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公開番号
2025044377
公報種別
公開特許公報(A)
公開日
2025-04-02
出願番号
2023151909
出願日
2023-09-20
発明の名称
回転機械の不協和音を除去する音質改善装置および音質改善方法
出願人
株式会社荏原製作所
,
学校法人 中央大学
代理人
個人
,
個人
,
個人
,
個人
主分類
G10K
11/178 20060101AFI20250326BHJP(楽器;音響)
要約
【課題】運転音の不協和度を下げることで、運転音の聞き心地を改善することができる技術を提供する。
【解決手段】音質改善装置6は、回転機械1の運転音を含む現場音に含まれる第1ピーク周波数f
1
と第2ピーク周波数f
2
との差Dを算出し、第1ピーク周波数f
1
、第2ピーク周波数f
2
、第1ピーク周波数f
1
と第2ピーク周波数f
2
の平均周波数、または第1ピーク周波数f
1
と第2ピーク周波数f
2
の間の周波数の臨界帯域幅Cを決定し、差Dが臨界帯域幅Cよりも小さいときに、第1ピーク周波数f
1
または第2ピーク周波数f
2
の音成分と逆の位相を有する逆位相音を発生させることで、その音成分を低減させる。
【選択図】図4
特許請求の範囲
【請求項1】
回転機械の不協和音を除去する音質改善装置であって、
前記回転機械の運転音を含む現場音を収集するマイクロホンと、
前記現場音に含まれる複数の音成分のうちのいずれかを低減させることで、前記現場音の不協和度を下げる逆位相音発生器を備えており、
前記逆位相音発生器は、
前記マイクロホンから前記現場音を取得し、
前記現場音に対して周波数分析を実行し、
前記現場音に含まれる第1ピーク周波数と第2ピーク周波数との差を算出し、
前記第1ピーク周波数、前記第2ピーク周波数、前記第1ピーク周波数と前記第2ピーク周波数の平均周波数、または前記第1ピーク周波数と前記第2ピーク周波数の間の周波数の臨界帯域幅を決定し、
前記差が前記臨界帯域幅よりも小さいときに、前記第1ピーク周波数または前記第2ピーク周波数の音成分と逆の位相を有する逆位相音を発生させることで、前記音成分を低減させるように構成されている、音質改善装置。
続きを表示(約 1,600 文字)
【請求項2】
前記逆位相音発生器は、前記臨界帯域幅に対する前記差の比率が、0.01から0.55の範囲内にあるときに、前記逆位相音を発生させるように構成されている、請求項1に記載の音質改善装置。
【請求項3】
前記逆位相音発生器は、前記音成分を低減させた後に残る前記現場音中の複数の音成分が協和音となるように、低減させるべき前記音成分の周波数である前記第1ピーク周波数または前記第2ピーク周波数を選択するように構成されている、請求項1に記載の音質改善装置。
【請求項4】
前記逆位相音発生器は、協和音を構成する複数の周波数の組み合わせを格納した記憶装置を有しており、
前記逆位相音発生器は、前記音成分を低減させた後に残る前記複数の音成分が、前記協和音を構成する前記複数の周波数の組み合わせを有するように、低減させるべき前記音成分の周波数である前記第1ピーク周波数または前記第2ピーク周波数を選択するように構成されている、請求項3に記載の音質改善装置。
【請求項5】
前記複数の周波数の組み合わせは、前記回転機械の機種に基づいて決定される、請求項4に記載の音質改善装置。
【請求項6】
前記逆位相音発生器は、
前記マイクロホンから前記現場音を取得すること、
前記現場音に対して周波数分析を実行すること、
前記現場音に含まれる第1ピーク周波数と第2ピーク周波数との差を算出すること、
前記第1ピーク周波数、前記第2ピーク周波数、前記第1ピーク周波数と前記第2ピーク周波数の平均周波数、または前記第1ピーク周波数と前記第2ピーク周波数の間の周波数の臨界帯域幅を決定すること、および
前記差が前記臨界帯域幅よりも小さいときに、前記第1ピーク周波数または前記第2ピーク周波数の音成分と逆の位相を有する逆位相音を発生させることを繰り返すように構成されている、請求項1に記載の音質改善装置。
【請求項7】
回転機械の不協和音を除去する音質改善方法であって、
前記回転機械の運転音を含む現場音をマイクロホンで収集し、
前記現場音に含まれる複数の音成分のうちのいずれかを低減させることで、前記現場音の不協和度を下げる逆位相音発生動作を実行し、
前記逆位相音発生動作は、
前記マイクロホンから前記現場音を取得し、
前記現場音に対して周波数分析を実行し、
前記現場音に含まれる第1ピーク周波数と第2ピーク周波数との差を算出し、
前記第1ピーク周波数、前記第2ピーク周波数、前記第1ピーク周波数と前記第2ピーク周波数の平均周波数、または前記第1ピーク周波数と前記第2ピーク周波数の間の周波数の臨界帯域幅を決定し、
前記差が前記臨界帯域幅よりも小さいときに、前記第1ピーク周波数または前記第2ピーク周波数の音成分と逆の位相を有する逆位相音を発生させることで、前記音成分を低減させることを含む、音質改善方法。
【請求項8】
前記臨界帯域幅に対する前記差の比率が、0.01から0.55の範囲内にあるときに、前記逆位相音を発生させる、請求項7に記載の音質改善方法。
【請求項9】
前記音成分を低減させた後に残る前記現場音中の複数の音成分が協和音となるように、低減させるべき前記音成分の周波数である前記第1ピーク周波数または前記第2ピーク周波数が選択される、請求項7に記載の音質改善方法。
【請求項10】
前記音成分を低減させた後に残る前記複数の音成分が、協和音を構成する予め設定された複数の周波数の組み合わせを有するように、低減させるべき前記音成分の周波数である前記第1ピーク周波数または前記第2ピーク周波数が選択される、請求項9に記載の音質改善方法。
(【請求項11】以降は省略されています)
発明の詳細な説明
【技術分野】
【0001】
本発明は、ポンプ、送風機、圧縮機、タービン、電動機などの回転機械から発生する運転音の不協和度を下げることで、回転機械の運転音の聞き心地を改善する技術に関する。
続きを表示(約 2,900 文字)
【背景技術】
【0002】
ポンプ、送風機、圧縮機、タービン、電動機などの回転機械は、ロータ(例えば、羽根車、ルーツロータ、またはモータロータ)が高速で回転する装置である。したがって、回転機械の運転中には、運転音が発生する。回転機械の運転音は、時として、人が不快に感じることがある。そこで、運転音の聞き心地を改善するために、従来、騒音レベルを評価基準として低騒音化が進められてきた。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
特開平6-303103号公報
特開2005-278158号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
しかしながら、騒音レベルを低減しても聞き心地の改善につながらないことがある。これは、運転音に耳障りな周波数成分が含まれていたり、周波数が近接した成分ではうなりが生じたり、不協和度が大きくなるためである。回転機械の回転周波数の倍数成分は、周波数同士が離れているため、これら倍音成分の不協和度が高くなることは少ない。しかしながら、回転機械に含まれる電動機や軸受などの構成要素から発生する音の周波数がその回転機械の回転周波数と近接する場合や、回転速度や羽根車の翼枚数などの仕様が異なる他の回転機械が隣接している場合には、複数の音の干渉が起きたり、音の不協和度が大きくなったりする。さらに、外部から伝わってくる騒音が影響して不協和度が大きくなることもある。
【0005】
そこで、本発明は、運転音の不協和度を下げることで、運転音の聞き心地を改善することができる技術を提供する。
【課題を解決するための手段】
【0006】
一態様では、回転機械の不協和音を除去する音質改善装置であって、前記回転機械の運転音を含む現場音を収集するマイクロホンと、前記現場音に含まれる複数の音成分のうちのいずれかを低減させることで、前記現場音の不協和度を下げる逆位相音発生器を備えており、前記逆位相音発生器は、前記マイクロホンから前記現場音を取得し、前記現場音に対して周波数分析を実行し、前記現場音に含まれる第1ピーク周波数と第2ピーク周波数との差を算出し、前記第1ピーク周波数、前記第2ピーク周波数、前記第1ピーク周波数と前記第2ピーク周波数の平均周波数、または前記第1ピーク周波数と前記第2ピーク周波数の間の周波数の臨界帯域幅を決定し、前記差が前記臨界帯域幅よりも小さいときに、前記第1ピーク周波数または前記第2ピーク周波数の音成分と逆の位相を有する逆位相音を発生させることで、前記音成分を低減させるように構成されている、音質改善装置が提供される。
【0007】
一態様では、前記逆位相音発生器は、前記臨界帯域幅に対する前記差の比率が、0.01から0.55の範囲内にあるときに、前記逆位相音を発生させるように構成されている。
一態様では、前記逆位相音発生器は、前記音成分を低減させた後に残る前記現場音中の複数の音成分が協和音となるように、低減させるべき前記音成分の周波数である前記第1ピーク周波数または前記第2ピーク周波数を選択するように構成されている。
一態様では、前記逆位相音発生器は、協和音を構成する複数の周波数の組み合わせを格納した記憶装置を有しており、前記逆位相音発生器は、前記音成分を低減させた後に残る前記複数の音成分が、前記協和音を構成する前記複数の周波数の組み合わせを有するように、低減させるべき前記音成分の周波数である前記第1ピーク周波数または前記第2ピーク周波数を選択するように構成されている。
一態様では、前記複数の周波数の組み合わせは、前記回転機械の機種に基づいて決定される。
一態様では、前記逆位相音発生器は、前記マイクロホンから前記現場音を取得すること、前記現場音に対して周波数分析を実行すること、前記現場音に含まれる第1ピーク周波数と第2ピーク周波数との差を算出すること、前記第1ピーク周波数、前記第2ピーク周波数、前記第1ピーク周波数と前記第2ピーク周波数の平均周波数、または前記第1ピーク周波数と前記第2ピーク周波数の間の周波数の臨界帯域幅を決定すること、および前記差が前記臨界帯域幅よりも小さいときに、前記第1ピーク周波数または前記第2ピーク周波数の音成分と逆の位相を有する逆位相音を発生させることを繰り返すように構成されている。
【0008】
一態様では、回転機械の不協和音を除去する音質改善方法であって、前記回転機械の運転音を含む現場音をマイクロホンで収集し、前記現場音に含まれる複数の音成分のうちのいずれかを低減させることで、前記現場音の不協和度を下げる逆位相音発生動作を実行し、前記逆位相音発生動作は、前記マイクロホンから前記現場音を取得し、前記現場音に対して周波数分析を実行し、前記現場音に含まれる第1ピーク周波数と第2ピーク周波数との差を算出し、前記第1ピーク周波数、前記第2ピーク周波数、前記第1ピーク周波数と前記第2ピーク周波数の平均周波数、または前記第1ピーク周波数と前記第2ピーク周波数の間の周波数の臨界帯域幅を決定し、前記差が前記臨界帯域幅よりも小さいときに、前記第1ピーク周波数または前記第2ピーク周波数の音成分と逆の位相を有する逆位相音を発生させることで、前記音成分を低減させることを含む、音質改善方法が提供される。
【0009】
一態様では、前記臨界帯域幅に対する前記差の比率が、0.01から0.55の範囲内にあるときに、前記逆位相音を発生させる。
一態様では、前記音成分を低減させた後に残る前記現場音中の複数の音成分が協和音となるように、低減させるべき前記音成分の周波数である前記第1ピーク周波数または前記第2ピーク周波数が選択される。
一態様では、前記音成分を低減させた後に残る前記複数の音成分が、協和音を構成する予め設定された複数の周波数の組み合わせを有するように、低減させるべき前記音成分の周波数である前記第1ピーク周波数または前記第2ピーク周波数が選択される。
一態様では、前記予め設定された複数の周波数の組み合わせは、前記回転機械の機種に基づいて決定される。
一態様では、音前記質改善方法は、前記逆位相音発生動作を繰り返すことをさらに含む。
【発明の効果】
【0010】
第1ピーク周波数と第2ピーク周波数との差が臨界帯域幅よりも小さいとき、第1ピーク周波数の音成分と第2ピーク周波数の音成分は干渉して不協和音を発生させる。そこで、上記差が臨界帯域幅よりも小さいときは、第1ピーク周波数または第2ピーク周波数の音成分を低減させることで、現場音の不協和度が低下し、回転機械の運転音を含む現場音の聞き心地を改善することができる。
【図面の簡単な説明】
(【0011】以降は省略されています)
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