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公開番号2024146185
公報種別公開特許公報(A)
公開日2024-10-15
出願番号2023058934
出願日2023-03-31
発明の名称絶縁電線、自動車用ワイヤハーネス、及び樹脂組成物、
出願人古河電気工業株式会社,古河AS株式会社
代理人弁理士法人クオリオ,個人,個人
主分類H01B 7/02 20060101AFI20241004BHJP(基本的電気素子)
要約【課題】
柔軟性と耐摩耗性とを共に高いレベルで達成できる絶縁電線、該絶縁電線を有する自動車用ワイヤハーネス、及び該絶縁電線の製造に用いる樹脂組成物を提供する。
【解決手段】
導体と、該導体の外周を覆う絶縁樹脂層からなる絶縁電線であって、
前記導体の断面積が19.5mm2以上であり、
前記絶縁樹脂層が、ベース樹脂として密度が0.857~0.908g/cm3のポリエチレン樹脂又はエチレン・α-オレフィン共重合体の架橋体を含有し、
前記導体の外径に対する前記絶縁樹脂層の外径の比の値[絶縁樹脂層外径/導体外径]が、1.10以上1.40以下であり、かつ前記絶縁樹脂層の厚さが0.7~2.0mmである、絶縁電線。
【選択図】図1
特許請求の範囲【請求項1】
導体と、該導体の外周を覆う絶縁樹脂層からなる絶縁電線であって、
前記導体の断面積が19.5mm

以上であり、
前記絶縁樹脂層が、ベース樹脂として密度が0.857~0.908g/cm

のポリエチレン樹脂又はエチレン・α-オレフィン共重合体の架橋体を含有し、
前記導体の外径に対する前記絶縁樹脂層の外径の比の値[絶縁樹脂層外径/導体外径]が、1.10以上1.40以下であり、かつ前記絶縁樹脂層の厚さが0.7~2.0mmである、絶縁電線。
続きを表示(約 380 文字)【請求項2】
前記導体の断面積が30mm

以上である、請求項1に記載の絶縁電線。
【請求項3】
前記導体の外径に対する前記絶縁樹脂層の外径の比の値[絶縁樹脂層外径/導体外径]が、1.10以上1.30以下である、請求項1に記載の絶縁電線。
【請求項4】
請求項1~3のいずれか1項に記載の絶縁電線を有する、自動車用ワイヤハーネス。
【請求項5】
絶縁電線を構成する絶縁樹脂層の形成に用いるための樹脂組成物であって、
前記絶縁電線が、絶縁電線の導体の断面積が19.5mm

以上であり、
前記樹脂組成物が、ベース樹脂として密度0.857~0.908g/cm

のポリエチレン樹脂又はエチレン・α-オレフィン共重合体を含有する、樹脂組成物。

発明の詳細な説明【技術分野】
【0001】
本発明は、絶縁電線、自動車用ワイヤハーネス、及び樹脂組成物に関する。
続きを表示(約 2,400 文字)【背景技術】
【0002】
近年のハイブリッド車等の開発の進展に伴い、自動車等に用いられる絶縁電線には従来にも増して、可撓性、硬度、架橋度、耐摩耗性、難燃性、耐寒性及び耐熱性等において優れた特性が要求されるようになっている。これまでに、導体の被覆材として用いることにより難燃性や耐熱性、柔軟性(可とう性)、機械特性を備えた絶縁電線を実現する樹脂組成物が検討され、多くの報告がなされている。このような所望の特性を有する絶縁電線を構成する樹脂組成物として、例えば、特定種のポリエチレンやエチレン-酢酸ビニル共重合体といった樹脂が広く用いられている。
【0003】
ハイブリッド自動車や電気自動車内のモータやインバータ等に用いられる高圧ケーブルは、大電流に対応する観点からいわゆる太径電線が用いられている。狭いスペース内で太径電線を小さな曲げ半径で配線する必要があるため、太径電線の絶縁樹脂層(絶縁樹脂)には高度な柔軟性が求められる。
例えば特許文献1には、素線径が0.15mm以上0.5mm以下の素線からなり断面積が20mm

以上の導体の外周を、難燃剤を含む絶縁樹脂で被覆した電気ケーブルであって、電気ケーブル径/導体径が1.15以上1.40以下であり、前記絶縁樹脂のセカントモジュラスが10MPa以上50MPa以下であることを特徴とする電気ケーブルが記載されている。特許文献1記載の技術では、樹脂材料としてエチレン-酢酸ビニル共重合体(EVA)やエチレン-エチレンアクリレート共重合体(EEA)等の共重合体を用い、また必要によりゴムを添加した絶縁樹脂が用いられ、従来にない柔軟性を確保することができ、狭いスペース内での配線作業(取り回し)を容易にし、曲げ半径の低減等による省スペース化を可能とできることが記載されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
特開2014-139932号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
太径電線を構成する絶縁樹脂層の柔軟性を向上させるには、例えば上記特許文献1に開示されているように、絶縁電線の絶縁樹脂にゴムを添加することが知られている。しかし、絶縁樹脂にゴムを添加すると耐摩耗性が低下するため、振動、揺動部位において被覆摩耗が生じ、絶縁破壊が発生しやすいという問題がある。絶縁破壊を防ぐためには一定程度、絶縁樹脂層を厚肉とすることが考えられる。しかし、絶縁樹脂層の厚肉化は絶縁電線の柔軟性を低下させる。このように、太径電線における絶縁性と柔軟性の両立を高いレベルで実現することは難しい。
【0006】
上記状況に鑑み、本発明は、柔軟性と耐摩耗性とを共に高いレベルで達成できる絶縁電線、及び該絶縁電線を有する自動車用ワイヤハーネスを提供することを課題とする。また本発明は、上記絶縁電線に柔軟性と耐摩耗性とを高いレベルで付与できる樹脂組成物を提供することを課題とする。
【課題を解決するための手段】
【0007】
本発明者らは、上記課題を解決すべく鋭意検討した結果、ベース樹脂として低密度のポリエチレン樹脂又はエチレン・α-オレフィン共重合体を有する樹脂組成物を、絶縁樹脂層の形成材料として用いることにより、得られる絶縁電線を、柔軟性と耐摩耗性との両立を高度なレベルで達成したものとできることを見出した。本発明は、これらの知見に基づきさらに検討を重ね、完成されるに至った。
【0008】
すなわち、上記の課題は、以下の手段により解決された。
<1>
導体と、該導体の外周を覆う絶縁樹脂層からなる絶縁電線であって、
前記導体の断面積が19.5mm

以上であり、
前記絶縁樹脂層が、ベース樹脂として密度が0.857~0.908g/cm

のポリエチレン樹脂又はエチレン・α-オレフィン共重合体の架橋体を含有し、
前記導体の外径に対する前記絶縁樹脂層の外径の比の値[絶縁樹脂層外径/導体外径]が、1.10以上1.40以下であり、かつ前記絶縁樹脂層の厚さが0.7~2.0mmである、絶縁電線。
<2>
前記導体の断面積が30mm

以上である、前記<1>に記載の絶縁電線。
<3>
前記導体の外径に対する前記絶縁樹脂層の外径の比の値[絶縁樹脂層外径/導体外径]が、1.10以上1.30以下である、前記<1>又は<2>に記載の絶縁電線。
<4>
前記<1>~<3>のいずれかに記載の絶縁電線を有する、自動車用ワイヤハーネス。
<5>
絶縁電線を構成する絶縁樹脂層の形成に用いるための樹脂組成物であって、
前記絶縁電線が、絶縁電線の導体の断面積が19.5mm

以上であり、
前記樹脂組成物が、ベース樹脂として密度0.857~0.908g/cm

のポリエチレン樹脂又はエチレン・α-オレフィン共重合体を含有する、樹脂組成物。
【0009】
本発明において、「~」を用いて表される数値範囲は、その前後に記載される数値を下限値及び上限値として含む範囲を意味する。
【発明の効果】
【0010】
本発明の絶縁電線は、柔軟性に優れ、さらに耐摩耗性に優れる。また本発明の自動車用ワイヤハーネスは、自動車用ワイヤハーネスを構成する絶縁電線が、柔軟性に優れ、さらに耐摩耗性にも優れる。さらに本発明の樹脂組成物は、本発明の絶縁電線に好適に用いることができる。
【図面の簡単な説明】
(【0011】以降は省略されています)

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