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公開番号
2024146735
公報種別
公開特許公報(A)
公開日
2024-10-15
出願番号
2023215325
出願日
2023-12-20
発明の名称
シリコン‐炭素複合材料、その製造方法、電気化学装置及び電子機器
出願人
株式会社AESCジャパン
代理人
個人
主分類
C01B
32/00 20170101AFI20241004BHJP(無機化学)
要約
【課題】非金属ドーピングの最適化によりシリコン-炭素複合材料の性能を向上させ、炭素基板上の活性サイトの不足や蒸着プロセス中のシリコンの吸着能力の不足の問題を解決するために、シリコン‐炭素複合材料及びその製造方法、電気化学装置並びに電子機器を提供する。
【解決手段】シリコン‐炭素複合材料は、炭素基板と、炭素基板の表面及び/又は炭素基板の内部に付着したシリコン材料と、炭素基板にドープされた非金属元素とを含む。非金属元素と炭素元素とが形成する共有結合エネルギーは、180eV≦E1≦700eV又は130eV≦E2≦210eVである。
【選択図】なし
特許請求の範囲
【請求項1】
炭素基板と、炭素基板の表面及び/又は前記炭素基板の内部に付着したシリコン材料と、前記炭素基板上にドープされた非金属元素と、を含む、シリコン-炭素複合材料であって、
前記非金属元素と炭素元素とは、共有結合を形成し、
前記シリコン-炭素複合材料は、以下の関係を満たし、
E
1
=[910.4ln(t
1
)-1997.7]±10 (I)、及び、
E
2
=[503.1ln(t
2
)-1586]±10 (II)
E
1
の範囲は180eV~700eVであり、E
2
の範囲は130eV~210eVであり、
式中、E
1
及びE
2
は、前記シリコン-炭素複合材料中の前記非金属元素と前記炭素元素とにより形成される共有結合エネルギーであり、t
1
及びt
2
は前記非金属元素の相対原子量である。
続きを表示(約 1,700 文字)
【請求項2】
前記非金属元素が、B、N、F、Cl、S、Pの少なくとも1つから選択される、請求項1に記載のシリコン-炭素複合材料。
【請求項3】
以下の条件(a)~(e)の少なくとも1つを満足する、請求項1に記載のシリコン-炭素複合材料、
(a) 前記シリコン-炭素複合材料中の前記非金属元素の質量百分率は0.001重量%~5重量%であり、
(b) 前記シリコン-炭素複合材料中のシリコン元素の質量百分率は10重量%~65重量%であり、
(c) 前記シリコン-炭素複合材料中の前記炭素元素の質量百分率は35重量%~90重量%であり、
(d) 前記シリコン-炭素複合材料のID/IG比は0.4~2であり、
(e) 前記シリコン-炭素複合材料は、以下の関係を満たす、R=[m×P/2.21]/[1- m×n/2.25] ×100%、Rは20%~70%である、式中、Rは利用可能な気孔率であり、mは前記シリコン-炭素複合材料中のg/cm
3
単位での真密度であり、n及びPはそれぞれ前記シリコン-炭素複合材料中の前記炭素元素と前記シリコン元素の重量%単位による質量百分率である。
【請求項4】
前記シリコン-炭素複合材料は、内核と、前記内核を覆う炭素被覆層とを含み、前記内核は、前記炭素基板と、前記炭素基板の前記表面及び/又は前記炭素基板の前記内部に付着した前記シリコン材料と、前記炭素基板にドープされた前記非金属元素と、を含み、前記非金属元素と前記炭素元素とは前記共有結合を形成する、請求項1に記載のシリコン-炭素複合材料。
【請求項5】
炭素源、無機非金属源、及び造孔剤を均一に混合し、その後、高温熱処理により非金属ドープ炭素系材料を得る高温熱処理ステップと、
化学気相成長法を介してシリコン源と前記非金属ドープ炭素系材料とを反応させ、前記シリコン-炭素複合材料を得る化学気相成長ステップと、
を含むシリコン-炭素複合材料の製造方法であって、
前記シリコン-炭素複合材料は、炭素基板と、前記炭素基板の表面及び/又は前記炭素基板の内部に付着したシリコン材料と、前記炭素基板上にドープされた非金属元素と、を含み、前記非金属元素と炭素元素とは共有結合を形成し、
前記シリコン-炭素複合材料の製造方法は、以下の関係を満たし、
E
1
=[910.4ln(t
1
)-1997.7]±10 (I)、及び、
E
2
=[503.1ln(t
2
)-1586]±10 (II)、
E
1
の範囲は180eV~700eVであり、E
2
の範囲は130eV~210eVである、
式中、E
1
及びE
2
は、前記シリコン-炭素複合材料中の前記非金属元素と前記炭素元素とにより形成される共有結合エネルギーであり、t
1
及びt
2
は前記非金属元素の相対原子量である。
【請求項6】
前記シリコン-炭素複合材料を炭素コーティングするステップをさらに含む、請求項5に記載のシリコン-炭素複合材料の製造方法。
【請求項7】
前記化学気相成長の時間は、1時間~12時間である、請求項5に記載のシリコン-炭素複合材料の製造方法。
【請求項8】
前記炭素源と前記無機非金属源との質量比は、(80~99):(1~40)である、請求項5に記載のシリコン-炭素複合材料の製造方法。
【請求項9】
負極シートを含む電気化学装置であって、前記負極シートは、負極集電体と、前記負極集電体上に配置された負極活物質層とを含み、前記負極活物質層は、負極活物質を含み、前記負極活物質は、請求項1に記載のシリコン-炭素複合材料を含む、電気化学装置。
【請求項10】
請求項9に記載の電気化学装置を備える電子機器。
(【請求項11】以降は省略されています)
発明の詳細な説明
【技術分野】
【0001】
本発明は、二次電池の技術分野に関し、特に、シリコン‐炭素複合材料、その製造方法、電気化学装置及び電子機器に関する。
続きを表示(約 2,900 文字)
【背景技術】
【0002】
現在、リチウム電池の負極の商品化は、主に人造/天然黒鉛に基づいているが、理論的な比容量限界(372mAh/g)に近づいている。シリコンの理論的な比容量は4200mAh/gと高く、現在入手可能な黒鉛系負極材料の10倍以上であるため、リチウムの沈殿の隠れた危険性は発生しない可能性がある。シリコンは黒鉛負極材料に比べて安全であり、さらに、シリコン埋蔵量が豊富でコストも低いため、次世代リチウム電池の負極材料として最も期待されている。しかしながら、シリコン材料は充放電中にリチウム合金と反応するため、体積に重大な影響が生じる(膨張率は300%に達する可能性がある)。膨張効果により、負極表面でのSEI膜の破壊と形成が繰り返され、最終的にはサイクル性能とクーロン効率の低下につながるため、シリコン材料を適用する前に改質する必要がある。シリコン負極材料の改質には、主に、ナノ化、炭素コーティング、及びサイクル性能を向上させるシリコン-炭素複合材料を形成するためのその他の技術内容が含まれる。シリコンのナノ化は応力の解放に貢献する。粒子径が150nmより小さいと、体積効果が弱くなり、充放電過程でナノシリコンが膨張するが壊れにくいため、サイクル性能が向上する。ナノシリコンには、主に、ナノ粒子、ナノワイヤー、ナノシートが含まれているため、ナノシリコンは材料の構造安定性を向上させ、材料の体積膨張を緩衝し、材料の活性界面を増加させるために使用することができる。炭素コーティングは、シリコン粒子の導電性を改善し、レート性能を改善し、ナノシリコンの凝集を防ぐために使用することができる。完全な炭素コーティングは、シリコン材料と電解質の間の直接接触を減らし、SEI膜の過剰な成長を抑制し、界面を安定化し、クーロン効率を向上させることができる。
【0003】
シリコン-炭素複合材料の製造プロセスは複雑であり、標準化されたプロセスは存在しない。技術的な難しさは、主にシリコン材料のナノ化と炭素材料との配合調製プロセスにある。現在、一般的に用いられている製造方法としては、主に化学蒸着法、メカニカルボールミル法(mechanical ball milling method)、ゾルゲル法(sol-gel process)、高温熱分解法(high-temperature pyrolysis method)などが含まれ、工業生産に適しているのは前者2つである。メカニカルボールミル法は、サンドミルを使用して粒径ミクロンのシリコン粉末をナノシリコンスラリーに粉砕し、それを黒鉛と混合し、乾燥してシリコン-炭素複合材料を作製する。しかしながら、このプロセスにおけるナノシリコンの粉砕時間は長く、エネルギー消費量は高く、ナノシリコン粒子の凝集は深刻であり、プロセス経路は長い。化学気相成長法で作製されたシリコン-炭素複合材料は、成分が密接に結合しており、結合力が強いため、充放電時に活物質が脱落しにくい。サイクル安定性が良く、凝集が起こりにくい。しかしながら、従来技術で開示されている化学気相成長法によるシリコン‐炭素複合材料の製造方法では、静的蒸着法が用いられているため、粒子材料の凝集や塗布ムラが発生しやすく、材料の性能に影響を与える可能性がある。さらに、関連技術において化学気相成長法を使用してシリコン材料を作製する場合、ジクロロジメチルシラン(dichlorodimethylsilane)などの一部のシリコン源は、シリコン材料の形態を適切に調製及び調整するために金属触媒を導入する必要がある。しかしながら、金属触媒は通常の方法では完全に除去することが難しく、電池の性能や安全性に影響を与える可能性がある。
【0004】
また、現在入手可能なシリコン‐炭素複合材料は、シリコン材料の欠点である導電性やサイクル特性をある程度改善することができるものの、さまざまな分野で高まる電池性能への要求に応えることは依然として困難である。したがって、高性能リチウムイオン電池の負極材料の要求により好ましく応えるためには、材料組成やプロセスの観点から材料を改良する必要が依然としてある。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
従来技術に見られる上述の欠点に鑑み、本発明は、非金属ドーピングの最適化によりシリコン-炭素複合材料の性能を向上させ、炭素基板上の活性サイトの不足や蒸着プロセス中のシリコンの吸着能力の不足の問題を解決するために、シリコン‐炭素複合材料及びその製造方法、電気化学装置並びに電子機器を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
上記及び他の関連する目的を達成するために、本発明の第1の態様は、炭素基板と、炭素基板の表面及び/又は炭素基板の内部に付着したシリコン材料と、炭素基板上にドープされた非金属元素と、を含むシリコン‐炭素複合材料を提供する。非金属元素と炭素元素とは共有結合を形成する。
【0007】
シリコン-炭素複合材料は以下の関係を満たす。
E
1
=[910.4ln(t
1
)-1997.7]±10 (I)、及び、
E
2
=[503.1ln(t
2
)-1586]±10 (II)。
E
1
の範囲は180eV~700eVであり、E
2
の範囲は130eV~210eVであり、
式中、E
1
及びE
2
は、シリコン-炭素複合材料中の非金属元素と炭素元素とにより形成される共有結合エネルギーであり、t
1
及びt
2
は非金属元素の相対原子量である。
【0008】
さらに、非金属元素は、B、N、F、Cl、S、Pの少なくとも1つから選択される。
【0009】
さらに、非金属元素と炭素元素とにより形成される共有結合は、B‐C結合、N‐C結合、F‐C結合、Cl‐C結合、S‐C結合、及びP‐C結合の少なくとも1つから選択される。B-C結合の結合エネルギーの値域は188±10eVであり、N-C結合の結合エネルギーの値域は400±10eVであり、F-C結合の結合エネルギーの値域は685±10eVであり、Cl‐C結合の結合エネルギーの値域は200±10eVであり、S‐C結合の結合エネルギーの値域は168±10eVであり、P‐C結合の結合エネルギーの値域は134±10eVである。
【0010】
さらに、シリコン-炭素複合材料中の非金属元素の質量百分率は0.001重量%~5重量%であり、好ましくは0.001重量%~2重量%である。
(【0011】以降は省略されています)
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