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公開番号2024151731
公報種別公開特許公報(A)
公開日2024-10-25
出願番号2023065363
出願日2023-04-13
発明の名称分子レジスト組成物及びパターン形成方法
出願人信越化学工業株式会社
代理人弁理士法人英明国際特許事務所
主分類G03F 7/004 20060101AFI20241018BHJP(写真;映画;光波以外の波を使用する類似技術;電子写真;ホログラフイ)
要約【課題】高エネルギー線を用いるフォトリソグラフィーにおいて、感度、解像性及びLWRに優れる分子レジスト組成物、並びに該分子レジスト組成物を用いるパターン形成方法を提供する。
【解決手段】環状エーテル部位を有するカチオンを含むオニウム塩、及び有機溶剤を含み、かつベースポリマーを含まない、ネガ型分子レジスト組成物。
【選択図】なし
特許請求の範囲【請求項1】
環状エーテル部位を有するカチオンを含むオニウム塩、及び有機溶剤を含み、かつベースポリマーを含まない、ネガ型分子レジスト組成物。
続きを表示(約 2,400 文字)【請求項2】
前記オニウム塩が、下記式(1)で表されるスルホニウム塩である請求項1記載のネガ型分子レジスト組成物。
TIFF
2024151731000057.tif
15
104
(式中、mは、1~3の整数である。nは、1~3の整数である。

1
は、環状エーテル部位を有する置換基である。m及びnの少なくとも1つが2又は3のとき、各R
1
は互いに同一であってもよく、異なっていてもよい。

2
は、単結合、エーテル結合、エステル結合、-N(H)-、チオエーテル結合、スルホン酸エステル結合、スルホンアミド結合、カーボネート結合又はカーバメート結合である。
Ar
1
は、炭素数6~20の(m+1)価芳香族炭化水素基であり、その芳香環上の水素原子の一部又は全部が、ハロゲン原子、又はヘテロ原子を含んでいてもよい炭素数1~20のヒドロカルビル基で置換されていてもよい。nが2又は3のとき、各Ar
1
は互いに同一であってもよく、異なっていてもよい。
Ar
2
は、炭素数6~20のアリール基であり、その芳香環上の水素原子の一部又は全部が、ハロゲン原子、又はヘテロ原子を含んでいてもよい炭素数1~20のヒドロカルビル基で置換されていてもよい。nが1のとき、各Ar
2
は互いに同一であってもよく、異なっていてもよい。
また、2つのAr
1
、2つのAr
2
又はAr
1
及びAr
2
が、互いに結合してこれらが結合する硫黄原子と共に環を形成してもよい。

-
は、対アニオンである。)
【請求項3】
前記環状エーテル部位が、オキシラン環又はオキセタン環である請求項1記載のネガ型分子レジスト組成物。
【請求項4】

-
が、ハロゲン化物イオン、硝酸イオン、硫酸水素イオン、炭酸水素イオン、ボレートイオン、ヘキサフルオロリン酸イオン、ヘキサフルオロアンチモン酸イオン又は下記式(X-1)~(X-7)のいずれかで表されるものである請求項2記載の分子レジスト組成物。
TIFF
2024151731000058.tif
77
144
(式中、k1及びk2は、それぞれ独立に、1~4の整数である。
Rf
1
及びRf
2
は、それぞれ独立に、水素原子、フッ素原子又は炭素数1~6の含フッ素アルキル基であるが、全てのRf
1
及びRf
2
が同時に水素原子となることはない。

11
は、水素原子、ハロゲン原子、ヒドロキシ基、又はヘテロ原子を含んでいてもよい炭素数1~40のヒドロカルビル基である。

12
は、水素原子、ハロゲン原子、ヒドロキシ基、又はヘテロ原子を含んでいてもよい炭素数1~40のヒドロカルビル基である。ただし、スルホ基のα位及びβ位の炭素原子上の水素原子が、フッ素原子又はフルオロアルキル基で置換されたものを除く。

21
は、水素原子、ハロゲン原子、ヒドロキシ基、又はヘテロ原子を含んでいてもよい炭素数1~40のヒドロカルビル基である。

22
は、水素原子、ハロゲン原子、ヒドロキシ基、又はヘテロ原子を含んでいてもよい炭素数1~40のヒドロカルビル基である。ただし、カルボキシ基のα位及びβ位の炭素原子上の水素原子が、フッ素原子又はフルオロアルキル基で置換されたものを除く。

31
及びR
32
は、それぞれ独立に、ヘテロ原子を含んでいてもよい炭素数1~40のヒドロカルビル基である。

41
~R
43
は、それぞれ独立に、ヘテロ原子を含んでいてもよい炭素数1~40のヒドロカルビル基である。

51
は、フッ素原子又は炭素数1~10のフッ素化ヒドロカルビル基であり、該フッ素化ヒドロカルビル基は、ヒドロキシ基、エーテル結合又はエステル結合を含んでいてもよい。R
52
は、水素原子又は炭素数1~20のヒドロカルビル基であり、該ヒドロカルビル基は、ヒドロキシ基、エーテル結合又はエステル結合を含んでいてもよい。また、R
51
とR
52
とが、互いに結合してこれらが結合する原子と共に環を形成してもよい。)
【請求項5】
更に、アミン化合物を含む請求項1記載の分子レジスト組成物。
【請求項6】
環状エーテル部位を有するカチオンを含むオニウム塩を2種以上含む請求項1記載の分子レジスト組成物。
【請求項7】
更に、環状エーテル部位を有するカチオンを含むオニウム塩以外のオニウム塩を含む請求項1記載の分子レジスト組成物。
【請求項8】
更に、界面活性剤を含む請求項1記載の分子レジスト組成物。
【請求項9】
請求項1~8のいずれか1項記載の分子レジスト組成物を用いて基板上にレジスト膜を形成する工程と、前記レジスト膜を高エネルギー線で露光する工程と、前記露光したレジスト膜を、現像液を用いて現像する工程とを含むパターン形成方法。
【請求項10】
現像液としてアルカリ水溶液を用いて、未露光部を溶解させ、露光部が溶解しないネガ型パターンを得る請求項9記載のパターン形成方法。
(【請求項11】以降は省略されています)

発明の詳細な説明【技術分野】
【0001】
本発明は、分子レジスト組成物及びパターン形成方法に関する。
続きを表示(約 2,000 文字)【背景技術】
【0002】
IoT市場の拡大とともにLSIの高集積化、高速度化及び低消費電力化が更に要求され、パターンルールの微細化が急速に進んでいる。特に、ロジックデバイスが微細化を牽引している。最先端の微細化技術として、ArF液浸リソグラフィーのダブルパターニング、トリプルパターニング及びクアドロパターニングによる10nmノードのデバイスの量産が行われており、次世代の波長13.5nmの極端紫外線(EUV)リソグラフィーによる7nmノードデバイスの検討が進められている。
【0003】
EUVリソグラフィーにおいては、化学増幅レジスト組成物を適用することができ、ラインパターンでは寸法20nm以下のライン幅が形成可能である。しかしながら、ArFリソグラフィーに使用される高分子系レジスト組成物をEUVリソグラフィーに用いると、これに含まれるベースポリマーの分子サイズが大きいため、パターン表面にラフネスが生じ、パターン制御が困難になってくる。そこで、種々の低分子材料が提唱されている。
【0004】
分子レジスト組成物は、低分子化合物を主成分とし、高分子系レジスト組成物に使用されるベースポリマーを含まないレジスト組成物である。分子レジスト組成物は、微細パターン形成のための有効策の1つとして期待されている。例えば、多価ポリフェノール化合物を主成分として用いるアルカリ現像用ネガ型感放射性組成物が提案されている(特許文献1)。また、スルホニウム塩のカチオンにtert-ブトキシカルボニルオキシ基を付け、強酸のアニオンと組み合わせた酸発生剤のみを含むアルカリ現像用ポジ型レジスト組成物が提案されている(非特許文献1)。前記酸発生剤は、高分子材料と比較して分子サイズが小さいため、ラフネスの改善が期待されるが、前記化学増幅機構を用いる分子レジスト組成物は、酸拡散の制御が困難なため、未だ満足する性能は得られていない。さらに、EUVレジスト組成物においては、ラフネスだけでなく高感度化及び高解像性も同時に達成する必要があり、さらなる改善が求められている。
【0005】
EUVリソグラフィー向け材料開発を困難にさせる要因として、EUV露光におけるフォトン数の少なさが挙げられる。EUVのエネルギーはArFエキシマレーザー光に比べて遙かに高く、EUV露光のフォトン数は、ArF露光のそれの14分の1である。更に、EUV露光で形成するパターンの寸法は、ArF露光の半分以下である。このため、EUV露光はフォトン数のバラツキの影響を受けやすい。極短波長の放射光領域におけるフォトン数のバラツキは物理現象のショットノイズであり、この影響を無くすることはできない。そのため、いわゆる確率論(Stochastics)が注目されている。ショットノイズの影響を無くすることはできないが、いかにこの影響を低減するかが議論されている。ショットノイズの影響で寸法均一性(CDU)やラインウィズスラフネス(LWR)が大きくなるだけでなく、数百万分の一の確率でホールが閉塞する現象が観察されている。ホールが閉塞すると電通不良となってトランジスタが動作しないので、デバイス全体のパフォーマンスに悪影響を及ぼす。
【0006】
ショットノイズの影響をレジスト側で低減する方法として、EUVの吸収が大きい元素を核とした無機レジスト組成物が提案されている(特許文献2)。しかし、無機レジスト組成物は、比較的高感度ではあるものの未だ十分ではなく、またレジスト用溶剤に対する溶解性不足、保存安定性、欠陥等多くの課題を抱えている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0007】
特開2005-326838号公報
特開2015-108781号公報
【非特許文献】
【0008】
Proc. of SPIE Vol. 6923, 69230K (2008)
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0009】
本発明は、前記事情に鑑みなされたもので、高エネルギー線を用いるフォトリソグラフィー、特に電子線(EB)リソグラフィー及びEUVリソグラフィーにおいて、感度、解像性及びLWRに優れる分子レジスト組成物、並びに該分子レジスト組成物を用いるパターン形成方法を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0010】
本発明者らは、前記目的を達成するため鋭意検討を重ねた結果、環状エーテル部位を有するカチオンを含むオニウム塩を含む分子レジスト組成物が、高感度であり、優れた解像力及びLWRを示すレジスト膜を与え、精密な微細加工に極めて有効であることを知見し、本発明をなすに至った。
(【0011】以降は省略されています)

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