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公開番号
2024158390
公報種別
公開特許公報(A)
公開日
2024-11-08
出願番号
2023073547
出願日
2023-04-27
発明の名称
研磨方法、コンピュータを動作させるためのプログラム、および研磨装置
出願人
株式会社荏原製作所
代理人
個人
,
個人
,
個人
,
個人
主分類
B24B
37/013 20120101AFI20241031BHJP(研削;研磨)
要約
【課題】参照ウェーハを事前に研磨することを不要とし、ワークピースを研磨しながら、該ワークピースの相対膜厚プロファイルを取得することができる技術を提案する。
【解決手段】本研磨方法は、ワークピースWの研磨中に、ワークピースW上の2点R,Mで参照スペクトルおよびモニタリングスペクトルを繰り返し生成することで参照スペクトル履歴およびモニタリングスペクトル履歴を作成し、直近のモニタリングスペクトルと、参照スペクトル履歴内の複数の参照スペクトルとの差である複数の参照履歴差を算定し、直近の参照スペクトルと、モニタリングスペクトル履歴内の複数のモニタリングスペクトルとの差である複数のモニタリング履歴差を算定し、参照履歴差またはモニタリング履歴差の極小点に基づいて、モニタリング点Mと参照点Rとの間の膜厚差を算定する。
【選択図】図6
特許請求の範囲
【請求項1】
研磨パッドを支持する研磨テーブルを回転させながら、ワークピースを前記研磨パッドに対して押し付けることで、前記ワークピースを研磨し、
前記ワークピースの研磨中に、前記ワークピース上の参照点およびモニタリング点を含む複数の照射点に光を導き、
前記ワークピースの研磨中に、前記ワークピース上の前記参照点からの反射光のスペクトルである参照スペクトルを繰り返し生成することで複数の参照スペクトルを含む参照スペクトル履歴を作成し、
前記ワークピースの研磨中に、前記ワークピース上の前記モニタリング点からの反射光のスペクトルであるモニタリングスペクトルを繰り返し生成することで複数のモニタリングスペクトルを含むモニタリングスペクトル履歴を作成し、
直近のモニタリングスペクトルと、前記参照スペクトル履歴内の前記複数の参照スペクトルとの差である複数の参照履歴差を算定し、
直近の参照スペクトルと、前記モニタリングスペクトル履歴内の前記複数のモニタリングスペクトルとの差である複数のモニタリング履歴差を算定し、
前記複数の参照履歴差または前記複数のモニタリング履歴差のいずれかに存在する参照履歴差またはモニタリング履歴差の極小点に基づいて、前記モニタリング点と前記参照点との間の膜厚差を算定し、
前記膜厚差を前記ワークピース上の複数のモニタリング点について算定することで、複数の膜厚差を決定し、
前記複数の膜厚差に基づいて前記ワークピースの相対膜厚プロファイルを作成する、研磨方法。
続きを表示(約 2,500 文字)
【請求項2】
前記参照点は、前記ワークピースの中心点である、請求項1に記載の研磨方法。
【請求項3】
前記参照点および前記モニタリング点は、前記複数の照射点のうちの隣接する2点である、請求項1に記載の研磨方法。
【請求項4】
前記複数のモニタリング点について前記複数の膜厚差を決定する工程は、隣接する前記参照点および前記モニタリング点を、前記複数の照射点内で1つずつずらしながら、前記膜厚差を前記ワークピース上の複数のモニタリング点について算定することで、複数の膜厚差を決定する工程である、請求項3に記載の研磨方法。
【請求項5】
前記モニタリング点と前記参照点との間の膜厚差を算定する工程は、
前記複数の参照履歴差または前記複数のモニタリング履歴差のいずれかに存在する参照履歴差またはモニタリング履歴差の前記極小点を決定し、
前記極小点に対応する過去の時点と、前記直近のモニタリングスペクトルまたは前記直近の参照スペクトルが生成された時点との時間差を決定し、
前記時間差を、前記ワークピースの仮研磨レートに乗算することで、前記膜厚差を算定する工程である、請求項1に記載の研磨方法。
【請求項6】
前記ワークピースは、製品ウェーハである、請求項1に記載の研磨方法。
【請求項7】
ワークピースの研磨中に、光源に指令を与えて、前記ワークピース上の参照点およびモニタリング点を含む複数の照射点に光を導くステップと、
前記ワークピースの研磨中に、前記ワークピース上の参照点からの反射光のスペクトルである参照スペクトルを繰り返し生成することで複数の参照スペクトルを含む参照スペクトル履歴を作成するステップと、
前記ワークピースの研磨中に、前記ワークピース上のモニタリング点からの反射光のスペクトルであるモニタリングスペクトルを繰り返し生成することで複数のモニタリングスペクトルを含むモニタリングスペクトル履歴を作成するステップと、
直近のモニタリングスペクトルと、前記参照スペクトル履歴内の前記複数の参照スペクトルとの差である複数の参照履歴差を算定するステップと、
直近の参照スペクトルと、前記モニタリングスペクトル履歴内の前記複数のモニタリングスペクトルとの差である複数のモニタリング履歴差を算定するステップと、
前記複数の参照履歴差または前記複数のモニタリング履歴差のいずれかに存在する参照履歴差またはモニタリング履歴差の極小点に基づいて、前記モニタリング点と前記参照点との間の膜厚差を算定するステップと、
前記膜厚差を前記ワークピース上の複数のモニタリング点について算定することで、複数の膜厚差を決定するステップと、
前記複数の膜厚差に基づいて前記ワークピースの相対膜厚プロファイルを作成するステップをコンピュータに実行させるためのプログラム。
【請求項8】
前記モニタリング点と前記参照点との間の膜厚差を算定する前記ステップは、
前記複数の参照履歴差または前記複数のモニタリング履歴差のいずれかに存在する参照履歴差またはモニタリング履歴差の前記極小点を決定し、
前記極小点に対応する過去の時点と、前記直近のモニタリングスペクトルまたは前記直近の参照スペクトルが生成された時点との時間差を決定し、
前記時間差を、前記ワークピースの仮研磨レートに乗算することで、前記膜厚差を算定するステップである、請求項7に記載のプログラム。
【請求項9】
研磨パッドを支持する研磨テーブルと、
前記研磨テーブルを回転させるテーブルモータと、
ワークピースを前記研磨パッドに対して押し付けることで、前記ワークピースを研磨する研磨ヘッドと、
前記ワークピースの研磨中に、前記ワークピース上の参照点およびモニタリング点を含む複数の照射点に光を導く光源および光学センサヘッドと、
プログラムが格納された記憶装置、および前記プログラムに含まれる命令に従って演算を実行する演算装置を有する処理システムを備え、
前記処理システムは、
前記ワークピースの研磨中に、前記ワークピース上の前記参照点からの反射光のスペクトルである参照スペクトルを繰り返し生成することで複数の参照スペクトルを含む参照スペクトル履歴を作成し、
前記ワークピースの研磨中に、前記ワークピース上の前記モニタリング点からの反射光のスペクトルであるモニタリングスペクトルを繰り返し生成することで複数のモニタリングスペクトルを含むモニタリングスペクトル履歴を作成し、
直近のモニタリングスペクトルと、前記参照スペクトル履歴内の前記複数の参照スペクトルとの差である複数の参照履歴差を算定し、
直近の参照スペクトルと、前記モニタリングスペクトル履歴内の前記複数のモニタリングスペクトルとの差である複数のモニタリング履歴差を算定し、
前記複数の参照履歴差または前記複数のモニタリング履歴差のいずれかに存在する参照履歴差またはモニタリング履歴差の極小点に基づいて、前記モニタリング点と前記参照点との間の膜厚差を算定し、
前記膜厚差を前記ワークピース上の複数のモニタリング点について算定することで、複数の膜厚差を決定し、
前記複数の膜厚差に基づいて前記ワークピースの相対膜厚プロファイルを作成するように構成されている、研磨装置。
【請求項10】
前記処理システムは、
前記複数の参照履歴差または前記複数のモニタリング履歴差のいずれかに存在する参照履歴差またはモニタリング履歴差の前記極小点を決定し、
前記極小点に対応する過去の時点と、前記直近のモニタリングスペクトルまたは前記直近の参照スペクトルが生成された時点との時間差を決定し、
前記時間差を、前記ワークピースの仮研磨レートに乗算することで、前記膜厚差を算定するように構成されている、請求項9に記載の研磨装置。
発明の詳細な説明
【技術分野】
【0001】
本発明は、ウェーハ、配線基板、角基板などのワークピースを研磨するための技術に関し、特にワークピースからの反射光のスペクトルに基づいてワークピースの相対膜厚プロファイルをワークピースの研磨中に作成する技術に関する。
続きを表示(約 2,900 文字)
【背景技術】
【0002】
半導体デバイスの製造工程では、ウェーハ等のワークピースの表面を研磨する化学機械研磨(CMP:Chemical Mechanical Polishing)装置が使用されている。CMP装置は、研磨テーブル上に貼り付けられた研磨パッドと、ワークピースを研磨パッドの研磨面に押し付けるための研磨ヘッドを備えている。CMP装置は、研磨液(例えば、スラリー)を研磨パッド上に供給しながら、研磨ヘッドによりワークピースを研磨パッドの研磨面に押し付けて、ワークピースの表面と研磨パッドの研磨面を摺接させる。ワークピースの表面は、研磨液の化学的作用と研磨液に含まれる砥粒および/または研磨パッドの機械的作用によって、研磨される。
【0003】
ワークピースの研磨は、その表面を構成する膜(絶縁膜、シリコン層など)が研磨され、ワークピースの膜厚が目標膜厚に達したときに終了される。研磨装置は、ワークピースの膜厚を測定するために、光学膜厚測定装置を備える。光学膜厚測定装置は、研磨テーブル内に配置された光学センサヘッドにより、ワークピースに光を照射し、ワークピースからの反射光を受け、反射光の強度から反射光のスペクトルを生成し、反射光のスペクトルに基づいて、ワークピースの膜厚を決定するように構成される。
【0004】
反射光のスペクトルに基づいて膜厚を決定する技術の例は、特許文献1に示されている。特許文献1は、研磨すべきターゲットウェーハと同じ構造の参照ウェーハを予め研磨することで複数の参照スペクトルを用意し、ターゲットウェーハの研磨中に得られたスペクトルに最も近い形状の参照スペクトルを決定し、決定された参照スペクトルに関連付けられた膜厚をターゲットウェーハの膜厚に決定する、という技術を開示する。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
特許第6595987号
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
しかしながら、上述した従来の技術では、事前に参照ウェーハを研磨して、複数の参照スペクトルを取得する必要がある。また、研磨すべきターゲットウェーハの表面を構成する膜の下にある下地層の厚さにばらつきが存在すると、ターゲットウェーハの正確な膜厚を測定できないことがある。さらに、光学膜厚測定装置に使用される光源の光量が経時的に低下し、光量の補正が必要になることもある。
【0007】
そこで、本発明は、参照ウェーハを事前に研磨することを不要とし、ワークピースを研磨しながら、該ワークピースの相対膜厚プロファイルを取得することができる技術を提案する。
【課題を解決するための手段】
【0008】
一態様では、研磨パッドを支持する研磨テーブルを回転させながら、ワークピースを前記研磨パッドに対して押し付けることで、前記ワークピースを研磨し、前記ワークピースの研磨中に、前記ワークピース上の参照点およびモニタリング点を含む複数の照射点に光を導き、前記ワークピースの研磨中に、前記ワークピース上の前記参照点からの反射光のスペクトルである参照スペクトルを繰り返し生成することで複数の参照スペクトルを含む参照スペクトル履歴を作成し、前記ワークピースの研磨中に、前記ワークピース上の前記モニタリング点からの反射光のスペクトルであるモニタリングスペクトルを繰り返し生成することで複数のモニタリングスペクトルを含むモニタリングスペクトル履歴を作成し、直近のモニタリングスペクトルと、前記参照スペクトル履歴内の前記複数の参照スペクトルとの差である複数の参照履歴差を算定し、直近の参照スペクトルと、前記モニタリングスペクトル履歴内の前記複数のモニタリングスペクトルとの差である複数のモニタリング履歴差を算定し、前記複数の参照履歴差または前記複数のモニタリング履歴差のいずれかに存在する参照履歴差またはモニタリング履歴差の極小点に基づいて、前記モニタリング点と前記参照点との間の膜厚差を算定し、前記膜厚差を前記ワークピース上の複数のモニタリング点について算定することで、複数の膜厚差を決定し、前記複数の膜厚差に基づいて前記ワークピースの相対膜厚プロファイルを作成する、研磨方法が提供される。
【0009】
一態様では、前記参照点は、前記ワークピースの中心点である。
一態様では、前記参照点および前記モニタリング点は、前記複数の照射点のうちの隣接する2点である。
一態様では、前記複数のモニタリング点について前記複数の膜厚差を決定する工程は、隣接する前記参照点および前記モニタリング点を、前記複数の照射点内で1つずつずらしながら、前記膜厚差を前記ワークピース上の複数のモニタリング点について算定することで、複数の膜厚差を決定する工程である。
一態様では、前記モニタリング点と前記参照点との間の膜厚差を算定する工程は、前記複数の参照履歴差または前記複数のモニタリング履歴差のいずれかに存在する参照履歴差またはモニタリング履歴差の前記極小点を決定し、前記極小点に対応する過去の時点と、前記直近のモニタリングスペクトルまたは前記直近の参照スペクトルが生成された時点との時間差を決定し、前記時間差を、前記ワークピースの仮研磨レートに乗算することで、前記膜厚差を算定する工程である。
一態様では、前記ワークピースは、製品ウェーハである。
【0010】
一態様では、ワークピースの研磨中に、光源に指令を与えて、前記ワークピース上の参照点およびモニタリング点を含む複数の照射点に光を導くステップと、前記ワークピースの研磨中に、前記ワークピース上の参照点からの反射光のスペクトルである参照スペクトルを繰り返し生成することで複数の参照スペクトルを含む参照スペクトル履歴を作成するステップと、前記ワークピースの研磨中に、前記ワークピース上のモニタリング点からの反射光のスペクトルであるモニタリングスペクトルを繰り返し生成することで複数のモニタリングスペクトルを含むモニタリングスペクトル履歴を作成するステップと、直近のモニタリングスペクトルと、前記参照スペクトル履歴内の前記複数の参照スペクトルとの差である複数の参照履歴差を算定するステップと、直近の参照スペクトルと、前記モニタリングスペクトル履歴内の前記複数のモニタリングスペクトルとの差である複数のモニタリング履歴差を算定するステップと、前記複数の参照履歴差または前記複数のモニタリング履歴差のいずれかに存在する参照履歴差またはモニタリング履歴差の極小点に基づいて、前記モニタリング点と前記参照点との間の膜厚差を算定するステップと、前記膜厚差を前記ワークピース上の複数のモニタリング点について算定することで、複数の膜厚差を決定するステップと、前記複数の膜厚差に基づいて前記ワークピースの相対膜厚プロファイルを作成するステップをコンピュータに実行させるためのプログラムが提供される。
(【0011】以降は省略されています)
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