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公開番号
2024147442
公報種別
公開特許公報(A)
公開日
2024-10-16
出願番号
2023060461
出願日
2023-04-03
発明の名称
安定液およびそれを得るための添加液
出願人
栗田工業株式会社
,
株式会社大林組
代理人
個人
主分類
C09K
8/508 20060101AFI20241008BHJP(染料;ペイント;つや出し剤;天然樹脂;接着剤;他に分類されない組成物;他に分類されない材料の応用)
要約
【課題】場所打ち杭工法若しくは地中連続壁工法において掘削壁面の崩壊を防ぐために繰り返し使用しても、粘度の低下およびろ過水量の増加が持続的に抑制された、安定液、ならびにこれを得るための添加液を提供する。
【解決手段】アクリルアミドに由来する構造単位を含有するアニオン性水溶性重合体を含む水性液からなる、場所打ち杭工法若しくは地中連続壁工法において掘削壁面の崩壊を防ぐために使用される安定液の調製に使用するための、添加液、ならびに粘性土若しくは掘削土、および前記の添加液とを含有する、場所打ち杭工法若しくは地中連続壁工法において掘削壁面の崩壊を防ぐために使用される安定液。
【選択図】 図3
特許請求の範囲
【請求項1】
アクリルアミドに由来する構造単位を含有するアニオン性水溶性重合体を含む水性液からなる、
場所打ち杭工法若しくは地中連続壁工法において掘削壁面の崩壊を防ぐために使用される安定液の調製に使用するための、添加液。
続きを表示(約 760 文字)
【請求項2】
アニオン性水溶性重合体は、メタクリルアミドに由来する構造単位、(メタ)アクリル酸若しくはその塩に由来する構造単位、イタコン酸若しくはその塩に由来する構造単位およびN-(1-スルホ-2-メチルプロパン-2-イル)-(メタ)アクリルアミド若しくはその塩に由来する構造単位からなる群から選ばれる少なくともひとつをさらに含有する、請求項1に記載の添加液。
【請求項3】
アニオン性水溶性重合体は、アニオン度が4~55モル%であり、且つ重量平均分子量が50万~250万である、請求項1に記載の添加液。
【請求項4】
分散剤およびカルシウム封鎖剤からなる群から選ばれる少なくともひとつをさらに含有する、請求項1に記載の添加液。
【請求項5】
粘性土若しくは掘削土、および請求項1~4のいずれかひとつに記載の添加液を含有する、
場所打ち杭工法若しくは地中連続壁工法において掘削壁面の崩壊を防ぐために使用される安定液。
【請求項6】
分散剤およびカルシウム封鎖剤からなる群から選ばれる少なくともひとつをさらに含有する、請求項5に記載の安定液。
【請求項7】
粘性土若しくは掘削土に、請求項1~4のいずれかひとつに記載の添加液を添加することを含む、場所打ち杭工法若しくは地中連続壁工法において掘削壁面の崩壊を防ぐために使用される安定液の製造方法。
【請求項8】
粘性土若しくは掘削土に、請求項1~4のいずれかひとつに記載の添加液と、分散剤およびカルシウム封鎖剤からなる群から選ばれる少なくともひとつとを添加することを含む、場所打ち杭工法若しくは地中連続壁工法において掘削壁面の崩壊を防ぐために使用される安定液の製造方法。
発明の詳細な説明
【技術分野】
【0001】
本発明は、安定液およびそれを得るための添加液に関する。より詳細に、本発明は、場所打ち杭工法若しくは地中連続壁工法において掘削壁面の崩壊を防ぐために繰り返し使用しても、粘度の低下およびろ過水量の増加が持続的に抑制された、安定液、ならびにそれを得るための添加液に関する。
続きを表示(約 2,000 文字)
【背景技術】
【0002】
場所打ち杭工法や、地中連続壁工法などでは、掘削壁面の崩壊を防ぐために安定液が使用される。安定液としては、ベントナイトとカルボキシメチルセルロースとを主成分として含有するもの(以下、ベントナイトCMC安定液ということがある。)が、広く、使用されている。掘削する地盤の土質構成や硬軟、地下水位や水質、掘削深さ等の施工条件に応じて、主成分であるベントナイトとカルボキシメチルセルロースとの配合比、副成分である分散剤(ポリカルボン酸塩)やカルシウム封鎖材(炭酸ナトリウムや重炭酸ナトリウム)などの添加量を設定する。ベントナイトCMC安定液は、基礎工事におけるセメント混入、バクテリアの増殖などによってカルボキシメチルセルロースが劣化して、変質(例えば、粘性低下、粘性上昇、ろ過水量増加、高比重化、pH低下、ゲル化、腐敗変質など)することがある。そこで、変質し難い安定液を得るために、カルボキシメチルセルロース以外の成分を使用した添加剤が種々提案されている。
【0003】
例えば、特許文献1は、ポリアクリル酸塩、ポリメタクリル酸塩若しくはそれらの共重合体であってその重量平均分子量Mwを10000乃至14000とした掘削泥水用分散剤又は炭酸ナトリウムの少なくともいずれかと、不飽和カルボン酸及び/又はその塩(a)を主構成単位とする(共)重合体(x’)とからなり、該(共)重合体(x’)の重量平均分子量Mwを20万~300万としたことを特徴とする作泥材料不要の掘削泥水用泥膜形成剤を開示している。
【0004】
特許文献2は、不飽和カルボン酸及び/又はその塩(a)と、不飽和カルボン酸(b1)及び下記一般式 : R(OA)nOH (ただし、R; 水素又は炭素数1~12の炭化水素基、A; 炭素数2~4のアルキレン基、n; 1~100の整数)で表されるヒドロキシル基含有化合物(b2)のモノエステル(b)とを構成単位とする共重合体(x)を必須成分とすることを特徴とする作泥材料不要の掘削泥水用泥膜形成剤を開示している。
【0005】
特許文献3は、(A)2-メチル-2-プロペニル-1-スルホン酸の含有量が120重量ppm以下である2-アクリルアミド-2-メチルプロパンスルホン酸及び/又はその塩が15~80重量%、(B)アクリルアミド、N-アルキルアクリルアミド、N,N-ジアルキルアクリルアミド及びN-ビニルアミドから選ばれるアミド系単量体及び/又は(C)(メタ)アクリル酸及び/又はその塩が20~85重量%、必要に応じその他の単量体20重量%以下をラジカル共重合して得られる水溶性共重合体であって、ポリアクリル酸を基準物質としたGPCのトップピーク分子量が200万~1500万である掘削泥水用添加剤を開示している。
【0006】
特許文献4は、2-アクリルアミド-2-メチルプロパンスルホン酸及び/又はその塩と、アクリル酸及び/又はその塩とを必須単量体成分とする単量体混合物を重合して得られる分子量が異な2種類の水溶性共重合体からなることを特徴とする掘削泥水用添加剤を開示している。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0007】
特開2005-036238号公報(特許第4257532号公報)
特開2002-194340号公報(特許第3931953号公報)
特開2010-270169号公報
WO 2005/007773 A1
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0008】
安定液に求められる性能は、掘削工法によって若干の相違はあるものの、主に、掘削孔壁の崩壊防止性能、掘削土砂の地上への搬出と分離性能、コンクリート打設時の良好な置換性能などである。特に崩壊防止性能(造壁性)は重要である。安定液は、繰り返し使用されるが、掘削土砂の混入やコンクリート打設時のセメント成分の影響などによって徐々に変質する。変質(例えば、粘性低下、粘性上昇、ろ過水量増加、高比重化、pH低下、ゲル化、腐敗変質など)した安定液は、上記の性能が低下しているので、配合調整などで再生不能な場合は、廃棄していた。
【0009】
本発明の目的は、場所打ち杭工法若しくは地中連続壁工法において掘削壁面の崩壊を防ぐために繰り返し使用しても、粘度の低下およびろ過水量の増加が持続的に抑制された、長寿命の安定液、ならびにこれを得るための添加液を提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0010】
上記目的を達成するために検討した結果、以下の形態を包含する本発明を完成するに至った。
(【0011】以降は省略されています)
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