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公開番号
2024161121
公報種別
公開特許公報(A)
公開日
2024-11-15
出願番号
2024145217,2021520804
出願日
2024-08-27,2020-05-20
発明の名称
細胞外マトリクス、シート状細胞培養物および生体内分解性ゲルの順で構成される三層の積層体
出願人
テルモ株式会社
代理人
弁理士法人葛和国際特許事務所
主分類
C12N
5/071 20100101AFI20241108BHJP(生化学;ビール;酒精;ぶどう酒;酢;微生物学;酵素学;突然変異または遺伝子工学)
要約
【課題】トロンビン液の噴霧において、噴霧圧によるシート状細胞培養物の破損を低減し、シート状細胞培養物の片面にフィブリンゲルを形成する、より操作性の高い積層体の提供を目的とした。
【解決手段】シート状細胞培養物の製造において、温度応答性細胞培養基材上で細胞を培養し、下面に細胞外マトリクスを備えたシート状細胞培養物に対し、フィブリノゲンを滴下し、さらにトロンビン液をシート状細胞培養物に対して斜め方向から噴霧すること、およびシート状細胞培養物の片面にのみフィブリンゲル層を有し、逆の面に細胞外マトリクス層を有する積層体が提供されることにより上記課題が解決された。
【選択図】図1
特許請求の範囲
【請求項1】
細胞外マトリックス、シート状細胞培養物、生体内分解性ゲルの順で構成される三層の積層体。
続きを表示(約 640 文字)
【請求項2】
生体内分解性ゲルが、フィブリンゲルである請求項1の積層体。
【請求項3】
積層体を製造する方法であって、以下:
(i)刺激応答性材料を有する細胞培養基材上で細胞を培養し、下面に細胞外マトリクス層が形成されたシート状細胞培養物を製造するステップ、
(ii)シート状細胞培養物の上面にフィブリノゲンを含む液体を滴下するステップ、
(iii)トロンビンを含む液体をシート状細胞培養物に対して斜め方向から噴霧するステップ、
(iv)前記フィブリノゲンと前記トロンビンとの反応によりフィブリンゲル層を前記シート状細胞培養物の上面に形成するステップ、
を含む、細胞外マトリックス、シート状細胞培養物、フィブリンゲルの順で構成される三層の積層体を製造する方法。
【請求項4】
ステップ(iii)において、シート状細胞培養物を回転させることをさらに含む、請求項3に記載の方法。
【請求項5】
トロンビンを含む液体を噴霧するためのスプレーノズル、および
スプレーノズルを支持し、スプレーノズルの角度を調節するスタンド、
を含む、請求項3または4に記載の方法に用いる装置。
【請求項6】
回転台をさらに含む、請求項5に記載の装置。
【請求項7】
請求項5または6に記載の装置に用いられるスタンドであって、支柱およびホルダを備える、前記スタンド。
発明の詳細な説明
【技術分野】
【0001】
本発明は、細胞外マトリクス、シート状細胞培養物および生体内分解性ゲルの順で構成される三層の積層体、当該積層体の製造方法および当該製造方法に用いる装置に関する。
続きを表示(約 2,100 文字)
【背景技術】
【0002】
近年、損傷した組織などの修復のために、種々の細胞を移植する試みが行われている。例えば、狭心症、心筋梗塞などの虚血性心疾患により損傷した心筋組織の修復のために、胎児心筋細胞、骨格筋芽細胞、間葉系幹細胞、心臓幹細胞、ES細胞などの利用が試みられている(非特許文献1)。
【0003】
このような試みの一例として、細胞をシート状に形成したシート状細胞培養物が開発された。また、このような細胞培養物の応用のために、温度応答性細胞培養基材を使用することにより細胞外マトリクスなどの細胞が分泌した接着性タンパク質を保持したまま、細胞を剥離させる方法などが開発された(特許文献1)。さらに、このようなシート状細胞培養物は一般に脆弱であるため、かかる問題を改善するために、フィブリンゲルとの積層体を製造する方法が試みられてきた(特許文献2)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
特許第4422540号公報
特許第6495603号公報
【非特許文献】
【0005】
Haraguchi et al., Stem Cells Trans1 Med. 2012 Feb;1(2):136-41
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
しかしながら、特許文献2に記載のシート状細胞培養物とフィブリンゲルの積層体に関して、積層体の作成においてトロンビンを含む液体を噴霧する際に、噴霧によりシート状細胞培養物が破損されること、および時折シート状細胞培養物の両面においてフィブリンゲルが生成され、操作性の低下した積層体を生じることが分かった。したがって、本発明はこれらの問題を有さない、より操作性の高い、積層体を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0007】
本発明者らは、上記課題を解決するために鋭意研究を重ねる中で、生体内分解性ゲルおよびシート状細胞培養物の積層体において、刺激応答性材料を有する細胞培養基材上で細胞を培養することでシート状細胞培養物を製造し、さらに生体内分解性ゲルがフィブリンゲルである場合においてトロンビンを含む液体を噴霧する際に、シート状細胞培養物に向かって垂直に噴霧するのではなく、シート状細胞培養物に対して一定角度を有して噴霧することにより、噴霧圧によるシート状細胞培養物の破損のリスクを低減させること、さらにかかる噴霧により、垂直に噴霧する際に比べてシート状細胞培養物上のトロンビンおよび/またはフィブリノゲンを押し出す力が弱くなり、シート状細胞培養物の片面にのみフィブリンゲル層を有し、逆の面に細胞外マトリクス層を有する積層体が提供されることを見出した。
【0008】
すなわち、本発明は以下に関する。
[1]細胞外マトリックス、シート状細胞培養物、生体内分解性ゲルの順で構成される三層の積層体。
[2]生体内分解性ゲルが、フィブリンゲルである[1]の積層体。
[3]積層体を製造する方法であって、以下:
(i)刺激応答性材料を有する細胞培養基材上で細胞を培養し、下面に細胞外マトリクス層が形成されたシート状細胞培養物を製造するステップ、
(ii)シート状細胞培養物の上面にフィブリノゲンを含む液体を滴下するステップ、
(iii)トロンビンを含む液体をシート状細胞培養物に対して斜め方向から噴霧するステップ、
(iv)前記フィブリノゲンと前記トロンビンとの反応によりフィブリンゲル層を前記シート状細胞培養物の上面に形成するステップ、
を含む、細胞外マトリックス、シート状細胞培養物、フィブリンゲルの順で構成される三層の積層体を製造する方法。
[4]ステップ(iii)において、シート状細胞培養物を回転させることをさらに含む、[3]に記載の方法。
【0009】
[5]トロンビンを含む液体を噴霧するためのスプレーノズル、および
スプレーノズルを支持し、スプレーノズルの角度を調節するスタンド、
を含む、[3]または[4]に記載の方法に用いる装置。
[6]回転台をさらに含む、[5]に記載の装置。
[7][5]または[6]に記載の装置に用いられるスタンドであって、支柱およびホルダを備える、前記スタンド。
【発明の効果】
【0010】
本発明に係る積層体は、トロンビン噴霧中の噴霧圧によるシート状細胞培養物の破損のリスクが低減され、またシート状細胞培養物の片面にのみフィブリンゲルが存在し、逆の面には細胞外マトリクスの層が存在しているため、シート状細胞培養物を移植に用いる際に、移植部位に対する接着性が向上する。すなわち、本発明に依れば、操作性の優れたより良質のシート状細胞培養物を臨床現場に提供することができる。
【図面の簡単な説明】
(【0011】以降は省略されています)
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