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公開番号2024161699
公報種別公開特許公報(A)
公開日2024-11-20
出願番号2023076619
出願日2023-05-08
発明の名称湿式係合機構の制御装置
出願人トヨタ自動車株式会社
代理人個人,個人
主分類F16D 25/0638 20060101AFI20241113BHJP(機械要素または単位;機械または装置の効果的機能を生じ維持するための一般的手段)
要約【課題】潤滑オイルが劣化した場合であっても係合させるための圧力(油圧)を適正に制御できる装置を提供する。
【解決手段】潤滑オイルによって湿潤状態とさせられる摩擦面を、係合要求に応じて加圧接触させることにより、トルクを伝達する湿式係合機構の制御装置であって、潤滑オイルの劣化の程度を判定する劣化判定部(ステップS1)と、潤滑オイルによって湿潤状態となっている摩擦面での滑り回転数と摩擦係数との関係である摩擦特性を劣化判定部(ステップS1)で判定された潤滑オイルの劣化の程度に基づいて求める摩擦特性算出部(ステップS3)と、要求されているトルクを伝達するのに必要とする摩擦面の接触圧力である締結力を摩擦特性算出部(ステップS3)で求められた摩擦特性に基づいて求める制御出力部とを備えている。
【選択図】図3
特許請求の範囲【請求項1】
潤滑オイルによって湿潤状態とさせられる摩擦面を、係合要求に応じて加圧接触させることにより、トルクを伝達する湿式係合機構の制御装置であって、
前記潤滑オイルの劣化の程度を判定する劣化判定部と、
前記潤滑オイルによって湿潤状態となっている前記摩擦面での滑り回転数と摩擦係数との関係である摩擦特性を前記劣化判定部で判定された前記潤滑オイルの劣化の程度に基づいて求める摩擦特性算出部と、
要求されているトルクを伝達するのに必要とする前記摩擦面の締結力を前記摩擦特性算出部で求められた前記摩擦特性に基づいて求める制御出力部と
を備えていることを特徴とする湿式係合機構の制御装置。

発明の詳細な説明【技術分野】
【0001】
本発明は、潤滑オイルによって湿潤状態にした摩擦面を加圧接触させることによりトルクの伝達を行う湿式係合機構を制御する装置に関するものである。
続きを表示(約 2,100 文字)【背景技術】
【0002】
機械装置類において、オイルは力を伝達する手段や潤滑のための手段あるいは信号を伝達する手段などとして多用されている。そのオイルは高分子材料であって、熱や荷重を受けて次第に劣化し、本来の機能が次第に低下する。そのため、オイルは、劣化の程度に応じて使用することが望ましく、例えば特許文献1に記載された装置では、内燃機関に使用される潤滑オイルの劣化を制御することとしている。すなわち、特許文献1に記載された装置は、潤滑オイルの劣化度合いを判定し、所定レベル以上に劣化していることが判定された場合には、潤滑オイルを加圧して吐出するオイルポンプの圧力(吐出圧)を低くするように構成されている。こうすることにより、潤滑オイルの温度が高くならず、あるいは潤滑オイルの温度を下げることができる。その結果、特許文献1の装置によれば、潤滑オイルの劣化の進行を抑制できるとともに、オイルポンプの駆動エネルギを下げてエネルギ効率を向上させることができ、さらには冷却するものではないので過度に温度を下げたり、あるいは潤滑オイルの粘度を高くしてしまうなどの事態を回避できる、としている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
国際公開2010/109622号明細書
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
特許文献1に記載された装置では、潤滑オイルがある程度劣化した場合に、潤滑オイルに掛ける荷重(圧力)を下げ、それに伴って温度の上昇を抑制するので、潤滑オイルの劣化の進行を抑制することができる。しかしながら、特許文献1に記載された装置は、潤滑オイルの劣化が判定された場合に、その劣化の進行を抑制できるものの、潤滑オイルを使用し続けるので、潤滑を充分に行うことができなくなるなど、本来の作用もしくは機能を得られなくなる可能性がある。例えば、クラッチなどの摩擦係合装置では、摩擦面の冷却や摩擦係数の維持のために潤滑オイルを使用しているが、その潤滑オイルが劣化すると、摩擦係数が変化するので、そのまま使用を継続すると、トルクの伝達を正常に行うことができず、あるいはトルクの制御性が悪化する可能性がある。
【0005】
本発明は、上記の技術的課題に着目してなされたものであって、長期間使用して潤滑オイルが劣化しても締結力あるいはトルク容量を適正に制御もしくは設定することのできる湿式係合機構の制御装置を提供することを目的とするものである。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本発明は、上記の目的を達成するために、潤滑オイルによって湿潤状態とさせられる摩擦面を、係合要求に応じて加圧接触させることにより、トルクを伝達する湿式係合機構の制御装置であって、前記潤滑オイルの劣化の程度を判定する劣化判定部と、前記潤滑オイルによって湿潤状態となっている前記摩擦面での滑り回転数と摩擦係数との関係である摩擦特性を前記劣化判定部で判定された前記潤滑オイルの劣化の程度に基づいて求める摩擦特性算出部と、要求されているトルクを伝達するのに必要とする前記摩擦面の締結力を前記摩擦特性算出部で求められた前記摩擦特性に基づいて求める制御出力部とを備えていることを特徴とするものである。
【0007】
なお、本発明においては、潤滑オイルの劣化の程度は、係合機構の入力回転数と入力トルクとの積を、潤滑オイルの温度もしくはその温度に応じた係数で重み付けした値とすることができる。
【0008】
また、本発明において、前記摩擦特性は、前記劣化の程度が大きいほど摩擦係数が小さくなる特性であり、前記制御出力部は摩擦係数が小さいほど前記締結力を大きくするように構成されていてよい。
【発明の効果】
【0009】
本発明によれば、継続的に使用することにより変化する潤滑オイルの摩擦特性を、判定した劣化の程度に応じて求め、その劣化した状態での潤滑オイルの摩擦特性に基づいて、締結力すなわち摩擦面を接触させる圧力を求めて湿式係合機構を制御する。したがって、潤滑オイルの劣化の程度に応じて係合力を設定するので、過度に係合力を増大させたり、あるいは反対に係合力が不足して必要とするトルクを伝達できず、あるいは摩擦面で過度な滑りを生じさせるなどの事態を回避もしくは抑制できる。すなわち、潤滑オイルが劣化しても適正な係合制御を行うことができる。
【図面の簡単な説明】
【0010】
本発明の一実施形態を説明するための模式図である。
そのコントローラの機能的構成を示すブロック図である。
μ-vマップを劣化の程度に応じて変更する制御を説明するためのフローチャートである。
劣化区分に応じたμ-vマップの例を示す図である。
【発明を実施するための形態】
(【0011】以降は省略されています)

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