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公開番号
2025005241
公報種別
公開特許公報(A)
公開日
2025-01-16
出願番号
2023105353
出願日
2023-06-27
発明の名称
光触媒及びその製造方法、並びに、構造体及びその製造方法
出願人
国立大学法人 筑波大学
代理人
弁理士法人太陽国際特許事務所
主分類
B01J
27/24 20060101AFI20250108BHJP(物理的または化学的方法または装置一般)
要約
【課題】g-C
3
N
4
を含み優れた触媒性能を示す光触媒を提供すること。
【解決手段】光触媒は、多孔質構造を有するグラファイト状窒化炭素と、前記グラファイト状窒化炭素に担持された金属と、を含有する。
【選択図】なし
特許請求の範囲
【請求項1】
多孔質構造を有するグラファイト状窒化炭素と、前記グラファイト状窒化炭素に担持された金属と、を含有する光触媒。
続きを表示(約 630 文字)
【請求項2】
前記グラファイト状窒化炭素の比表面積が、8m
2
/g以上である請求項1に記載の光触媒。
【請求項3】
前記グラファイト状窒化炭素の全細孔容積が、4.00×10
-2
cm
3
/g(STP)以上である請求項1に記載の光触媒。
【請求項4】
前記グラファイト状窒化炭素の平均細孔直径が、16nm以上である請求項1に記載の光触媒。
【請求項5】
前記金属が、銀を含む請求項1に記載の光触媒。
【請求項6】
基材と、前記基材に付着する請求項1~請求項5のいずれか1項に記載の光触媒と、を有する構造体。
【請求項7】
前記基材が、紙基材である請求項6に記載の構造体。
【請求項8】
グラファイト状窒化炭素の原料と発泡剤との混合物を加熱して多孔質構造を有するグラファイト状窒化炭素を形成することと、
前記グラファイト状窒化炭素に金属を担持することと、を含む光触媒の製造方法。
【請求項9】
前記原料が、メラミン、グアニン塩酸塩及び尿素からなる群より選択される少なくとも1種を含む請求項8に記載の光触媒の製造方法。
【請求項10】
前記発泡剤が、熱分解温度の異なる少なくとも2種の発泡剤を含む請求項8に記載の光触媒の製造方法。
(【請求項11】以降は省略されています)
発明の詳細な説明
【技術分野】
【0001】
本開示は、光触媒及びその製造方法、並びに、構造体及びその製造方法に関する。
続きを表示(約 4,300 文字)
【背景技術】
【0002】
グラファイト状窒化炭素(以下、「g-C
3
N
4
」と称することがある。)は、その高い吸着容量及び光触媒として適度なバンドギャップ(2.75eV)をもつなどの良好な半導体特性において、近年注目を集めている材料である。また、優れた熱安定性と耐酸性・耐アルカリ性により、光触媒分野において多くの科学的関心を集めている(例えば、非特許文献1参照)。
さらに重要なことは、g-C
3
N
4
は、一方では、表面に多くのπ-π共役を持つπ共役物質であり、分子を吸着することができる。他方では、g-C
3
N
4
は、ラメラ構造をもつ性質上、結晶化しやすく、電荷移動を促進することができることである。さらに、他の無機π共役系材料とは異なり、g-C
3
N
4
は一種のソフトポリマーであり、よい担体となりうる(例えば、非特許文献2参照)。
g-C
3
N
4
の触媒活性を向上すべく、g-C
3
N
4
の粉末を、金属イオンを含む水溶液中で処理することを特徴とする、層間に金属イオンが挿入されたg-C
3
N
4
の製造方法が知られている(例えば、特許文献1参照)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
特開2011-195412号公報
【非特許文献】
【0004】
Guohui Dong Lizhi Zhang. Porous structure dependent photoreactivity of graphitic carbon nitride under visible light. Journal of materials chemistry. 2012, vol. 22, no. 3, p. 1160-1166.
Devthade Vidyasagar Sachin. Extended π-conjugative n-p type homostructural graphitic carbon nitride for photodegradation and charge-storage applications. Scientific reports. 2019, vol. 9, 7186.
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
g-C
3
N
4
は光生成電子正孔対の再結合速度が大きく、狭い範囲の可視光吸収に限られているため、それによる低い光触媒活性が課題となっている。
可視光に感度を持つ光触媒であるg-C
3
N
4
は、太陽光を効率的に利用するための吸収波長の拡大や、室内光での反応促進などに大きな関心を持たれている。しかし、反応速度または利用利便性には課題が残されている。
本開示は上記従来の事情に鑑みてなされたものであり、本開示の一態様は、g-C
3
N
4
を含み優れた触媒性能を示す光触媒及びその製造方法を提供することを目的とする。また、本開示の他の態様は、この光触媒を用いる構造体及びその製造方法を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
前記課題を達成するための具体的手段は以下の通りである。
<1> 多孔質構造を有するグラファイト状窒化炭素と、前記グラファイト状窒化炭素に担持された金属と、を含有する光触媒。
<2> 前記グラファイト状窒化炭素の比表面積が、8m
2
/g以上である<1>に記載の光触媒。
<3> 前記グラファイト状窒化炭素の全細孔容積が、4.00×10
-2
cm
3
/g(STP)以上である<1>又は<2>に記載の光触媒。
<4> 前記グラファイト状窒化炭素の平均細孔直径が、16nm以上である<1>~<3>のいずれか1項に記載の光触媒。
<5> 前記金属が、銀を含む<1>~<4>のいずれか1項に記載の光触媒。
<6> 基材と、前記基材に付着する<1>~<5>のいずれか1項に記載の光触媒と、を有する構造体。
<7> 前記基材が、紙基材である<6>に記載の構造体。
<8> グラファイト状窒化炭素の原料と発泡剤との混合物を加熱して多孔質構造を有するグラファイト状窒化炭素を形成することと、
前記グラファイト状窒化炭素に金属を担持することと、を含む光触媒の製造方法。
<9> 前記原料が、メラミン、グアニン塩酸塩及び尿素からなる群より選択される少なくとも1種を含む<8>に記載の光触媒の製造方法。
<10> 前記発泡剤が、熱分解温度の異なる少なくとも2種の発泡剤を含む<8>又は<9>に記載の光触媒の製造方法。
<11> 前記発泡剤のうちの最も熱分解温度の高い第1の発泡剤についての熱分解温度と、前記発泡剤のうちの最も熱分解温度の低い第2の発泡剤についての熱分解温度との差が、50℃以上である<10>に記載の光触媒の製造方法。
<12> 前記発泡剤が、塩化アンモニウム及びリン酸二水素アンモニウムの少なくとも一方を含む<8>~<11>のいずれか1項に記載の光触媒の製造方法。
<13> 基材に<1>~<5>のいずれか1項に記載の光触媒を付着させることと、
前記光触媒が付着した前記基材を加圧することと、を含む構造体の製造方法。
<14> 前記光触媒と結着剤とを含む分散液を前記基材に接触させることで、前記基材に前記光触媒を付着させる<13>に記載の構造体の製造方法。
<15> 前記結着剤が、カルボキシメチルセルロースを含む<14>に記載の構造体の製造方法。
【発明の効果】
【0007】
本開示の一態様によれば、g-C
3
N
4
を含み優れた触媒性能を示す光触媒及びその製造方法が提供される。また、本開示の他の態様によれば、この光触媒を用いる構造体及びその製造方法が提供される。
【図面の簡単な説明】
【0008】
染料脱色試験に用いられる評価装置の概要を示す図である。
メラミン加熱前後のXRDパターンの比較結果を示す図である。
銀担持前後のXRDパターンの比較結果を示す図である。
発泡剤添加有無及び焼成温度の違いによるXRDパターンの比較結果を示す図である。
硝酸銀添加量の違いによるXRDパターンの比較結果を示す図である。
実施例1において、発泡剤を用いずに、600℃まで昇温して得られたバルク状のg-C
3
N
4
についてのSEM写真を示す図である。
実施例1において、発泡剤を用いて、メラミンのみを600℃まで加熱して得られたバルク状のg-C
3
N
4
についてのSEM写真を示す図である。
ローダミンB脱色試験前の構造体1表面のSEM画像を示す図である。
ローダミンB脱色試験後の構造体1表面のSEM画像を示す図である。
実施例2で得られた構造体1によるローダミンB(RhB)溶液の脱色実験の結果を示す図である。
実施例2で得られた構造体1を繰り返し使用した際の構造体1の安定性の評価結果を示す図である。
実施例2で得られた構造体1を繰り返し使用した際の構造体1のXRDパターンを示す図である。
実施例2で得られた構造体1による硫酸ナイルブルー溶液の脱色実験の結果を示す図である。
実施例2で得られた構造体1によるコンゴーレッド溶液の脱色実験の結果を示す図である。
実施例2で得られた構造体1による黒液脱色実験の結果を示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0009】
以下、本開示の実施形態について詳細に説明する。但し、本開示は以下の実施形態に限定されるものではない。以下の実施形態において、その構成要素(要素ステップ等も含む)は、特に明示した場合を除き、必須ではない。数値及びその範囲についても同様であり、本開示を制限するものではない。
【0010】
本開示において「工程」との語には、他の工程から独立した工程に加え、他の工程と明確に区別できない場合であってもその工程の目的が達成されれば、当該工程も含まれる。
本開示において「~」を用いて示された数値範囲には、「~」の前後に記載される数値がそれぞれ最小値及び最大値として含まれる。
本開示中に段階的に記載されている数値範囲において、一つの数値範囲で記載された上限値又は下限値は、他の段階的な記載の数値範囲の上限値又は下限値に置き換えてもよい。また、本開示中に記載されている数値範囲において、その数値範囲の上限値又は下限値は、実施例に示されている値に置き換えてもよい。
本開示において、各成分には、該当する物質が複数種含まれていてもよい。組成物中に各成分に該当する物質が複数種存在する場合、各成分の含有率又は含有量は、特に断らない限り、組成物中に存在する当該複数種の物質の合計の含有率又は含有量を意味する。
本開示において、各成分に該当する粒子には、複数種の粒子が含まれていてもよい。組成物中に各成分に該当する粒子が複数種存在する場合、各成分の粒子径は、特に断らない限り、組成物中に存在する当該複数種の粒子の混合物についての値を意味する。
本開示において「層」又は「膜」との語には、当該層又は膜が存在する領域を観察したときに、当該領域の全体に形成されている場合に加え、当該領域の一部にのみ形成されている場合も含まれる。
(【0011】以降は省略されています)
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