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公開番号2024136535
公報種別公開特許公報(A)
公開日2024-10-04
出願番号2023047679
出願日2023-03-24
発明の名称ガスセンサ素子
出願人日本碍子株式会社
代理人個人
主分類G01N 27/409 20060101AFI20240927BHJP(測定;試験)
要約【課題】素子基体の内部空間に設けられる拡散律速部に係る工夫と両立可能な方法によって、測定空間における脈動の、前記内部空間における被測定ガスの圧力への影響を抑制する。
【解決手段】本発明の一側面に係るガスセンサ素子は、素子基体のガス導入口が開口している面に接して、少なくとも前記ガス導入口を覆う導入口保護層を備え、前記導入口保護層の厚みは、100μm以上である。
【選択図】図1
特許請求の範囲【請求項1】
表面に開口したガス導入口から被測定ガスが内部空間へと導入される素子基体と、
前記素子基体の前記ガス導入口が開口している面に接して、少なくとも前記ガス導入口を覆う導入口保護層と、
前記導入口保護層と、前記素子基体の、少なくとも前記ガス導入口が開口している面以外の面と、に接して、前記素子基体の、前記ガス導入口が開口している側の所定範囲を覆う周囲保護層と、
を備え、
前記導入口保護層および前記周囲保護層は、それぞれ、多孔質体からなり、
前記導入口保護層の気孔率よりも、前記周囲保護層の気孔率の方が高く、
前記導入口保護層の厚みは、100μm以上である、
ガスセンサ素子。
続きを表示(約 660 文字)【請求項2】
前記周囲保護層の厚みは、前記導入口保護層の厚み以上である、
請求項1に記載のガスセンサ素子。
【請求項3】
前記導入口保護層および前記周囲保護層よりも外側に配置され、少なくとも前記周囲保護層に接する外側保護層をさらに備え、
前記導入口保護層の気孔率は、前記外側保護層の気孔率以上である、
請求項1または2に記載のガスセンサ素子。
【請求項4】
前記導入口保護層の気孔率は、10%以上である、
請求項1または2に記載のガスセンサ素子。
【請求項5】
前記導入口保護層の気孔率は、45%以下である、
請求項1または2に記載のガスセンサ素子。
【請求項6】
前記導入口保護層の厚みは、900μm以下である、
請求項1または2に記載のガスセンサ素子。
【請求項7】
前記周囲保護層の気孔率は、35%以上である、
請求項1または2に記載のガスセンサ素子。
【請求項8】
前記周囲保護層の気孔率は、70%以下である、
請求項1または2に記載のガスセンサ素子。
【請求項9】
前記周囲保護層の厚みは、200μm以上である、
請求項1または2に記載のガスセンサ素子。
【請求項10】
前記周囲保護層の厚みは、900μm以下である、
請求項1または2に記載のガスセンサ素子。
(【請求項11】以降は省略されています)

発明の詳細な説明【技術分野】
【0001】
本発明は、ガスセンサ素子に関する。
続きを表示(約 2,200 文字)【背景技術】
【0002】
従来、自動車の排気ガス等の被測定ガスにおける酸素やNO
x
などの特定ガスの濃度を検出するガスセンサ素子について、表面に開口したガス導入口から被測定ガスが内部空間へと導入される素子基体を備えるガスセンサ素子が知られている。
【0003】
ここで、上述のガスセンサ素子を備えるガスセンサが配置される排気管などの測定空間における被測定ガスの圧力の急激な変動に合わせて、素子基体の内部空間へと導入される被測定ガスの圧力までもが急激に変動してしまうと、以下の問題が発生する。すなわち、ガスセンサ素子のセンサ出力(センサ信号)が、素子基体の内部空間における被測定ガスの圧力変動に影響を受けて変動してしまい、ガスセンサが特定ガスの濃度を精緻に測定できなくなる可能性がある。なお、ガスセンサが配置される排気管などの測定空間における被測定ガスの圧力の変動は「脈動」とも呼ばれる。上述のとおり、排気管などの測定空間における脈動によって、素子基体の内部空間における被測定ガスの圧力が変動すると、特定ガスの濃度の精緻な測定が困難となり得るため、係る脈動の影響を抑制するための様々な試みがなされている。例えば、下掲の特許文献1には、以下の構成を備えることで、被測定ガス中に発生する排気圧の脈動の影響を回避して、測定電極(検出電極)での測定精度の向上を実現するガスセンサが開示されている。すなわち、ガス導入口と、係るガス導入口を介して取り込まれた被測定ガスが導入される内部空所との間に、ガスセンサ素子の長辺方向に並ぶ2つの拡散律速部を形成し、各拡散律速部の開口のサイズを調整したガスセンサ素子が開示されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
特開2022-059942号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
本件発明者らは、表面に開口したガス導入口から被測定ガスが内部空間へと導入される素子基体を備えるガスセンサ素子について、脈動の、素子基体の内部空間における被測定ガスの圧力への影響を抑制する方法をさらに検討した。特に、本件発明者らは、素子基体の内部空間に設けられる拡散律速部に係る工夫と両立可能な方法によって、脈動の、前記内部空間における被測定ガスの圧力への影響を抑制する方法をさらに検討した。その結果、本件発明者らは、少なくともガス導入口を覆う保護層を、素子基体の表面に設けることによっても、前記脈動の、前記内部空間における被測定ガスの圧力への影響を抑制できることを確認した。
【0006】
本発明は、一側面では、このような事情を鑑みてなされたものであり、その目的は、素子基体の内部空間に設けられる拡散律速部に係る工夫と両立可能な方法によって、測定空間における脈動の、前記内部空間における被測定ガスの圧力への影響を抑制したガスセンサ素子を提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0007】
本発明は、上述した課題を解決するために、以下の構成を採用する。
【0008】
第1の観点に係るガスセンサ素子は、表面に開口したガス導入口から被測定ガスが内部空間へと導入される素子基体と、前記素子基体の前記ガス導入口が開口している面に接して、少なくとも前記ガス導入口を覆う導入口保護層と、前記導入口保護層と、前記素子基体の、少なくとも前記ガス導入口が開口している面以外の面と、に接して、前記素子基体の、前記ガス導入口が開口している側の所定範囲を覆う周囲保護層と、を備え、前記導入口保護層および前記周囲保護層は、それぞれ、多孔質体からなり、前記導入口保護層の気孔率よりも、前記周囲保護層の気孔率の方が高く、前記導入口保護層の厚みは、100μm以上である。
【0009】
当該構成では、前記ガスセンサ素子は、前記素子基体の前記ガス導入口が開口している面に接して、少なくとも前記ガス導入口を覆う前記導入口保護層と、前記周囲保護層と、を備える。そして、前記ガスセンサ素子において、前記導入口保護層および前記周囲保護層は、それぞれ、多孔質体からなり、前記導入口保護層の気孔率よりも、前記周囲保護層の気孔率の方が高く、前記導入口保護層の厚みは、100μm以上である。
【0010】
本件発明者らは、前記内部空間内での工夫と両立可能な方法によって、測定空間における脈動の、前記内部空間における被測定ガスの圧力への影響を抑制する方法を検討した。その結果、本件発明者らは、少なくとも前記ガス導入口を覆う保護層を、素子基体の表面に設けることによっても、前記脈動の、前記内部空間における被測定ガスの圧力への影響を抑制できることを確認した。そして、本件発明者らは、前記素子基体の前記ガス導入口が開口している面に接して、少なくとも前記ガス導入口を覆う前記導入口保護層によって、前記脈動の影響を抑制できることを確認した。したがって、前記ガスセンサ素子は、前記導入口保護層によって、前記脈動の影響を抑制することができ、特に、前記内部空間内での工夫と両立可能な前記導入口保護層によって、前記脈動の影響を抑制することができるとの効果を奏する。
(【0011】以降は省略されています)

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