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公開番号2024146476
公報種別公開特許公報(A)
公開日2024-10-15
出願番号2023059394
出願日2023-03-31
発明の名称海洋肥沃化装置
出願人横河電機株式会社
代理人個人,個人,個人,個人
主分類A01K 61/60 20170101AFI20241004BHJP(農業;林業;畜産;狩猟;捕獲;漁業)
要約【課題】本発明の目的は、汲み上げた深層水を特定の区画内に一定期間保持して植物プランクトン等の水棲生物を効率的に増殖させることができ、該区画内で魚病発生や酸素不足が起こらず、コストやメンテナンス性にも優れた海洋肥沃化装置を提供することにある。
【解決手段】本発明の海洋肥沃化装置は、深層水を汲み上げる深層水汲み上げパイプと、側壁に囲まれ、軸方向が略鉛直方向である筒状の深層水滞留区画と、前記深層水滞留区画内の海水温度と前記深層水滞留区画外の海水温度とを実質的に同じ温度とする機構と、を備え、前記深層水滞留区画は表層海域に配置され、前記深層水汲み上げパイプの一方の端が深層海域に配置され、他方の端が前記深層水滞留区画内に配置され、前記深層水滞留区画の海底側の面の少なくとも一部が開放されている、ことを特徴としている。
【選択図】図1
特許請求の範囲【請求項1】
深層水を汲み上げる深層水汲み上げパイプと、側壁に囲まれ、軸方向が略鉛直方向である筒状の深層水滞留区画と、前記深層水滞留区画内の海水温度と前記深層水滞留区画外の海水温度とを実質的に同じ温度とする機構と、を備え、
前記深層水滞留区画は表層海域に配置され、
前記深層水汲み上げパイプの一方の端が深層海域に配置され、他方の端が前記深層水滞留区画内に配置され、
前記深層水滞留区画の海底側の面の少なくとも一部が開放されている、
ことを特徴とする、海洋肥沃化装置。
続きを表示(約 630 文字)【請求項2】
前記側壁が透光性材料からなる、請求項1に記載の海洋肥沃化装置。
【請求項3】
前記深層水滞留区画の海面側の面が開放している、請求項1又は2に記載の海洋肥沃化装置。
【請求項4】
前記深層水滞留区画の海面側の面が透光性材料からなる板で覆われている、請求項1又は2に記載の海洋肥沃化装置。
【請求項5】
前記深層水滞留区画の海底側の面が開放しており、海面側の面が複数の貫通孔を有する板で覆われている、請求項1又は2に記載の海洋肥沃化装置。
【請求項6】
前記側壁の少なくとも一部に貫通孔を有する、請求項1又は2に記載の海洋肥沃化装置。
【請求項7】
前記深層水滞留区画の海底側の面が網目を有する構造物で覆われている、請求項1又は2に記載の海洋肥沃化装置。
【請求項8】
前記機構が、(i)前記深層水汲み上げパイプ内を深層水で満たし、前記深層水汲み上げパイプの少なくとも一方の端を封止し、前記深層水汲み上げパイプの前記深層水の温度が前記深層水汲み上げパイプの長さ方向の各位置でパイプ外の海水と実質的に同じ温度となるまで放置し、前記深層水汲み上げパイプの封止を解除する機構、又は(ii)前記深層水汲み上げパイプを通して深層水を汲み上げるポンプと前記深層水滞留区画内の海水を攪拌する攪拌機とを含む機構、である、請求項1又は2に記載の海洋肥沃化装置。

発明の詳細な説明【技術分野】
【0001】
本発明は、海洋肥沃化装置に関する。
続きを表示(約 2,500 文字)【背景技術】
【0002】
深層海域の海水を汲み上げて表層海域に放出することにより、海洋を肥沃化する海洋肥沃化技術の検討が進められている。深層水は、深層海域に存在し、ミネラル、及び富栄養塩を豊富に含む。富栄養塩を豊富に含む深層水が海の表層海域に放出されると、その富栄養塩を栄養源として植物プランクトンが増殖する。植物プランクトンが増殖すると、その植物プランクトンを直接に、又は間接的に餌とする他の水棲生物も増殖し、深層水が放出された表層海域には、最終的に、魚、甲殻類等の水棲生物が増殖した漁場が形成される。
【0003】
深層水を汲み上げる方法として、塩分濃度が低い深層水をパイプの深層側から導入し、パイプ外部の相対的に温度の高い海水と熱交換してパイプ内の海水温が上昇し、パイプ外部の海水と実質的に同じ温度となったとき、深層水は塩分濃度が低いことから比重が相対的に低くなり、浮力が生じてパイプ内の深層水が汲み上げられる方法が知られている(特許文献1)。
【0004】
また、深層水が供給された漁場として、深層水を汲み上げる装置と汲み上げた深層水を滞留させる槽とを備える漁場が知られている(特許文献2)。また、バリヤーに囲まれた内部で人工深層水を用いて植物プランクトン等を増殖させる方法が知られている(特許文献3)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
特開2001-336479号公報
特開2003-333955号公報
特開平8-107732号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
しかしながら、特許文献1の方法では、汲み上げられた深層水が海流の影響で拡散し、植物プランクトンも同時に流されてしまうために、栄養塩濃度を特定の領域内に一定期間確保することができず、植物プランクトン等の水棲生物が十分に増殖しなかった。
また、特許文献2の方法では、汲み上げた冷たい深層水が再沈降することを抑止するために滞留槽に底が設けられているが、滞留槽内で死滅したプランクトンや魚類の糞等が底にたまり、魚病の発生や滞留槽内で酸素が不足することがあった。
また、特許文献3の方法は、広い海域を仕切る大規模なバリヤーが必要となるためにコストがかかる、海流の影響が大きくメンテナンス性に劣る、海底まで仕切りを伸ばすために深い海域では適用できない、等の問題があった。
【0007】
従って、本発明の目的は、汲み上げた深層水を特定の区画内に一定期間保持して植物プランクトン等の水棲生物を効率的に増殖させることができ、該区画内で魚病発生や酸素不足が起こらず、コストやメンテナンス性にも優れた海洋肥沃化装置を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0008】
すなわち、本発明は以下の通りである。
[1]
深層水を汲み上げる深層水汲み上げパイプと、側壁に囲まれ、軸方向が略鉛直方向である筒状の深層水滞留区画と、前記深層水滞留区画内の海水温度と前記深層水滞留区画外の海水温度とを実質的に同じ温度とする機構と、を備え、
前記深層水滞留区画は表層海域に配置され、
前記深層水汲み上げパイプの一方の端が深層海域に配置され、他方の端が前記深層水滞留区画内に配置され、
前記深層水滞留区画の海底側の面の少なくとも一部が開放されている、
ことを特徴とする、海洋肥沃化装置。
[2]
前記側壁が透光性材料からなる、[1]に記載の海洋肥沃化装置。
[3]
前記深層水滞留区画の海面側の面が開放している、[1]又は[2]に記載の海洋肥沃化装置。
[4]
前記深層水滞留区画の海面側の面が透光性材料からなる板で覆われている、[1]又は[2]に記載の海洋肥沃化装置。
[5]
前記深層水滞留区画の海底側の面が開放しており、海面側の面が複数の貫通孔を有する板で覆われている、[1]又は[2]に記載の海洋肥沃化装置。
[6]
前記側壁の少なくとも一部に貫通孔を有する、[1]又は[2]に記載の海洋肥沃化装置。
[7]
前記深層水滞留区画の海底側の面が網目を有する構造物で覆われている、[1]又は[2]に記載の海洋肥沃化装置。
[8]
前記機構が、(i)前記深層水汲み上げパイプ内を深層水で満たし、前記深層水汲み上げパイプの少なくとも一方の端を封止し、前記深層水汲み上げパイプの前記深層水の温度が前記深層水汲み上げパイプの長さ方向の各位置でパイプ外の海水と実質的に同じ温度となるまで放置し、前記深層水汲み上げパイプの封止を解除する機構、又は(ii)前記深層水汲み上げパイプを通して深層水を汲み上げるポンプと前記深層水滞留区画内の海水を攪拌する攪拌機とを含む機構、である、[1]又は[2]に記載の海洋肥沃化装置。
【発明の効果】
【0009】
本発明の海洋肥沃化装置は、上記構成を有するため、汲み上げた深層水を特定の区画内に一定期間保持して植物プランクトン等を効率的に増殖させることができ、該区画内で魚病発生や酸素不足が起こらず、コストやメンテナンス性にも優れる。
【図面の簡単な説明】
【0010】
本実施形態の海洋肥沃化装置の一例を示す図である。
本実施形態の海洋肥沃化装置の他の一例を示す図である。
本実施形態の海洋肥沃化装置の他の一例を示す図である。
本実施形態の海洋肥沃化装置の他の一例を示す図である。
本実施形態の海洋肥沃化装置の他の一例を示す図である。
本実施形態の海洋肥沃化装置の海底側の面の一例を示す図である。
【発明を実施するための形態】
(【0011】以降は省略されています)

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