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公開番号2024145687
公報種別公開特許公報(A)
公開日2024-10-15
出願番号2023058142
出願日2023-03-31
発明の名称金属含有試料の解析方法
出願人住友金属鉱山株式会社
代理人個人,個人
主分類G01N 23/046 20180101AFI20241004BHJP(測定;試験)
要約【課題】金属含有試料に含まれる金属粒子の情報を精度よく、かつ効率よく解析する。
【解決手段】金属含有試料を準備する準備工程と、金属含有試料について、X線CT装置を用いて、撮影距離を変えて異なる複数の試料量で撮像し、撮影距離に応じて異なる撮影視野を有する複数のCT画像を取得する画像取得工程と、複数のCT画像のそれぞれから、複数の粒度分布を取得する解析工程と、複数の粒度分布を規格化し、複数の規格化粒度分布を取得する規格化工程と、2つの規格化粒度分布を比較し、金属粒子の個数が相関する粒径の閾値を設定し、一方の規格化粒度分布のうち閾値未満を抽出するとともに、他方の規格化粒度分布のうち閾値以上を抽出することを、複数の規格化粒度分布のそれぞれについて行う抽出・統合工程と、抽出された規格化粒度分布に基づき、金属含有試料に含まれる金属粒子を評価する評価工程と、を有する、金属含有試料の解析方法である。
【選択図】図1
特許請求の範囲【請求項1】
金属粒子が非金属物質中に存在して構成される金属含有試料を準備する準備工程と、
前記金属含有試料について、X線CT装置を用いて、X線発生源から前記金属含有試料までの撮影距離を変えて、異なる複数の試料量で撮像し、前記撮影距離に応じて異なる撮影視野を有する複数のCT画像を取得する画像取得工程と、
複数の前記CT画像のそれぞれから、前記金属含有試料に含まれる前記金属粒子の粒径と個数との関係を示す複数の粒度分布を取得する解析工程と、
複数の前記粒度分布を、前記CT画像を取得する際の撮影距離に応じて変化する試料量で規格化し、複数の規格化粒度分布を取得する規格化工程と、
所定の撮影距離で取得された1つの規格化粒度分布と、それよりも撮影距離の長い他の規格化粒度分布とを比較し、前記金属粒子の個数が相関する粒径の閾値を設定し、前記1つの規格化粒度分布のうち前記閾値未満の規格化粒度分布を抽出するとともに、前記他の規格化粒度分布のうち前記閾値以上の規格化粒度分布を抽出することを、複数の前記規格化粒度分布のそれぞれについて行う抽出・統合工程と、
前記抽出された規格化粒度分布に基づき、前記金属含有試料に含まれる前記金属粒子を評価する評価工程と、を有する、
金属含有試料の解析方法。
続きを表示(約 520 文字)【請求項2】
前記抽出・統合工程では、前記閾値を、前記他の規格化粒度分布を取得する際の撮影距離に応じた分解能の3倍以上の範囲から設定する、
請求項1に記載の金属含有試料の解析方法。
【請求項3】
前記抽出・統合工程では、前記1つの規格化粒度分布と前記他の規格化粒度分布との前記個数の比率が0.5倍以上1.5倍以下となる粒径の範囲から前記閾値を設定する、
請求項1に記載の金属含有試料の解析方法。
【請求項4】
前記画像取得工程では、前記撮影距離の近い2つの前記試料量の比率について、比較的長い撮影距離の試料量を比較的短い撮影距離の試料量の3倍以上100倍以下とする、
請求項1から請求項3のいずれか1つに記載の金属含有試料の解析方法。
【請求項5】
前記規格化工程では、最大の撮影距離で撮像されるCT画像における試料量をA、その他の撮影距離で撮像されるCT画像における試料量をBとしたとき、前記その他の撮影距離で取得される粒度分布について、前記個数をA/B倍することで規格化する、
請求項1から請求項3のいずれか1つに記載の金属含有試料の解析方法。

発明の詳細な説明【技術分野】
【0001】
本発明は、金属含有試料の解析方法に関する。
続きを表示(約 2,000 文字)【背景技術】
【0002】
金属含有試料として、例えばサプロライト等のNi酸化鉱石を還元処理して、Fe-Ni合金を製錬する際に得られる還元処理産物がある。この還元処理産物には、Fe-Ni合金などのメタル(金属粒子)やスラグ(非金属物質)が含まれ、メタルは微細な粒子としてスラグ中に点在している。
【0003】
スラグ中に点在する微細な金属粒子を回収するに当たっては、製錬効率を向上すべく、スラグ中に点在する微細な金属粒子を集合させて大きくすることが望ましい。そこで、金属含有試料に含まれる金属粒子の大きさ、形状、分布状態、存在割合等の情報を得ることが有用である。金属成分の割合を測定する方法として、例えば鉱物自動分析装置(いわゆるMLA)とX線CT装置を用いて粒子の体積、粒子の球相当径、粒子の球形度などの形状パラメータを分析する方法が提案されている(例えば特許文献1)。また例えば、金属含有試料について化学分析を行うことにより、金属成分の含有率を測定する方法もある。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
特開2020-34372号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
上述したMLAおよびX線CT装置を併用する方法では、MLAで同定された鉱物種データとX線CT測定における輝度データを紐付けることにより、X線CT測定によって試料中の特定の鉱物種の粒子の体積、粒子の球相当径、粒子の球形度などの情報を得ることができる。化学分析を採用した方法では、金属の含有率を測定することはできるが、金属粒子の大きさ、形状、分布状態等の情報を得ることはできない。そこで、金属含有試料に含まれる金属粒子の大きさ、形状、分布状態、存在割合等の情報を収集するに当たって、上述したMLAおよびX線CT装置を併用する方法を適用することができる。
【0006】
しかしながら、X線CT測定では、微細な金属粒子が含まれている場合、分解能もしくは画素サイズによって微細な金属粒子を精度よく検出できないことがある。また、個数は僅かであるが粗大な金属粒子が含まれている場合、試料量やサンプリング精度によっては、体積比率等の存在割合を示す数値が、大きくバラつくことになる。つまり、X線CT測定では、検出可能な粒子径を小さくすることやバラつきを減少させること、といった点で課題があった。そのため、金属含有試料における金属粒子の情報、例えば大きさ、形状、数量、分布状態等の形状や数量や位置などを精度よく、かつ効率よく解析できないことがあった。
【0007】
本発明は、上記課題に鑑みてなされたものであり、金属含有試料に含まれる金属粒子の情報を精度よく、かつ効率よく解析する技術を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0008】
本発明の第1の態様は、
金属粒子が非金属物質中に存在して構成される金属含有試料を準備する準備工程と、
前記金属含有試料について、X線CT装置を用いて、X線発生源から前記金属含有試料までの撮影距離を変えて、異なる複数の試料量で撮像し、前記撮影距離に応じて異なる撮影視野を有する複数のCT画像を取得する画像取得工程と、
複数の前記CT画像のそれぞれから、前記金属含有試料に含まれる前記金属粒子の粒径と個数との関係を示す複数の粒度分布を取得する解析工程と、
複数の前記粒度分布を、前記CT画像を取得する際の撮影距離に応じて変化する試料量で規格化し、複数の規格化粒度分布を取得する規格化工程と、
所定の撮影距離で取得された1つの規格化粒度分布と、それよりも撮影距離の長い他の規格化粒度分布とを比較し、前記金属粒子の個数が相関する粒径の閾値を設定し、前記1つの規格化粒度分布のうち前記閾値未満の規格化粒度分布を抽出するとともに、前記他の規格化粒度分布のうち前記閾値以上の規格化粒度分布を抽出することを、複数の前記規格化粒度分布のそれぞれについて行う抽出・統合工程と、
前記抽出された規格化粒度分布に基づき、前記金属含有試料に含まれる前記金属粒子を評価する評価工程と、を有する、
金属含有試料の解析方法が提供される。
【0009】
本発明の第2の態様は、第1の態様において、
前記抽出・統合工程では、前記閾値を、前記他の規格化粒度分布を取得する際の撮影距離に応じた分解能の3倍以上の範囲から設定する。
【0010】
本発明の第3の態様は、第1の態様において、
前記抽出・統合工程では、前記1つの規格化粒度分布と前記他の規格化粒度分布との前記個数の比率が0.5倍以上1.5倍以下となる粒径の範囲から前記閾値を設定する。
(【0011】以降は省略されています)

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