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公開番号
2024155263
公報種別
公開特許公報(A)
公開日
2024-10-31
出願番号
2023069853
出願日
2023-04-21
発明の名称
試料の作製方法
出願人
山陽特殊製鋼株式会社
代理人
個人
,
個人
,
個人
,
個人
主分類
G01N
1/28 20060101AFI20241024BHJP(測定;試験)
要約
【課題】鋼材又は鋼材部品の介在物の状態を精密に把握できる試料の作製方法を提供する。
【解決手段】介在物の観察に供される鋼材又は鋼製部品の試料の作製方法であって、介在物現出工程及び第1平滑化工程を実施する。介在物現出工程では、Arガスをグロー放電でプラズマ化して、試料の加工面をスパッタすることで、試料内部の介在物を加工面上に現出させる。第1平滑化工程は、前記介在物現出工程の後に実施され、Ar及びO
2
の混合ガスをグロー放電でプラズマ化して、前記加工面を更にスパッタすることで、前記加工面を平滑にする。
【選択図】図1
特許請求の範囲
【請求項1】
介在物の観察に供される鋼材又は鋼製部品の試料の作製方法であって、
Arガスをグロー放電でプラズマ化して、試料の加工面をスパッタすることで、試料内部の介在物を加工面上に現出させる介在物現出工程と、
前記介在物現出工程の実施後に、Ar及びO
2
の混合ガスをグロー放電でプラズマ化して、前記加工面を更にスパッタすることで、前記加工面を平滑にする第1平滑化工程と、
を有することを特徴とする試料の作製方法。
続きを表示(約 860 文字)
【請求項2】
前記第1平滑化工程の実施後に、前記加工面に対して、Arイオンミリング加工による第2平滑化工程を実施することを特徴とする請求項1に記載の試料の作製方法。
【請求項3】
前記第1平滑化工程の実施後に、前記加工面に対する腐食処理を行うことで、介在物周囲のミクロ組織を現出させることを特徴とする請求項1に記載の試料の作製方法。
【請求項4】
前記第2平滑化工程の実施後に、前記加工面に対する腐食処理を行うことで、介在物周囲のミクロ組織を現出させることを特徴とする請求項2に記載の試料の作製方法。
【請求項5】
前記介在物現出工程に供される試料に含まれる介在物は、予め繰り返し荷重による疲労が付与された介在物であることを特徴とする請求項1乃至4のうちいずれか一つに記載の試料の作製方法。
【請求項6】
前記介在物現出工程を実施する前に、試料表面から介在物が存在する位置までの深さを0.1mm以内に調整する深さ調整処理を行うことを特徴とする請求項1乃至4のうちいずれか一つに記載の試料の作製方法。
【請求項7】
スパッタ粒子の元素を分析しながら前記介在物現出工程を実施することにより、介在物の現出の有無を判別することを特徴とする請求項1乃至4のうちいずれか一つに記載の試料の作製方法。
【請求項8】
スパッタ粒子の元素を分析しながら前記介在物現出工程を実施することにより、介在物の現出の有無を判別することを特徴とする請求項5に記載の試料の作製方法。
【請求項9】
スパッタ粒子の元素を分析しながら前記介在物現出工程を実施することにより、介在物の現出の有無を判別することを特徴とする請求項6に記載の試料の作製方法。
【請求項10】
スパッタ粒子の元素を分析しながら前記介在物現出工程を実施することにより、介在物の現出の有無を判別することを特徴とする請求項7に記載の試料の作製方法。
発明の詳細な説明
【技術分野】
【0001】
鋼材、鋼製製品中に存在する非金属介在物およびその周辺部の観察に供される試料の作製方法に関する。
続きを表示(約 2,200 文字)
【背景技術】
【0002】
適切な環境下で使用されている軸受であっても、短寿命で破損する場合があり、軸受鋼中に存在する非金属介在物(以下、「介在物」ともいう)が、破損の要因の一つと考えられている。介在物は鋼の精錬過程で不可避的に生成して混入し、精錬後の鋳造・凝固過程で除去しきれない介在物は、鋳造・凝固過程後の圧延や鍛造等で得られる軸受素材または軸受製品中に含まれることになる。
【0003】
介在物は鋼とは性質が異なる異物であり、かかる介在物が、軸受の軌道面直下のせん断応力が高く作用する領域内に存在する場合、使用中に介在物周囲に応力が集中して、亀裂が生成され、この亀裂が伝播することで、はく離に至ることがある。すなわち、介在物は、寿命に対して有害な作用を及ぼす影響因子と考えられている。
【0004】
上記した介在物には酸化物、硫化物、窒化物などが含まれ、それぞれの介在物の状態(組成、サイズ、形状など)は互いに異なり、この状態の違いが寿命に対する有害性の違いとして現れることが考えられる。
【0005】
非特許文献1には、介在物のサイズが大きくなると、軸受の転がり疲れ寿命が短くなることが記載されている。
非特許文献2及び3には、介在物とこの周囲に存在する母相との間に隙間が形成されている場合、寿命に対する有害性が高まることが記載されている。この隙間は、鋳造された鋼がその後の熱間加工を経て半製品として製造される過程や、その後に製品とするための様々な塑性加工工程を経る際に、鋼とそれに含まれる介在物との変形能が異なるため、生じると考えられる。
【先行技術文献】
【非特許文献】
【0006】
長尾実佐樹、平岡和彦、雲丹亀泰和:山陽特殊製鋼技報、12(2005)1、38―45
藤松威史、平岡和彦、山本厚之、「高炭素クロム軸受鋼の転がり疲れにおける内部欠陥からのき裂発生挙動」、鉄と鋼、一般社団法人日本鉄鋼協会、Vol.94、No.1(2008年)、p.13―20
橋本(K.Hashimoto)、藤松(T.Fujimatsu)、常陰(N.Tsunekage)、平岡(K.Hiraoka)、木田(K.Kida)、サントス(E.C.Santos)、「内部破壊タイプ転がり疲労寿命における介在物/母相境界空洞の影響(Effect of inclusion/matrix interface cavities on internal―fracture―type rolling contact fatigue life)」、マテリアルズ アンド デザイン(Materials&Design)、エルゼビア・ベーフェー(Elsevier B.V.)、(オランダ)、Vol.32,Issue 10,2011年12月、p.4980-4985
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
上述した通り、鋼中介在物の状態の変化、介在物周囲の隙間の状況は、製品である軸受の転がり疲れ疲労の挙動に変化をもたらし、その結果、寿命に影響を及ぼす場合がある。
そこで、鋼の精錬段階から製品製造段階までの工程において、鋼材中の介在物の状態を適切に制御することによって、軸受の寿命向上を実現できる可能性がある。また、鋼に含まれる介在物の中には、転がり疲れに及ぼす有害性が判明していない介在物もあり、かかる介在物の有害性を調査しておくことは、軸受用鋼などの製品の信頼性を高める上で必要と考えられる。
【0008】
介在物の有害性を調査するためには、鋼材や軸受製品中の介在物を観察すること、その周辺のミクロ組織の疲労挙動等との関係を把握することなどといった検証が不可欠である。鋼材中の介在物の状態を詳細に把握することで、その有害性について、より詳細に検証することができ、より良い改善策が見出せると期待される。
また、ある性状・性質の介在物の有害性が未知な場合、そのような介在物の有害性を確かめるためには、転がり疲れ試験等を行ってから、その介在物と周囲の関係を観察することが必要になる。
【0009】
ここで、介在物を直接観察することで、介在物の情報をより多く取得することができる。直接観察には、介在物の存在する断面を二次元的に観察する方法が含まれる。具体的には、断面を研磨して観察する方法や、集束イオンビーム(FIB)により微小領域を研磨して、観察を行う方法が直接観察の方法に含まれる。
【0010】
断面研磨を利用する方法には、研削量が比較的多い粗研磨を用いた加工工程が含まれる。この加工工程は、ミクロ的な視点で見れば、研削用のペーパーに付着させた砥粒により材料を物理的に削り取る加工であり、観察目的の介在物が、砥粒に引っ掛かることで脱落してしまう場合があった。
また、介在物周囲に隙間が存在していた場合、その隙間周囲に存在する母材が薄いバリ状になって、当該隙間にかぶさる場合があり、介在物周囲の隙間の実態を精密に観察できない場合もあった。
(【0011】以降は省略されています)
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