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公開番号2024165722
公報種別公開特許公報(A)
公開日2024-11-28
出願番号2023082140
出願日2023-05-18
発明の名称固体電解質電池およびその製造方法
出願人マクセル株式会社
代理人個人,個人
主分類H01M 10/058 20100101AFI20241121BHJP(基本的電気素子)
要約【課題】 生産性および信頼性が良好な固体電解質電池、並びにその製造方法を提供する。本発明の固体電解質電池は、SDGsの目標3、7、11、および12に関係する。
【解決手段】 本発明の固体電解質電池は、ペレット状の発電要素が複数積層されてなる電極体と、外装体とを有し、前記複数の発電要素のそれぞれは、正極層、固体電解質層および負極層が順に積層されてなり、前記電極体は絶縁性の収容体内に収容され、前記電極体の側面が前記収容体の内面に固定された状態で前記外装体に内包されており、前記収容体は、所定温度以上の温度下で有していた形状から、前記所定温度未満の温度下で変形させ、再度前記所定温度以上の温度下に置いたときに、前記変形前の形状に戻る機能を有する形状記憶樹脂によって形成されていることを特徴とするものである。
【選択図】図3
特許請求の範囲【請求項1】
ペレット状の発電要素が複数積層されてなる電極体と、外装体とを有し、
前記複数の発電要素のそれぞれは、正極層、固体電解質層および負極層が順に積層されてなり、
前記電極体は絶縁性の収容体内に収容され、前記電極体の側面が前記収容体の内面に固定された状態で前記外装体に内包されており、
前記収容体は、所定温度以上の温度下で有していた形状から、前記所定温度未満の温度下で変形させ、再度前記所定温度以上の温度下に置いたときに、前記変形前の形状に戻る機能を有する形状記憶樹脂によって形成されていることを特徴とする固体電解質電池。
続きを表示(約 620 文字)【請求項2】
隣接する前記発電要素同士が直列に接続されている請求項1に記載の固体電解質電池。
【請求項3】
前記正極層と導通して前記正極層から電力を導出可能な導電性の正極層用接続端子、および前記負極層と導通して前記負極層から電力を導出可能な導電性の負極層用接続端子を有し、
隣接する前記発電要素同士が、前記正極層用接続端子および前記負極層用接続端子を通じて並列に接続されている請求項1に記載の固体電解質電池。
【請求項4】
前記収容体の側面に、前記正極層用接続端子および前記負極層用接続端子を前記収容体の外部に露出させるためのスリットを有する請求項3に記載の固体電解質電池。
【請求項5】
ペレット状の発電要素が複数積層されてなる電極体と、外装体と、前記電極体を収容しかつ前記外装体に内包される絶縁性の収容体とを有する固体電解質電池を製造する方法であって、
所定温度以上の温度下で有していた形状から、前記所定温度未満の温度下で変形させ、再度前記所定温度以上の温度下に置いたときに、前記変形前の形状に戻る機能を有する形状記憶樹脂によって形成された前記収容体に、前記電極体を収容する工程と、
前記電極体を収容した前記収容体を前記所定温度以上に加熱して変形させ、前記電極体の側面を前記収容体の内面に固定させる工程とを有することを特徴とする固体電解質電池の製造方法。

発明の詳細な説明【技術分野】
【0001】
本発明は、生産性および信頼性が良好な固体電解質電池、並びにその製造方法に関するものである。
続きを表示(約 1,500 文字)【背景技術】
【0002】
近年、携帯電話、ノート型パーソナルコンピュータなどのポータブル電子機器の発達や、電気自動車の実用化などに伴い、小型・軽量で、かつ高容量・高エネルギー密度の電池が必要とされるようになってきている。
【0003】
現在、この要求に応え得るリチウム電池、特にリチウムイオン電池では、正極活物質にコバルト酸リチウム(LiCoO

)、ニッケル酸リチウム(LiNiO

)などのリチウム含有複合酸化物が用いられ、負極活物質に黒鉛などが用いられ、非水電解質として有機溶媒とリチウム塩とを含む有機電解液が用いられている。
【0004】
そして、リチウムイオン電池の適用機器のさらなる発達に伴って、リチウムイオン電池のさらなる長寿命化・高容量化・高エネルギー密度化が求められていると共に、長寿命化・高容量化・高エネルギー密度化したリチウムイオン電池の信頼性も高く求められている。
【0005】
しかし、リチウムイオン電池に用いられている有機電解液は、可燃性物質である有機溶媒を含んでいるため、電池に短絡などの異常事態が発生した際に、有機電解液が異常発熱する可能性がある。また、近年のリチウムイオン電池の高エネルギー密度化および有機電解液中の有機溶媒量の増加傾向に伴い、より一層リチウムイオン電池の信頼性が求められている。
【0006】
以上のような状況において、有機溶媒系電解質に代えて、有機溶媒を用いない固体電解質の成形体を用いる固体電解質電池も検討されている。固体電解質電池は、その固体電解質が、有機溶媒系電解質と異なり異常発熱の虞がないため、高い信頼性を備えている。よって、特に高容量の二次電池を必要とする製品分野での期待は大きい。
【0007】
また、固体電解質電池は、高い安全性だけではなく、高い信頼性および高い耐環境性を有し、かつ長寿命であるため、社会の発展に寄与すると同時に安心、安全にも貢献し続けることができるメンテナンスフリーの電池として期待されている。固体電解質電池の社会への提供により、国際連合が制定する持続可能な開発目標(SDGs)の17の目標のうち、目標3(あらゆる年齢のすべての人々の健康的な生活を確保し、福祉を促進する)、目標7(すべての人々の、安価かつ信頼できる持続可能な近代的エネルギーへのアクセスを確保する)、目標11〔包摂的で安全かつ強靭(レジリエント)で持続可能な都市および人間居住を実現する〕、および目標12(持続可能な生産消費形態を確保する)の達成に貢献することができる。
【0008】
ところで、固体電解質電池などの電池においては、特性向上や生産性向上などを目的として、外装体の内部において、電極を含む発電要素を加圧する加圧部材が適用されることがある。
【0009】
例えば特許文献1には、極板(電極)を含む極板群の積層方向に、セル室内で占有体積が増加するように変形する加圧スペーサーを配置して、極板とリテーナとの密着性を高めた密閉形蓄電池が提案されている。
【0010】
また、特許文献2には、電極群と固体電解質または電解質溶液とを収容した電池ケース内に、所定温度を境に形状が変化する形状記憶合金や形状記憶樹脂といった形状記憶材で形成された部材を配置し、加熱または冷却することで、電池ケース内に圧力を加えたり圧力を解除したりすることができる二次電池が提案されている。特許文献2においても、特許文献1と同様に、形状記憶材で形成された部材が、電極群を、その積層方向に加圧するように配置されている。
(【0011】以降は省略されています)

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