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公開番号
2024156329
公報種別
公開特許公報(A)
公開日
2024-11-06
出願番号
2023070701
出願日
2023-04-24
発明の名称
ゴムと金属との化合物の結晶粒の組成および構造の特定方法
出願人
横浜ゴム株式会社
,
国立大学法人東北大学
代理人
清流国際弁理士法人
,
個人
,
個人
主分類
G01N
23/04 20180101AFI20241029BHJP(測定;試験)
要約
【課題】加硫ゴムと金属との境界に形成される化合物の結晶粒の組成とともにその構造を精度よく特定できるゴムと金属との化合物の結晶粒の組成および構造の特定方法を提供する。
【解決手段】検体10の画像データ20を走査型透過電子顕微鏡2により取得し、取得した画像データ20の中から選択された領域を演算装置3により高速フーリエ変換することにより、回析図形データ(24~26)を取得し、それぞれの回析スポットの中心Oからそれぞれの対象スポット(A~D)までの距離(L1~L4)、中心Oとそれぞれの対象スポット(A~D)とを結ぶ線分どうしの交差角(θ1~θ3)を算出し、算出したそれぞれの距離と交差角との組み合わせを用いて結晶粒の組成および構造を特定する。
【選択図】図3
特許請求の範囲
【請求項1】
加硫ゴムと金属との境界に形成されている接着界面層を含む薄肉の検体の画像データを走査型透過電子顕微鏡により取得し、前記画像データを用いて前記接着界面層に存在する前記金属を由来とする金属化合物の結晶粒の組成とともにその構造を特定するゴムと金属との化合物の結晶粒の組成および構造の特定方法において、
前記画像データの中から選択された領域を演算装置により高速フーリエ変換することにより、前記結晶粒の構造を示す回析図形データを取得し、取得した前記回析図形データに存在する多数の回析スポットの中から選択された互いに非線対称となる複数の前記回析スポットを対象スポットとして、それぞれの前記回析スポットの中心からそれぞれの前記対象スポットまでの距離、前記中心とそれぞれの前記対象スポットとを結ぶ線分どうしの交差角を算出し、算出したそれぞれの前記距離とそれぞれの前記交差角との組み合わせを用いて前記結晶粒の組成および構造を特定するゴムと金属との化合物の結晶粒の組成および構造の特定方法。
続きを表示(約 740 文字)
【請求項2】
多数種類の既知の金属化合物の結晶粒について、組成、互いに面方位が異なる複数の結晶格子面毎の面間隔、および、それぞれの前記結晶格子面どうしが成す面角度が集積されたデータベースを用いて、前記演算装置により、前記組み合わせをそれぞれの前記面間隔およびそれぞれの前記面角度と見做して、前記データベースの中からそれぞれの前記面間隔およびそれぞれの前記面角度が前記組み合わせに近似する前記既知の金属化合物の結晶粒を選択し、選択したその既知の金属化合物の結晶粒の前記組成に基づいて前記結晶粒の組成および構造を特定する請求項1に記載のゴムと金属との化合物の結晶粒の組成および構造の特定方法。
【請求項3】
前記画像データは、暗視野像データまたは明視野像データと前記金属化合物を構成する元素の分布を示す元素マッピングデータとが重畳していて、
特定した前記結晶粒の組成および構造に基づいて前記演算装置によりその結晶粒をモデル化したモデルデータを作成し、作成したそのモデルデータと前記元素マッピングデータとを比較して、特定した前記結晶粒の組成および構造の正誤を判定する請求項1または2に記載のゴムと金属との化合物の結晶粒の組成および構造の特定方法。
【請求項4】
前記モデルデータに基づいて前記演算装置により前記結晶粒の前記加硫ゴムと接触する結晶面を特定する請求項3に記載のゴムと金属との化合物の結晶粒の組成および構造の特定方法。
【請求項5】
特定した前記結晶面での単位面積当たりの硫黄量を指標として用いて前記接着界面層の接着具合を評価する請求項4に記載のゴムと金属との化合物の結晶粒の組成および構造の特定方法。
発明の詳細な説明
【技術分野】
【0001】
本発明は、ゴムと金属との化合物の結晶粒の組成および構造の特定方法に関し、より詳しくは、加硫ゴムと金属との境界に形成されている化合物の結晶粒の組成とともにその構造を精度よく特定できる特定方法に関する。
続きを表示(約 2,600 文字)
【背景技術】
【0002】
タイヤなどのゴム製品にはスチールコードなどの金属材料が使用されている。ゴム製品の加硫工程では未加硫ゴム中の硫黄とブラスめっきスチールコードのブラスとが反応して、加硫ゴムと金属との境界に形成された接着界面層により両者が接着される。ゴムとブラスとの接着性を向上させるため、ブラスとゴムの接着界面に針状のCu-S系反応物を形成させることが提案されている(特許文献1参照)。
【0003】
この接着界面層による接着のメカニズムには、接着界面層を構成しているブラス由来の金属化合物の結晶粒の組成および構造が影響していると考えられている。したがって、この金属化合物の組成および構造を明確に特定できれば、加硫工程での金属化合物の形成プロセスの解明、接着性の向上など様々に寄与することが期待される。走査型電子顕微鏡により取得した接着界面層の画像データでは金属元素の大凡の分布を特定できるが、金属化合物の結晶粒の組成および構造を特定できない。それ故、加硫ゴムと金属との境界に形成されている金属化合物の結晶粒の組成および構造を精度よく特定するには様々な工夫が必要になる。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
特開2004-263336号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
本発明の目的は、加硫ゴムと金属との境界に形成されている金属化合物の結晶粒の組成とともにその構造を精度よく特定できる特定方法を提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0006】
上記の目的を達成する本発明のゴムと金属との化合物の結晶粒の組成および構造の特定方法は、加硫ゴムと金属との境界に形成されている接着界面層を含む薄肉の検体の画像データを走査型透過電子顕微鏡により取得し、前記画像データを用いて前記接着界面層に存在する前記金属を由来とする金属化合物の結晶粒の組成とともにその構造を特定するゴムと金属との化合物の結晶粒の組成および構造の特定方法において、前記画像データの中から選択された領域を演算装置により高速フーリエ変換することにより、前記結晶粒の構造を示す回析図形データを取得し、取得した前記回析図形データに存在する多数の回析スポットの中から選択された互いに非線対称となる複数の前記回析スポットを対象スポットとして、それぞれの前記回析スポットの中心からそれぞれの前記対象スポットまでの距離、前記中心とそれぞれの前記対象スポットとを結ぶ線分どうしの交差角を算出し、算出したそれぞれの前記距離とそれぞれの前記交差角との組み合わせを用いて前記結晶粒の組成および構造を特定することを特徴とする。
【発明の効果】
【0007】
本発明によれば、前記回析図形データに基づいて算出された個々の前記距離および個々の前記交差角との組み合わせは、結晶粒での互いに面方位が異なる複数の結晶格子面毎の面間隔およびそれぞれの結晶格子面どうしの面角度と見做せる。それぞれの面間隔および面角度は、同一の組成および構造を有する結晶粒どうしでの固有の値であるため、その組み合わせを用いることで、加硫ゴムと金属との境界の接着界面層に存在する実際の金属化合物の結晶粒の組成および構造を精度よく特定できる。
【図面の簡単な説明】
【0008】
観察システムを例示する説明図である。
走査型透過電子顕微鏡を例示する説明図である。
ゴムと金属との化合物の結晶粒の組成および構造の特定方法の実施形態の手順を例示するフロー図である。
画像データを例示する説明図である。
図4の一部の領域を拡大した領域画像データを例示する拡大図である。
図4の一部の領域を拡大した領域画像データを例示する拡大図である。
図4の一部の領域を拡大した領域画像データを例示する拡大図である。
図5の領域についての回析図形データを例示する説明図である。
図6の領域についての回析図形データを例示する説明図である。
図7の領域についての回析図形データを例示する説明図である。
図9の回析図形データを模式的に表す説明図である。
データベースの一部を例示する説明図である。
データベースの一部を例示する説明図である。
画像データを例示する説明図である
変形例1の手順を例示するフロー図である。
図5の領域に存在している結晶粒のモデルデータを例示する説明図である。
図6の領域に存在している結晶粒のモデルデータを例示する説明図である。
図7の領域に存在している結晶粒のモデルデータを例示する説明図である。
図5の領域画像データに対する比較データを例示する説明図である。
図6の領域画像データに対する比較データを例示する説明図である。
図7の領域画像データに対する比較データを例示する説明図である。
変形例2の手順を例示するフロー図である。
図5の領域画像データに対する比較データを例示する説明図である。
図6の領域画像データに対する比較データを例示する説明図である。
図7の領域画像データに対する比較データを例示する説明図である。
結晶面データベースを例示する説明図である。
【発明を実施するための形態】
【0009】
以下、本発明のゴムと金属との化合物の結晶粒の組成および構造の特定方法を、図に示す実施形態に基づいて説明する。
【0010】
図1に例示する観察システム1は、本発明の特定方法を実施するために使用される。この特定方法では、まず、薄肉の検体10を用いて走査型透過電子顕微鏡2(以下、顕微鏡2という)により後述する図4に例示する画像データ20を取得する。次いで、取得した画像データ20を用いて演算装置3により検体10の接着界面層に存在する金属化合物の結晶粒の組成および構造を特定する。
(【0011】以降は省略されています)
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