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公開番号2024155112
公報種別公開特許公報(A)
公開日2024-10-31
出願番号2023069542
出願日2023-04-20
発明の名称高分子鎖の数値解析用モデルの作成方法及びシミュレーション方法
出願人住友ゴム工業株式会社
代理人個人,個人,個人,個人,個人
主分類G16C 60/00 20190101AFI20241024BHJP(特定の用途分野に特に適合した情報通信技術)
要約【課題】所望の分子量分布に近似する高分子鎖の数値解析モデルを作成する方法を提供する。
【解決手段】高分子鎖に基づいて、複数の粒子モデルと、隣接する粒子モデル間を結合する結合モデルとを含む高分子鎖モデルをコンピュータに入力する工程と、コンピュータが、高分子鎖モデルの結合を切断する切断工程と、を含む方法であって、切断工程は、高分子鎖モデルを構成する結合モデルから一つの切断対象の結合モデルを選択する工程S43と、選択された結合モデルで高分子鎖モデルを切断したと仮定したときに、選択された結合モデルを除く他の結合モデルで連結された粒子モデルの集まりである断片モデルの大きさが何れも、予め定められた閾値よりも大きいか否かを予測する工程S44と、予測された切断後の断片モデルの大きさが、何れも閾値よりも大きい場合に、選択された結合モデルで、高分子鎖モデルを切断する条件的工程S46とを含む。
【選択図】図6
特許請求の範囲【請求項1】
高分子鎖の数値解析用モデルを作成するための方法であって、
前記高分子鎖に基づいて、複数の粒子モデルと、隣接する前記粒子モデル間を結合する結合モデルとを含む高分子鎖モデルをコンピュータに入力する工程と、
前記コンピュータが、前記高分子鎖モデルの結合を切断する切断工程とを含み、
前記切断工程は、
前記高分子鎖モデルを構成する前記結合モデルから一つの切断対象の結合モデルを選択する工程と、
選択された前記結合モデルを切断したと仮定したときに、選択された前記結合モデルを除く他の結合モデルで連結された粒子モデルの集まりである断片モデルについて、それら(前記切断によって1つ又は2つ生じる前記断片モデル)の大きさが何れも、予め定められた閾値よりも大きいか否かを予測する工程と、
予測された前記断片モデルの大きさが、何れも前記閾値よりも大きい場合に、選択された前記結合モデルで、前記高分子鎖モデルを切断する条件的切断工程とを含む、
高分子鎖の数値解析用モデルの作成方法。
続きを表示(約 1,000 文字)【請求項2】
前記予測する工程に先立ち、前記閾値を設定する工程を含み、
前記閾値を設定する工程は、前記高分子鎖を含む高分子材料の分子量分布を取得する工程と、
前記分子量分布において頻度が最も大きくなる分子量に基づいて、前記閾値を設定する工程とを含む、請求項1に記載の高分子鎖の数値解析用モデルの作成方法。
【請求項3】
前記予測する工程は、選択された前記結合モデルに結合された2つの粒子モデルのうち、一方の粒子モデルから出発して、選択された前記結合モデル以外の結合モデルを経由して、前記断片モデルを構成する粒子モデルを探索する工程を含み、
前記探索する工程は、前記断片モデルの大きさが前記閾値よりも大きいことが明らかとなった時点で、前記粒子モデルの探索を打ち切る工程を含む、請求項1又は2に記載の高分子鎖の数値解析用モデルの作成方法。
【請求項4】
前記断片モデルの大きさは、分子量である、請求項1又は2に記載の高分子鎖の数値解析用モデルの作成方法。
【請求項5】
前記断片モデルの大きさは、最大鎖長である、請求項1又は2に記載の高分子鎖の数値解析用モデルの作成方法。
【請求項6】
前記予測する工程は、選択された前記結合モデルで結合された2つの粒子モデルのうち、一方の粒子モデルから出発して、選択された前記結合モデル以外の結合モデルを経由して、出発した粒子モデルから最も遠い粒子モデルの一つである第1粒子モデルを探索する工程と、
前記第1粒子モデルから出発して、選択された前記結合モデル以外の前記結合モデルを経由して、前記第1粒子モデルから最も遠い粒子モデルの一つである第2粒子モデルを探索する工程と、
前記第1粒子モデルと前記第2粒子モデルとの間の鎖長に基づいて、前記最大鎖長を予測する工程とを含む、請求項5に記載の高分子鎖の数値解析用モデルの作成方法。
【請求項7】
コンピュータが、請求項1又は2に記載の高分子鎖の数値解析用モデルの作成方法に基づいて、前記高分子鎖モデルを作成する工程と、
前記コンピュータが、前記高分子鎖モデルを含む高分子材料モデルを作成する工程と、
前記コンピュータが、前記高分子材料モデルの変形を計算する工程と、
前記コンピュータが、前記変形の計算結果を出力する工程とを含む、
高分子材料のシミュレーション方法。

発明の詳細な説明【技術分野】
【0001】
本発明は、高分子鎖の数値解析用モデルの作成方法及びシミュレーション方法に関する。
続きを表示(約 2,100 文字)【背景技術】
【0002】
下記特許文献1には、高分子材料モデル作成方法が記載されている。この方法では、高分子材料の少なくとも一部の体積に相当する予め定められた仮想の空間に、少なくとも一個のフィラー粒子モデルを有するフィラーモデルと、複数のポリマー粒子モデルを含むポリマーモデルとを配置して、高分子材料モデルが作成されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
特許第6353290号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
上記のような高分子材料モデルを用いて、粘弾性などの物理量の予測を精度よく行うためには、高分子鎖の分子量分布を適切に再現する必要がある。高分子材料は、例えば、混練時、押出工程時、経年劣化時、摩耗時等の各状態において、高分子鎖の切断等が生じることによって、高分子鎖の分子量分布が変化し、粘弾性などの物理量に影響を及ぼす。このため、解析対象の分子量分布に基づいて、高分子鎖が切断された数値解析モデルを作成する必要がある。
【0005】
しかしながら、例えば、コンピュータによる自動処理によって、高分子鎖がランダムに切断されたモデルでは、極端に分子量の小さい断片が生じやすく、所望の分子量分布に近似する高分子鎖の数値解析用モデルを作成できないという問題があった。
【0006】
本発明は、以上のような実状に鑑み案出されたもので、所望の分子量分布に近似する高分子鎖の数値解析モデルを作成することが可能な方法を提供することを主たる目的としている。
【課題を解決するための手段】
【0007】
本発明は、高分子鎖の数値解析用モデルを作成するための方法であって、前記高分子鎖に基づいて、複数の粒子モデルと、隣接する前記粒子モデル間を結合する結合モデルとを含む高分子鎖モデルをコンピュータに入力する工程と、前記コンピュータが、前記高分子鎖モデルの結合を切断する切断工程とを含み、前記切断工程は、前記高分子鎖モデルを構成する前記結合モデルから一つの切断対象の結合モデルを選択する工程と、選択された前記結合モデルを切断したと仮定したときに、選択された前記結合モデルを除く他の結合モデルで連結された粒子モデルの集まりである断片モデルについて、それら(前記切断によって1つ又は2つ生じる前記断片モデル)の大きさが何れも、予め定められた閾値よりも大きいか否かを予測する工程と、予測された前記断片モデルの大きさが、何れも前記閾値よりも大きい場合に、選択された前記結合モデルで、前記高分子鎖モデルを切断する条件的切断工程とを含む、高分子鎖の数値解析用モデルの作成方法である。
【発明の効果】
【0008】
本発明の高分子材料モデルの作成方法は、上記の工程を採用することにより、所望の分子量分布に近似する高分子鎖の数値解析モデルを作成することが可能となる。
【図面の簡単な説明】
【0009】
高分子鎖の数値解析用モデルの作成方法を実行するためのコンピュータを示す斜視図である。
ポリブタジエンの構造式である。
高分子鎖の数値解析用モデルの作成方法の処理手順を示すフローチャートである。
高分子鎖モデル(Kremer-Grestモデル)の概念図である。
高分子鎖モデルが配置されたセルを示す概念図である。
切断工程の処理手順を示すフローチャートである。
閾値設定工程の処理手順を示すフローチャートである。
高分子材料の分子量分布を示すグラフである。
(a)、(b)は、切断対象の高分子鎖モデルを示す概念図である。
予測工程の処理手順を示すフローチャートである。
第1工程の処理手順を示すフローチャートである。
追加の判定工程の処理手順を示すフローチャートである。
(a)は、図9(a)の高分子鎖モデルが切断された状態を示す概念図、(b)は、図9(b)の高分子鎖モデルが切断された状態を示す概念図である。
高分子鎖モデルの分子量分布を示すグラフである。
相互作用が定義された高分子鎖モデルを示す概念図である。
高分子材料のシミュレーション方法の処理手順を示すフローチャートである。
実施例及び比較例の分子量分布を示すグラフである。
【発明を実施するための形態】
【0010】
以下、本発明の実施形態が図面に基づき説明される。図面は、発明の内容の理解を助けるために、誇張表現や、実際の構造の寸法比とは異なる表現が含まれることが理解されなければならない。また、各実施形態を通して、同一又は共通する要素については同一の符号が付されており、重複する説明が省略される。さらに、実施形態及び図面に表された具体的な構成は、本発明の内容理解のためのものであって、本発明は、図示されている具体的な構成に限定されるものではない。
(【0011】以降は省略されています)

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