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公開番号2024163960
公報種別公開特許公報(A)
公開日2024-11-25
出願番号2023079736
出願日2023-05-13
発明の名称光集積回路、その製造方法、および光変調器
出願人多摩川精機株式会社
代理人個人
主分類G02B 6/122 20060101AFI20241118BHJP(光学)
要約【課題】光集積回路において、回路形成がなされている面に対するコーティングを施すことなく、また、基板の折れや破損の恐れがなく、導波路への光混入を効果的に防止できる、実用性の高い技術を提供すること。
【解決手段】光集積回路10は、基板1と、その少なくとも一面に形成された導波路2とを有し、導波路2が形成された面である導波路形成面1Cの全面に、ただし導波路2を除いて、反射を抑制する反射抑制構造5が形成されている構成とする。導波路2によってY分岐3が形成されている。反射抑制構造は、導波路形成面1Cの裏面1Rにも形成することがより望ましい。この構造は、導波路2を保護するレジスト処理を行った上での全面ブラスト処理を行うことで形成することができる。
【選択図】図1
特許請求の範囲【請求項1】
基板とその少なくとも一面に形成された導波路とを有する光集積回路であって、
該導波路が形成された面であるところの導波路形成面全体に、該導波路を除いて、
反射を抑制する反射抑制構造が形成されている
ことを特徴とする、光集積回路。
続きを表示(約 470 文字)【請求項2】
前記反射抑制構造が前記導波路形成面の裏面にも形成されていることを特徴とする、請求項1に記載の光集積回路。
【請求項3】
前記導波路を有する面の反射抑制構造は、ブラスト処理により形成されていることを特徴とする、請求項1、2のいずれかに記載の光集積回路。
【請求項4】
請求項1、2のいずれかに記載の光集積回路を備えていることを特徴とする、光変調器。
【請求項5】
基板上に導波路を含む所定の回路が作成される前過程と、
該導波路にこれを保護するレジストが施されるレジスト処理過程と、
その後、該基板にブラスト処理がなされるブラスト処理過程と、
その後、レジストが除去されるレジスト除去過程と、
からなることを特徴とする、光集積回路製造方法。
【請求項6】
前記ブラスト処理過程では、少なくとも前記導波路形成面およびその裏面にブラスト処理がなされ、各面に反射抑制構造が形成されることを特徴とする、請求項5に記載の光集積回路製造方法。

発明の詳細な説明【技術分野】
【0001】
本発明は光集積回路、その製造方法、および光変調器に係り、特に、光集積回路の基板の内部を伝播する光が導波路に混入しないようにする構造に関するものである。
続きを表示(約 1,800 文字)【背景技術】
【0002】
光集積回路は、基板の上面に受動素子・制御素子・光源・受光器などの光機能素子を集積化して形成される回路である。その基本構造は薄膜による導波路であり,半導体・強誘電体・ガラスなどを材料とした透明な絶縁基板上に、屈折率のわずかに高い部分を作ることで形成されている。この導波路によってY分岐が形成されている。
【0003】
従来の光集積回路は少なくとも1つのY分岐を含み、このY分岐から光の一部が洩れ、基板内に放射される。放射された光は基板内で結合して干渉し、再び導波路に戻り、導波路を伝播する光に不要成分として含まれることとなる。一般に、基板内を伝播する光が存在するとそれが導波路に侵入し、導波路を伝播する光に混入されることとなる。それによって、導波路を伝播する光が搬送している信号にノイズが生ずる。
【0004】
光集積回路の導波路への光混入防止技術については従来、特許出願等もなされている。たとえば後掲特許文献1には、光集積回路においてモードフィルタ機能や偏光分離機能を提供するために、導波路を横断するように溝が形成され、溝内に薄い板状の光学素子が挿入されている構造が開示されている。光学素子としてはモードフィルタ、積層型偏光子、モードフィルタ機能付き積層型偏光子が例示されている。
【0005】
また特許文献2にも、溝入れによる遮断帯形成技術が開示されている。すなわち、光集積回路の基板に遮断帯を設け、基板の内部を伝播する光を遮断し、導波路に混入しないようにする構造である。この光集積回路を光ファイバジャイロに用いることにより、ノイズを含まないジャイロ信号が得られるとしている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0006】
特開平8-297217号公報「光集積回路及び光ファイバジャイロ」
特開平7-181045光集積号公報「回路及び光ファイバジャイロ」
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
上述したように、光集積回路において漏れ出した光が導波路へ混入することを防ぐ技術としては従来、反射防止膜のコーティング方式や、溝入れによる遮断帯の形成方式がある。前者によれば、漏れた光が内部へ戻ってくることは無いが、しかし、回路形成がなされている上面に対してコーティングを施すことは難しく、容易に採用し難い。また後者は、遮断効果と溝深さがトレードオフとなるため、加工時に、折れや破損のリスクが高い。また、微細な加工には適していない。これら問題のあるコーティング方式や溝形成方式を用いることなく、導波路への光混入を効果的に防止できる、より実用性の高い技術が求められる。
【0008】
そこで本発明が解決しようとする課題は、かかる従来技術の問題点をなくし、光集積回路において、回路形成がなされている面に対するコーティングを施すことなく、また、基板の折れや破損の恐れがなく、導波路への光混入を効果的に防止できる、実用性の高い技術を提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0009】
本願発明者は上記課題について検討した。その結果、光集積回路製造時において、端面反射を抑制するために行う表面を荒らす加工をする際、導波路にレジストで保護膜を形成した状態で、表面全体にサンドブラスト等の吹付け処理を行う方式に想到した。この方式によれば、導波路以外の表面全体に荒らす加工が施され、上記課題を解決することができる。本発明はかかる検討結果に基づいて完成された。すなわち、上記課題を解決するための手段として本願で特許請求される発明、もしくは少なくとも開示される発明は、以下の通りである。
【0010】
〔1〕 基板とその少なくとも一面に形成された導波路とを有する光集積回路であって、該導波路が形成された面であるところの導波路形成面全体に、該導波路を除いて、反射を抑制する反射抑制構造が形成されていることを特徴とする、光集積回路。
〔2〕 前記反射抑制構造が前記導波路形成面の裏面にも形成されていることを特徴とする、〔1〕に記載の光集積回路。
〔3〕 前記導波路を有する面の反射抑制構造は、ブラスト処理により形成されていることを特徴とする、〔1〕、〔2〕のいずれかに記載の光集積回路。
(【0011】以降は省略されています)

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