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公開番号2024166777
公報種別公開特許公報(A)
公開日2024-11-29
出願番号2023083113
出願日2023-05-19
発明の名称核酸配列計測装置、核酸配列計測方法、核酸配列計測プログラム、及び核酸配列計測用デバイス
出願人横河電機株式会社
代理人個人,個人,個人,個人
主分類C12M 1/34 20060101AFI20241122BHJP(生化学;ビール;酒精;ぶどう酒;酢;微生物学;酵素学;突然変異または遺伝子工学)
要約【課題】スポット光量のばらつき又は経時変化があったとしても、従来よりも高い信頼性をもってターゲットを計測することができる核酸配列計測装置、核酸配列計測方法、核酸配列計測プログラム、及び核酸配列計測用デバイスを提供する。
【解決手段】核酸配列計測装置1は、サンプルに含まれる特定の核酸配列を有するターゲットとの反応によって第1蛍光を発する計測領域と、ターゲットとの反応にかかわらず第2蛍光を発する参照領域とが設けられた核酸配列計測用デバイスDVから発せられる蛍光を検出する検出部12と、検出部12で検出された蛍光のうち、計測領域から発せられた第1蛍光の光量を、参照領域から発せられた第2蛍光の光量を用いて補正又は規格化した光量に基づいてターゲットを計測する演算部25と、を備える。
【選択図】図3
特許請求の範囲【請求項1】
サンプルに含まれる特定の核酸配列を有するターゲットを計測する核酸配列計測装置において、
前記ターゲットとの反応によって第1蛍光を発する計測領域と、前記ターゲットとの反応にかかわらず第2蛍光を発する参照領域とが設けられた核酸配列計測用デバイスから発せられる蛍光を検出する検出部と、
前記検出部で検出された蛍光のうち、前記計測領域から発せられた前記第1蛍光の光量を、前記参照領域から発せられた前記第2蛍光の光量を用いて補正又は規格化した光量に基づいて前記ターゲットを計測する演算部と、
を備える核酸配列計測装置。
続きを表示(約 1,400 文字)【請求項2】
前記核酸配列計測用デバイスには、複数の前記計測領域と複数の前記参照領域とが設けられており、
前記演算部は、複数の前記計測領域から発せられた前記第1蛍光の光量の空間分布を、複数の前記参照領域から発せられた前記第2蛍光の光量を用いて補正又は規格化する、
請求項1記載の核酸配列計測装置。
【請求項3】
前記演算部は、複数の前記参照領域のうちの任意の2つ以上の前記参照領域から発せられた前記第2蛍光の光量から、前記任意の2つ以上の前記参照領域を通る直線に沿った前記第2蛍光の光量変化を示す係数を求め、
前記直線上に位置する前記計測領域から発せられた前記第1蛍光の光量の空間分布を、前記係数を用いて補正する、
請求項2記載の核酸配列計測装置。
【請求項4】
前記係数は、前記直線に沿った前記第2蛍光の光量の変化率を示す係数、又は前記直線に沿った前記第2蛍光の光量の多重回帰分析若しくは多変量解析に基づく係数である、請求項3記載の核酸配列計測装置。
【請求項5】
前記演算部は、複数の前記参照領域の位置を示す情報、複数の前記参照領域から発せられる前記第2蛍光の光量を示す情報、及び前記計測領域の位置を示す情報を説明変数とし、前記計測領域における補正係数を目的変数として学習された学習モデルに対し、前記説明変数を代入することによって得られる前記補正係数を用いて、前記計測領域から発せられた前記第1蛍光の光量を補正する、請求項1記載の核酸配列計測装置。
【請求項6】
前記演算部は、前記計測領域から発せられる前記第1蛍光の光量の経時変化と、前記参照領域から発せられる前記第2蛍光の光量の経時変化との関係を示す関係式を用いて、前記参照領域から発せられた前記第2蛍光の光量に基づき、前記計測領域から発せられた前記第1蛍光の光量を補正する、請求項1記載の核酸配列計測装置。
【請求項7】
前記演算部は、予め規定された光量閾値を用いて前記計測領域の抽出を行い、前記参照領域から発せられた前記第2蛍光の光量に応じて前記光量閾値を補正する、請求項1記載の核酸配列計測装置。
【請求項8】
前記演算部は、前記参照領域から発せられた前記第2蛍光の光量が、予め設定された上限閾値又は下限閾値を超えている場合には、異常である旨を報知する、請求項1記載の核酸配列計測装置。
【請求項9】
前記核酸配列計測用デバイスにおいて、前記計測領域及び前記参照領域は、予め規定された数を単位とした区画領域毎に区分けされており、
前記検出部は、前記区画領域の画像を取得する画像取得部を備える、
請求項1記載の核酸配列計測装置。
【請求項10】
サンプルに含まれる特定の核酸配列を有するターゲットを計測する核酸配列計測方法であって、
前記ターゲットとの反応によって第1蛍光を発する計測領域と、前記ターゲットとの反応にかかわらず第2蛍光を発する参照領域とが設けられた核酸配列計測用デバイスから発せられる蛍光のうち、前記計測領域から発せられた前記第1蛍光の光量を、前記参照領域から発せられた前記第2蛍光の光量を用いて補正又は規格化した光量に基づいて前記ターゲットを計測する演算ステップを含む核酸配列計測方法。
(【請求項11】以降は省略されています)

発明の詳細な説明【技術分野】
【0001】
本発明は、核酸配列計測装置、核酸配列計測方法、核酸配列計測プログラム、及び核酸配列計測用デバイスに関する。
続きを表示(約 1,900 文字)【背景技術】
【0002】
サンプルに含まれる特定の核酸配列を有するターゲットを計測する方法として、DNAチップ(上記特定の核酸配列の相補配列を有する検出プローブが基板等の固相面に設けられたもの)を用いる方法が広く知られている。この方法は、ターゲットを含むサンプルをDNAチップに添加し、ターゲットがハイブリダイゼーションによりDNAチップの検出プローブに捕集される性質を利用してターゲットを計測する方法である。この方法では、ターゲットがサンプルに含まれるか否かに加えて、サンプルに含まれるターゲットの量を計測することができる。
【0003】
以下の特許文献1には、上記の検出プローブとして、蛍光分子が付加された蛍光プローブと、蛍光分子の蛍光を消光する消光分子が付加された消光プローブとが設けられた核酸配列計測用デバイス(DNAチップ)を用いてターゲットを計測する方法が開示されている。この方法では、ターゲットに対する蛍光分子の付加、及びDNAチップの洗浄(捕集されていないターゲット等を除去するための洗浄)を行うことなくターゲットを計測することが可能である。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
特許第5928906号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
ところで、核酸配列計測用デバイスでは、検出プローブが設けられたスポット(計測領域)から発せられる蛍光の光量(スポット光量)のばらつきが生ずることがある。例えば、製造ロット間、製造ロット内におけるデバイス間、デバイス内におけるブロック(複数のスポットを単位とした区画領域)間、ブロック内におけるスポット間でスポット光量のばらつきが生ずることがある。
【0006】
このようなスポット光量のばらつきがあると、検出感度が低下したり、偽陽性又は偽陰性の発生によって信頼性が低下したりする可能性が考えられる。また、核酸配列計測用デバイスのスポット光量は、経時変化することもある。このようなスポット光量の変化によっても、偽陽性又は偽陰性の発生によって信頼性が低下する可能性が考えられる。
【0007】
本発明は、上記事情に鑑みてなされたものであり、スポット光量のばらつき又は経時変化があったとしても、従来よりも高い信頼性をもってターゲットを計測することができる核酸配列計測装置、核酸配列計測方法、核酸配列計測プログラム、及び核酸配列計測用デバイスを提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0008】
上記課題を解決するために、本発明の第1の態様による核酸配列計測装置は、サンプルに含まれる特定の核酸配列を有するターゲット(TG)を計測する核酸配列計測装置(1)において、前記ターゲットとの反応によって第1蛍光を発する計測領域(SP1)と、前記ターゲットとの反応にかかわらず第2蛍光を発する参照領域(SP2)とが設けられた核酸配列計測用デバイス(DV)から発せられる蛍光を検出する検出部(12)と、前記検出部で検出された蛍光のうち、前記計測領域から発せられた前記第1蛍光の光量を、前記参照領域から発せられた前記第2蛍光の光量を用いて補正又は規格化した光量に基づいて前記ターゲットを計測する演算部(25)と、を備える。
【0009】
本発明の第2の態様による核酸配列計測装置は、本発明の第1の態様による核酸配列計測装置において、前記核酸配列計測用デバイスには、複数の前記計測領域と複数の前記参照領域とが設けられており、前記演算部が、複数の前記計測領域から発せられた前記第1蛍光の光量の空間分布を、複数の前記参照領域から発せられた前記第2蛍光の光量を用いて補正又は規格化する。
【0010】
本発明の第3の態様による核酸配列計測装置は、本発明の第2の態様による核酸配列計測装置において、前記演算部が、複数の前記参照領域のうちの任意の2つ以上の前記参照領域から発せられた前記第2蛍光の光量から、前記任意の2つ以上の前記参照領域を通る直線(LN2)に沿った前記第2蛍光の光量変化を示す係数を求め、前記直線上に位置する前記計測領域から発せられた前記第1蛍光の光量の空間分布を、前記係数を用いて補正する。
本発明の第4の態様による核酸配列計測装置は、本発明の第3の態様による核酸配列計測装置において、前記係数が、前記直線に沿った前記第2蛍光の光量の変化率を示す係数、又は前記直線に沿った前記第2蛍光の光量の多重回帰分析若しくは多変量解析に基づく係数である。
(【0011】以降は省略されています)

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