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公開番号2025009506
公報種別公開特許公報(A)
公開日2025-01-20
出願番号2023112557
出願日2023-07-07
発明の名称検出装置及び燃焼システム
出願人横河電機株式会社
代理人個人,個人,個人,個人
主分類F23N 5/24 20060101AFI20250110BHJP(燃焼装置;燃焼方法)
要約【課題】燃料の供給口が多数存在する燃焼装置において、逆火をより適切に検出可能とする。
【解決手段】複数の供給口から供給される燃料を燃焼させる燃焼室31における逆火を検出する検出装置10であって、前記複数の供給口の周囲に敷設された光ファイバ11への入射光を出力する光源12と、前記光ファイバ11からの戻り光を受信し、受信した前記戻り光を電気信号に変換する変換部13と、前記電気信号に変換された前記戻り光を解析して、前記光ファイバ11の所定位置における温度を算出する算出部14と、算出された前記温度に基づき前記燃焼室31における逆火を検出する検出部15と、を備える。
【選択図】図1
特許請求の範囲【請求項1】
複数の供給口から供給される燃料を燃焼させる燃焼室における逆火を検出する検出装置であって、
前記複数の供給口の周囲に敷設された光ファイバへの入射光を出力する光源と、
前記光ファイバからの戻り光を受信し、受信した前記戻り光を電気信号に変換する変換部と、
前記電気信号に変換された前記戻り光を解析して、前記光ファイバの所定位置における温度を算出する算出部と、
算出された前記温度に基づき前記燃焼室における逆火を検出する検出部と、
を備える検出装置。
続きを表示(約 1,200 文字)【請求項2】
前記算出部は、前記戻り光を解析して、前記光ファイバの予め定められた複数の位置における温度を、前記所定位置における温度として算出する、請求項1に記載の検出装置。
【請求項3】
前記算出部は、
一定の時間範囲において連続的に計測された前記戻り光を解析して、前記光ファイバにおいて一定以上の温度上昇が認められた位置を特定し、
前記特定された前記光ファイバの位置における温度を、前記所定位置における温度として算出する、
請求項1に記載の検出装置。
【請求項4】
前記算出部は、前記光源から入射光が出力されたタイミングと、前記入射光に基づく前記戻り光を受信したタイミングとの差分に基づき、前記光ファイバにおける位置を特定して、特定された前記位置における前記温度を算出する、請求項1に記載の検出装置。
【請求項5】
前記複数の供給口の周囲に敷設された光ファイバを更に備え、
前記光ファイバは、前記燃焼室において前記複数の供給口が設けられた前記燃料の供給面に設けられる、請求項1に記載の検出装置。
【請求項6】
前記複数の供給口の周囲に敷設された光ファイバを更に備え、
前記光ファイバは、前記燃焼室における燃焼温度よりも高い温度に耐性を有する接着剤により、前記複数の供給口の周囲に敷設される、請求項1に記載の検出装置。
【請求項7】
前記複数の供給口の周囲に敷設された光ファイバを更に備え、
前記光ファイバは、中空状の金属を溶接して形成されるガイドに通して、前記複数の供給口の周囲に敷設される、請求項1に記載の検出装置。
【請求項8】
前記検出部が前記燃焼室における逆火を検出したことに応じて、前記複数の供給口への前記燃料の供給を制御する制御装置へ逆火発生を示す信号を出力する信号出力部を更に備える、請求項1に記載の検出装置。
【請求項9】
前記検出部が前記燃焼室における逆火を検出したことに応じて、逆火の発生をユーザに通知する通知部を更に備える、請求項1に記載の検出装置。
【請求項10】
複数の供給口から供給される燃料を燃焼させる燃焼室と、
前記燃焼室における逆火を検出する検出装置と、
を備え、
前記検出装置は、
前記複数の供給口の周囲に敷設された光ファイバへの入射光を出力する光源と、
前記光ファイバからの戻り光を受信し、受信した前記戻り光を電気信号に変換する変換部と、
前記電気信号に変換された前記戻り光を解析して、前記光ファイバの所定位置における温度を算出する算出部と、
算出された前記温度に基づき前記燃焼室における逆火を検出する検出部と、
を備える燃焼システム。
(【請求項11】以降は省略されています)

発明の詳細な説明【技術分野】
【0001】
本開示は、検出装置及び燃焼システムに関する。
続きを表示(約 1,600 文字)【背景技術】
【0002】
希薄予混合燃焼方式の燃焼装置を備えるガスタービンにおいて、その燃焼装置内で生じた逆火を検出する検出装置が知られている。逆火とは、燃料及び空気等の流体の速度よりも火炎が進む速度が高く、流体中を火炎が遡上する現象である。天然ガスを燃料とするガスタービンでは原理的には逆火が発生し得るものの、運転条件を制限することで逆火の発生を抑制することが容易である。
【0003】
近年、水素社会の実現に向けて天然ガス及び水素ガスの混合ガス、並びに、水素ガス単体を燃料とする水素焚きガスタービンの需要が高まっている。水素ガスは天然ガスと比較して燃焼速度が速い。そのため、水素焚きガスタービンでは、天然ガスを燃料ガスとして消費するガスタービンと比べて逆火が発生しやすい。燃料ガス中の水素ガスの濃度を高めていくと逆火が発生しない条件が狭まり、実運用上、逆火を完全に抑制することが困難となる。
【0004】
逆火の発生を抑制することを目的として、燃焼装置内にクラスタバーナと呼ばれる多数のバーナを備えた燃焼装置が研究されている。しかしながら、燃料の水素ガス濃度が増加するにつれて、クラスタバーナを用いたとしても逆火の発生自体を完全に抑制することが困難になる。
【0005】
特許文献1には、複数の燃焼ゾーン内の温度を検出する複数の温度検出器、及び、制御装置を備えた燃焼器が記載されている。複数の温度検出器は、熱電対及び光高温計の少なくとも1つを含む。制御装置は、温度検出器からの信号に基づいて複数の燃焼ゾーン内における逆火状態の発生を判定し、逆火状態の発生時に予混合装置に供給される燃料の量を修正するようにプログラムされる。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0006】
特開2010-286232号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
クラスタバーナのように燃料の多数の供給口が燃焼装置に存在する場合、各供給口の温度を検出する必要がある。しかし、燃焼装置のスペースは限られているため、従来の構成においては、温度検出器の設置が困難であった。また、従来の構成においては、温度検出器の検出精度劣化により、温度検出器の交換等の大規模なメンテナンスを定期的に行う必要があった。このように、従来の構成は、燃料の多数の供給口が存在する燃焼装置において、逆火を適切に検出するという観点から改善の余地があった。
【0008】
そこで、本開示は、燃料の供給口が多数存在する燃焼装置において、逆火をより適切に検出可能とすることを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0009】
幾つかの実施形態に係る検出装置は、
(1)複数の供給口から供給される燃料を燃焼させる燃焼室における逆火を検出する検出装置であって、
前記複数の供給口の周囲に敷設された光ファイバへの入射光を出力する光源と、
前記光ファイバからの戻り光を受信し、受信した前記戻り光を電気信号に変換する変換部と、
前記電気信号に変換された前記戻り光を解析して、前記光ファイバの所定位置における温度を算出する算出部と、
算出された前記温度に基づき前記燃焼室における逆火を検出する検出部と、
を備える。
【0010】
このように、検出装置は、複数の供給口の周囲に敷設された光ファイバからの戻り光に基づき、光ファイバの所定位置における温度を算出して逆火を検出する。したがって、クラスタバーナのように、燃料の供給口が多数存在する燃焼室においても、多数のセンサを設けることなく、限られたスペースに光ファイバを配置して、各供給口における逆火を長期にわたり検出することができる。
(【0011】以降は省略されています)

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