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公開番号
2024146494
公報種別
公開特許公報(A)
公開日
2024-10-15
出願番号
2023059436
出願日
2023-03-31
発明の名称
細胞外小胞分離用粉体
出願人
住友化学株式会社
代理人
弁理士法人太陽国際特許事務所
主分類
C12M
1/00 20060101AFI20241004BHJP(生化学;ビール;酒精;ぶどう酒;酢;微生物学;酵素学;突然変異または遺伝子工学)
要約
【課題】細胞外小胞であるエクソソーム及び夾雑するタンパク質を含む液体から、夾雑するタンパク質を除去し、かつエクソソームを選択的かつ効率的に回収できる細胞外小胞分離用粉体の提供。
【解決手段】複数の無機粒子を含む細胞外小胞分離用粉体であって、上記無機粒子は、細孔を有し、窒素吸脱着測定法により測定される、上記細孔の平均細孔径が6nm以上30nm以下の範囲であり、かつ、上記無機粒子は、疎水性有機基を有する、細胞外小胞分離用粉体。
【選択図】なし
特許請求の範囲
【請求項1】
複数の無機粒子を含む細胞外小胞分離用粉体であって、
前記無機粒子は、細孔を有し、
窒素吸脱着測定法により測定される、前記細孔の平均細孔径が6nm以上30nm以下の範囲であり、かつ、
前記無機粒子は、疎水性有機基を有する、細胞外小胞分離用粉体。
続きを表示(約 300 文字)
【請求項2】
前記疎水性有機基が、炭化水素基から選択される少なくとも1種を含む、請求項1に記載の細胞外小胞分離用粉体。
【請求項3】
前記疎水性有機基が、炭素数が3以上18以下のアルキル基を含む、請求項1又は請求項2に記載の細胞外小胞分離用粉体。
【請求項4】
前記無機粒子は、外周表面の少なくとも一部に、界面活性作用を有する有機層を更に含む、請求項1又は請求項2に記載の細胞外小胞分離用粉体。
【請求項5】
前記有機層が、牛血清アルブミン及びカゼインから選択される少なくとも1種のタンパク質を含む、請求項4に記載の細胞外小胞分離用粉体。
発明の詳細な説明
【技術分野】
【0001】
本開示は、細胞外小胞分離用粉体に関する。
続きを表示(約 1,800 文字)
【背景技術】
【0002】
エクソソームと呼ばれる細胞外小胞は、タンパク質、脂質、核酸等の生理活性分子の細胞間輸送及び生物学的障壁を越えた輸送を行うなど、細胞間コミュニケーション及びシグナル伝達を効率的に行う機能を有することで知られている。
エクソソームは、劣化し難く、また、希釈せずに長距離シグナル伝達が可能であることから、ドラックデリバリーシステム(DDS)及び治療薬として有望視されている。エクソソームを上記のような医療用途に用いるためには、目的外のエクソソーム及び不純物の混入を低減できるような分離方法が必要となる。細胞外小胞の分離回収方法については、これまで種々の報告がなされている。
【0003】
エクソソームの分離方法としては、下記特許文献1に開示されるように、サイズ排除クロマトグラフィを用いた分離方法が報告されている。このようなサイズ排除クロマトグラフィを用いた分離方法では、各種サイズの生体由来試料が多孔質粒子内の細孔内への出入りを繰り返すことで、生体由来成分特にエクソソームと夾雑タンパク質の分画が可能である。
【0004】
一方、多孔質粒子へのタンパク質の吸着に注目すると、下記特許文献2には、多孔質シリカで水分又はタンパク質を吸着する技術が記載されている。また、下記特許文献3に開示されるように、疎水化修飾シリカゲルによるタンパク質吸着に関する技術が記載されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
国際公開第2019/202994号
米国特許第694092号明細書
国際公開第2005/075068号
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
しかしながら、一般に、サイズ排除クロマトグラフィを用いた分離方法では、夾雑するタンパク質は担体と強く結合しないことを前提としているため、夾雑するタンパク質は通液中に溶出されうる。そのため、特許文献1に記載の分離方法は、生体由来試料の連続的な分離には不適切である。
【0007】
また、特許文献2及び特許文献3に記載される技術は、タンパク質の吸着用途として、多孔質シリカ又は疎水化修飾シリカゲルを吸着材として最適化したものである。そのため、特許文献2及び特許文献3に記載の技術をそのまま用いても、吸着材への細胞外小胞の吸着を抑え、細胞外小胞を効率良く回収できるわけではない。
【0008】
本開示は、上記事情に鑑みてなされたものである。
本開示の一実施形態が解決しようとする課題は、細胞外小胞であるエクソソーム及び夾雑するタンパク質を含む液体から、夾雑するタンパク質を除去し、かつエクソソームを選択的かつ効率的に回収できる細胞外小胞分離用粉体を提供することにある
【課題を解決するための手段】
【0009】
上記課題を解決するための具体的手段には、以下の態様が含まれる。
[1] 複数の無機粒子を含む細胞外小胞分離用粉体であって、
上記無機粒子は、細孔を有し、
窒素吸脱着測定法により測定される、上記細孔の平均細孔径が6nm以上30nm以下の範囲であり、かつ、
上記無機粒子は、疎水性有機基を有する、細胞外小胞分離用粉体。
[2] 上記疎水性有機基が、炭化水素基から選択される少なくとも1種を含む、[1]に記載の細胞外小胞分離用粉体。
[3] 上記疎水性有機基が、炭素数が3以上18以下のアルキル基を含む、[1]又は[2]に記載の細胞外小胞分離用粉体。
[4] 上記無機粒子は、外周表面の少なくとも一部に、界面活性作用を有する有機層を更に含む、[1]~[3]のいずれか1つに記載の細胞外小胞分離用粉体
[5] 上記有機層が、牛血清アルブミン及びカゼインから選択される少なくとも1種のタンパク質を含む、[4]に記載の細胞外小胞分離用粉体。
【発明の効果】
【0010】
本開示の一実施形態によれば、細胞外小胞であるエクソソーム及び夾雑するタンパク質を含む液体から、夾雑するタンパク質を除去し、かつエクソソームを選択的かつ効率的に回収できる細胞外小胞分離用粉体が提供される。
【発明を実施するための形態】
(【0011】以降は省略されています)
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