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公開番号
2024163189
公報種別
公開特許公報(A)
公開日
2024-11-21
出願番号
2024150625,2020034548
出願日
2024-09-02,2020-02-29
発明の名称
代謝物センサ及び酵素活性のスクリーニング方法
出願人
国立大学法人千葉大学
代理人
個人
,
個人
,
個人
主分類
C12N
9/02 20060101AFI20241114BHJP(生化学;ビール;酒精;ぶどう酒;酢;微生物学;酵素学;突然変異または遺伝子工学)
要約
【課題】新規な代謝物センサ、並びに、新規な酵素活性のスクリーニング方法を提供することである。
【解決手段】本発明者らが開発した「多入力・多出力型遺伝子スイッチの製造方法」により新規な代謝物センサを完成し、さらに、新規な酵素活性のスクリーニング方法を構築して、本発明を完成した。
【選択図】なし
特許請求の範囲
【請求項1】
以下の(1)~(7)のいずれか1のアミノ酸配列又は遺伝子で特定されるCODM変異体:
(1)配列番号51で示されるアミノ酸配列において、121位及び346位にアミノ酸置換を有する、
(2)配列番号51で示されるアミノ酸配列において、Q121LおよびR346Hのアミノ酸置換を有する、
(3)配列番号51で示されるアミノ酸配列において、Q121L又はR346Hのアミノ酸置換を有し、かつ、上記(2)と実質的同等のデバイン及び/又はコデイン検出活性を有する、
(4)配列番号51で示されるアミノ酸配列において、Q121L及びR346Hのアミノ酸置換を有し、さらに、121位及び346位以外の箇所において、1~20個のアミノ酸が置換、欠損、挿入及び/又は付加しており、かつ上記(2)と実質的同等のデバイン及び/又はコデイン検出活性を有する、
(5)配列番号51で示されるアミノ酸配列において、Q121L及びR346H のアミノ酸置換を有し、配列番号51に記載のアミノ酸配列と90%以上の相同性を有し、かつ上記(2)と実質的同等のデバイン及び/又はコデイン検出活性を有する、
(6)上記(2)のアミノ酸配列において、1~20個のアミノ酸が置換、欠損、挿入及び/又は付加しており、かつ上記(2)と実質的同等のデバイン及び/又はコデイン検出活性を有するポリペプチドをコードする遺伝子、及び
(7)上記(2)のアミノ酸配列と90%以上の相同性を有し、かつ上記(2)と実質的同等のデバイン及び/又はコデイン検出活性を有するポリペプチドをコードする遺伝子。
続きを表示(約 4,200 文字)
【請求項2】
デバイン及び/又はコデイン検出用である、請求項1に記載のCODM変異体。
【請求項3】
以下の(1)~(11)のいずれか1のアミノ酸配列又は遺伝子で特定されるLuxR変異体:
(1)配列番号11で示されるアミノ酸配列において、N86K及びC245Wのアミノ酸置換を有し、さらに、33位及び57位にアミノ酸置換を有する、
(2)配列番号11で示されるアミノ酸配列において、N86K及びC245Wのアミノ酸置換を有し、さらに、T33A及びS57Tのアミノ酸置換を有する、
(3)配列番号11で示されるアミノ酸配列において、N86K、C245W 、T33A及びS57Tから選択される3又は4のアミノ酸置換を有し、かつ、上記(2)と実質的同等の転写亢進活性又はAHL検出感度を有する、
(4)配列番号11で示されるアミノ酸配列において、N86K、C245W 、T33A及びS57Tのアミノ酸置換を有し、さらに、86位、245位、33位及び57位以外の箇所において、1~20個のアミノ酸が置換、欠損、挿入及び/又は付加しており、かつ上記(2)と実質的同等の転写亢進活性又はAHL検出感度を有する、
(5)配列番号11で示されるアミノ酸配列において、N86K、C245W 、T33A及びS57Tのアミノ酸置換を有し、配列番号11に記載のアミノ酸配列と90%以上の相同性を有し、かつ上記(2)と実質的同等の転写亢進活性又はAHL検出感度を有する、
(6)上記(2)のアミノ酸配列において、1~20個のアミノ酸が置換、欠損、挿入及び/又は付加しており、かつ上記(2)と実質的同等の転写亢進活性又はAHL検出感度を有するポリペプチドをコードする遺伝子、
(7)上記(2)のアミノ酸配列と90%以上の相同性を有し、かつ上記(2)と実質的同等の転写亢進活性又はAHL検出感度を有するポリペプチドをコードする遺伝子、
(8)配列番号77に記載の塩基配列からなるDNAからなる遺伝子、
(9)配列番号77に記載の塩基配列からなるDNAと相補的な塩基配列からなるDNAとストリンジェントな条件下でハイブリダイズし、かつ上記(2)と実質的同等の転写亢進活性又はAHL検出感度を有するポリペプチドをコードする遺伝子、
(10)配列番号77に記載の塩基配列からなるDNAにおいて、1~50個の塩基配列が置換、欠損、挿入及び/又は付加されているDNAからなる遺伝子、及び
(11)配列番号77に記載の塩基配列からなるDNAと相同性が90%以上のDNAからなる遺伝子。
【請求項4】
前記LuxR変異体は、野生型LuxRと比較して、転写亢進活性又はAHL検出感度が高いことを特徴とする請求項3に記載のLuxR変異体。
【請求項5】
以下の(1)~(11)のいずれか1のアミノ酸配列又は遺伝子で特定されるLuxR変異体:
(1)配列番号11で示されるアミノ酸配列において、N86K、C245W 、T33A及びS57Tのアミノ酸置換を有し、さらに、42位、93位、99位及び100位にアミノ酸置換を有する、
(2)配列番号11で示されるアミノ酸配列において、N86K、C245W 、T33A及びS57Tのアミノ酸置換を有し、さらに、L42S、N93K、N99D及びN100Sのアミノ酸置換を有する、
(3)配列番号11で示されるアミノ酸配列において、N86K、C245W 、T33A、S57T及び L42S、N93K、N99D及びN100Sから選択される5、6、7又は8のアミノ酸置換を有し、かつ、上記(2)と実質的同等の転写亢進活性を有する、
(4)配列番号11で示されるアミノ酸配列において、86K、C245W 、T33A、S57T及び L42S、N93K、N99D及びN100Sのアミノ酸置換を有し、さらに、86位、245位、33位、57位、42位、93位、99位及び100位以外の箇所において、1~20個のアミノ酸が置換、欠損、挿入及び/又は付加しており、かつ上記(2)と実質的同等の転写亢進活性を有する、
(5)配列番号11で示されるアミノ酸配列において、86K、C245W 、T33A、S57T及び L42S、N93K、N99D及びN100Sのアミノ酸置換を有し、配列番号11に記載のアミノ酸配列と90%以上の相同性を有し、かつ上記(2)と実質的同等の転写亢進活性を有する、
(6)上記(2)のアミノ酸配列において、1~20個のアミノ酸が置換、欠損、挿入及び/又は付加しており、かつ上記(2)と実質的同等の転写亢進活性を有するポリペプチドをコードする遺伝子、
(7)上記(2)のアミノ酸配列と90%以上の相同性を有し、かつ上記(2)と実質的同等の転写亢進活性を有するポリペプチドをコードする遺伝子、
(8)配列番号78に記載の塩基配列からなるDNAからなる遺伝子、
(9)配列番号78に記載の塩基配列からなるDNAと相補的な塩基配列からなるDNAとストリンジェントな条件下でハイブリダイズし、かつ上記(2)と実質的同等の転写亢進活性を有するポリペプチドをコードする遺伝子、
(10)配列番号78に記載の塩基配列からなるDNAにおいて、1~50個の塩基配列が置換、欠損、挿入及び/又は付加されているDNAからなる遺伝子、及び
(11)配列番号78に記載の塩基配列からなるDNAと相同性が90%以上のDNAからなる遺伝子。
【請求項6】
前記LuxR変異体は、AHL非添加条件下で転写亢進活性を有することを特徴とする請求項5に記載のLuxR変異体。
【請求項7】
以下の(1)~(7)のいずれか1のアミノ酸配列又は遺伝子で特定されるCOR変異体:
(1)配列番号50で示されるアミノ酸配列において、11位及び276位にアミノ酸置換を有する、
(2)配列番号50で示されるアミノ酸配列において、S11G及びF276Y のアミノ酸置換を有する、
(3)配列番号50で示されるアミノ酸配列において、S11G又はF276Yのアミノ酸置換を有し、かつ、上記(2)と実質的同等のレチクリン検出活性を有する、
(4)配列番号50で示されるアミノ酸配列において、S11G及びF276Yのアミノ酸置換を有し、さらに、11位及び276位以外の箇所において、1~20個のアミノ酸が置換、欠損、挿入及び/又は付加しており、かつ上記(2)と実質的同等のレチクリン検出活性を有する、
(5)配列番号50で示されるアミノ酸配列において、S11G及びF276Y のアミノ酸置換を有し、配列番号50に記載のアミノ酸配列と90%以上の相同性を有し、かつ上記(2)と実質的同等のレチクリン検出活性を有する、
(6)上記(2)のアミノ酸配列において、1~20個のアミノ酸が置換、欠損、挿入及び/又は付加しており、かつ上記(2)と実質的同等のレチクリン検出活性を有するポリペプチドをコードする遺伝子、及び
(7)上記(2)のアミノ酸配列と90%以上の相同性を有し、かつ上記(2)と実質的同等のレチクリン検出活性を有するポリペプチドをコードする遺伝子。
【請求項8】
レチクリン検出用である、請求項7に記載のCOR変異体。
【請求項9】
以下の(1)~(7)のいずれか1のアミノ酸配列又は遺伝子で特定されるIDI変異体:
(1)配列番号76で示されるアミノ酸配列において、以下のいずれか1で表される位置でアミノ酸置換を有する、
〇19
〇28、19
〇66、82、28、19
〇85、82、28、19
(2)配列番号76で示されるアミノ酸配列において、以下のいずれか1で表されるアミノ酸置換を有する、
〇L19P
〇D28H、L19P
〇V66A、G82C、D28H、L19P
〇R85C、G82C、D28H、L19P
(3)配列番号76で示されるアミノ酸配列において、R85C、V66A、G82C、D28H及びL19Pから選ばれる2、3、4又は5のアミノ酸置換を有し、かつ、上記(2)と実質的同等のメバロン酸検出活性を有する、
(4)配列番号76で示されるアミノ酸配列において、以下のいずれか1で表されるアミノ酸置換を有し、さらに、85、66、82、28及び19以外の箇所において、1~20個のアミノ酸が置換、欠損、挿入及び/又は付加しており、かつ上記(2)と実質的同等のメバロン酸検出活性を有する、
〇L19P
〇D28H、L19P
〇V66A、G82C、D28H、L19P
〇R85C、G82C、D28H、L19P
(5)配列番号76で示されるアミノ酸配列において、以下のいずれか1で表されるアミノ酸置換を有し、配列番号76に記載のアミノ酸配列と90%以上の相同性を有し、かつ上記(2)と実質的同等のメバロン酸検出活性を有する、
〇L19P
〇D28H、L19P
〇V66A、G82C、D28H、L19P
〇R85C、G82C、D28H、L19P
(6)上記(2)のアミノ酸配列において、1~20個のアミノ酸が置換、欠損、挿入及び/又は付加しており、かつ上記(2)と実質的同等のメバロン酸検出活性を有するポリペプチドをコードする遺伝子、及び
(7)上記(2)のアミノ酸配列と90%以上の相同性を有し、かつ上記(2)と実質的同等のメバロン酸検出活性を有するポリペプチドをコードする遺伝子。
【請求項10】
ジメチル2リン酸(DMAOH)又はイソペンテニル2リン酸(IOH)検出用である、請求項9に記載のIDI変異体変異体。
(【請求項11】以降は省略されています)
発明の詳細な説明
【技術分野】
【0001】
(バイオセンサの現状)
代謝物や環境監視物質など、任意の物質の細胞内濃度をリアルタイムに検定できれば、生命科学の発展に大きく寄与できる。しかし、代謝物センサとしての性能(感度)を調整することが困難である。
続きを表示(約 8,400 文字)
【0002】
(代謝物センサ)
代謝物センサのニーズは非常に高いながら,特定の代謝物に対するオンデマンドなセンサ制作は非常に困難である。生理的に枢要な代謝物(ATP, ピルビン酸,アミノ酸の一部)などに対しては,生物(細胞)自身がセンサを保持している。これらの自然界センサを改良すれば、それらの代謝物のモニタリングは可能である。しかし,新しい代謝物に対するセンサを作るのには,大変手間のかかる技術が必要であった。
【0003】
(先行技術)
本発明者らは、すでに、従来のセンサの作製方法とは異なる「多入力・多出力型遺伝子スイッチ及びその製造方法(特許文献1)」を開示している。しかし、特許文献1では、本発明の代謝物センサ及び酵素活性のスクリーニング方法を開示していない。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
WO2019/182156号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
新規な代謝物センサ、並びに、新規な酵素活性のスクリーニング方法を提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本発明者らは、本発明者らが開発した「多入力・多出力型遺伝子スイッチの製造方法」により新規な代謝物センサを完成し、さらに、新規な酵素活性のスクリーニング方法を構築して、本発明を完成した。
【0007】
すなわち、本発明は以下の通りである。
1.以下の(1)~(7)のいずれか1のアミノ酸配列又は遺伝子で特定されるCODM変異体:
(1)配列番号51で示されるアミノ酸配列において、121位及び346位にアミノ酸置換を有する、
(2)配列番号51で示されるアミノ酸配列において、Q121LおよびR346Hのアミノ酸置換を有する、
(3)配列番号51で示されるアミノ酸配列において、Q121L又はR346Hのアミノ酸置換を有し、かつ、上記(2)と実質的同等のデバイン及び/又はコデイン検出活性を有する、
(4)配列番号51で示されるアミノ酸配列において、Q121L及びR346Hのアミノ酸置換を有し、さらに、121位及び346位以外の箇所において、1~20個のアミノ酸が置換、欠損、挿入及び/又は付加しており、かつ上記(2)と実質的同等のデバイン及び/又はコデイン検出活性を有する、
(5)配列番号51で示されるアミノ酸配列において、Q121L及びR346H のアミノ酸置換を有し、配列番号51に記載のアミノ酸配列と90%以上の相同性を有し、かつ上記(2)と実質的同等のデバイン及び/又はコデイン検出活性を有する、
(6)上記(2)のアミノ酸配列において、1~20個のアミノ酸が置換、欠損、挿入及び/又は付加しており、かつ上記(2)と実質的同等のデバイン及び/又はコデイン検出活性を有するポリペプチドをコードする遺伝子、及び
(7)上記(2)のアミノ酸配列と90%以上の相同性を有し、かつ上記(2)と実質的同等のデバイン及び/又はコデイン検出活性を有するポリペプチドをコードする遺伝子。
2.デバイン及び/又はコデイン検出用である、前項1に記載のCODM変異体。
3.以下の(1)~(11)のいずれか1のアミノ酸配列又は遺伝子で特定されるLuxR変異体:
(1)配列番号11で示されるアミノ酸配列において、N86K及びC245Wのアミノ酸置換を有し、さらに、33位及び57位にアミノ酸置換を有する、
(2)配列番号11で示されるアミノ酸配列において、N86K及びC245Wのアミノ酸置換を有し、さらに、T33A及びS57Tのアミノ酸置換を有する、
(3)配列番号11で示されるアミノ酸配列において、N86K、C245W 、T33A及びS57Tから選択される3又は4のアミノ酸置換を有し、かつ、上記(2)と実質的同等の転写亢進活性又はAHL検出感度を有する、
(4)配列番号11で示されるアミノ酸配列において、N86K、C245W 、T33A及びS57Tのアミノ酸置換を有し、さらに、86位、245位、33位及び57位以外の箇所において、1~20個のアミノ酸が置換、欠損、挿入及び/又は付加しており、かつ上記(2)と実質的同等の転写亢進活性又はAHL検出感度を有する、
(5)配列番号11で示されるアミノ酸配列において、N86K、C245W 、T33A及びS57Tのアミノ酸置換を有し、配列番号11に記載のアミノ酸配列と90%以上の相同性を有し、かつ上記(2)と実質的同等の転写亢進活性又はAHL検出感度を有する、
(6)上記(2)のアミノ酸配列において、1~20個のアミノ酸が置換、欠損、挿入及び/又は付加しており、かつ上記(2)と実質的同等の転写亢進活性又はAHL検出感度を有するポリペプチドをコードする遺伝子、
(7)上記(2)のアミノ酸配列と90%以上の相同性を有し、かつ上記(2)と実質的同等の転写亢進活性又はAHL検出感度を有するポリペプチドをコードする遺伝子、
(8)配列番号77に記載の塩基配列からなるDNAからなる遺伝子、
(9)配列番号77に記載の塩基配列からなるDNAと相補的な塩基配列からなるDNAとストリンジェントな条件下でハイブリダイズし、かつ上記(2)と実質的同等の転写亢進活性又はAHL検出感度を有するポリペプチドをコードする遺伝子、
(10)配列番号77に記載の塩基配列からなるDNAにおいて、1~50個の塩基配列が置換、欠損、挿入及び/又は付加されているDNAからなる遺伝子、及び
(11)配列番号77に記載の塩基配列からなるDNAと相同性が90%以上のDNAからなる遺伝子。
4.前記LuxR変異体は、野生型LuxRと比較して、転写亢進活性又はAHL検出感度が高いことを特徴とする前項3に記載のLuxR変異体。
5.以下の(1)~(11)のいずれか1のアミノ酸配列又は遺伝子で特定されるLuxR変異体:
(1)配列番号11で示されるアミノ酸配列において、N86K、C245W 、T33A及びS57Tのアミノ酸置換を有し、さらに、42位、93位、99位及び100位にアミノ酸置換を有する、
(2)配列番号11で示されるアミノ酸配列において、N86K、C245W 、T33A及びS57Tのアミノ酸置換を有し、さらに、L42S、N93K、N99D及びN100Sのアミノ酸置換を有する、
(3)配列番号11で示されるアミノ酸配列において、N86K、C245W 、T33A、S57T及び L42S、N93K、N99D及びN100Sから選択される5、6、7又は8のアミノ酸置換を有し、かつ、上記(2)と実質的同等の転写亢進活性を有する、
(4)配列番号11で示されるアミノ酸配列において、86K、C245W 、T33A、S57T及び L42S、N93K、N99D及びN100Sのアミノ酸置換を有し、さらに、86位、245位、33位、57位、42位、93位、99位及び100位以外の箇所において、1~20個のアミノ酸が置換、欠損、挿入及び/又は付加しており、かつ上記(2)と実質的同等の転写亢進活性を有する、
(5)配列番号11で示されるアミノ酸配列において、86K、C245W 、T33A、S57T及び L42S、N93K、N99D及びN100Sのアミノ酸置換を有し、配列番号11に記載のアミノ酸配列と90%以上の相同性を有し、かつ上記(2)と実質的同等の転写亢進活性を有する、
(6)上記(2)のアミノ酸配列において、1~20個のアミノ酸が置換、欠損、挿入及び/又は付加しており、かつ上記(2)と実質的同等の転写亢進活性を有するポリペプチドをコードする遺伝子、
(7)上記(2)のアミノ酸配列と90%以上の相同性を有し、かつ上記(2)と実質的同等の転写亢進活性を有するポリペプチドをコードする遺伝子、
(8)配列番号78に記載の塩基配列からなるDNAからなる遺伝子、
(9)配列番号78に記載の塩基配列からなるDNAと相補的な塩基配列からなるDNAとストリンジェントな条件下でハイブリダイズし、かつ上記(2)と実質的同等の転写亢進活性を有するポリペプチドをコードする遺伝子、
(10)配列番号78に記載の塩基配列からなるDNAにおいて、1~50個の塩基配列が置換、欠損、挿入及び/又は付加されているDNAからなる遺伝子、及び
(11)配列番号78に記載の塩基配列からなるDNAと相同性が90%以上のDNAからなる遺伝子。
6.前記LuxR変異体は、AHL非添加条件下で転写亢進活性を有することを特徴とする前項5に記載のLuxR変異体。
7.以下の(1)~(7)のいずれか1のアミノ酸配列又は遺伝子で特定されるCOR変異体:
(1)配列番号50で示されるアミノ酸配列において、11位及び276位にアミノ酸置換を有する、
(2)配列番号50で示されるアミノ酸配列において、S11G及びF276Y のアミノ酸置換を有する、
(3)配列番号50で示されるアミノ酸配列において、S11G又はF276Yのアミノ酸置換を有し、かつ、上記(2)と実質的同等のレチクリン検出活性を有する、
(4)配列番号50で示されるアミノ酸配列において、S11G及びF276Yのアミノ酸置換を有し、さらに、11位及び276位以外の箇所において、1~20個のアミノ酸が置換、欠損、挿入及び/又は付加しており、かつ上記(2)と実質的同等のレチクリン検出活性を有する、
(5)配列番号50で示されるアミノ酸配列において、S11G及びF276Y のアミノ酸置換を有し、配列番号50に記載のアミノ酸配列と90%以上の相同性を有し、かつ上記(2)と実質的同等のレチクリン検出活性を有する、
(6)上記(2)のアミノ酸配列において、1~20個のアミノ酸が置換、欠損、挿入及び/又は付加しており、かつ上記(2)と実質的同等のレチクリン検出活性を有するポリペプチドをコードする遺伝子、及び
(7)上記(2)のアミノ酸配列と90%以上の相同性を有し、かつ上記(2)と実質的同等のレチクリン検出活性を有するポリペプチドをコードする遺伝子。
8.レチクリン検出用である、前項7に記載のCOR変異体。
9.以下の(1)~(7)のいずれか1のアミノ酸配列又は遺伝子で特定されるIDI変異体:
(1)配列番号76で示されるアミノ酸配列において、以下のいずれか1で表される位置でアミノ酸置換を有する、
〇19
〇28、19
〇66、82、28、19
【発明の効果】
【0008】
本発明は、新規な代謝物センサ、並びに、新規な酵素活性のスクリーニング方法を提供することができた。
【図面の簡単な説明】
【0009】
標的遺伝子(センサ素子E:酵素)をLuxRと融合したプラスミドの作製の概要。
pHRA-TetR-LuxRv2のプラスミド構造の概要。
AHL不在下における、TetR-LuxR変異体のaTc(100 ng/mL)あり・なしでの機能分布。矢印で示した変異体が回収された。青はライブラリ、黒は親であるTetR-Lv2、および白はネガティブコントロールであるLacZである。点線はon/off比(傾き)が1に相当する。
LuxR変異体のアミノ酸の変異箇所。
LuxRv3の機能の確認確認(T-curveを得るための実験手順)。実験は(1)から(7)の手順で行われた。化合物の番号について、(1)はaTc(anhydro-tetracycline)および(2)はAHL(N-(β-ketocaproyl)-DL-homoserine lactone)である。
TetR-LuxRのaTc(a)およびAHL(b)に対する用量応答曲線。薄い青はTetR-Lv1、青はTetR-Lv2、濃い青はTetR-Lv3、および灰はLacZa(ネガティブコントロール)である。各プロットは並列に行った3回の実験の平均値であり、エラーバーはその標準偏差を示す。また、TetR-LuxRsの曲線は、各プロットをもとにHill式にフィッティングして得られた曲線である。
LuxR変異体の安定性変化予測結果。MODELLERを用いて作製したLuxRの構造を鋳型に、変異導入した際の安定性変化をFoldXによって計算した。
モルヒネの生合成経路の概要。
レポータープラスミド(Plux-GFP-hsvTK/aph)の概要。
プロトタイプセンサのプラスミドの作製ワークフロー図。
CODM-LuxRセンサプラスミドの概要。
各種酵素-LuxRのLuxプロモータ亢進活性の評価結果。
各種酵素-LuxRのコデイン応答性の評価結果。
各種酵素-LuxRのモルヒネ応答性の評価結果。
各種酵素-LuxRのレチクリン応答性の評価結果。
COR-LuxRv3のライブラリ作製のワークフロー図。
COR-LuxRライブラリのレチクリン応答結果(ピンク色:レチクリン100μM存在下、青:その不在下の蛍光分布)。
ライブラリーから取得したCOR-LuxRv3変異体のレチクリン応答結果(AHL非添加条件で実験を行なった。それぞれのデータはN=3でおこなった実験の平均値であり、エラーバーはその標準偏差を示している。)。
COR-LuxRv3変異体(mut5/mut6)の変異箇所。
CODM-LuxRv3変異体の取得ワークフロー。
CODM-LuxRv3変異体の特異性の確認結果。
CODM-LuxRv3変異体に見出された変異部位。
TrpR-LuxRのプラスミドの概要。
TyrR-LuxRのプラスミドの概要。
トリプトファンセンサおよびチロシンセンサ。(A)反応の概要、(B) TrpR-LuxRのトリプトファン応答性の結果、(C) TyrR-LuxRのチロシン応答性の結果。
TyrB-LuxRのプラスミドの概要。
酵素を分子認識素子として使ったチロシンセンサ。(A) 使用したリガンド★、(B) TrpR-LuxRのトリプトファン応答性。対照として、TrpB-LuxR不在のもの(かわりにlacZaを発現するplasmidを導入したもの)を用いた。灰色=チロシン不在のときの細胞あたりの蛍光強度分布、青=チロシン(500 μM)添加した培地での蛍光強度分布解析。
IDI-LuxRv3のプラスミドの概要。
DXR-LuxRv3のプラスミドの概要。
BFP-MEVbottomのプラスミドの概要。
DXSのプラスミドの概要。
酵素とLuxRのタンデム融合による代謝物センサの構築。細胞集団のデータにおいて、灰色は基質を供給していない条件で培養したときの分布、青色は基質供給するための化合物を添加した条件で培養したときの分布である。培養液の写真は、培養終了後の培養液を200 μL分だけ遠心集菌して培地を除去したのち、同容量の生理食塩水に再懸濁して撮影された。Lowは基質非供給条件、Highは基質供給条件で培養したときの様子である。培地に添加した化合物は(7)isopentenyl pyrophosphate、(8)dimethylallyl pyrophosphate、(9)mevalonic acid、および(10)1-deoxy-D-xylulose 5-phosphate(DOXP)である。
LuxRv3に導入されたV162I変異がセンサ機能に与える影響の確認。濃いはIDI-Lv3V162I、青はG1P2D4、薄い青はIDI-Lv3、および白はIDIを発現する細胞のセンサである。各プロットは並列に行なった3回の実験の平均値であり、エラーバーはその標準偏差を示す。
IDI-Lv3 G2P3D9変異体及びG1P2D4変異体のメバロン酸に対する用量応答曲線。青はG2P3D9、灰はG1P2D4、および白はIDI発現細胞の機能である。各プロットは並列に行なった3回の実験平均値であり、エラーバーはその標準偏差を示す。
IDI-LuxRv3変異体(第3世代)のメバロン酸に対する用量応答曲線。青は変異体(a、 G3P1D3; b、 G3P1F4)、灰はG2P3D9、および白はIDI発現細胞の機能である。各プロットは並列に行なった3回の実験平均値であり、エラーバーはその標準偏差を示す。
DXR-Lv3の1世代目変異体の転写亢進活性。各棒は並列に行なった4回の実験平均値であり、エラーバーはその標準偏差を示す。
DXR-Lv3の2世代目変異体の転写亢進活性の確認。各棒は並列に行なった1回の実験平均値である。比較のために行なった1世代目の変異体およびネガティブコントロールのデータは、並列に行なった3回の実験値であり、エラーバーはその標準偏差を示す。
DXR-Lv3の2世代目変異体のON/OFF性能の確認。各棒は並列に行なった3回の実験値であり、エラーバーはその標準偏差を示す。
酵素の基質認識特性を非破壊・リアルタイム・ハイスループットに確認することができる概念図。上段から中段:酵素とLuxRを融合し、適度に不安定化させることによって、酵素基質がないときのLuxR出力値を下げれば、メタボライト(代謝産物)センサとしての振る舞いが創出できる。中段から下段へ:基質添加条件での出力値の高い変異体を探索することによって、基質と強く結合する(Kmの低い)変異体が取得できる。
DXR-Lv3変異体の転写亢進活性変化およびDXR変異体のリコペン合成量の対比結果。横軸は「DXS過剰発現条件で示した細胞密度あたりの蛍光強度の平均値」から「DXSE370A変異体過剰発現条件で示した細胞密度あたりの蛍光強度の平均値」を減算した値である。縦軸はLuxRv3の切り離されたDXR変異体を発現する細胞のリコペン合成量である。青は変異体、黒は親であるDXR-Lv3またはDXR、および白はネガティブコントロールであるLacZa発現細胞である。矢印で示した3つのプロットは、野生型よりも10%以上リコペン合成量が増えた変異体である。それぞれの実験は並列に3回行われ、平均値がプロットされた。縦軸のエラーバーは、その標準偏差である。
「多入力・多出力型遺伝子スイッチの製造方法」の概要。ランダム変異を導入して「ちょうどよく不安定化」させて標的分子に依存的にフォールドするタンパク質をシステマチックに作り出す。この「addictionモジュール」と融合したタンパク質の細胞機能は,その標的分子の細胞濃度を反映するようになる.この工法では,アロステリック効果のような複雑な分子ダイナミクスの設計は不要となる。Step-1:異なる生体分子に対する「結合モチーフ」を2つ用意,遺伝子レベルでin-frame融合し,一つのタンパク質とする.Step-2:この融合タンパク質の遺伝子全体にランダム変異を導入する。それぞれの標的分子との相互作用がなければ安定構造を保持できないよう「適度に」不安定化したものを,機能選抜する.Step-3:得られた変異型の融合タンパク質を細胞に定常発現させる。標的分子があるときだけ細胞に存在できるので,標的分子の濃度に応じた蛍光シグナルが得られる。
本発明の代謝物センサの作製方法の概要。
【発明を実施するための形態】
【0010】
本発明は、「代謝物センサ」、並びに、「酵素活性のスクリーニング方法」に関する。
(【0011】以降は省略されています)
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