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公開番号
2025064624
公報種別
公開特許公報(A)
公開日
2025-04-17
出願番号
2023174529
出願日
2023-10-06
発明の名称
酸素飽和度イメージング内視鏡を用いた潰瘍性大腸炎活動性評価
出願人
国立大学法人 筑波大学
代理人
弁理士法人平木国際特許事務所
主分類
A61B
1/045 20060101AFI20250410BHJP(医学または獣医学;衛生学)
要約
【課題】潰瘍性大腸炎(UC)の疾患活動性及び便意切迫感を評価するための客観的な手段を提供すること。
【解決手段】酸素飽和度イメージング内視鏡と、大腸又は直腸から得られた酸素飽和度イメージングに基づき大腸又は直腸の酸素飽和度を数値化する手段と、該数値化された数値があらかじめ設定された数値範囲にあるか否か判定する手段とを備える、潰瘍性大腸炎(UC)の疾患活動性又は便意切迫感を評価するための酸素飽和度イメージング内視鏡システム。
【選択図】なし
特許請求の範囲
【請求項1】
酸素飽和度イメージング内視鏡と、
大腸又は直腸から得られた酸素飽和度イメージングに基づき大腸又は直腸の酸素飽和度を数値化する手段と、
該数値化された数値があらかじめ設定された数値範囲にあるか否か判定する手段と
を備える、潰瘍性大腸炎(UC)の疾患活動性又は便意切迫感を評価するための酸素飽和度イメージング内視鏡システム。
続きを表示(約 960 文字)
【請求項2】
前記数値化された数値があらかじめ設定された数値範囲にある大腸又は直腸の部位を特定する手段
をさらに備える、請求項1に記載の酸素飽和度イメージング内視鏡システム。
【請求項3】
前記特定する手段により特定された大腸又は直腸の部位を表示する手段
をさらに備える、請求項2に記載の酸素飽和度イメージング内視鏡システム。
【請求項4】
前記数値化された数値があらかじめ設定された数値範囲にあるか否かの判定結果に基づいて、UCの疾患活動性又は便意切迫感の評価を出力する手段
をさらに備える、請求項1に記載の酸素飽和度イメージング内視鏡システム。
【請求項5】
直腸の酸素飽和度について、前記あらかじめ設定された数値範囲が、SCCAIスコア又は便意切迫感に基づき決定される、請求項1に記載の酸素飽和度イメージング内視鏡システム。
【請求項6】
前記あらかじめ設定された数値範囲が、直腸の酸素飽和度40.5%以下である、請求項5に記載の酸素飽和度イメージング内視鏡システム。
【請求項7】
大腸の酸素飽和度について、前記あらかじめ設定された数値範囲が、内視鏡的又は組織学的疾患活動性に基づき決定される、請求項1に記載の酸素飽和度イメージング内視鏡システム。
【請求項8】
前記内視鏡的又は組織学的疾患活動性が、MESスコア、UCEISスコア及びGeboesスコアからなる群より選択される少なくとも1つのスコアで表される、請求項7に記載の酸素飽和度イメージング内視鏡システム。
【請求項9】
前記あらかじめ設定された数値範囲が、大腸の酸素飽和度45.5%以下又は47.5%以下である、請求項8に記載の酸素飽和度イメージング内視鏡システム。
【請求項10】
大腸又は直腸から得られた酸素飽和度イメージングに基づいて大腸又は直腸の酸素飽和度を数値化するステップ、
該数値化された数値があらかじめ設定された数値範囲にあるか否か判定するステップ
を含む、潰瘍性大腸炎(UC)の疾患活動性又は便意切迫感の評価を補助する方法。
(【請求項11】以降は省略されています)
発明の詳細な説明
【技術分野】
【0001】
本発明は、酸素飽和度イメージング内視鏡システムに関する。また本発明は、潰瘍性大腸炎の疾患活動性又は便意切迫感の評価を補助する方法及び関連するプログラムに関する。
続きを表示(約 2,600 文字)
【背景技術】
【0002】
潰瘍性大腸炎(UC)は、大腸粘膜のびまん性炎症が直腸から連続的に分布する大腸炎であり、遺伝的要因及び環境要因が関与する慢性腸炎である。治療目標は、大腸炎の客観的な改善として定義される。治療目標に関する国際ステートメント(Selecting Therapeutic Targets in Inflammatory Bowel Disease:STRIDE-II)では、短期治療目標は臨床症状の改善及び寛解を含み、長期治療目標は、内視鏡的粘膜治癒である(非特許文献1)。
【0003】
臨床症状の評価において、Simple Clinical Colitis Activity Index(SCCAI)(非特許文献2)及び部分的Mayoスコア(非特許文献3)が最良の妥当性及び応答性を有する評価指標と考えられている。部分的Mayoスコアとは異なり、SCCAIは、便意切迫感(bowel urgency)を評価するための項目を含む。便意切迫感は、UC患者の生活の質(QOL)及び臨床転帰を悪化させる最も頻度の高い症状の1つである。便意切迫感のメカニズムには、大腸粘膜下の線維化、直腸過敏症、直腸コンプライアンスの低下及び機能不全、腸脳連関などの多因子が関連している。すなわち内視鏡的及び組織学的な炎症は必ずしも便意切迫感の程度と一致せず、信頼できる客観的尺度は依然として不足している。さらに、日本の調査では、UC患者の約30%が便失禁について専門家と話し合うことをためらっていたことが明らかとなっており、臨床症状の問診だけでは評価不十分になる可能性が示唆されている。従って、便意切迫感に対する治療効果のエビデンスを提供し、効果的な患者-医師間のコミュニケーションを促進するために、より信頼できる客観的尺度が必要である。
【0004】
Mayo内視鏡サブスコア(Mayo endoscopic subscore:MES)(非特許文献3)及びUlcerative Colitis Endoscopic Index of Severity(UCEIS)(非特許文献4)は、内視鏡的治癒に関する周知の評価指標である。Geboesスコアは組織学的治癒に関する指標である(非特許文献5)。これらのスコアリングは疾患活動性をモニタリングするための客観的な尺度であり得るが、観察者に依存したスコアリングシステムであるため、観察者バイアスを無視することができない。理想的な内視鏡モニタリングには、大腸炎症の程度を反映する客観的な数値を必要とする。
【0005】
UCの活動期にある炎症粘膜では、炎症細胞が活発に遊走しており、酸化的リン酸化を介して高濃度のアデノシン三リン酸を消費する。また、食細胞が活性酸素種を産生している。これらの過程で、酸素及びグルコース消費が大幅に増大する。そして、局所的な酸素枯渇が、血管内皮増殖因子Aによって誘導される血管新生を促進し、微小血管機能不全をもたらす。すなわち、炎症を起こした大腸粘膜では、酸素要求性の高い炎症細胞の遊走及び微小血管機能不全に続発して低酸素又は無酸素になる(非特許文献6)。
【0006】
臓器反射分光光度計やT-Stat組織酸素濃度計などの内視鏡用プローブを用いた以前の研究で、大腸の組織酸素飽和度(StO
2
)と内視鏡的及び組織学的炎症を含むUC疾患活動性との間に負の相関関係があることが示されており、大腸StO
2
がUCの客観的指標となりうることが示唆されていた。しかしながら、上記の手法では、プローブを大腸粘膜に接触させる必要があり、その接触点しかStO
2
が測定されないため、リアルタイムの空間的及び時間的な大腸StO
2
情報を得ることは技術的に困難であり、その臨床適用を妨げている。また、SCCAIなどの臨床症状の評価指標、特に便意切迫感とStO
2
との関連については、これまで評価されていなかった。
【0007】
一方、酸素飽和度イメージング内視鏡検査は、ヘモグロビン酸素飽和度に基づくStO
2
に関する空間的・時間的情報を得ることができるレーザー内視鏡撮像装置である(特許文献1及び非特許文献7)。従来の内視鏡用プローブは、StO
2
を測定するために大腸粘膜に接着させる必要があるため、そのような情報を得ることが困難であったが、酸素飽和度イメージング内視鏡検査はリアルタイムのStO
2
マップと白色光内視鏡画像を同時に提供することができる。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0008】
特許第7166448号公報
【非特許文献】
【0009】
Turner D, et al., Gastroenterology 160:1570-1583, 2021
Walmsley RS, et al., Gut 43:29-32, 1998
Schroeder KW, et al., N Engl J Med 317:1625-1629, 1987
Travis SP, et al., Gut 61:535-542, 2012
Geboes K, et al., Gut 47:404-409, 2000
Van Welden S, et al., Nat Rev Gastroenterol Hepatol 14:596-611, 2017
Kaneko K, et al., PLoS One 9:e99055, 2014
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0010】
本発明は、潰瘍性大腸炎(UC)の臨床的、内視鏡的及び組織学的疾患活動性の評価のための酸素飽和度イメージング内視鏡の臨床的有用性を評価し、UCの疾患活動性及び症状を評価するための客観的な手段を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
(【0011】以降は省略されています)
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