数個使用する場合がある。このような全固体電池においては、単位セル同士の電気的接続を、導電性を有する内部集電層やカーボンシートによって行うことの提案がある(特許文献1、2)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0009】
国際公開第2012/020699号
特開2021-2457号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0010】
ところで、複数の単位セルを厚み方向に積層し、それぞれの単位セル同士を直列または並列に接続して電池を構成する場合、単位セルが有する電極からの電力の導出に金属製のリードを用いることがある。このとき、前記リードが電極の表面に溶接などによって固定されている場合には、電池が受ける振動により、リードと電極との間で位置ずれが生じることはないが、リードが固定されずに接触するだけで電極と導通している場合には、強い振動が加わったときにリードの位置がずれることで電極を傷つけることがある。他方、リードが電極の表面に固定されている場合でも、電池が強く振動した場合に、リードが固定された電極を有する単位セルと、これに隣接する単位セルとが擦れ合うことで、前記リードが隣接する単位セルの電極を傷つけることがある。
(【0011】以降は省略されています)

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