TOP
|
特許
|
意匠
|
商標
特許ウォッチ
Twitter
他の特許を見る
公開番号
2025014137
公報種別
公開特許公報(A)
公開日
2025-01-30
出願番号
2023116396
出願日
2023-07-18
発明の名称
燃料電池の評価システムおよび方法ならびに燃料電池の制御システムおよび方法ならびに燃料電池システムならびにプログラム
出願人
国立大学法人 筑波大学
,
日置電機株式会社
代理人
個人
主分類
H01M
8/04537 20160101AFI20250123BHJP(基本的電気素子)
要約
【課題】Cole-Coleプロットと同等の精度を保持したまま、燃料電池の各分極をリアルタイムにかつ定量的に評価することができ、それによって燃料電池を評価することができる燃料電池の評価システム、その評価結果に基づいて燃料電池を制御することができる燃料電池の制御システムおよび燃料電池システムを提供する。
【解決手段】燃料電池の評価システムは、固体電解質を用いた燃料電池の運転中に固定周波数の高周波電流または高周波電圧を印加してインピーダンスを測定することにより燃料電池の抵抗分極を算出し、算出された抵抗分極に基づいて燃料電池の活性化分極および濃度分極を算出して燃料電池の評価を行う。燃料電池の制御システムおよび燃料電池システムは、算出された抵抗分極に基づいて燃料電池の活性化分極および濃度分極を算出して燃料電池の制御を行う。
【選択図】図1
特許請求の範囲
【請求項1】
固体電解質を用いた燃料電池の運転中に固定周波数の高周波電流または高周波電圧を印加してインピーダンスを測定することにより上記燃料電池の抵抗分極を算出し、当該算出された抵抗分極に基づいて上記燃料電池の活性化分極および濃度分極を算出して上記燃料電池の評価を行う燃料電池の評価システム。
続きを表示(約 1,700 文字)
【請求項2】
上記固定周波数は上記燃料電池のインピーダンスを測定することにより得られるCole-Coleプロットの軌跡が実軸と交わる点における周波数である請求項1記載の燃料電池の評価システム。
【請求項3】
上記固定周波数は1kHzである請求項2記載の燃料電池の評価システム。
【請求項4】
上記燃料電池のインピーダンスを測定するインピーダンス測定装置と、
上記燃料電池に上記固定周波数の高周波電流または高周波電圧を供給する電源と、
を有し、
上記燃料電池の運転中に上記電源により上記固定周波数の高周波電流または高周波電圧を印加して上記インピーダンス測定装置によりインピーダンスを測定することにより上記燃料電池の抵抗分極を算出し、当該算出された抵抗分極に基づいて上記燃料電池の活性化分極および濃度分極を算出し、当該算出された抵抗分極、活性化分極および濃度分極に基づいて上記燃料電池の評価を行う請求項1~3のいずれか一項記載の燃料電池の評価システム。
【請求項5】
上記算出された抵抗分極と予め決められた第1の基準値との大小関係を判定し、上記算出された濃度分極と予め決められた第2の基準値との大小関係を判定し、上記算出された活性化分極と予め決められた第3の基準値との大小関係を判定する請求項4記載の燃料電池の評価システム。
【請求項6】
固体電解質を用いた燃料電池の運転中に固定周波数の高周波電流または高周波電圧を印加してインピーダンスを測定することにより上記燃料電池の抵抗分極を算出し、当該算出された抵抗分極に基づいて上記燃料電池の活性化分極および濃度分極を算出して上記燃料電池の評価を行う燃料電池の評価方法。
【請求項7】
上記燃料電池の運転中に上記燃料電池の電圧を予め決められた時間間隔で測定するステップと、
上記時間間隔で測定された上記燃料電池の電圧と予め決められた基準電圧との大小関係を判定するステップと、
上記燃料電池の電圧が上記基準電圧より低いと判定されたときは上記固定周波数の高周波電流または高周波電圧を印加してインピーダンスを測定することにより上記燃料電池の抵抗分極を算出し、当該抵抗分極に基づいて上記燃料電池の活性化分極および濃度分極を算出するステップと、
上記算出された抵抗分極と予め決められた第1の基準値との大小関係を判定するステップと、
上記算出された濃度分極と予め決められた第2の基準値との大小関係を判定するステップと、
上記算出された活性化分極と予め決められた第3の基準値との大小関係を判定するステップと、
を有する請求項6記載の燃料電池の評価方法。
【請求項8】
固体電解質を用いた燃料電池の運転中に固定周波数の高周波電流または高周波電圧を印加してインピーダンスを測定することにより上記燃料電池の抵抗分極を算出し、当該算出された抵抗分極に基づいて上記燃料電池の活性化分極および濃度分極を算出して上記燃料電池の制御を行う燃料電池の制御システム。
【請求項9】
上記燃料電池のインピーダンスを測定するインピーダンス測定装置と、
上記燃料電池に上記固定周波数の高周波電流または高周波電圧を供給する電源と、
を有し、
上記燃料電池の運転中に上記電源により上記固定周波数の高周波電流または高周波電圧を印加して上記インピーダンス測定装置によりインピーダンスを測定することにより上記燃料電池の抵抗分極を算出し、当該算出された抵抗分極に基づいて上記燃料電池の活性化分極および濃度分極を算出し、当該算出された抵抗分極、活性化分極および濃度分極に基づいて上記燃料電池の制御を行う請求項8記載の燃料電池の制御システム。
【請求項10】
固体電解質を用いた燃料電池の運転中に固定周波数の高周波電流または高周波電圧を印加してインピーダンスを測定することにより上記燃料電池の抵抗分極を算出し、当該抵抗分極に基づいて上記燃料電池の活性化分極および濃度分極を算出して上記燃料電池の制御を行う燃料電池の制御方法。
(【請求項11】以降は省略されています)
発明の詳細な説明
【技術分野】
【0001】
この発明は、燃料電池の評価システムおよび方法ならびに燃料電池の制御システムおよび方法ならびに燃料電池システムならびにプログラムに関し、特に、例えば固体高分子形燃料電池等の固体電解質を用いた燃料電池に適用して好適なものである。
続きを表示(約 2,100 文字)
【背景技術】
【0002】
燃料電池の電圧は分極によって決定される。分極は活性化分極、抵抗分極および濃度分極(拡散分極とも呼ばれる)の三つに分類される。活性化分極は、アノードにおける水素の酸化およびカソードにおける酸素の還元の際にイオンになる反応を進めるために活性化エネルギーが消費されることにより生じる電圧降下である。抵抗分極は、電解質膜、電極、セパレータ等における電子やイオンの移動に対する抵抗により生じる電圧降下であり、電流に比例して増加する。濃度分極は、燃料電池の反応によって電極近傍では水素や酸素の濃度が低下し、これらの物質を電極へ補給する速度や生成物の散逸速度の影響により生じる電圧降下であり、特に、燃料を多く消費する高電流域で支配的である。燃料電池の電流-電圧曲線(性能曲線)とこれらの活性化分極、抵抗分極および濃度分極との関係を図17に示す。
【0003】
分極の低減策としては次のような対策がある。すなわち、活性化分極増大時であれば、活性化エネルギーを低下させるために燃料電池の温度を上昇させたり、抵抗分極増大時であれば、電解質膜が乾燥状態であるため加湿したり、濃度分極増大時であれば、反応ガスの流量を増加させたりする。したがって、分極を評価し、それを燃料電池の運転にフィードバックして制御に利用することができれば、燃料電池の安定稼働につながる。
【0004】
燃料電池の分極評価方法としては、図18に示すような、電気化学インピーダンス分光法(EIS法)によるCole-Coleプロットが一般的である。Cole-Coleプロットでは、低周波数から高周波数までの周波数の電流を燃料電池に印加し、それにより得られるインピーダンスを複素平面(横軸が実数部(Re)、縦軸が虚数部(Im))上にプロットする。しかし、特に低周波数の電流を印加してインピーダンスを測定するため、一連の測定に時間がかかるのが難点であった。一方、特許文献1には、燃料電池セルが出力する電流に関する電流指標および電圧に関する電圧指標を取得し、電流指標を複数のモデルに適用して複数の分極を導出し、前記電圧に関する電圧指標が閾値未満である場合に、前記複数の分極のそれぞれに対して設定された基準分極のそれぞれと、前記複数の分極のそれぞれとを比較して、比較結果に基づいて、燃料電池セルが出力する電圧値を上昇させるための手法を導出する技術が提案されている。特許文献1によれば、燃料電池の運転中の計測は可能であるが、Cole-Coleプロットと同等の精度を保持したまま、分極の計測を行うことは難しい。
【0005】
特許文献2には、燃料電池から得られる電流および電圧を所定時間だけ計測して特定周波数成分を検出し、物質移動抵抗(濃度分極に対応)を検出する技術が記載されている。また、特許文献3には、燃料電池の各単セルに高周波(例えば、数kHz~数MHz)の交流を印加してインピーダンスの直列抵抗成分を計測し、燃料電池内の水分量を判別して運転の制御を行う技術が提案されている。しかし、特許文献2、3とも、単一の分極を評価するものに過ぎない。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0006】
特開2022-82099号公報
特開2023-39486号公報
特開2016-95984号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
この発明が解決しようとする課題は、Cole-Coleプロットと同等の精度を保持したまま、燃料電池の各分極をリアルタイムにかつ定量的に評価することができ、それによって燃料電池を評価することができる燃料電池の評価システムおよび方法ならびに燃料電池の評価方法のプログラムを提供することである。
【0008】
この発明が解決しようとする他の課題は、Cole-Coleプロットと同等の精度を保持したまま、燃料電池の各分極をリアルタイムにかつ定量的に評価することができ、その結果に基づいて燃料電池を制御することができ、ひいては燃料電池の安定稼働を実現することができる燃料電池の制御システムおよび方法ならびに燃料電池の制御方法のプログラムを提供することである。
【0009】
この発明が解決しようとするさらに他の課題は、Cole-Coleプロットと同等の精度を保持したまま、燃料電池の各分極をリアルタイムにかつ定量的に評価することができ、その結果に基づいて燃料電池を制御することができ、ひいては燃料電池の安定稼働を実現することができる燃料電池システムを提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0010】
上記課題を解決するために、この発明は、
固体電解質を用いた燃料電池の運転中に固定周波数の高周波電流または高周波電圧を印加してインピーダンスを測定することにより上記燃料電池の抵抗分極を算出し、当該算出された抵抗分極に基づいて上記燃料電池の活性化分極および濃度分極を算出して上記燃料電池の評価を行う燃料電池の評価システムである。
(【0011】以降は省略されています)
この特許をJ-PlatPatで参照する
関連特許
国立大学法人 筑波大学
表面検査方法
6日前
国立大学法人 筑波大学
電力平準化装置
1日前
国立大学法人東京海洋大学
熱電池用電解液、熱電池
2か月前
亀田製菓株式会社
骨強化剤
3か月前
国立大学法人 筑波大学
振り子装置、制振装置及び制振装置の設計方法
1か月前
国立大学法人 筑波大学
モデル図作成方法、情報処理システムおよびプログラム
2か月前
国立大学法人 筑波大学
紙及びその製造方法並びに紙用改質剤及びその製造方法
27日前
三菱重工業株式会社
水素吸蔵材料、水素放出・貯蔵システム
2か月前
国立大学法人 筑波大学
酸素飽和度イメージング内視鏡を用いた潰瘍性大腸炎活動性評価
1か月前
株式会社サンワイズ
生体情報生成方法及び生体情報管理システム
1か月前
国立大学法人 筑波大学
糸状菌のスクリーニング方法及び糸状菌用培養条件のスクリーニング方法
今日
国立大学法人 筑波大学
判定装置、選択装置、判定システム、判定方法、選択方法及びプログラム
18日前
東洋紡株式会社
SARS-CoV-2検出用プローブセット及びその用途
2か月前
国立大学法人 筑波大学
センサ、測定システム、測定方法、液体量の提示方法、及びスポンジの製造方法
2か月前
国立大学法人 筑波大学
液体熱電変換素子用電極、液体熱電変換素子、液体熱電変換素子用電極の製造方法
6日前
東洋紡株式会社
マイコプラズマ・ホミニス検出用オリゴヌクレオチド及びその用途
1か月前
東洋紡株式会社
クラミジアトラコマチス及び/又は淋菌の検出用オリゴヌクレオチド
2か月前
国立大学法人 筑波大学
眼科データ処理方法、及び眼科データ処理装置
3か月前
国立大学法人 筑波大学
イネ科植物の種子、湿害に起因する植物の種子の出芽阻害を軽減するための方法、およびその利用
2か月前
国立大学法人 筑波大学
造血幹細胞移植における移植前処理を受けた患者を処置する方法および当該方法に用いるための組成物
27日前
東洋紡株式会社
膣トリコモナス及び/又はマイコプラズマジェニタリウム検出用オリゴヌクレオチド
2か月前
東洋紡株式会社
サル痘ウイルス及び水痘・帯状疱疹ウイルス検出用オリゴヌクレオチド及びその用途
1か月前
日本電気株式会社
秘匿化装置、推定装置、表示装置、推定システム、秘匿化方法、推定方法およびプログラム
1か月前
国立大学法人 筑波大学
予測装置、予測方法、教師データ生成装置、教師データ生成方法、モデル学習装置、モデル学習方法、およびプログラム
1か月前
新コスモス電機株式会社
揮発性物質除去装置および揮発性物質除去方法
1か月前
個人
超音波接合
1か月前
APB株式会社
二次電池
5日前
甲神電機株式会社
変流器
11日前
ローム株式会社
半導体装置
7日前
ローム株式会社
チップ部品
1日前
オムロン株式会社
電磁継電器
19日前
株式会社GSユアサ
蓄電装置
18日前
太陽誘電株式会社
全固体電池
6日前
オムロン株式会社
電磁継電器
19日前
トヨタ自動車株式会社
集合導線
7日前
シチズン電子株式会社
発光装置
1か月前
続きを見る
他の特許を見る