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公開番号2024152311
公報種別公開特許公報(A)
公開日2024-10-25
出願番号2023066428
出願日2023-04-14
発明の名称ホイールナット緩み検出システム及び該検出システムを備えるハブユニット軸受、並びに車軸管式懸架装置
出願人日本精工株式会社
代理人弁理士法人栄光事務所
主分類G01L 5/00 20060101AFI20241018BHJP(測定;試験)
要約【課題】ホイールナットの緩みを精度よく、安価に検出することができるホイールナット緩み検出システム及び該検出システムを備えるハブユニット軸受、並びに車軸管式懸架装置を提供する。
【解決手段】ホイールナット緩み検出システム10の検出装置40は、回転側部材30に固定され、周面に被検出面が形成されたエンコーダ41と、検出面をエンコーダ41の被検出面に対向させ、静止側部材25に支持固定されたセンサ51、52と、演算部と、を備える。被検出面は、周面の特性を交互に変化させると共に、この変化の位相又はピッチが軸方向に関して漸次変化し、演算部は、センサ51、52の出力信号が変化するパターンに基づいてホイールナット18の緩みの有無を検出する。
【選択図】図1
特許請求の範囲【請求項1】
回転しない静止側部材と、
複数のボルト部材及び複数のホイールナットを用いて、外周部にホイール及び制動用回転部材が取り付けられる回転フランジと一体に回転する回転側部材と、
前記静止側部材と前記回転側部材との間に転動自在に設けられた複数の転動体と、
前記ホイールナットの緩みを検出する検出装置と、
を備えるホイールナット緩み検出システムであって、
前記検出装置は、
前記回転側部材、又は、前記回転側部材と共に回転及び変位する部分に固定され、周面に被検出面が形成されたエンコーダと、
検出面を前記エンコーダの被検出面に対向させ、前記静止側部材、又は前記静止側部材と共に回転しない部分に支持固定されたセンサと、
演算部と、を備え、
前記被検出面は、周面の特性を交互に変化させると共に、この変化の位相又はピッチが軸方向に関して漸次変化し、
前記演算部は、前記センサの出力信号が変化するパターンに基づいて、前記ホイールナットの緩みの有無を検出する、
ホイールナット緩み検出システム。
続きを表示(約 1,100 文字)【請求項2】
前記演算部は、前記回転側部材の一回転内で、前記センサの出力信号が変化するパターンのずれが生じる円周方向位相を検出することで、前記ホイールナットの緩みの有無を検出する、
請求項1に記載のホイールナット緩み検出システム。
【請求項3】
前記回転側部材は、前記回転フランジと、内周面に外輪軌道を有する外輪とを有するハブであり、
前記静止側部材は、外周面に前記外輪軌道と対向する内輪軌道を有し、回転しないアクスルケースまたはスタブアクスルに外嵌固定される内輪である、
請求項1に記載のホイールナット緩み検出システム。
【請求項4】
前記回転側部材は、外周面に前記回転フランジが形成された円筒部を有するハブと、該円筒部に内嵌固定され、内周面に外輪軌道を有する外輪とを備え、
前記静止側部材は、外周面に前記外輪軌道と対向する内輪軌道を有し、回転しないアクスルケースまたはスタブアクスルに外嵌固定される内輪である、
請求項1に記載のホイールナット緩み検出システム。
【請求項5】
前記被検出面には、互いに異なる特性を有する第一被検出部と第二被検出部とが円周方向に関して交互に且つ等間隔で配置されており、これら両被検出部の円周方向に関する幅のうち、第一被検出部の幅は軸方向一端側程広く、第二被検出部の幅は軸方向他端側程広い、
請求項1に記載のホイールナット緩み検出システム。
【請求項6】
前記被検出面には、互いに異なる特性を有する第一被検出部と第二被検出部とが円周方向に関して交互に且つ等間隔で配置されており、これら第一、第二両被検出部の境界が、上記エンコーダの軸方向に対し傾斜すると共に、この境界の軸方向に対する傾斜方向が、このエンコーダの軸方向中間部を境に互いに逆方向であり、この軸方向中間部を挟んでこのエンコーダの軸方向に離隔した位置に設置された1対のセンサが、このエンコーダの被検出面に対向している、
請求項1に記載のホイールナット緩み検出システム。
【請求項7】
前記エンコーダは、前記回転側部材を構成する外輪の軸方向内端部に取り付けられ、
前記センサは、アクスルケースまたはスタブアクスルに取り付けられている、
請求項1に記載のホイールナット緩み検出システム。
【請求項8】
請求項1~7のいずれか1項に記載のホイールナット緩み検出システムを備えるハブユニット軸受。
【請求項9】
請求項1~7のいずれか1項に記載のホイールナット緩み検出システムを、左右輪のうち片輪のみに備える車軸管式懸架装置。

発明の詳細な説明【技術分野】
【0001】
本発明は、ホイールナット緩み検出システム及び該検出システムを備えるハブユニット軸受、並びに車軸管式懸架装置に関する。
続きを表示(約 2,600 文字)【背景技術】
【0002】
大型車の車輪脱落事故発生の防止のため、国土交通省と日本自動車工業会では、特に事故発生率の高い左後輪のホイールナットの緩みを検出可能なインジケータの取付けを推奨している。
【0003】
特許文献1に記載のホイールナットキャップは、図17に示すように、全体が樹脂製でドーム状のキャプ本体110と、各ホイールナット100に取り付けられる略三角形状のインジケータ120とを有する。そして、隣接するホイールナット100に取り付けたインジケータ120の向きが対向するように、或いは全てのインジケータ120の向きが同一方向を向くように、インジケータ120をホイールナット100に取り付け、インジケータ120の向きが変化したことを視認することでホイールナット100の緩みを検出する。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
特開2022-7274号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
しかしながら、特許文献1に記載のホイールナットキャップは安価であるものの、以下の3つの課題などがあり、さらなる改善が望まれていた。
1. インジケータ120の取付け可能位相に限りがあるため、隣接するホイールナット100同士のインジケータ120の向きを完全に対向させることが難しく、その分、ナット緩みの検出精度が低下する。
2. 取付け箇所が多く、取り付けに手間がかかる。また、手間を考えると、すべての車輪に取付けることが難しい。
3. 気流で外れる虞があるので、前輪には適用しづらい。
【0006】
本発明は、前述した課題に鑑みてなされたものであり、その目的は、ホイールナットの緩みを精度よく、安価に検出することができるホイールナット緩み検出システム及び該検出システムを備えるハブユニット軸受、並びに車軸管式懸架装置を提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0007】
本発明の上記目的は、ホイールナット緩み検出システムに係る下記[1]及びハブユニット軸受に係る下記[2」、並びに車軸管式懸架装置のタイヤ支持構造に係わる下記[3]の構成により達成される。
[1] 回転しない静止側部材と、
複数のボルト部材及び複数のホイールナットを用いて、外周部にホイール及び制動用回転部材が取り付けられる回転フランジと一体に回転する回転側部材と、
前記静止側部材と前記回転側部材との間に転動自在に設けられた複数の転動体と、
前記ホイールナットの緩みを検出する検出装置と、
を備えるホイールナット緩み検出システムであって、
前記検出装置は、
前記回転側部材、又は、前記回転側部材と共に回転及び変位する部分に固定され、周面に被検出面が形成されたエンコーダと、
検出面を前記エンコーダの被検出面に対向させ、前記静止側部材、又は前記静止側部材と共に回転しない部分に支持固定されたセンサと、
演算部と、を備え、
前記被検出面は、周面の特性を交互に変化させると共に、この変化の位相又はピッチが軸方向に関して漸次変化し、
前記演算部は、前記センサの出力信号が変化するパターンに基づいて、前記ホイールナットの緩みの有無を検出する、
ホイールナット緩み検出システム。
[2] [1]に記載のホイールナット緩み検出システムを備えるハブユニット軸受。
[3] [1]に記載のホイールナット緩み検出システムを、左右輪のうち片輪のみに備える車軸管式懸架装置。
【発明の効果】
【0008】
本発明のホイールナット緩み検出システム及び該検出システムを備えるハブユニット軸受によれば、ホイールナットの緩みを精度よく、安価に検出することができる。
【図面の簡単な説明】
【0009】
図1は、本発明の第1実施形態に係るタイヤ支持構造の断面図である。
図2は、図1の要部を180°反転して示す拡大図である。
図3は、エンコーダの斜視図である。
図4は、エンコーダとセンサとの軸方向相対変位に伴って変化するセンサの出力信号を示す線図である。
図5(a)は、ホイールナットの緩みがない状態のタイヤ支持構造の断面図であり、図5(b)は、ホイールナットの緩みがある状態のタイヤ支持構造の断面図である。
図6は、変形例のエンコーダの斜視図である。
図7は、他の変形例のエンコーダの斜視図である。
図8は、第1実施形態の第1変形例に係るタイヤ支持構造の断面図である。
図9は、第1実施形態の第2変形例に係るタイヤ支持構造の断面図である。
図10は、本発明の第2実施形態に係るタイヤ支持構造の断面図である。
図11は、第2実施形態の第1変形例に係るタイヤ支持構造の断面図である。
図12(a)は、第2実施形態の第2変形例に係るタイヤ支持構造の断面図であり、図12(b)は、第2実施形態の第3変形例に係るタイヤ支持構造の断面図である。
図13(a)は、本発明の第3実施形態に係るタイヤ支持構造の断面図であり、図13(b)は、第3実施形態の第1変形例に係るタイヤ支持構造の断面図である。
図14(a)は、本発明の第4実施形態に係るタイヤ支持構造の断面図であり、図14(b)は、第4実施形態の第1変形例に係るタイヤ支持構造の断面図である。
図15は、さらに他の変形例のエンコーダの斜視図である。
図16は、図15のエンコーダとセンサとの軸方向相対変位に伴って変化するセンサの出力信号を示す線図である。
図17は、従来のホイールナットキャップがホイールナットに取り付けられたホイールの正面図ある。
【発明を実施するための形態】
【0010】
以下、本発明に係るホイールナット緩み検出システム及び該検出システムを備えるハブユニット軸受の各実施形態を図面に基づいて詳細に説明する。
(【0011】以降は省略されています)

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