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公開番号
2024164232
公報種別
公開特許公報(A)
公開日
2024-11-26
出願番号
2024146667,2022164945
出願日
2024-08-28,2022-10-13
発明の名称
イソオリエンチンと、3-o-カフェオイルキナ酸及び5-o-カフェオイルキナ酸の少なくとも一方を含む組成物
出願人
国立大学法人 筑波大学
,
ニッポー株式会社
代理人
弁理士法人特許事務所サイクス
主分類
A61K
31/7034 20060101AFI20241119BHJP(医学または獣医学;衛生学)
要約
【課題】PGC-1α遺伝子の発現促進等に有効な天然物に由来する新規素材を提供する。
【解決手段】イソオリエンチンと、3-o-カフェオイルキナ酸及び5-o-カフェオイルキナ酸の少なくとも一方を含む、筋管細胞における、又は骨格筋における、PGC-1α遺伝子の発現促進用の、食品組成物又は医薬組成物を提供する。
【選択図】図2
特許請求の範囲
【請求項1】
イソオリエンチンと、3-o-カフェオイルキナ酸及び5-o-カフェオイルキナ酸の少なくとも一方を含む、筋管細胞における、又は骨格筋における、PGC-1α遺伝子の発現促進用の、食品組成物又は医薬組成物。
続きを表示(約 850 文字)
【請求項2】
3-o-カフェオイルキナ酸、5-o-カフェオイルキナ酸、及びイソオリエンチンを含む、請求項1に記載の組成物。
【請求項3】
有効成分が、サトウキビの梢頭部(葉、及び樹皮から選択されるいずれかを含んでもよい。)の抽出物として含まれる、請求項1又は2に記載の組成物。
【請求項4】
自立した日常生活を送る上で必要な筋力の維持・低下抑制、立つ・歩くのに必要な筋力の維持、筋肉量及び筋力の維持、歩行能力の維持、歩行機能の向上、年齢とともに減っていく筋肉の維持、及び加齢によって衰える筋肉の合成から選択されるいずれかをサポートするための、請求項1又は2に記載の食品組成物又は医薬組成物。
【請求項5】
有効成分が、サトウキビの梢頭部(葉、及び樹皮から選択されるいずれかを含んでもよい。)の抽出物として含まれる、請求項4に記載の組成物。
【請求項6】
加齢に起因する筋肉減少症(サルコペニア);並びに筋肉量又は筋力の維持・向上、筋持久力の維持・向上、歩行能力の維持・向上からなる群より選択されるいずれかのための、請求項1又は2に記載の食品組成物又は医薬組成物。
【請求項7】
有効成分が、サトウキビの梢頭部(葉、及び樹皮から選択されるいずれかを含んでもよい。)の抽出物として含まれる、請求項6に記載の組成物。
【請求項8】
以下の工程を含む、イソオリエンチンと、3-o-カフェオイルキナ酸及び5-o-カフェオイルキナ酸の少なくとも一方を含む、筋管細胞における、又は骨格筋における、PGC-1α遺伝子の発現促進用の食品素材又は医薬素材の製造方法:
サトウキビの梢頭部(葉、及び樹皮から選択されるいずれかを含んでもよい。)から選択されるいずれかから、水系溶媒を用い、イソオリエンチンと、3-o-カフェオイルキナ酸及び5-o-カフェオイルキナ酸の少なくとも一方を含む画分を得る工程。
発明の詳細な説明
【技術分野】
【0001】
本発明は、サトウキビ梢頭部に由来する有効成分を含む、ミトコンドリア活性向上用の組成物に関する。
続きを表示(約 2,700 文字)
【背景技術】
【0002】
ミトコンドリアはエネルギー代謝の中心的役割を担っており、その活性は脳や肝、筋肉などエネルギー需要の高い組織の活動において、必須の役割を果たしている。このことから、ミトコンドリアの活性低下は、生活習慣病や老化関連疾患等の発症の原因となる。
【0003】
ミトコンドリアの活性は、核内転写因子による代謝酵素遺伝子発現の制御に依存的であることが知られている。エネルギー代謝制御因子として、核内受容体コアクチベーターであるPGC-1α(ペルオキシソーム増殖因子活性化レセプターγ共役因子-1α、peroxisome proliferator activated receptor γ coactivator-1α)があり、エネルギー代謝の亢進を担うミトコンドリアに対する重要なターゲットとされている(非特許文献1)。
【0004】
骨格筋は、その活動においてPGC-1α及びミトコンドリアエネルギー代謝が重要である生体内組織の一つである。負荷運動に適応する際に、筋細胞においてはPGC-1αの発現増加を介してミトコンドリアが活性化することで、収縮などの活動エネルギー源となるATPの産生が向上する。また、ATP産生に必要なグルコースを細胞外から取り入れるために、グルコースの輸送担体であるGLUT4(glucose transporter 4)の細胞表面への移行が促進され、血液中のグルコースの細胞内への取り込みが促進されることが知られている。また寒冷環境下においても骨格筋でのPGC-1αが増加し、そのため、熱産生の制御にも関わることが知られている。このように、ミトコンドリアの活性化によって、エネルギー消費が活性化し、さらにはエネルギー源となる糖や脂質の代謝が活性化する(非特許文献2)。
【0005】
ミトコンドリアの活性は、肝臓における代謝においても重要である。肝細胞代謝の乱れは、細胞への脂質の蓄積を誘発するが、これは、ミトコンドリアによるβ酸化を介した長鎖脂肪酸の異化反応の低下が原因とされている。肝細胞におけるPGC-1αの発現増加は、ミトコンドリアのβ酸化の律速酵素であるCPT1(Carnitine palmitoyltransferase I)レベルを上昇させ、ミトコンドリアの脂肪酸酸化を促進し、脂質の蓄積を減少させる(非特許文献3)。
【0006】
また、脳内神経細胞におけるミトコンドリア生合成やエネルギー産生の研究より、PGC-1α発現が神経機能に密接に関わっていることが明らかになってきている。例えば、PGC-1αをノックアウトされたマウスでは、神経変性疾患様の神経細胞の変性及び減少が観察されている(非特許文献4)。さらに最近、脳内アストロサイトの形態的成熟において、PGC-1αの活性化と、それに伴うミトコンドリアの生合成及び酸化的代謝へのシフトが、決定的に重要であることが示唆されている (非特許文献5)。
【0007】
上記のように、PGC-1αの発現促進及びミトコンドリアの活性向上は、生体におけるエネルギー代謝の向上に対し有効性が高いことが予測されることから、例えば、ベンゾイミダゾール誘導体を有効成分とするミトコンドリア機能活性化剤(特許文献1)、カテキン類を有効成分とするミトコンドリア機能低下抑制剤(特許文献2)、スフィンゴミエリンを有効成分とするミトコンドリア機能向上剤(特許文献3)、などが、PGC-1α発現促進に関連する先行技術として知られている。また、ヘリピロンAを有効成分とするPGC-1α産生促進による神経伝達改善剤(特許文献4)が知られている。特許文献1では、hPGC-1を安定的に発現するL6筋芽細胞、hPGC1/L6細胞の培養系に目的の化合物を添加したところ、hPGC-1の転写活性化作用が確認され、またPGC-1発現が増加するとその下流でhuman mitochondrial transcription factor A(hmtTFA)遺伝子の転写が促進されるが、hmtTFAのプロモーターレポーターベクター、hmtTFALucを安定的に発現する細胞株、hmtTFA/L6細胞の培養系に目的の化合物を添加したところ、hmtTFA転写活性化作用が確認されたことが記載されている。特許文献2では、カテキンを含む飼料と運動を併用したSAM-P1雄性マウス(老化促進モデルマウス)の群において、老化に伴う電子伝達系やミトコンドリアの分化・増殖に関与するCOX2~4及びHSP72遺伝子の発現が対照群と比較して有意に高かったことが記載されている。特許文献3では、スフィンゴミエリンを含有する試験食を摂取したマウスでは、対照食群と比較して、PGC-1α遺伝子発現が腓腹筋において有意に高かったこと、及びスフィンゴミエリンを含有する試験食を摂取したマウスでは、対照食群と比較して、酸素消費量及び脂質燃焼量が有意に多かったことが記載されている。特許文献4では、ラット胎仔から得た初代神経細胞において、ヘリピロンAの添加により神経細胞におけるPGC1αの遺伝子発現量の増加が確認されたことが記載されている。
【0008】
本発明者らは、サトウキビ梢頭部から、3-o-カフェオイルキナ酸(以下、3CQA)と、5-o-カフェオイルキナ酸(以下、5CQA)と、3-o-フェルロイルキナ酸(以下、3FQA)と、イソオリエンチン(以下、ISO)とを含む組成物を得る方法を発明し、さらにこの組成物による、神経細胞におけるATPの産生促進及びアストロサイトの発達促進効果を見出している(特許文献5、非特許文献6)。
【0009】
3CQA及び5CQAについては、脂質代謝を活性化し、特に、肥満の予防・改善、血糖上昇抑制あるいは血糖低下、高レプチン血症予防・改善、高インスリン血症予防・改善効果を有することが知られている(特許文献6)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0010】
特開2004-67629号公報
HYPERLINK "javascript:void(0)"特開2008-63318号公報
特開2011-157328号公報
特開2017-43566号公報
国際公開WO2021/167012
HYPERLINK "javascript:void(0)"特開2003-034636号公報
【非特許文献】
(【0011】以降は省略されています)
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