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公開番号2024162899
公報種別公開特許公報(A)
公開日2024-11-21
出願番号2023078878
出願日2023-05-11
発明の名称発熱型モールドパウダー
出願人品川リフラクトリーズ株式会社
代理人個人,個人
主分類B22D 11/108 20060101AFI20241114BHJP(鋳造;粉末冶金)
要約【課題】 スラグベアの抑制に優れ、かつ、急冷条件においても結晶化しやすい発熱型モールドパウダーを提供すること。
【解決手段】 発熱型モールドパウダーは、原料の配合として、1.0質量%以上5.0質量%未満の金属と、0.1質量%以上3.0質量%未満の過酸化カルシウムを含み、原料の化学組成として、15.0質量%以下(ゼロを含む)のNa2Oを含む。
【選択図】 なし
特許請求の範囲【請求項1】
原料の配合として、1.0質量%以上5.0質量%未満の金属と、0.1質量%以上3.0質量%未満の過酸化カルシウムを含み、
前記原料の化学組成として、15.0質量%以下(ゼロを含む)のNa

Oを含むことを特徴とする発熱型モールドパウダー。
続きを表示(約 110 文字)【請求項2】
請求項1に記載の発熱型モールドパウダーにおいて、
前記化学組成として、4.0質量%以下(ゼロを含む)の前記Na

Oを含むことを特徴とする発熱型モールドパウダー。

発明の詳細な説明【技術分野】
【0001】
本開示は、鋼の連続鋳造に好適な発熱型モールドパウダーに関する。
続きを表示(約 1,800 文字)【背景技術】
【0002】
鋼の連続鋳造では、タンディッシュに貯留された溶鋼を、浸漬ノズルを介してモールドに流し込んで冷却、凝固させながら、凝固したシェル(凝固シェル)をロールを用いてモールドの下方向に連続的に引き抜くことにより、スラブ、ブルーム、ビレット等の各種形状の鋳片を連続的に製造する。モールド内の溶鋼の表面には、粉末状又は顆粒状のモールドパウダーが投入される。モールドパウダーは溶鋼の熱によって溶融し(以下、溶融状態のモールドパウダーを「溶融スラグ」という)、溶融スラグ層を形成して溶鋼の表面を覆い、溶融スラグは凝固シェルとモールドとの間に流入し、凝固シェルと並行して排出、消費される。投入から消費までの間のモールドパウダーの主な役割は以下のとおりである。
(1)凝固シェルとモールドとの間の潤滑の確保
(2)凝固シェルからモールドへの熱流束の制御(凝固シェルの冷却速度の制御)
(3)溶鋼から浮上する非金属介在物の吸収及び溶鋼の清浄化
(4)溶鋼表面の保温
(5)溶鋼表面の酸化防止
【0003】
これらの役割のうち、「(4)溶鋼表面の保温」の向上を目的として、発熱材としての金属等と、酸化剤との酸化、発熱反応を利用するものがある。これを発熱型モールドパウダーという。
【0004】
特許文献1は、金属又は合金3~20質量%と、酸化剤としてアルカリ金属硝酸塩3~15質量%を含む連続鋳造用発熱型フロントパウダー(発熱型モールドパウダーの1種)を開示する。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
特開2019-136766号公報
特開2004-001017号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
特許文献1が開示する硝酸塩は酸化剤として有用である。しかし、硝酸塩は吸湿性がある。保管中等に発熱型モールドパウダーが吸湿すると、硝酸塩が固結する。硝酸塩が固結すると均一分散性が低下するため、硝酸塩の酸化剤としての機能が低下して発熱量が不足し、溶融不良が生じてメニスカス上部のモールド内周にスラグベア(スラグリムともいう)が付着することがある。スラグベアが発生、成長すると、モールドと凝固シェルの間に不均一なスラグの流入を引き起こし、不均一抜熱による鋳片割れが生じることがある。したがって、発熱型モールドパウダーは、均一な凝固シェルの冷却のため、スラグベアの抑制が求められる。
【0007】
また、中炭素鋼は割れ感受性が特に高いため、中炭素鋼用発熱型モールドパウダーは、モールド内上部の鋳片からの過剰な抜熱を速やかに防ぐ必要があり、モールドと凝固シェルの間で速やかに結晶を生成することによる、即ち、高結晶化温度、高結晶化速度による緩冷却特性が求められる。このような特性を実現するために低Na

Oの組成が指向されることがある(特許文献2等)。しかし、このような低Na

O組成においては、硝酸ナトリウムのようなNaを含む硝酸塩は添加しにくい。
【0008】
本開示は上記実状を鑑みてなされたものであり、その目的は、スラグベアの抑制に優れ、かつ、急冷条件においても結晶化しやすい発熱型モールドパウダーを提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0009】
本開示の一の態様は、
原料の配合として、1.0質量%以上5.0質量%未満の金属と、0.1質量%以上3.0質量%未満の過酸化カルシウムを含み、
前記原料の化学組成として、15.0質量%以下(ゼロを含む)のNa

Oを含むことを特徴とする発熱型モールドパウダーに関する。
【0010】
本開示の一の態様の発熱型モールドパウダーはスラグベアの抑制に優れ、かつ、急冷条件においても結晶化する。したがって、凝固シェルの冷却の均一性に優れると共に、モールド内上部の鋳片からの過剰な抜熱を速やかに防ぐことができ、即ち、緩冷却特性に優れ、鋳片品質を向上させることができる。したがって、本開示の一の態様の発熱型モールドパウダーは中炭素鋼の連続鋳造に特に好適である。
(【0011】以降は省略されています)

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