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公開番号2024147283
公報種別公開特許公報(A)
公開日2024-10-16
出願番号2023060203
出願日2023-04-03
発明の名称粒子線治療支援システム、粒子線治療システム及び評価方法
出願人株式会社日立製作所,国立大学法人北海道大学
代理人弁理士法人ウィルフォート国際特許事務所
主分類A61N 5/10 20060101AFI20241008BHJP(医学または獣医学;衛生学)
要約【課題】粒子線による生物学的影響を精度良く評価することが可能な粒子線治療支援システムを提供する。
【解決手段】線量時空間構造演算装置8は、治療計画と治療計画に従って患者11に粒子線を照射する粒子線照射装置4の特性を示す装置パラメータとに基づいて、治療計画に従って照射される粒子線による患者11内に付与される線量の時間的及び空間的な分布である時空間構造を算出する。生物効果演算装置9は、線量の時空間構造に基づいて、粒子線によって患者11に付与される線量による影響である生物学的影響を評価する。
【選択図】図1


特許請求の範囲【請求項1】
治療計画に従って照射対象に粒子線を照射する粒子線治療において、前記粒子線によって前記照射対象内に付与される線量による前記照射対象への影響である生物学的影響を評価する粒子線治療支援システムであって、
前記治療計画と前記治療計画に従って前記照射対象に粒子線を照射する粒子線治療装置の特性を示す装置パラメータとに基づいて、前記治療計画に従って照射される粒子線による前記照射対象内に付与される線量の時間的及び空間的な分布である時空間構造を算出する第1の演算装置と、
前記線量の時空間構造に基づいて、前記生物学的影響を評価する第2の演算装置と、を有する粒子線治療支援システム。
続きを表示(約 1,200 文字)【請求項2】
前記装置パラメータは、粒子線の照射速度、及び、粒子線のエネルギーの変更に掛かる変更時間を含む、請求項1に記載の粒子線治療支援システム。
【請求項3】
前記粒子線治療装置は、粒子線を走査して照射し、
前記装置パラメータは、前記粒子線を走査する走査速度を含む、請求項2に記載の粒子線治療支援システム。
【請求項4】
前記生物学的影響は、DNAの一重鎖切断の回復効果を含む、請求項1に記載の粒子線治療支援システム。
【請求項5】
前記第1の演算装置は、複数の前記治療計画のそれぞれについて、前記線量の時空間構造を算出し、
前記第2の演算装置は、複数の前記治療計画のそれぞれについて、前記生物学的影響を評価し、当該評価結果に基づいて、複数の前記治療計画のいずれかを前記粒子線治療に用いる実施治療計画として選択する、請求項1に記載の粒子線治療支援システム。
【請求項6】
前記第1の演算装置は、前記照射対象内の複数の位置の粒子線で照射する複数の照射順序のそれぞれについて、前記線量の時空間構造を算出し、
前記第2の演算装置は、複数の前記照射順序のそれぞれについて、前記生物学的影響を評価し、当該評価結果に基づいて、複数の前記照射順序のいずれかを前記粒子線治療に用いる照射順序として選択する、請求項1に記載の粒子線治療支援システム。
【請求項7】
前記第2の演算装置は、前記生物学的影響に関する値と所定値との差分を評価し、
前記差分に基づいて、前記治療計画を新たに作成する治療計画装置をさらに有する、請求項1に記載の粒子線治療支援システム。
【請求項8】
前記第2の演算装置による前記生物学的影響の評価結果に基づく前記照射対象内の生物学的線量分布と、前記生物学的線量分布と前記照射対象内の物理線量分布との差分を示す差分分布との少なくとも一方を表示する表示装置をさらに有する、請求項1に記載の粒子線治療支援システム。
【請求項9】
前記線量の時空間構造を表示する表示装置をさらに有する、請求項1に記載の粒子線治療支援システム。
【請求項10】
前記第1の演算装置は、複数の前記治療計画のそれぞれについて、前記線量の時空間構造を算出し、
前記第2の演算装置は、複数の前記治療計画のそれぞれについて、前記生物学的影響を評価し、
複数の前記治療計画のそれぞれについて、前記第2の演算装置による前記生物学的影響の評価結果に基づく前記照射対象内の生物学的線量分布と、前記生物学的線量分布と前記照射対象内の物理線量分布との差分を示す差分分布との少なくとも一方を表示し、複数の前記治療計画のいずれかを前記粒子線治療に用いる実施治療計画として選択する指示を受け付ける表示装置をさらに有する、請求項1に記載の粒子線治療支援システム。
(【請求項11】以降は省略されています)

発明の詳細な説明【技術分野】
【0001】
本開示は、粒子線治療支援システム、粒子線治療システム及び評価方法に関する。
続きを表示(約 2,000 文字)【背景技術】
【0002】
陽子線などの粒子線(荷電粒子線)を患者の患部に照射する粒子線治療が広く実施されている。粒子線治療では、照射した粒子線が患部に与える生物学的影響を評価した評価指標を用いて、照射する粒子線の線量が治療計画として決定される。評価指標としては、通常、照射する粒子線が基準放射線と同等の生物学的効果を与えるときの粒子線の線量と基準放射線の線量との比であるRBE(Relative Biological Effectiveness:生物学的効果比)が用いられる。従来、RBEは腫瘍に対して単一の値が用いられてきたが、近年の研究では、RBEは、腫瘍内で大きく変動することが指摘されている。
【0003】
特許文献1には、α値及びβ値に基づいた古典的な現象論的モデル(古典的LQ(Linear-quadratic)モデル)に基づいてRBEを複数の点で計算することでRBEの変動性を評価する治療計画方法が開示されている。この治療計画方法では、RBEの変動性に対する評価結果に基づいて、粒子線であるハドロンビームの強度及びエネルギーが調整される。なお、古典的LQモデルは、粒子線の1つの飛跡によりDNA(deoxyribonucleic acid:デオキシリボ核酸)の二重鎖切断が生じる効果と、粒子線の2つの飛跡によりDNAの二重鎖切断が生じる効果とが考慮されたモデルである。
【0004】
また、非特許文献1には、古典的LQモデルを発展させて、粒子線治療において複数のスポットを順番に照射するスキャニング法が用いられた場合のように、線量が時空間構造(時間的及び空間的な分布)を有する粒子線を照射する場合における、RBEの変動性を評価する方法が開示されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
特開2013-063273号公報
【非特許文献】
【0006】
Kasamatsu, K, Tanaka, S, Miyazaki, K, et al. Impact of a spatially dependent dose delivery time structure on the biological effectiveness of scanning proton therapy. Med Phys. 2022; 49: 702-713.
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
古典的LQモデルでは、DNAの一重鎖切断の回復効果である亜致死損傷回復(Sub-Lethal Damage Recovery:SLDR)が考慮されていない。亜致死損傷回復の程度は、線量の時空間構造に依存し、治療時間が増加するほど大きくなる。そのため、一日で照射する粒子線の線量を増加させた寡分割治療を実施した場合など、一日の放射線治療の治療時間が増加した場合、古典的LQモデルに基づく特許文献1に記載の技術では、RBEが実際の値から乖離してしまうという問題がある。
【0008】
また、非特許文献1に記載の技術では、RBEの変動性を評価するために線量の時空間構造が必要となる。線量の時空間構造は、粒子線治療を行う治療時間に応じて変化するため、線量の時空間構造を特定するためには、治療時間を予め把握する必要がある。しかしながら、非特許文献1では、治療時間を把握することについては記載がなく、治療時間として仮定の値が用いられている。このため、治療時間が実際の値からずれてしまい、その結果、RBEの変動性が実際の値からずれてしまうという問題がある。
【0009】
本発明の目的は、粒子線による生物学的影響を精度良く評価することが可能な粒子線治療支援システム、粒子線治療システム及び評価方法を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0010】
本開示の一態様に従う粒子線治療支援システムは、治療計画に従って照射対象に粒子線を照射する粒子線治療において、前記粒子線によって前記照射対象内に付与される線量による前記照射対象への影響である生物学的影響を評価する粒子線治療支援システムであって、前記治療計画と前記治療計画に従って前記照射対象に粒子線を照射する粒子線治療装置の特性を示す装置パラメータとに基づいて、前記治療計画に従って照射される粒子線による前記照射対象内に付与される線量の時間的及び空間的な分布である時空間構造を算出する第1の演算装置と、前記線量の時空間構造に基づいて、前記生物学的影響を評価する第2の演算装置と、を有する。
【発明の効果】
(【0011】以降は省略されています)

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