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公開番号2025079816
公報種別公開特許公報(A)
公開日2025-05-22
出願番号2024195602
出願日2024-11-08
発明の名称サージ・アレスタの状態を評価するためのコンピュータ実装方法
出願人トリデルタ メイデンシャ ゲーエムベーハー,TRIDELTA MEIDENSHA GMBH
代理人弁理士法人浅村特許事務所
主分類G01R 31/00 20060101AFI20250515BHJP(測定;試験)
要約【課題】収集されたデータが、サージ・アレスタのさらなる挙動をより良く予測するために、動作コンディションを自動的に査定するために使用され得る、方法を提案することである。
【解決手段】本発明は、サージ・アレスタの現状を監視し、挙動を評価するためのコンピュータ実装方法であって、1つ又は複数のサージ・アレスタの測定値を提供するステップS10と、提供された測定値を標準化するステップS12と、標準化された測定値から各サージ・アレスタを特徴づけるためのパラメータを抽出するステップS14と、機械学習アルゴリズムを使用して各サージ・アレスタの状態を決定するステップS16と、サージ・アレスタの決定された状態に基づいて、各サージ・アレスタについての動作推奨を出力するステップS18と、を備える、コンピュータ実装方法に関する。
【選択図】図1
特許請求の範囲【請求項1】
サージ・アレスタの挙動を評価するためのコンピュータ実装方法であって、
1つ又は複数のサージ・アレスタの測定値を提供するステップ(S10)と、
前記提供された測定値を標準化するステップ(S12)と、
前記標準化された測定値から少なくとも1つのサージ・アレスタを特徴づけるためのパラメータを抽出するステップ(S14)と、
機械学習アルゴリズムを使用して前記少なくとも1つのサージ・アレスタの状態を決定するステップ(S16)と、
前記少なくとも1つのサージ・アレスタの動作についてアクションのための推奨を出力するステップ(S18)と
を備える、コンピュータ実装方法。
続きを表示(約 890 文字)【請求項2】
前記提供された測定値の前記標準化(S12)が、前記提供された測定値の平滑化の後に行われる、請求項1に記載のコンピュータ実装方法。
【請求項3】
前記提供された測定値の前記標準化(S12)が、前記提供された測定値からのオフ状態の除去の後に行われる、請求項1又は2に記載のコンピュータ実装方法。
【請求項4】
前記測定値が、前記サージ・アレスタにおける漏れ電流を測定することによって検出され、ピーク電流及び抵抗性漏れ電流が、前記漏れ電流から決定される、請求項1から3までのいずれか一項に記載のコンピュータ実装方法。
【請求項5】
前記測定値が、前記サージ・アレスタの動作中に決定される、請求項1から4までのいずれか一項に記載のコンピュータ実装方法。
【請求項6】
前記特性量の前記抽出(S14)が、前記標準化された測定値の、周波数スペクトルへの変換を備え、前記特性量が、前記周波数スペクトルからの離散スペクトル成分、及び/又は前記ピーク電流の前記周波数スペクトルにおける傾向を備える、請求項1から5までのいずれか一項に記載のコンピュータ実装方法。
【請求項7】
前記特性量が、前記周波数スペクトルにおける、特に、前記周波数スペクトルの定義されたセクションにおける信号対ノイズ比をさらに備える、請求項6に記載のコンピュータ実装方法。
【請求項8】
前記特性量が、時間領域における前記ピーク電流と抵抗性電流との間の相関値をさらに備える、請求項1から7までのいずれか一項に記載のコンピュータ実装方法。
【請求項9】
コンピュータ上で実行されたとき、請求項1から8までのいずれか一項に記載の方法を実行するためのプログラム・コードを備える、コンピュータ・プログラム。
【請求項10】
サージ・アレスタの動作についての推奨を発行するためのシステムであって、請求項1から8までのいずれか一項に記載の方法を実行するように構成された、システム。

発明の詳細な説明【技術分野】
【0001】
本発明は、サージ・アレスタの状態を、それらのクリーページ電流(creepage current)及び漏れ電流に基づいて評価するための方法に関する。
続きを表示(約 2,700 文字)【背景技術】
【0002】
サージ保護デバイスとも呼ばれるサージ・アレスタが、電気エネルギー伝送及び分配システムにおいて、雷又はネットワークにおけるスイッチング動作によるサージによって引き起こされる損傷から、これらのシステムに接続されたデバイスを保護するために使用される。
【0003】
典型的には、サージ・アレスタは、それの機能を実施するためにバリスタを使用する。バリスタは、非線形の電気抵抗特性をもつ酸化亜鉛構成要素であり得る。これは、しきい値が超えられたとき、それらの抵抗が急激に減少することを意味する。この性質は、サージ・アレスタが、サージを接地に急速に及び効果的に流すことを可能にする。サージ・アレスタは、通常、この目的で導体と接地との間に接続される。過電圧の場合、サージ・アレスタは、接地に過剰エネルギーを安全にそらし、それにより、正常動作電圧において接地から回線を分離しながら、接続された電力技術の絶縁値を超えない値に線間電圧を制限する。
【0004】
サージ・アレスタは、正常動作中にそれらの最大連続動作電圧(Uc)を下回って動作するように設計され、これにより、高い抵抗を呈し、小さい漏れ電流のみがサージ・アレスタのアクティブ・パーツを通って流れることを可能にする。サージ・アレスタは、通常、漏れ電流が過剰な電力損失を引き起こさないか又は正常動作中の一定の限界を超えないように、寸法決定される。
【0005】
しかしながら、サージ・アレスタに対する短いか又は連続する過剰負荷、場制御要素(field control element)の設計不良、或いは長期安定性を有しない酸化亜鉛バリスタの使用は、バリスタの性能低下につながることがあり、それによって、サージ・アレスタのU-I(電圧-電流)特性曲線は、突然に又は連続的にも低下し、より高い漏れ電流が、これにより、新しい動作点に流れる。電力損失は、熱エネルギーの形態でサージ・アレスタ筐体から放射される。連続的に流れる漏れ電流によって、及び追加の過渡的な過電圧によってアレスタに導入された電気エネルギーが、アレスタから外部に放射され得る熱エネルギーを超えた場合、アレスタは、熱的に不安定になり、電気的に故障する。これは、まれにしか起こらない障害である。
【0006】
たいていのサージ・アレスタの故障は、水分侵入に起因する。これは、通常、ガス容量をもつサージ・アレスタにおける欠陥のあるシーリング・システムを通して、或いは直接鋳造されたポリマー・アレスタ又はガス容量をもたない他のアレスタの場合のように、異なる材料の間のインターフェースを直接通して、のいずれかで起こる。そのような故障の考えられる原因は、たとえば、製造プロセスにおける誤差、材料疲労又は設計上の弱点を含む。密閉されたガス容量をもつサージ・アレスタの場合、それは、通常、水分がサージ・アレスタの内側と外側との間の交互圧力差(alternating pressure difference)による漏洩を通して入る、長いプロセスである。筐体内部の温度が、露点を下回ったとき、水分は、アクティブ・パーツに沿って、又は、内サージ・アレスタ・ハウジングに沿って凝縮する。これは、フラッシュオーバー及びハウジング内部のクリーページ電流の形成につながることがあり、これは、最終的に、ハウジング内部の完全な短絡を、及びこれにより、アレスタの突然の故障を生じることがある。
【0007】
別の一般的な故障モードは、増加した表面導電率、トラッキング及び浸食の形態の表面汚染によって引き起こされたアレスタ・ハウジングの絶縁性の劣化である。これは、いわゆる汚染地域において使用されるサージ・アレスタに伴う一般的な問題である。これらのサージ・アレスタは、ある時間の後に導電性沈殿物の堆積を示す。これは、ハウジングの表面に沿ったクリーページ電流及び最初は部分的なフラッシュオーバーを引き起こし、これは、サージ・アレスタのハウジングに損傷を与えるか、又はシリコーン絶縁されたサージ・アレスタの疎水性を害することがある。加えて、部分的に導電性のハウジング・セクションのみが、バリスタ・カラムと汚染の外層との間の高い半径方向の場を引き起こし、部分的な放電、及びこれにより、ハウジング内部の損傷を引き起こすことがある。この汚染が、早期に検出された場合、それは、表面を清浄化することによって矯正され得る。場合によっては、汚染は、外部フラッシュオーバー及びサージ・アレスタに対する永続的な損傷につながることがある。
【0008】
サージ・アレスタにおける故障の多くの異なる原因に鑑みて、電力システムのオペレータは、老朽化した機器に対処するという課題に直面する。その結果、「アセット・ライフ・サイクル管理(asset life cycle management)」というトピックが、エネルギー・セクタにおいて注目の的になっている。この課題を満足させるために、電力エンジニアリング機器の製造業者は、自分の製品のために特別に開発された監視システムを提供する。たとえば、特許文献1が、サージ・アレスタのためのそのような監視システムを開示している。相似の概念が、https://p3.aprimocdn.net/siemensenergy/fb8f300d-debc-415c-87e6-b03b01315915/Sensarrester-flyer-with-Frost-Sullivan-Award-pdf_Original%20file.pdfに説明されている。
【0009】
これらの監視システムは、トランスフォーマ、スイッチ、断路器、コンバータ、回線、アイソレータ及びサージ・アレスタなど、様々なデバイスを監視し、結果として大量のデータを生じる。しかしながら、このデータは、通常、非常に抽象的であるので、それを評価するために、用途の各分野の専門家を有することが必要である。
【0010】
大量のデータ及び経験、特に、サージ・アレスタからの測定データは、情報内容が直ちに明らかではないので、慎重な評価を必要とする。その結果、電力システムの多くのオペレータは、そのようなデバイスのコンディション又は残りの寿命を査定することができない。
(【0011】以降は省略されています)

この特許をJ-PlatPat(特許庁公式サイト)で参照する

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