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公開番号
2024134664
公報種別
公開特許公報(A)
公開日
2024-10-04
出願番号
2023044976
出願日
2023-03-22
発明の名称
肌状態推定方法
出願人
株式会社ナリス化粧品
代理人
主分類
G01N
33/50 20060101AFI20240927BHJP(測定;試験)
要約
【課題】本発明の課題は、低侵襲的に採取・利用できる評価対象者の肌表面の角層細胞を利用して、評価対象領域内の肌状態を簡易的に推定し、該領域内の肌状態の分布や、肌年齢の推定をすることである。
【解決手段】評価対象者の肌表面からテープストリッピングすることにより簡易的に採取した角層細胞の輪郭特徴量を角層細胞の位置情報と併せて評価し、輪郭特徴量毎に有する肌状態との相関性と照らし合わせることや、理想的な輪郭特徴量との差異を比較することで本発明を完成した。
【効果】本発明により、評価対象者の肌表面から低侵襲で簡易的に採取可能な角層細胞を用い、角層細胞の輪郭特徴量を角層細胞の位置情報と併せて解析することで、簡易的に評価対象領域内の肌年齢の推定や、該領域内の肌状態の分布を推定する方法を提供できる。
【選択図】図5
特許請求の範囲
【請求項1】
評価対象者の評価対象領域の肌から位置情報を把握できる状態で角層細胞を採取する工程と、
角層細胞の位置毎の輪郭特徴量を評価する工程と、
輪郭特徴量との関連が知られる肌状態を、輪郭特徴量の評価結果と対比する工程を含む、
肌状態の分布を推定する方法。
続きを表示(約 670 文字)
【請求項2】
評価対象者の評価対象領域の肌から位置情報を把握できる状態で角層細胞を採取する工程と、
角層細胞の位置毎の輪郭特徴量を評価する工程と、
輪郭特徴量との関連が知られる肌状態を、輪郭特徴量の評価結果と対比する工程と、
評価対象領域内の肌状態の分布をマップとして可視化する工程を含む、
肌状態の分布を推定して俯瞰する方法。
【請求項3】
評価対象者の評価対象領域の肌から位置情報を把握できる状態で角層細胞を採取する工程と、
角層細胞の位置毎の輪郭特徴量を評価する工程と、
あらかじめ明らかにした角層細胞の輪郭特徴量と年齢との関係に基づいて、全評価位置における角層細胞の輪郭特徴量の合計値または平均値が理想値から離れるほど評価対象領域の肌年齢が高いと判断する工程を含む、
評価対象者の肌年齢の推定方法。
【請求項4】
角層細胞の輪郭特徴量が、
角層細胞の径特徴量、外形特徴量、重なり特徴量、および径特徴量・外形特徴量・重なり特徴量それぞれの不揃い度特徴量から選ばれる特徴量の1種以上より得られる評価値である、請求項1~2のいずれか一項に記載の方法。
【請求項5】
角層細胞の輪郭特徴量が、
角層細胞の長径、短径、円形率、真円率、正六角形率、重なり距離、重なり面積、重なり率、重心間距離、および、これらいずれかのばらつきから選ばれる特徴量の1種以上より得られる評価値である、請求項1~2のいずれか一項に記載の方法。
発明の詳細な説明
【技術分野】
【0001】
本発明は、角層細胞を分析することで肌状態を推定する技術に関する。
続きを表示(約 2,100 文字)
【背景技術】
【0002】
肌(皮膚)は人体が外気と接する表層から順に表皮、真皮、皮下組織の3層から構成されている。表皮は、ケラチノサイト(角化細胞)という細胞からなり、真皮に近い深部から基底層、有棘層、顆粒層、角層(角質層)にさらに分類される。表皮では分裂と分化によりケラチノサイトが基底層から角層に向けて押し上げられながら角層細胞になり、角層最表層ではいわゆる垢として剥がれ落ちる。
【0003】
角層は、肌の最表面に存在し、低侵襲的に測定が可能となることから、これまでも肌状態の推定において、利用が検討されてきた。特に、角層細胞の輪郭特徴量を利用することで、様々な肌状態を推定することが可能となっている(特許文献1)。また、角層細胞の採取に関しては、テープで部分的に採取することが一般的だが、大きなテープを使い、顔の広範囲から角層細胞を採取し、分析する手法も提案されている(特許文献2、特許文献3)。
【0004】
また、自分の肌状態を評価・推定し、把握することは、スキンケア手法の選択等において重要である。これまで肌状態を簡易的に評価・推定する上では、例えば全顔を評価対象領域とする場合、主に頬など、限られた領域の評価結果を代表値として評価対象領域の肌状態を評価していたが、実際には肌の位置毎に肌状態に違いがあり、限られた領域の評価結果に基づき広範囲の肌状態を推定することは難しい。例えば、全顔の画像を取得し、画像情報から肌状態を推定する手法もあるが、光があたる向きや強さなどによって推定結果が左右されるなど、課題もあり、特別な設備や機器なしに広範囲の肌状態を簡易的に推定するのはこれまで困難であった。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
特願2022-143364号
特開2021-71454号公報
特開2021-71455号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
本発明の課題は、低侵襲的に採取・利用できる評価対象者の肌表面の角層細胞を利用して、評価対象領域内の肌状態を簡易的に推定し、該領域内の肌状態の分布や、肌年齢の推定をすることである。
【課題を解決するための手段】
【0007】
本発明者らは、鋭意検討した結果、評価対象者の肌表面からテープストリッピングすることにより採取した角層細胞の輪郭特徴量を角層細胞の位置情報と併せて評価し、輪郭特徴量毎に有する肌状態との相関性と照らし合わせることや、理想的な輪郭特徴量との差異を比較することで本発明を完成した。
【発明の効果】
【0008】
本発明により、評価対象者の肌表面から低侵襲的に採取可能な角層細胞を用い、角層細胞の輪郭特徴量を角層細胞の位置情報と併せて解析することで、簡易的に評価対象領域内の肌年齢の推定や、該領域内の肌状態の分布を推定する方法を提供でき、例えば、評価対象者の手元に専用の機器がなくとも、自宅でテープを評価対象領域内に貼ることで採取した角層細胞を解析機関に送るだけで各種の肌状態の推定が可能になる。さらに、推定結果をマップとして可視化し、俯瞰することで、評価対象領域内の広範な結果を誰でも視覚的に容易に理解でき、評価対象領域内の実際の肌の状態や画像情報など、二次元情報と容易に対比することが可能となる。具体的には、評価対象者が結果を容易に理解し、自身の肌状態を把握できたり、評価対象者の肌の画像などの情報と、出力されたマップを見比べることで、どのような状態の肌がどのように推定されたかの確認や、推定結果と肌状態との新たな関連性の発見につながるといった利点が考えられる。
【図面の簡単な説明】
【0009】
角層細胞の長径と短径を算出する方法に関する図である。
角層細胞の正六角形率を算出する方法に関する図である。
角層細胞の重なり距離を算出する方法に関する図である。
角層細胞の重なり面積と重なり率を算出する方法に関する図である。
角層細胞の円形率のマッピング例に関する図である。
経皮水分蒸散量のマッピング例に関する図である。
残差平方和半顔平均が加齢に伴い増加することを示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0010】
角層細胞の輪郭情報から得られる特徴量である輪郭特徴量と、肌状態特徴量(肌状態)との関連性を調査したところ、角層細胞の輪郭特徴量毎に、肌状態特徴量との特有の相関を示し、角層細胞の輪郭特徴量と肌状態特徴量には密接な関係があることが明らかとなった(特願2022-143364)。これらの見出した関係性を利用し、評価対象領域内の角層細胞の輪郭特徴量を解析することで、評価対象領域内の肌状態の分布を推定して俯瞰することが可能となる。
(【0011】以降は省略されています)
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