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公開番号2025069522
公報種別公開特許公報(A)
公開日2025-05-01
出願番号2023179288
出願日2023-10-18
発明の名称トナー
出願人キヤノン株式会社
代理人個人,個人
主分類G03G 9/097 20060101AFI20250423BHJP(写真;映画;光波以外の波を使用する類似技術;電子写真;ホログラフイ)
要約【課題】長期に渡って画像を出力する場合においても帯電安定性を有し、良好な現像性を保つことができるトナーの提供。
【解決手段】結着樹脂を含有するトナー粒子と、シロキサン結合を有する有機ケイ素化合物である微粒子Aと、微粒子Bを有するトナーであって、
該微粒子Aの29Si-NMR測定で得られるチャートにおいて、ケイ素重合体に帰属される全ピーク面積をSAとし、Si-R1結合(R1は炭素数が1以上6以下のアルキル基を表す。)に帰属されるピーク面積をSBとしたとき、下記式(1)を満たし、
0.26≦SB/SA≦0.45 ・・・(1)
該微粒子Bは、チタン酸化合物であり、該微粒子Bの一次粒子の平均円形度が0.700以上0.920以下であり、該微粒子Aと該微粒子Bの一次粒子の個数平均粒径の比AD/BDが、下記式を満たすことを特徴とする。
1.0≦AD/BD≦10.0
【選択図】なし
特許請求の範囲【請求項1】
結着樹脂を含有するトナー粒子と、シロキサン結合を有する有機ケイ素化合物である微粒子Aと、微粒子Bを有するトナーであって、
該微粒子Aの
29
Si-NMR測定で得られるチャートにおいて、ケイ素重合体に帰属される全ピーク面積をSAとし、Si-R1結合(R1は炭素数が1以上6以下のアルキル基を表す。)に帰属されるピーク面積をSBとしたとき、下記式(1)を満たし、
0.26≦SB/SA≦0.45 ・・・(1)
該微粒子Bは、チタン酸化合物であり、該微粒子Bの一次粒子の平均円形度が0.700以上0.920以下であり、該微粒子Aの一次粒子の個数平均粒径(AD)と該微粒子Bの一次粒子の個数平均粒径(BD)の比AD/BDが、下記式を満たすことを特徴とするトナー。
1.0≦AD/BD≦10.0
続きを表示(約 720 文字)【請求項2】
前記微粒子Aの一次粒子の個数平均粒径が、0.02μm以上0.30μm以下である請求項1に記載のトナー。
【請求項3】
前記微粒子Aが、アルキルシラザン化合物、アルキルアルコキシシラン化合物、クロロシラン化合物、シロキサン化合物及びシリコーンオイルからなる群より選ばれる少なくとも一の化合物で表面処理されている請求項1又は2に記載のトナー。
【請求項4】
前記トナー粒子100質量部に対して、前記微粒子Aの添加量をX質量部、前記微粒子Bの添加量をY質量部としたとき、下記式を満たす請求項1又は2に記載のトナー。
0.7≦X/Y≦3.0
【請求項5】
前記微粒子Aの含有量が、前記トナー粒子100質量部に対して、0.1質量部以上20.0質量部以下である請求項1又は2に記載のトナー。
【請求項6】
前記微粒子Aの前記トナー粒子に対する固着率が、50%以上99%以下である請求項1又は2に記載のトナー。
【請求項7】
前記微粒子Bがチタン酸ストロンチウムである請求項1又は2に記載のトナー。
【請求項8】
前記微粒子Bの一次粒子の個数平均粒径が、0.01μm以上0.10μm以下である請求項1又は2に記載のトナー。
【請求項9】
前記微粒子Bの2kHzにおける誘電率が、10pF/m以上40pF/m以下である請求項1又は2に記載のトナー。
【請求項10】
前記微粒子Bの表面にアルキル基を有する化合物が存在している請求項1又は2に記載のトナー。
(【請求項11】以降は省略されています)

発明の詳細な説明【技術分野】
【0001】
本発明は、電子写真方式、静電記録方式などに用いられるトナーに関する。
続きを表示(約 1,900 文字)【背景技術】
【0002】
近年、電子写真方式のフルカラー複写機が広く普及し、印刷市場への適用が始まっている。印刷市場では、高速化と共に高画質、高安定性が要求されるようになってきている。
高画質化、高安定化の為には、トナーの帯電特性を安定化する必要がある。トナーの帯電特性を安定化する為に、外添剤の検討が種々行われている。
従来、トナーに用いられる外添剤としては一般的にシリカが広く知られている。一般に、乾式又は湿式(ゾルゲル法)により得られたシリカに表面処理を施し、疎水性を高めた例が報告されている。例えば特許文献1では高疎水性球状ゾルゲルシリカ微粒子をトナー母粒子に添加し、トナーの帯電安定性を向上させた例がある。また、特許文献2には、ポリアルキルシルセスキオキサン微粒子をトナー母粒子に添加し、トナーの流動性や帯電安定性を向上させた例がある。
一方、特許文献3には、一次粒子の個数平均粒径が、10nm以上95nm以下であり、X線回折における回折角の半値幅が特定の数値を有するチタン酸ストロンチウムを外添することで帯電安定性を向上させたトナーが開示されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
特開2007-99582号公報
特許第6116711号公報
特開2022-22414号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
しかしながら、高速化に伴いトナーに強いストレスが加わる場合においては、特許文献1や2のような形状が丸い外添剤はトナー表面への埋没や、局在化が生じることが分かった。そのため、トナーの帯電性が変化し、現像性が悪化してしまうことが分かった。また、特許文献3も、より高速化のためには改善の余地があった。
本発明の目的は、上記の課題を解決したトナーを提供することにあり、具体的には、長期に渡って画像を出力する場合においても帯電安定性を有し、良好な現像性を保つことができるトナーを提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0005】
本発明は、結着樹脂を含有するトナー粒子と、シロキサン結合を有する有機ケイ素化合物である微粒子Aと、微粒子Bを有するトナーであって、
該微粒子Aの
29
Si-NMR測定で得られるチャートにおいて、ケイ素重合体に帰属される全ピーク面積をSAとし、Si-R1結合(R1は炭素数が1以上6以下のアルキル基を表す。)に帰属されるピーク面積をSBとしたとき、下記式(1)を満たし、
0.26≦SB/SA≦0.45 ・・・(1)
該微粒子Bは、チタン酸化合物であり、該微粒子Bの一次粒子の平均円形度が0.700以上0.920以下であり、該微粒子Aと該微粒子Bの一次粒子の個数平均粒径の比AD/BDが、下記式を満たすことを特徴とするトナーに関する。
1.0≦AD/BD≦10.0
【発明の効果】
【0006】
本発明によれば、長期に渡り画像を出力した場合においても、帯電安定性が良好であり、高い現像性を有するトナーを提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【0007】
有機ケイ素化合物微粒子のトナー粒子に対する固着率制御に好適な、熱処理工程で使用される熱処理装置の概略説明図である。
【発明を実施するための形態】
【0008】
本発明において、数値範囲を表す「○○以上××以下」や「○○~××」の記載は、特に断りのない限り、端点である下限及び上限を含む数値範囲を意味する。また、本発明に係るトナーは、トナー粒子とトナー用外添剤を有するものであるが、下記の説明において「トナー粒子」を「トナー母粒子」もしくは「トナー母体」と称する場合がある。
【0009】
〔本発明の特徴〕
本発明者らは、更なる高速化においても、高画質、高安定性を得られるトナーの検討を行った結果、本発明の構成を有する、有機ケイ素化合物微粒子及びチタン酸化合物微粒子を外添したトナーを用いることにより、トナーの表面状態の変化を抑制し、長期に渡って帯電安定性が良好であり、高い現像性を保つことができることを見出した。
【0010】
本発明の効果が発現するメカニズムについて、本発明者らは以下のように考えている。
(【0011】以降は省略されています)

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