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公開番号2024149779
公報種別公開特許公報(A)
公開日2024-10-18
出願番号2024135221,2023000169
出願日2024-08-14,2018-11-12
発明の名称粘着剤組成物、及びそれを用いた粘着フィルム、表面保護フィルム、粘着剤層付き光学フィルム
出願人藤森工業株式会社
代理人個人,個人,個人
主分類C09J 175/04 20060101AFI20241010BHJP(染料;ペイント;つや出し剤;天然樹脂;接着剤;他に分類されない組成物;他に分類されない材料の応用)
要約【課題】低速の剥離速度、及び高速の剥離速度において、バランスがとれた粘着力を有するとともに、帯電防止性能と、耐汚染性能との両立を図ることが可能な粘着剤組成物、及び粘着フィルム、表面保護フィルム、粘着剤層付き光学フィルムを提供する。
【解決手段】(A)アルキル基の炭素数がC1~C10のアルキル(メタ)アクリレートの少なくとも2種以上の合計を100重量部と、(B)水酸基を含有するモノマーを1.0~6.0重量部と、(C)カルボキシル基を含有するモノマーを0.01~0.6重量部と、を共重合させた、酸価が0.1~1.0の重量平均分子量が30万超過100万以下のアクリル系ポリマーと、融点25~80℃のイオン性化合物と、3官能以上のイソシアネート化合物を含有する粘着剤組成物を架橋させた粘着剤層の粘着力が、低速の剥離速度で0.01~0.1N/25mm、高速の剥離速度で1.0N/25mm以下である。
【選択図】なし
特許請求の範囲【請求項1】
第1アクリル系ポリマーと、架橋剤と、イオン性化合物とを含有してなる粘着剤組成物であって、
前記第1アクリル系ポリマーが、
(A)アルキル基の炭素数がC1~C10のアルキル(メタ)アクリレートの少なくとも2種以上の合計を100重量部と、
(B)水酸基を含有する共重合可能なモノマーの少なくとも1種以上の合計を1.0~6.0重量部と、
(C)カルボキシル基を含有する共重合可能なモノマーの少なくとも1種以上の合計を0.01~0.6重量部と、
を共重合させた、酸価が0.1~1.0の重量平均分子量が30万超過100万以下の共重合体からなるアクリル系ポリマーであり、
前記イオン性化合物が、融点25~80℃のイオン性化合物であり、
前記粘着剤組成物が、前記架橋剤として3官能以上のイソシアネート化合物を含有し、
前記粘着剤組成物を架橋させた粘着剤層を、厚さ38μmのポリエステルフィルムの片面に、15μmの厚さに積層してなる表面保護フィルムが、偏光板の表面に貼合された後、前記偏光板から前記表面保護フィルムを剥離するときの、低速の剥離速度0.3m/minでの粘着力が0.01~0.1N/25mmであり、高速の剥離速度30m/minでの粘着力が1.0N/25mm以下であることを特徴とする粘着剤組成物。
続きを表示(約 3,000 文字)【請求項2】
前記(A)アルキル基の炭素数がC1~C10のアルキル(メタ)アクリレートの少なくとも2種以上の合計の100重量部のうち、2-エチルヘキシルアクリレートを50重量部以上と、ホモポリマーのTgが0℃以上である単官能のメタクリレートモノマーの1種以上の合計を5~40重量部との割合で含有してなり、
前記ホモポリマーのTgが0℃以上である単官能のメタクリレートモノマーが、n-ブチルメタクリレート、イソブチルメタクリレート、s-ブチルメタクリレート、t-ブチルメタクリレート、n-プロピルメタクリレート、イソプロピルメタクリレート、エチルメタクリレート、メチルメタクリレートからなる化合物群から選択した1種以上であることを特徴とする請求項1に記載の粘着剤組成物。
【請求項3】
前記粘着剤組成物が、さらに、第2アクリル系ポリマーを含有してなり、
前記第2アクリル系ポリマーが、
(a)アルキル基の炭素数がC1~C18の(メタ)アクリル酸エステルモノマーの少なくとも1種以上と、
(b)水酸基を含有する共重合可能なモノマーの少なくとも1種以上と、
(c)ポリアルキレングリコール鎖含有モノ(メタ)アクリル酸エステルモノマーの少なくとも1種以上と、を共重合させた共重合体であり、
前記粘着剤組成物が、前記(A)アルキル基の炭素数がC1~C10のアルキル(メタ)アクリレートの少なくとも2種以上の合計の100重量部に対して、前記第2アクリル系ポリマーを0.1~5.0重量部の割合で含有することを特徴とする請求項1又は2に記載の粘着剤組成物。
【請求項4】
前記粘着剤組成物が、偏光板用表面保護フィルムに用いられる、粘着剤層を形成するための粘着剤組成物であり、
前記偏光板の偏光子の保護層が、TAC系フィルム、PMMA系フィルム、PET系フィルムからなる群より選択された1種であり、かつ、前記偏光板の偏光子の保護層の表面に施されている表面処理が、未処理、AG処理、LR処理、AR処理、AG-LR処理、AG-AR処理からなる群より選択された1種であることを特徴とする請求項1~3のいずれか1項に記載の粘着剤組成物。
【請求項5】
前記イオン性化合物のカチオンが、ピリジニウムであり、前記粘着剤組成物が、前記第1アクリル系ポリマーの100重量部に対して、前記イオン性化合物を、0.01~10重量部の割合で必須成分として含有してなることを特徴とする請求項1~4のいずれか1項に記載の粘着剤組成物。
【請求項6】
前記粘着剤組成物を架橋させた粘着剤層の、表面抵抗率が1.0×10
+12
Ω/□以下であり、
フッ素化合物を含有する低屈折率層形成用の組成物を用いて形成された低屈折率層に対する、前記粘着剤層の剥離帯電圧が+0.3~-0.3kVの範囲内であり、
表面基材がTAC系フィルム、PMMA系フィルム、PET系フィルムからなる群より選択された1種であり、かつ、前記表面基材の表面に施されている表面処理が、未処理、AG処理、LR処理、AR処理、AG-LR処理、AG-AR処理からなる群より選択された1種である偏光板に貼り合せ後、温度60℃、湿度90%RHの雰囲気下に2日放置し取り出し後、1日経過したのちに剥がした際に汚染性が無いことを特徴とする請求項1~5のいずれか1項に記載の粘着剤組成物。
【請求項7】
前記(B)水酸基を含有する共重合可能なモノマーが、8-ヒドロキシオクチル(メタ)アクリレート、6-ヒドロキシヘキシル(メタ)アクリレート、4-ヒドロキシブチル(メタ)アクリレート、2-ヒドロキシエチル(メタ)アクリレート、N-ヒドロキシ(メタ)アクリルアミド、N-ヒドロキシメチル(メタ)アクリルアミド、N-ヒドロキシエチル(メタ)アクリルアミドからなる化合物群の中から選択された少なくとも1種以上であり、
前記(C)カルボキシル基を含有する共重合可能なモノマーが、(メタ)アクリル酸、カルボキシエチル(メタ)アクリレート、カルボキシペンチル(メタ)アクリレート、2-(メタ)アクリロイロキシエチルヘキサヒドロフタル酸、2-(メタ)アクリロイロキシプロピルヘキサヒドロフタル酸、2-(メタ)アクリロイロキシエチルフタル酸、2-(メタ)アクリロイロキシエチルコハク酸、2-(メタ)アクリロイロキシエチルマレイン酸、カルボキシポリカプロラクトンモノ(メタ)アクリレート、2-(メタ)アクリロイロキシエチルテトラヒドロフタル酸からなる化合物群の中から選択された少なくとも1種以上であることを特徴とする請求項1~6のいずれか1項に記載の粘着剤組成物。
【請求項8】
前記粘着剤組成物が、架橋遅延剤と、架橋触媒として錫化合物以外の架橋触媒と、を含有してなり、
前記架橋遅延剤が、ケトエノール互変異性体の化合物であり、
前記第1アクリル系ポリマーの100重量部に対して、前記架橋遅延剤を0.1~300重量部の割合で含有してなり、
前記架橋触媒が、アルミニウムキレート化合物、チタンキレート化合物、鉄キレート化合物からなる群の中から選択された少なくとも1種以上の金属キレート化合物であり、
前記第1アクリル系ポリマーの100重量部に対して、前記架橋触媒を0.001~0.5重量部の割合で含有してなり、
前記架橋遅延剤/前記架橋触媒の重量部比率が、80~1000であることを特徴とする請求項1~7のいずれか1項に記載の粘着剤組成物。
【請求項9】
前記粘着剤組成物が、前記第1アクリル系ポリマーの100重量部に対して、HLB値が6~12で重量平均分子量が10000以下であるポリエーテル変性シロキサン化合物を、0.01~0.5重量部の割合で含有することを特徴とする請求項1~8のいずれか1項に記載の粘着剤組成物。
【請求項10】
前記第2アクリル系ポリマーが、
(a)アルキル基の炭素数がC1~C18の(メタ)アクリル酸エステルモノマーの少なくとも1種以上の合計100重量部に対して、
(b)水酸基を含有する共重合可能なモノマーの少なくとも1種以上の合計を2.0~12.0重量部と、
(c)ポリアルキレングリコール鎖含有モノ(メタ)アクリル酸エステルモノマーの少なくとも1種の合計を1~30重量部と、を共重合させた重量平均分子量が30万超過80万以下の共重合体であり、
前記第1アクリル系ポリマーの合計100重量部に対する、前記第1アクリル系ポリマーに含まれる前記(B)水酸基を含有する共重合可能なモノマーの少なくとも1種以上の合計の重量部の値(B-1)と、前記第2アクリル系ポリマーの合計100重量部に対する、前記第2アクリル系ポリマーに含まれる前記(b)水酸基を含有する共重合可能なモノマーの少なくとも1種以上の合計の重量部の値(b-1)との比率(b-1)/(B-1)が、1.0~2.0の範囲内であることを特徴とする請求項3に記載の粘着剤組成物。
(【請求項11】以降は省略されています)

発明の詳細な説明【技術分野】
【0001】
本発明は、偏光板用表面保護フィルム等の表面保護フィルムに好適に使用することができる粘着剤組成物、及びそれを用いた粘着フィルム、表面保護フィルムに関する。さらに詳細には、低速の剥離速度、及び高速の剥離速度において、バランスがとれた粘着力を有するとともに、帯電防止性能と耐汚染性能との両立を図ることが可能な粘着剤組成物、及びそれを用いた粘着フィルム、表面保護フィルムを提供することに関する。
続きを表示(約 4,600 文字)【背景技術】
【0002】
従来から、液晶ディスプレイを構成する部材である偏光板などの光学部材の製造工程においては、光学部材の表面を一時的に保護するための表面保護フィルムが貼合される。このような表面保護フィルムは、光学部材を製造する工程のみに使用され、光学部材を液晶ディスプレイに組み込む時点で、光学部材から剥離して除去される。このような光学部材の表面を保護するための表面保護フィルムは、光学部材の製造工程においてのみに使用されるため、一般には、工程フィルムと呼ばれることもある。
【0003】
このような光学部材を製造する工程において使用される表面保護フィルムは、光学的に透明性を有するポリエチレンテレフタレート(PET)樹脂フィルムの片面に粘着剤層が形成されている。また、表面保護フィルムの粘着剤層の表面には、光学部材に貼合するまで、その粘着剤層を保護するために、離型処理された離型フィルムが貼合されている。
そして、偏光板などの光学部材は、表面保護フィルムが貼合された状態で、液晶表示板の表示能力、色相、コントラスト、異物混入などの光学的評価を伴う製品検査を受ける。このため、表面保護フィルムに対する要求性能としては、粘着剤層に気泡や異物が混入していないこと、及び粘着剤組成物の低分子量成分が被着体の表面に付着するのを低減できること、即ち、耐汚染性能を有することが求められている。
また、偏光板などの光学部材から表面保護フィルムを剥がす際に、粘着剤層が被着体から剥がれる時に発生する静電気に伴って生じる剥離帯電が、液晶ディスプレイの電気制御回路の故障に影響することが懸念される。このため、表面保護フィルムの粘着剤層には、優れた帯電防止性能を有することが求められている。
さらに、近年では、偏光板の偏光子の保護層(保護フィルムと呼ばれることもある。)として、従来、用いられているトリアセチルセルロース(TAC)以外に、ポリメチルメタクリレート(PMMA)等のアクリル系樹脂、ポリエチレンテレフタレート(PET)等のポリエステル系樹脂、環状オレフィン系ポリマー、ポリカーボネートなどの、偏光板の表面保護フィルムを剥がす時に、剥離帯電を起こし易い材料の採用が拡大している。このため、偏光板の表面保護フィルム用の粘着剤層に求められる帯電防止性能が、従来に比べて優れていることが必要とされている。
また、最終的に偏光板などの光学部材から表面保護フィルムを剥がすときには、速やかに剥離できることが求められている。いわゆる、高速剥離によっても、速やかに剥離できるように、粘着力が剥離速度によっても変化が少ないことが求められている。
【0004】
このように、近年においては、表面保護フィルムを構成する粘着剤層に対して、(1)低速の剥離速度、及び高速の剥離速度において、粘着力のバランスを取ること、(2)耐汚染性能を有すること、(3)優れた帯電防止性能を有することなどが、表面保護フィルムを使用するに当たっての使い易さの点から求められている。
しかし、表面保護フィルムを構成する粘着剤層に対する要求性能について、これら(1)~(3)のそれぞれ、個々の要求性能を満たすことは出来ても、表面保護フィルムの粘着剤層に求められる(1)~(3)の全ての要求性能を、同時に満たすことは非常に困難な課題であった。
【0005】
このような課題を解決するために、例えば、(1)低速の剥離速度、及び高速の剥離速度において、粘着力のバランスを取ること、(2)耐汚染性能を有すること、及び、(3)優れた帯電防止性能を有することについては、それぞれ、次のような提案が知られている。
【0006】
(1)低速の剥離速度、及び高速の剥離速度において、粘着力のバランスを取ることに関しては、炭素数が7以下のアルキル基を有する(メタ)アクリル酸アルキルエステルとカルボキシル基含有共重合性化合物との共重合体を主成分とし、これを架橋剤で架橋処理してなるアクリル系の粘着剤層では、長期間接着した場合に粘着剤の被着体側への移着が生じ、また被着体に対する接着力の経時上昇性が大きいという問題があった。これを回避するため、炭素数が8~10のアルキル基を有する(メタ)アクリル酸アルキルエステルとアルコール性水酸基を有する共重合性化合物との共重合体を用い、これを架橋剤で架橋処理した、ゲル分率が60%以上の粘着剤層、及びその粘着剤層を設けた表面保護部材が知られている(特許文献1)。
しかし、特許文献1に記載の粘着剤層では、被着体に対する接着力が、経時変化で増大するのを完全に解決できていないという問題があった。
また、上記と同様の共重合体に、(メタ)アクリル酸アルキルエステルとカルボキシル基含有共重合性化合物との共重合体を少量配合し、これを架橋剤で架橋処理した粘着剤層を設けたものが知られている。しかし、これらの粘着剤層は、表面張力が低くて表面が平滑なプラスチック板などの表面保護に使用すると、加工時や保存時の加熱により浮きなどの剥離現象を生じるという問題や、手作業領域である高速の剥離速度での粘着力が大きくて再剥離性に劣るという問題もあった。
【0007】
これらの問題を解決するため、a)炭素数が8~10のアルキル基を有する(メタ)アクリル酸アルキルエステルを主成分とする(メタ)アクリル酸アルキルエステル100重量部に、b)カルボキシル基含有共重合性化合物1~15重量部と、c)炭素数が1~5の脂肪族カルボン酸のビニルエステル3~100重量部とを加えてなる単量体混合物の共重合体に、上記のb)成分のカルボキシル基に対して当量以上の架橋剤を配合した粘着剤組成物が提案されている(特許文献2)。
特許文献2に記載の粘着剤組成物を架橋させた粘着剤層では、加工時や保存時において、浮きなどの剥離現象を生じることがなく、その上、接着力の経時上昇性が小さくて再剥離性に優れており、長期保存、特に高温雰囲気下で長期保存しても小さな力で再剥離でき、その際に被着体上に糊残りを生じず、また高速剥離を行ったときでも小さな力で再剥離できるとしている。
しかし、特許文献2に記載の粘着剤組成物を架橋させた粘着剤層では、実施例1~3における粘着剤層のゲル分率がいずれも90%であり、低速の剥離速度での粘着力が過大になり易く、粘着剤層から未重合モノマーあるいはオリゴマーが溶出し易い。また、特許文献2には、帯電防止性能及び耐汚染性能に関する記載はなく、剥離帯電を起こし易い材料を被着体とした場合に、優れた帯電防止性能及び耐汚染性能を備えた粘着剤層に改良することが難しいという問題があった。
【0008】
また、(2)耐汚染性能を有することについては、0質量部以上0.5質量部未満のカルボキシル基含有モノマー、0.6~9質量部のヒドロキシ基含有(メタ)アクリル系モノマーおよび99.4~90.5質量部の(メタ)アクリル酸エステルモノマーからなり、重量平均分子量が10万以上100万未満である(メタ)アクリル系共重合体100質量部;およびカルボジイミド系架橋剤0.1~5質量部を含む粘着剤組成物が開示されている(特許文献3)。
特許文献3に記載の粘着剤組成物では、特定組成の(メタ)アクリル系共重合体の架橋剤としてカルボジイミド系架橋剤を使用することを特徴とする。これにより、オートクレーブ処理時の圧力及び温度による収縮に追従しうる架橋構造を有する、粘着剤層を提供できる。このため、特許文献3に記載の粘着剤組成物を使用して形成された粘着剤層は、高温・高圧条件下(オートクレーブ処理時)であっても発泡を抑制・防止でき、耐汚染性能に優れ、また、透明性にも優れるとしている。
しかし、特許文献3に記載の粘着剤組成物を架橋させた粘着剤層では、耐汚染性能が改良されているものの、低速の剥離速度、及び高速の剥離速度において、粘着力のバランスを取ることによる優れた粘着性能とともに、帯電防止性能を両立させることは実現できておらず、更に解決すべき課題として残されている。
【0009】
また、(3)優れた帯電防止性能を有することについては、表面保護フィルムに帯電防止性を付与させるための方法として、基材フィルムに帯電防止剤を練り込む方法などが知られている。帯電防止剤としては、例えば、(a)第4級アンモニウム塩、ピリジニウム塩、第1~3級アミノ基などのカチオン性基を有する各種のカチオン性帯電防止剤、(b)スルホン酸塩基、硫酸エステル塩基、リン酸エステル塩基、ホスホン酸塩基などのアニオン性基を有するアニオン性帯電防止剤、(c)アミノ酸系、アミノ硫酸エステル系などの両性帯電防止剤、(d)アミノアルコール系、グリセリン系、ポリエチレングリコール系などのノニオン性帯電防止剤、(e)上記の様な帯電防止剤を高分子量化した高分子型帯電防止剤、などが開示されている(特許文献4)。
しかし、特許文献4に記載の表面保護フィルムにおいては、被着体へのゴミの付着に係わる帯電防止性能の付与に関する記載はあるものの、優れた粘着性能とともに、耐汚染性能を両立させる解決手段は記載されておらず、更に解決すべき課題として残されている。
【0010】
また、近年では、帯電防止剤を基材フィルムに含有させたり、あるいは基材フィルムの表面に塗布したりするのではなく、直接に粘着剤層に含有させることが提案されている。例えば、フルオロ基およびスルホニル基を有する陰イオンを備えた塩が、ポリエーテル基を主鎖中に含むポリエーテルエステル系可塑剤に溶解された状態で分散されていることを特徴とする制電性粘着剤組成物が開示されている(特許文献5)。
特許文献5に記載の粘着剤組成物では、可塑剤として飽和又は不飽和の非環式炭化水素基を有するモノ又はジカルボン酸と、炭素数1~20の非環式炭化水素基を有するアルコールとから形成されるエステル、あるいは、前記不飽和の非環式炭化水素基中の不飽和基がエポキシ化されたエステルからなる可塑剤を使用することが開示されている。このような飽和又は不飽和の非環式炭化水素基を有するモノ又はジカルボン酸は、粘着剤層に使用されるアクリル共重合体を構成するアクリル単量体の炭素数と近い炭素数を有することにより、制電性粘着剤組成物との相溶性が良好になり、可塑剤アクリル系制電性粘着剤組成物中に好適に保持されるため、ブリードアウトが抑制されるとしている。
しかし、特許文献5に記載の制電性粘着剤組成物を架橋させた粘着剤層においては、帯電防止性能及びブリードアウトの改良技術の開示は有るものの、低速の剥離速度、及び高速の剥離速度において、粘着力のバランスを取ることによる優れた粘着性能が得られることの記載はなく、優れた粘着性能を有する粘着剤層を得るという課題が残されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
(【0011】以降は省略されています)

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