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公開番号2024162490
公報種別公開特許公報(A)
公開日2024-11-21
出願番号2023078038
出願日2023-05-10
発明の名称測定装置及び測定方法
出願人横河電機株式会社,横河計測株式会社
代理人個人,個人,個人
主分類G01R 31/52 20200101AFI20241114BHJP(測定;試験)
要約【課題】抵抗成分漏洩電流の測定の際に位相角を精度良く測定する。
【解決手段】本開示に係る測定装置10は、磁性コア11と、磁性コア11に巻かれている第1コイルL1及び第2コイルL2と、電流測定回路12と、電圧測定回路13と、位相角検出回路15と、第2コイルL2及び位相角検出回路15に正弦波を出力可能な信号発生器14と、制御部16と、を備える。位相角検出回路15は、信号発生器14が正弦波を出力しているときに電流測定回路12が測定した電流と、信号発生器14から入力される正弦波との間の校正用位相角を検出可能である。制御部16は、位相角と校正用位相角とに基づいて補正位相角を算出し、漏洩電流と補正位相角とに基づいて抵抗成分漏洩電流を算出する。
【選択図】図1
特許請求の範囲【請求項1】
抵抗成分漏洩電流を測定可能な測定装置であって、
配線の周囲を囲うように配置可能な磁性コアと、
前記磁性コアに巻かれている第1コイル及び第2コイルと、
前記第1コイルに接続され前記配線の漏洩電流を測定可能な電流測定回路と、
前記配線の電圧を測定可能な電圧測定回路と、
前記漏洩電流と前記電圧との間の位相角を検出可能な位相角検出回路と、
前記第2コイル及び前記位相角検出回路に正弦波を出力可能な信号発生器と、
制御部と、
を備え、
前記位相角検出回路は、前記信号発生器が前記正弦波を出力しているときに前記電流測定回路が測定した電流と、前記信号発生器から入力される前記正弦波との間の校正用位相角を検出可能であり、
前記制御部は、
前記位相角と前記校正用位相角とに基づいて補正位相角を算出し、
前記漏洩電流と前記補正位相角とに基づいて抵抗成分漏洩電流を算出する、測定装置。
続きを表示(約 1,600 文字)【請求項2】
請求項1に記載の測定装置において、
前記制御部は、下記の式(1)に基づいて前記補正位相角を算出する、測定装置。
θ=θ1-θ2 (1)
ただし、式(1)において、θは前記補正位相角を示し、θ1は前記位相角を示し、θ2は前記校正用位相角を示す。
【請求項3】
請求項2に記載の測定装置において、
前記制御部は、下記の式(2)に基づいて前記抵抗成分漏洩電流を算出する、測定装置。
Ior=Io×cosθ (2)
ただし、Iorは前記抵抗成分漏洩電流を示し、Ioは前記漏洩電流を示す。
【請求項4】
請求項1に記載の測定装置において、
ユーザからの操作を受け付け可能な入力部をさらに備え、
前記制御部は、校正動作を開始させる操作を前記入力部が前記ユーザから受け付けると、前記信号発生器に前記正弦波を出力させ、前記校正用位相角を検出する、測定装置。
【請求項5】
請求項1に記載の測定装置において、
表示部をさらに備え、
前記制御部は、算出した前記抵抗成分漏洩電流を前記表示部に表示させる、測定装置。
【請求項6】
請求項1に記載の測定装置において、
前記信号発生器は、前記抵抗成分漏洩電流の測定対象周波数とは異なる周波数の前記正弦波を出力し、
前記制御部は、前記校正用位相角の検出と前記抵抗成分漏洩電流の算出とを同時に実行する、測定装置。
【請求項7】
請求項6に記載の測定装置において、
前記信号発生器は、前記抵抗成分漏洩電流の測定対象周波数とは異なる1つの周波数の前記正弦波を出力し、
前記制御部は、前記抵抗成分漏洩電流の測定対象周波数とは異なる1つの周波数の前記正弦波を前記信号発生器が出力している状態で検出した校正用位相角に基づいて、前記抵抗成分漏洩電流の測定対象周波数における前記校正用位相角を算出する、測定装置。
【請求項8】
請求項6に記載の測定装置において、
前記信号発生器は、前記抵抗成分漏洩電流の測定対象周波数とは異なる2つの周波数の前記正弦波を出力し、
前記制御部は、前記抵抗成分漏洩電流の測定対象周波数とは異なる2つの周波数の前記正弦波を前記信号発生器が出力している状態で検出した校正用位相角に基づいて、前記抵抗成分漏洩電流の測定対象周波数における前記校正用位相角を算出する、測定装置。
【請求項9】
請求項8に記載の測定装置において、
前記2つの周波数の一方は前記測定対象周波数より大きい周波数であり、前記2つの周波数の他方は前記測定対象周波数より小さい周波数である、測定装置。
【請求項10】
抵抗成分漏洩電流を測定可能な測定装置であって、配線の周囲を囲うように配置可能な磁性コアと、前記磁性コアに巻かれている第1コイル及び第2コイルと、前記第1コイルに接続され前記配線の漏洩電流を測定可能な電流測定回路と、前記配線の電圧を測定可能な電圧測定回路と、前記漏洩電流と前記電圧との間の位相角を検出可能な位相角検出回路と、前記第2コイル及び前記位相角検出回路に正弦波を出力可能な信号発生器と、を備える測定装置における測定方法であって、
前記位相角検出回路によって、前記信号発生器が前記正弦波を出力しているときに前記電流測定回路が測定した電流と、前記信号発生器から入力される前記正弦波との間の校正用位相角を検出するステップと、
前記位相角と前記校正用位相角とに基づいて補正位相角を算出するステップと、
前記漏洩電流と前記補正位相角とに基づいて抵抗成分漏洩電流を算出するステップと、
を含む、測定方法。

発明の詳細な説明【技術分野】
【0001】
本開示は、測定装置及び測定方法に関する。
続きを表示(約 960 文字)【背景技術】
【0002】
従来、活線の漏洩電流を測定する技術が知られている。活線は、電流が流れている状態の配線である。漏洩電流は、「Io」とも称される。
【0003】
漏洩電流は、抵抗成分漏洩電流と容量成分漏洩電流とを有する。抵抗成分漏洩電流は、「Ior」とも称される。容量成分漏洩電流は、「Ioc」とも称される。
【0004】
漏洩電流(Io)は、抵抗成分漏洩電流(Ior)と容量成分漏洩電流(Ioc)とのベクトル和である。配線の漏洩電流と、配線の電圧との間の位相角をθとすると、抵抗成分漏洩電流(Ior)は、下記のような式で表される。
Ior=Io×cosθ
【0005】
抵抗成分漏洩電流が流れていると熱が発生するため、抵抗成分漏洩電流は火災などの原因となり得る。そのため、抵抗成分漏洩電流を精度良く測定することが重要視されている。
【0006】
例えば特許文献1は、抵抗成分漏洩電流を測定することが可能な検出装置を開示している。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0007】
特開2023-21267号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0008】
抵抗成分漏洩電流は上述の式のように漏洩電流と位相角とに基づいて算出されるため、抵抗成分漏洩電流を精度良く測定するためには、漏洩電流を精度良く測定するだけでなく、位相角も精度良く測定する必要がある。
【0009】
通常の漏洩電流の測定においては、漏洩電流を測定するための磁性コア及び電流測定回路などにおいて位相の進み又は遅れが発生する。そのため、製造時又はメンテナンス時などに、位相の進み又は遅れを調整したり補正したりする必要がある。
【0010】
しかしながら、位相の進み又は遅れは、装置の劣化及び環境温度の変化などにより大きく変動することがある。そのため、実際に抵抗成分漏洩電流を測定するときには、調整又は補正をしたときから位相の進み又は遅れが大きく変動している場合もあり、位相角を精度良く測定することは困難であった。
(【0011】以降は省略されています)

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