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公開番号2025089278
公報種別公開特許公報(A)
公開日2025-06-12
出願番号2024207117
出願日2024-11-28
発明の名称トナー
出願人キヤノン株式会社
代理人個人,個人
主分類G03G 9/097 20060101AFI20250605BHJP(写真;映画;光波以外の波を使用する類似技術;電子写真;ホログラフイ)
要約【課題】高温多湿環境においても長寿命を通してトナーが流動性を維持し、トナー凝集による画像弊害が発生しづらく、さらに、導電性部材汚染に起因する画像弊害も発生しづらく、長寿命高画質を達成できるトナーの提供。
【解決手段】トナー粒子を有するトナーであって、
該トナー粒子表面には、シリカ微粒子と結着成分とを含有する凝集塊が存在し、さらに、該トナーは、脂肪酸金属塩粒子を有し、
該凝集塊のフェレ径の算術平均値Agは、1000nm以上8000nm以下であり、 該凝集塊を有するトナー粒子の個数割合をCI(個数%)としたとき、該CIが1個数%以上15個数%以下であり、
下記超音波条件Aで処理した後のトナーにおける、該凝集塊を有するトナー粒子の個数割合をCa(個数%)とし、下記超音波条件Bで処理した後のトナーにおける、該凝集塊を有するトナー粒子の個数割合をCb(個数%)としたとき、
該CI、該Ca、該Cbが、式(1)及び(2)を満たすことを特徴とする。
・超音波条件A:出力周波数30kHz、出力容量0.75W、照射時間300s
・超音波条件B:出力周波数30kHz、出力容量25W、照射時間300s
0.90≦Ca/CI≦1.00 式(1)
0.10≦Cb/CI≦0.40 式(2)
【選択図】なし
特許請求の範囲【請求項1】
トナー粒子を有するトナーであって、
該トナー粒子表面には、シリカ微粒子と結着成分とを含有する凝集塊が存在し、さらに、該トナーは、脂肪酸金属塩粒子を有し、
該凝集塊のフェレ径の算術平均値Agは、1000nm以上8000nm以下であり、
該凝集塊を有するトナー粒子の個数割合をCI(個数%)としたとき、該CIが1個数%以上15個数%以下であり、
下記超音波条件Aで処理した後のトナーにおける、該凝集塊を有するトナー粒子の個数割合をCa(個数%)とし、下記超音波条件Bで処理した後のトナーにおける、該凝集塊を有するトナー粒子の個数割合をCb(個数%)としたとき、
該CI、該Ca、該Cbが、式(1)及び(2)を満たすことを特徴とするトナー。
・超音波条件A:出力周波数30kHz、出力容量0.75W、照射時間300s
・超音波条件B:出力周波数30kHz、出力容量25W、照射時間300s
0.90≦Ca/CI≦1.00 式(1)
0.10≦Cb/CI≦0.40 式(2)
続きを表示(約 530 文字)【請求項2】
前記脂肪酸金属塩粒子は、前記凝集塊の内部に含まれている、もしくは、前記トナー粒子表面に存在している請求項1に記載のトナー。
【請求項3】
前記凝集塊を有するトナー粒子を走査電子顕微鏡で観察した表面において、前記凝集塊の結着成分の面積比率が、凝集塊全体に対して5%以上50%以下である請求項1または2に記載のトナー。
【請求項4】
前記トナーは、前記脂肪酸金属塩粒子を0.1質量%以上3.0質量%以下含有する請求項1または2に記載のトナー。
【請求項5】
前記トナーを前記超音波条件Aで処理した分散液をフロー式粒子像測定装置で計測したときの4μm未満の粒子の存在比率YA(個数%)が、20個数%以上50個数%以下である請求項1または2に記載のトナー。
【請求項6】
前記凝集塊を有するトナー粒子を走査電子顕微鏡で観察した表面において、前記凝集塊の脂肪酸金属塩の面積比率が、凝集塊全体に対して2%以上30%以下である請求項1または2に記載のトナー。
【請求項7】
前記トナーは、トナー粒子表面に外添剤としてシリコーン樹脂微粒子を有する請求項1または2に記載のトナー。

発明の詳細な説明【技術分野】
【0001】
本発明は、電子写真法などの画像形成方法に用いられるトナーに関する。
続きを表示(約 3,200 文字)【背景技術】
【0002】
電子写真法など静電潜像を経て画像情報を可視化する方法は、複写機、複合機、プリンタに適用されている。近年では、使用目的の多様化に伴い、電子写真本体、及びトナーカートリッジの更なる長寿命化や高画質化が求められている。
また、寿命を通して高画質を維持するためは、寿命を通してトナーの表面特性が変化しないように制御することが効果的である。通常の電子写真プロセスにおいては、外添剤と通称される各種有機又は無機微粉体をトナー表面に配置することでトナーの表面特性を制御している。また、世界中の様々な地域で寿命を通して安定した画像を提供するために、さまざまな環境においてもトナーとしての特性を維持する必要がある。そのようなトナー設計に重要な役割を果たすのが、外添剤である。一般的に、外添剤として多く使用されるのはシリカであり、シリカがトナーに流動性を付与し、摩擦帯電による電荷の発生と維持に重要な役割を担っている。シリカの他にも酸化チタンやチタン酸ストロンチウムなど様々な外添剤が検討され、使用されており、それぞれがトナーに目的の画像を印刷するための特性と特徴を与えている。
外添剤は単一粒子ではなく凝集体として用いる検討もなされており、例えば、特許文献1では、シリカの凝集体を用いることで高温高湿環境下においても高画質を達成できるトナーが開示されている。
以上、述べたように、外添剤にはトナーの特性を左右する重要な役割を担っているが、長寿命化する電子写真プリンタにおいて、寿命を通してその特性を維持することは困難である。トナーは印刷の過程で混合され、擦られる。長寿命プリンタの場合はそれが繰り返し何度も行われるため、トナーの表面は初期の状態を保てず、外添剤がトナー母体に埋め込まれたり、剥がれたりすることにより、画像不良として画に現れるようになる。
このようなトナーの耐久性に対しても様々な試みがなされており、例えば、特許文献2では、一次粒径が50nm~150nmのシリカが2個以上凝集した粒子を一定量存在させることで、高速機においても外添剤の埋没や離脱が抑制されるトナーが開示されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
特開2016-65963号公報
特開2010-134220号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
先に述べた通り、長寿命を通して高画質を達成するために、これまで様々な外添剤を有するトナーが提案されてきた。
しかしながら、より高スピード・長寿命の機種において外添剤の存在状態が初期から寿命の後半まで変化しないように保つことは困難である。さらに、様々な環境での安定した画像の提供のためには、特に高温多湿環境への対応が必要である。水分の多い条件ではトナー同士が凝集しやすくなり、流動性が不足するため、それが原因で現像ブレードへのトナーの融着をおこりやすい。融着した部分に外添剤やトナーが蓄積すると、スジとなって画像に現れることになる(現像スジ)。
外添剤量を多くするとその効果の持続時間は長くなるが、外添剤が部材を汚染してしまうことによる弊害が顕著になってくる。例えばクリーニング部において、一部の外添剤がクリーニング部をすり抜けて導電性部材を汚染してしまうことがある。この現象が発生すると、導電性部材の全体がまばらに汚染されることで感光体上の電位にムラが発生してしまい、画像の濃度ムラという弊害が発生してしまうことがある。
これらの課題は、繰り返しトナー表面がダメージを受け続け、さらに部材汚染が蓄積し続けてしまう長寿命の電子写真システムにおいて、より顕著な課題となりうる。
この観点から、特許文献1及び特許文献2に記載される技術では、より長寿命の電子写真システムにおいては、初期から寿命の後半まで変わらずトナーの流動性を維持することと導電性部材の汚染に伴う画像弊害について、更なる改善の余地があった。
これらの課題を鑑み、本開示では、特に高温多湿環境においても長寿命を通してトナーが流動性を維持し、トナー凝集による画像弊害が発生しづらく、さらに、導電性部材汚染に起因する画像弊害も発生しづらく、長寿命高画質を達成できるトナーを提供する。
【課題を解決するための手段】
【0005】
本発明は、トナー粒子を有するトナーであって、
該トナー粒子表面には、シリカ微粒子と結着成分とを含有する凝集塊が存在し、さらに、該トナーは、脂肪酸金属塩粒子を有し、
該凝集塊のフェレ径の算術平均値Agは、1000nm以上8000nm以下であり、 該凝集塊を有するトナー粒子の個数割合をCI(個数%)としたとき、該CIが1個数%以上15個数%以下であり、
下記超音波条件Aで処理した後のトナーにおける、該凝集塊を有するトナー粒子の個数割合をCa(個数%)とし、下記超音波条件Bで処理した後のトナーにおける、該凝集塊を有するトナー粒子の個数割合をCb(個数%)としたとき、
該CI、該Ca、該Cbが、式(1)及び(2)を満たすことを特徴とするトナーに関する。
・超音波条件A:出力周波数30kHz、出力容量0.75W、照射時間300s
・超音波条件B:出力周波数30kHz、出力容量25W、照射時間300s
0.90≦Ca/CI≦1.00 式(1)
0.10≦Cb/CI≦0.40 式(2)
【発明の効果】
【0006】
本発明によれば、特に高温多湿環境においても長寿命を通してトナーが流動性を維持し、トナー凝集による画像弊害が発生しづらく、さらに、導電性部材汚染に起因する画像弊害も発生しづらく、長寿命高画質を達成できるトナーが提供される。
【図面の簡単な説明】
【0007】
凝集塊を有するトナーの代表図である。
凝集塊に含有されている結着成分の分散状態の確認方法において、得られた解析画像に対して、ImageJを用いて所定の処理を行うことで得られる画像の一例である。
図2の画像に、中点を基準点として、該基準点を通るように10°間隔に計18本の直線を画像の端部から端部まで線分を引いた画像の一例である。
凝集塊を有するトナーの断面の模式図である。
【発明を実施するための形態】
【0008】
本開示において、数値範囲を表す「XX以上YY以下」や「XX~YY」の記載は、特に断りのない限り、端点である下限及び上限を含む数値範囲を意味する。数値範囲が段階的に記載されている場合、各数値範囲の上限及び下限は任意に組み合わせることができる。また、以下の説明において、トナー粒子表面に凝集塊が存在する前のトナー粒子を「トナーコア粒子」と称する場合がある。
【0009】
〔本発明の特徴〕
先述の通り、トナーの外添剤としては、寿命を通してトナーに流動性を付与し、帯電を助ける能力が必要であり、トナーが凝集しやすい高温多湿環境においてはさらに強くその能力が求められる。
【0010】
安定して流動性を付与する手段としては、多量の外添剤をトナー中に存在させることが考えられる。外添剤が多量に存在することで、トナーの流動性が増し、寿命後半においても、また、高温多湿環境においても必要な流動性が維持される。
(【0011】以降は省略されています)

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