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公開番号2024158264
公報種別公開特許公報(A)
公開日2024-11-08
出願番号2023073322
出願日2023-04-27
発明の名称混合イオン交換樹脂におけるアニオン交換樹脂とカチオン交換樹脂との分離方法
出願人栗田工業株式会社
代理人個人,個人
主分類B03B 5/30 20060101AFI20241031BHJP(液体による,または,風力テーブルまたはジグによる固体物質の分離;固体物質または流体から固体物質の磁気または静電気による分離,高圧電界による分離)
要約【課題】 プレックス法を利用して高い精度でアニオン交換樹脂とカチオン交換樹脂との分離する際に、破砕した樹脂を排除して分離することの可能な混合イオン交換樹脂におけるアニオン交換樹脂とカチオン交換樹脂との分離方法を提供する。
【解決手段】 セプレックス塔に分離したアニオン交換樹脂を投入し、アニオン交換樹脂とカチオン交換樹脂の中間の比重のNaOH水溶液を薬注する。次に注排水口からエアをセプレックス塔内に注入し、アニオン交換樹脂を所定時間バブリングする。このとき、バブリングの流速をLV=0.5m/分以上とする。その後、セプレックス塔内を水で置換してアニオン交換樹脂層の下層から95容積%以下を抜き出して再生と洗浄を行い、再利用する。一方、残った上層5容積%以上は廃棄もしくは再度分離工程で分離する。
【選択図】 図1
特許請求の範囲【請求項1】
アニオン交換樹脂とカチオン交換樹脂の混合イオン交換樹脂におけるアニオン交換樹脂とカチオン交換樹脂とを分離する方法であって、
混合イオン交換樹脂を分離塔に投入し、前記分離塔内にエア及び分離用水を上向流で通水して前記混合イオン交換樹脂を比重差を利用してアニオン交換樹脂とカチオン交換樹脂に分離する分離工程と、
前記分離塔内のアニオン交換樹脂とカチオン交換樹脂の分離界面より上側のアニオン交換樹脂を前記アニオン交換樹脂抜出部から抜き出して高度分離塔に移送するアニオン交換樹脂移送工程と、
前記高度分離塔に移送したアニオン交換樹脂内に混入したカチオン交換樹脂を前記アニオン交換樹脂と前記カチオン交換樹脂との中間比重の溶液で分離するアニオン交換樹脂の高度分離工程と、
前記高度分離塔の底部からカチオン交換樹脂を抜き出すカチオン交換樹脂抜出工程と、その後のアニオン交換樹脂抜出工程とを有し、
前記高度分離工程において、前記高度分離塔内に移送したアニオン交換樹脂をアニオン交換樹脂とカチオン交換樹脂の中間比重の溶液に浸漬し、LV=0.5m/分以上で該高度分離塔の底部からバブリングした後、バブリングを停止して静置することにより、混入したカチオン交換樹脂を沈降させて前記高度分離塔内の底部から抜き出した後に、アニオン交換樹脂を抜き出す際にアニオン交換樹脂層を下層から95容積%以下を抜き出し、上層5容積%以上は廃棄もしくは再度分離工程で分離する、混合イオン交換樹脂におけるアニオン交換樹脂とカチオン交換樹脂との分離方法。
続きを表示(約 200 文字)【請求項2】
前記アニオン交換とカチオン交換樹脂との中間比重の溶液が、NaOH溶液である、請求項1に記載の混合イオン交換樹脂におけるアニオン交換樹脂とカチオン交換樹脂との分離方法。
【請求項3】
前記アニオン交換樹脂及びカチオン交換樹脂の両方が、ポーラス型イオン交換樹脂である、請求項1又は2に記載の混合イオン交換樹脂におけるアニオン交換樹脂とカチオン交換樹脂との分離方法。

発明の詳細な説明【技術分野】
【0001】
本発明は、純水製造装置などに用いられる非再生式イオン交換装置や混床式イオン交換装置などで使用したアニオン交換樹脂とカチオン交換樹脂を分離して再生する方法に関する。
続きを表示(約 2,500 文字)【背景技術】
【0002】
純水製造装置では原水中の不純物を除去して水の清浄度を高めているが、イオン性の不純物、すなわちアニオン性の不純物とカチオン性の不純物を除去するためにアニオン交換樹脂とカチオン交換樹脂とを混合した混合イオン交換樹脂を充填した混床式イオン交換装置が汎用的に用いられている。この混床式イオン交換装置では、イオン交換樹脂はイオン交換容量に相当する量のイオンを交換すると、それ以上のイオン性不純物は除去できずに破過する。そこで、ある程度の処理水を処理したら、この混床式イオン交換装置からイオン交換樹脂をそれぞれ回収して、カチオン交換樹脂再生塔、アニオン交換樹脂再生塔でそれぞれ塩酸や苛性ソーダなどにより再生して再利用している。この際、アニオン交換樹脂とカチオン交換樹脂とは、上向流で通水してアニオン交換樹脂とカチオン交換樹脂の比重差による沈降速度の違いを利用して分離するのが一般的である。
【0003】
この混合イオン交換樹脂の分離塔の一例を図4に示す。図4において、混合イオン交換樹脂の分離塔21は、円筒形の分離塔本体21Aの底部に注排水口22が設けられているとともに、複数の吐出ノズル23Aを備えた吐水部としての給水管23が設けられていて、頂部には排水口24が形成されている。この分離塔本体21Aの吐出ノズル23Aの下側には集水板25が配置されている。そして、分離塔21内の上下方向の中間付近にはアニオン交換樹脂抜出部としてのアニオン交換樹脂抜出配管26が設けられているとともに、このアニオン交換樹脂抜出配管26の下側で給水管23よりわずかに上側にカチオン交換樹脂抜出配管27が設けられている。また、分離塔21の側面にはのぞき窓28が形成されている。なお、29は分離塔21の側面上側に設けられた使用済の混合イオン交換樹脂の投入口である。
【0004】
このような混合イオン交換樹脂の分離塔21において、分離塔21内に使用済の混合イオン交換樹脂を投入し、続いて4重量%程度のNaOH溶液を通液し、所定時間放置したら、注排水口22から純水を注入して排水口24から分離塔内のNaOH溶液を押し出し、洗浄を行う。そして、分離塔21内に所定量の分離用水(純水)が充填された状態とする。この際、分離用水の水面が混合イオン交換樹脂の上面より上位、例えば500mm以下程度上位となるようにする。
【0005】
次に注排水口22からエアを分離塔21内に注入し、混合イオン交換樹脂をバブリングし、コロイド状に絡みついた樹脂粒子をほぐした後バブリングングを停止し、混合イオン交換樹脂を集水板25上に沈降させる。この際、比重の大きいカチオン交換樹脂が先に沈降し、比重の小さいアニオン交換樹脂が遅れて沈降する。続いて、逆洗に備えて、分離塔21内が満水となるように注排水口22から純水(分離用水)を導入する。
【0006】
この満水の状態で吐出ノズル23Aから純水を吐出して上向流にて通水して、分離界面がアニオン交換樹脂抜出配管26の吸込口の下端となるようにのぞき窓28から目視により確認しながら調整する。そして、アニオン交換樹脂抜出配管26から吸引してアニオン交換樹脂をアニオン交換樹脂・水混相流として流出させて取り出す。このアニオン交換樹脂・水混相流は、水切りをした後、アニオン交換樹脂再生塔に移送してアニオン交換樹脂の再生処理を行う。
【0007】
このようにしてアニオン交換樹脂を抜き出した後は、吐出ノズル23Aから純水の吐出を継続しながらカチオン交換樹脂抜出配管27から吸引し、カチオン交換樹脂・水混相流として流出させて取り出す。このカチオン交換樹脂・水混相流は、水切りをした後カオン交換樹脂再生塔に移送してカチオン交換樹脂の再生処理を行う。このときカチオン交換樹脂は全部取り出さず、ある程度残存させることでアニオン交換樹脂の混入を防止する。
【0008】
しかしながら、上述したようなアニオン交換樹脂とカチオン交換樹脂の逆洗分離方法では、両者の分離が不十分である、という問題点があった。特にカチオン交換樹脂は界面部を分離塔21内に残存させることで良好に分離することができるが、最初に抜き出すアニオン交換樹脂にカチオン交換樹脂が混入しやすい、という問題点があった。
【0009】
そこで、セプレックス法という高濃度のNaOH溶液を用いてアニオン交換樹脂とカチオン交換樹脂を分離する方法が適用されている。このセプレックス法は、図5に示すようなプロセスで処理を行う。
【0010】
すなわち、前述した図4に示す分離塔21を用い、図5における逆洗分離工程でアニオン交換樹脂を抜き出したら、分離に用いた超純水とともにアニオン交換樹脂を微量に混入したカチオン交換樹脂の分離専用の高度分離塔(セプレックス塔)に移送する。このセプレックス塔に湿潤状態のアニオン交換樹脂の比重と湿潤状態のカチオン交換樹脂の比重の中間の比重のNaOH溶液を注液する。例えば、図6に示すようにポーラス型アニオン交換樹脂の湿潤時の比重が1.05g/mL、ポーラス型カチオン交換樹脂の湿潤時の比重が1.28g/mLの場合には、両者の中間の比重の16%NaOH溶液(比重1.18g/mL)を注入する。これにより、アニオン交換樹脂は浮遊しカチオン交換樹脂は沈殿するので、カチオン交換樹脂をセプレックス塔の下部より抜き出して除去する。そして、塔内に純水を供給して、NaOH溶液を押出洗浄した後、残ったアニオン交換樹脂を抜き出す(高度分離工程)。この抜き出したアニオン交換樹脂は、アニオン交換樹脂再生塔に移送して定法によりアニオン交換樹脂の再生洗浄を行う。一方、分離塔における分離工程で分離したカチオン交換樹脂はカチオン交換樹脂再生塔に移送して定法によりカチオン交換樹脂の再生洗浄を行う。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
(【0011】以降は省略されています)

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